とと姉ちゃん 7週37話のネタバレと感想
NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」7週37話のあらすじネタバレと感想です。
まずは6週36話の振り返りを少し。
危うく川で溺れかけた美子を必死の思いで助けた常子は、ひとまず青柳の家でお風呂を貰い、冷えた体を温めます。
人心地ついた常子が君子や隈井たちと談笑していると、美子が部屋の隅から百人一首を引っ張り出してきました。
竹蔵との思い出を懐かしそうに振り返り、君子が自分の名前の由来になった歌を美子に教えていると、「残念ですが・・・その歌じゃ・・ねえんですよ」隈井が意外なことを言い出しました。
そして君子は、初めて母・滝子が自分の名前に込めた願いを知り、ようやく本当の和解が実現するのでした。
―――竹蔵を亡くしてから波乱万丈だった一家の生活もようやく落ち着き、常子の少女時代は終わりを告げようとしていました。
とと姉ちゃん 7週37話のあらすじネタバレ
穏やかな時間、卒業を控える常子は・・・
常子の家族を想う強い気持ちが、君子と滝子の心を揺り動かし、無事和解することが出来たのでした。
昭和十一年・春、常子は女学校の最終学年、五年生になりました。
「・・・いってきまーす」竹蔵の写真に向かって朝の挨拶を済ませると、部屋を出た常子は階段を小走りに駆け下り、仕込中の森田屋の人々に声を掛け、玄関の引き戸をガラッと開きます。
「・・・もう、とと姉ちゃん遅い!」鞠子と美子が焦れた様子で待っていました。
教科書忘れてない?弁当は?ハンケチ忘れてない?おっちょこちょいな常子に、次々と皆が声を掛けてきます。
「筆入れは?」振り返るとそこには滝子の姿が。
おはようさん・・君子や三姉妹に穏やかに声を掛けると、ようやく新調した常子の制服に目が行きます。
滝子の援助のおかげと感謝する常子に、「馬子にも衣装とはよく言ったもんだね・・」とからかう滝子。
「・・・私、そんなに?」自身が揺らぎかける常子を見て、大笑いする一同。
ひとしきり笑った後、常子たちは滝子に促され学校へ急ぎます。
そして、君子と滝子は今までの時間を取り戻すかの様に、平穏な日々を過ごしていました。
「この前お見合いした方、いい方だったんだけど・・お母様が厳しくてね・・・」常子のクラスメートたちはお見合いの話題で持ち切り。
ほとんどの女学生が卒業と同時に嫁入りするなか、常子はわずかな職業婦人の求人情報を集めていました。
「そんなにお安いの?全て男の人の半分以下じゃない・・」常子が集めた求人情報の切り抜きを見て、信じられないといった様子の綾。
仕方ないわ・・男の人とは違うもの・・・厳しい現実に常子も表情を曇らせます。
「これは!?タイピスト!」月給四〇圓という、他よりも好条件の求人に目が留まる綾ですが・・・
「駄目よ、それは枠が埋まっちゃってるから」タイピストの推薦枠は既に決まっていたのでした。
常子さんも・・・お見合いでもなさったら?綾は職業婦人への道が意外に険しいことを知り、結婚を勧めてみます。
しかし、常子は何とか仕事を見つけて、みんなの食い扶持を稼がなくてはなりません。
「うーん・・どうしたもんじゃろのうー」思わず唸る常子。
とその時、「いらしたわ・・新しい先生」誰かが声を上げました。
お嬢様育ちで考えが少々ずれている綾は、職業婦人が難しければお見合いでも・・と気楽なもの。
滝子から再び学費を援助してもらえることになり、制服も新調することが出来た常子ですが、卒業後は出来るだけ自立していきたいと考えているのでしょう。
「家族を守る」、「鞠子 美子を嫁に出す」、「家を建てる」という常子の三つの目標。
特に、将来自分たちの家を建てることを考えると、しっかりした仕事を探さなくてはなりません。
しかし、男の半分以下の給料では家を建てるなど到底望めません。
果たして常子の選択は・・・
東堂チヨとの出会い
授業開始の鐘が鳴っている中、廊下をつかつかと歩く一人の女性教師。
教室の扉をガラッと開けて、常子たちの新しい担任教師が入ってきました。
「・・・おはようございます」礼をして席に着いた生徒たちを、黙ってゆっくりと見回す新担任。
常子たちが不審そうに顔を見合わせていると、「・・・よろしい、ではみなさん」と言って一呼吸置くと、先ず床に座って下さい、と静かに命じました。
困惑する生徒たちに、「その場で胡坐をかいてください」とさらに要求する新担任。
そんなこと出来るわけないじゃない・・ざわつく生徒たちを見て、女性教師は自ら履物を脱ぐと、ためらうことなく床に胡坐をかいて座り込んでしまいました。
驚く生徒たち、目を閉じフーッと大きく息を吐く女性教師。
「・・あなたは、何故胡坐をかかなかったのですか?」目の前の生徒に尋ねます。
お行儀が悪いから・・当たり前のように答える生徒に対し、「・・あなたは、男性が胡坐をかいている姿を見てお行儀が悪いと思いますか?」重ねて尋ねてきます。
どうなるのか?一体何が言いたいのか?困惑の表情を浮かべる常子。
行儀が悪いとは一体誰が決めたのか、周囲の考える女性らしさについて疑ったことはあるのか?
誰でも出来ることを”女性だから”してはいけないと決めつけてはいないか、そう問いかける言葉に衝撃を受ける常子。
まさに常子は、”女だから”と最初から枠を作って仕事を選ぼうとしていたのでした。
「そのことを考えてほしくて、意地悪をしてしまいました」今日からは”女だから”と境界線を引かず、自分の気持ちに正直に挑戦していく毎日にしていきましょう、そう訴える女性教師。
「元始、女性は実に太陽であった・・・」呆気にとられたままの生徒たちをよそに、昂る気持ちが溢れだすかのように、唐突に語り始めました。
「・・・そう高らかに語った女性たちがいました。」この言葉の意味を皆さんと考えていけたらと思っています、そう締めくくると「五年二組の担任になります、東堂チヨです」と言って皆に頭を下げるのでした。
「何だか・・すごいわ」興味をそそられた綾が常子に話しかけます。
黙ってコクコクと頷く常子は、チヨをじっと見つめています。
「先生!」授業を終え、教室を出たチヨを呼び止める常子。
「今日の授業・・とても感銘を受けました!」些か興奮気味の常子を見て、それはよかった・・と満足げ。
常子が”女性は太陽”と言った人物について尋ねようとすると、「その名は!”平塚らいてう”」常子を遮り、待ってましたとばかりにチヨが答えます。
「ご興味がおありなら、らいてうが作った雑誌が一冊あります」お貸ししましょうか?そう尋ねるチヨに、是非!と言いかけますが常子は何かに思い当ったように、恐る恐る隣にいる綾の方を振り返ります。
「私は結構。気になさらないで」常子に気を使ってか、綾はいそいそとチヨの後をついていく常子を悪戯っぽい笑顔で見送るのでした。
常子の価値観を大きく揺さぶったチヨの一言。
片桐はいりさん演じる東堂チヨが、「元始、女性は実に太陽であった・・・」と語り始めるシーンのインパクトが強烈でしたね。
チヨの勢いに押され、常子が思わずビクッとなっていましたが、片桐さんの怪演に高畑充希さんが押し込まれたかのようでした。
実際に目の前であれだけの演説を見せられれば、心に迷いのある人間は価値観がひっくり返りそうですね。
そしてもう一つ気になるのは、チヨの演説に感銘を受けた常子を見送る綾の態度。
綾は将来、常子の雑誌作りを手伝うことになるようですが、インパクトある新任教師に感化された親友を、どんな思いで見ているのでしょうか。
綾もまた、態度に表さないだけでひそかにチヨに感化されつつあるのかもしれませんね。
鞠子のため息
―――元始、女性は実に太陽であった・・・
チヨから渡された平塚らいてうの雑誌『青鞜』に読み耽りながら、帰り道を一人で歩く常子。
忙しく行き交う木場の職人たちが、まるで目に入らないようです。
―――女性の為すことは、今はただ嘲りの笑いを招くばかりである・・・
森田屋の玄関をくぐり、『青鞜』に読み耽りながら二階の部屋へと歩いていきます。
照代や富江から声を掛けられても、まるで気づきません。
―――心の全てを尽くして、そして産みあげた子供がこの『青鞜』なのだ
机に向かい貪るように読み続けていると、いつの間にか辺りはすっかり暗くなっていました。
「常子ー!御飯よ・・降りてきなさい」階段の下から君子の声が響き、常子はようやく降りてきました。
もっとも、依然として『青鞜』に夢中で目が離せず、食卓についても周囲の声が耳の入ってないかのようです。
いつもと違う常子の様子に、森田屋の面々も呆気にとられています。
「常子、いつまで読んでいるの!いい加減に・・・」君子が言いかけたところで、パタンッと雑誌を閉じ、突然恍惚の笑みを浮かべる常子。
「・・あ!お待たせしてごめんなさい」常子がようやく我に返ると、一同は戸惑いつつも夕食を食べ始めました。
美味しそー・・ご機嫌でモグモグと夕食を頂く常子を見て、かえって皆心配しています。
勉強に目覚めたのか・・鞠子なら分かるけど・・慣れないことをしておかしくなったのか・・
―――こんな皆の戸惑いも、常子の耳にはまるで入っていませんでした
平塚らいてうを知り、常子は目に入るもの全てがこれまでと違って見え、太陽の光を浴びたような清々しい気持ちになっています。
「これでどうだ・・王手っと!」翌日、宗吉はいつものように隈井と将棋を指しています。
そこへ長谷川が「一杯ひっかけやすか?」と一升瓶を抱えてやって来ました。
気が利くじゃねえか・・仕事でもそうあってほしいもんだな・・軽口を叩く宗吉。
森田屋の中では、照代と富江がラジオを聞きながら黙々と作業中、まつは帳簿をつけています。
台所では、食事の準備をしている君子と常子を、美子がお手伝いしています。
「きっとつながっているな・・・」キャベツを切り終わった常子をからかう美子。
そんなはず・・と常子が笊に入れたキャベツを持ち上げると・・・「ほらね」美子の言うとおりでした。
いつも通りの日常が流れていく中、鞠子は一人机に向かっていました。
進学・・・ノートに書きかけた文字を鉛筆で真っ黒に塗りつぶすと、一つため息をつく鞠子。
畳の上に仰向けになり、ぼんやりと宙に目を泳がせています。
―――鞠子のこのため息が、常子の将来に大きく関わっていくことになるのでした
チヨに出会い、『青鞜』に書かれた平塚らいてうの言葉を貪るように読み込み、目の前の霧が晴れる思いの常子。
対して、どうやら進学について一人悩んでいる様子の鞠子。
学費については滝子から出してもらえるから心配ないはず、成績優秀な鞠子が悩んでいる事とは何なのでしょうか?
常子の将来にも大きく関わっていくとのことですが、一体何が・・・
それにしても雑誌を読み終わった常子の表情、何ともいえない幸せそうな雰囲気が漂ってきましたね。
その後、美味しそうに夕食を食べる常子も、森田屋の面々が思わず引いてしまうほどの幸せ感にあふれた豊かな表情でした。
常子役の高畑充希さんの魅力が、存分に表れていたと思います。
とと姉ちゃん7週37話の感想まとめ
これまで滝子やまつから仕事に対する厳しさ・責任感などを学んできた常子。
しかしそうは言っても、老舗の女将である二人の価値観は保守的なものです。
対して、新たに常子の担任となった東堂チヨは、革新的な思想の持ち主であり、その行動も型破り。
常子の心境にどんな変化が訪れるのか、滝子やまつはどんな反応を示すのか、古い価値観との衝突もあるかもしれません。
そして、鞠子は常子の変化を見て何を思うのか・・・新たな展開に期待したいと思います。
以上、とと姉ちゃん7週37話のあらすじネタバレと感想でした!