とと姉ちゃん 26週154話のネタバレと感想

とと姉ちゃん 154話 ネタバレ

NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」26週154話のあらすじネタバレと感想です。

まずは26週153話の振り返りを少し。

読者からの戦争体験談を募集してふた月がたった頃、一時退院の許可が下りた花山が突然会社に姿を現し、体調を気遣う常子たちは驚きを隠せません。

十箱に及ぶ投書の山を見た花山が、「ここにある全部を雑誌に載せたいくらいだな」ポツリと漏らすと、常子が不意に真剣な表情に変わり・・・

「だったらそうしましょう!」常子の提案で”あなたの暮し”まるまる一冊を使った戦争特集を組むことが決まり、編集作業に没頭する日々が始まります。

一方、花山は体調を崩し入退院を繰り返す事が多くなり、それでも原稿に赤ペンを入れる姿は生き生きとして、常子たちをホッとさせるのでした。

そして、八月十五日・・発売された最新号は大きな反響を呼び、”あなたの暮し”はついに百万部を超える発行部数を達成したのです。

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とと姉ちゃん 26週154話のあらすじネタバレ

花山に怒られる社員たち

―――”あなたの暮し”二世紀第三十二号・・戦争中の暮しを特集した最新号は、ついに、百万部を超える発行部数を達成しました

「ありがたいねえ・・我々の思いに共感してもらえた・・」常子たちから報告を受けた花山も、感慨深そうです。

その手には、”これこそ後世にまで残したい雑誌だ”と記された、特集に対する反響の手紙が。

「これでやっと、ゆっくり出来ますね」花山の満足気な様子を見た常子は、ホッとしたように話しかけますが・・・

「次号があるだろう・・準備を始めんと!」即座にそう答え、ゆっくり養生する気配など微塵もありません。

一方、常子と美子はニコリともせずじっと花山を見つめ、無言で翻意を迫ります。

が、「・・・安心しなさい・・決して無理はせんよ・・・」花山が冗談めかしてそう言うと、常子は思わず吹き出してしまうのでした。

―――昭和五十年一月・・次号の出版に向けて、編集部員たちは会社と花山家を行き来して仕事を進めていました

「花山さんに怒鳴られたんですね?」席に着くなり大きなため息をついた扇田を見て、美子が可笑しそうに尋ねました。

扇田だけでなく、島倉も「やり直せー!」と怒鳴られ、木立に至っては「辞めちまえー!」と怒鳴りつけられたとのこと。

他の社員も同様ですが、まるで自慢話でもするように、全員なんだか楽しそう。

「この会社入って、何回花山さんに怒鳴られたんだろう・・・」感傷的な気分に浸る扇田。

ちゃんと数を数えておけば・・扇田の言葉に美子が思わず吹き出します。

一方、「だけど・・怒られるのも久しぶりだったから、私は懐かしかったですね」島倉からはそんな感想も。

それは木立も同様で、「心のどこかでは、”あなたの暮し”はこうでなくっちゃ・・って」思っていたのでした。

「今頃、たまきさんも怒鳴られているのかしら・・・」寿美子の一言に、思わず顔を見合わせる常子と綾。

そこへ、ようやくたまきが編集部に戻り、皆の視線が集中します。

「あああああ・・たまきちゃんも・・花山さんに、怒鳴られちゃったか・・・」茶化すように話しかける木立でしたが・・・

「怒鳴られた方がよっぽど良かったです」深刻そうな表情を浮かべるたまき。

花山の原稿を口述筆記してきたたまきですが、その様子が辛過ぎて見るに堪えないものだったようです。

たまきの話を聞き、編集部の中には重苦しい空気が漂うのでした。

ある雪の日、常子は原稿を見てもらうために花山家を訪れていました。

「うん・・これで良い・・・」チェックを終えた原稿を常子に渡します。

「残りの原稿は、来週の中ごろにまたお持ちできると思います・・よろしいですか?」予定を確認し、常子が帰ろうとした時。

少しの間、じっと常子を見つめた後、「常子さん・・すまんが・・もう一つ筆記を頼みたい」花山がおもむろに口を開きました。

花山の体調を気遣う常子でしたが、「平気だよ」笑って頭を振る花山を見て、再び椅子に座りレコーダーを机の上に置きます。

「何の原稿ですか?」何の気なしに尋ねる常子に、「あとがきをね・・・」さり気なく答える花山。

しかし、「書き出しはそうだな・・今まで・・”あなたの暮し”をご愛読下さった皆様へ」花山がそう言葉を続けると、常子の表情から笑顔が消えます。

「私が死んだらねえ・・その時の号の・・あとがきに載せて欲しんだ」花山はまるで最後の頼みでもするように、常子に顔を向けました。

「まだお元気なのに・・何を仰っているんですか・・もう、滅多な事を言わないで下さい」不意を突かれた常子は、思わず涙声になってしまいます。

一方、「人間誰だっていつ死ぬか分からない・・帰りに交通事故にあって君が先に死ぬかもしれないよ?」冗談めかして切り返す花山。

「書いてくれないか・・常子さんにしか頼めないことだ」しばしの沈黙の後、真剣な表情で繰り返し訴えます。

「・・・分かりました」じっと考えていた常子でしたが、短くそう答えるとメモを取る準備を始めるのでした。

花山に怒鳴られたことを、まるで自慢するかのように話し合う社員たち。

「”あなたの暮し”はこうでなくっちゃ・・って」との思いが根底にあるようですが、社員たちが元気だったころの花山を振り返る姿が、かえって不安な思いを掻き立てます。

そして、まさに自らの最期が近いことを悟っているかのように、あとがきの筆記を常子に頼む花山。

常子は冗談として受け流そうとするものの、不意を突かれた格好で思わず感極まってしまいました。

容体が芳しくないことはたまきから聞いていたものの、面と向かっていきなり「私が死んだらねえ・・・」などと言われれば、さすがに涙を堪えきれません。

まだ何の覚悟も出来ていない中、自分が死んだ後の事を託す花山を見て、常子は一体どう感じたのでしょうか?

常子を信頼すればこそ、こんな頼みごとをしたのでしょうが、突然重い宿題を突き付けられ、常子には逃げ出したい思いもあったかもしれません。

花山の頼みを聞き入れることで、その最期が近いことを認めることになりはしないか・・そんな気持ちもあったと思います。

しかし、花山が既に覚悟を決めている事を見てとり、逃げ出すわけにはいかない・・そう思い直したのではないでしょうか?

”あなたの暮し”を二十七年間にわたって支えてきた者同士、きっちり最後を見届けたいとの考えもあったのかもしれません。

今まで”あなたの暮し”をご愛読下さった皆様へ

―――読者の皆様、永いこと”あなたの暮し”をご愛読下さり、ありがとうございます

花山の言葉をレコーダーが記録し、常子もメモ用紙にペンを走らせます。

―――昭和二十二年の創刊以来、二十七年経って、部数が百万になりました・・これは、皆さまが一冊一冊を買ってくれたからです

―――創刊当初から、本当に良い暮らしを作るために、私たちがこの雑誌で掲げてきたのは、庶民の旗です

―――私たちの暮しを大事にする一つひとつは、力が弱いかもしれないぼろ布・・端切れを繋ぎ合わせた、暮しの旗です

苦しそうにうな垂れる花山を、じっと見つめる常子。

やがて、花山は再び顔を上げると、”あとがき”の続きを話し始めました。

―――世界で初めての庶民の旗、それは、どんな大きな力にも負けません・・戦争にだって負けやしません・・

―――そんな旗を上げ続けられたのも、一冊一冊を買ってくださった、読者の皆さまのおかげです

―――広告が無いので、買って下さらなかったら、とても今日まで続けることは出来ませんでした・・そして、私たちの理想の雑誌も、作れなかったと思います

―――力いっぱい雑誌を作らせて下さり・・ありがとうございました

まるで目の前に大勢の読者がいるかのように、深々と頭を下げる花山。

―――それに甘えて、お願いがあります・・・

再び頭を上げた花山は、苦しい息の下から言葉を絞り出します。

―――今まで、”あなたの暮し”を読んだことが無い人ひとりに、あなたが”あなたの暮し”をご紹介して下さり、一人だけ、新しい読者を増やして頂きたい

―――それが私の、最後のお願いです

大きく息を吸い込み、”最後のお願い”と口にした花山を、じっと見つめていた常子の頬を一筋の涙が伝います。

花山は自らレコーダを止めると、大きく息を吐き、疲労困憊した様子で背もたれに体を預けました。

「さ・・もう帰りなさい・・」しばし息を整えた後、ようやく花山が口を開きました。

「花山さん・・もし花山さんが居なくなったら・・私どうしたらいいんですか・・・」堪らず声を震わせる常子。

「常子さん・・大丈夫だよ・・君はねえ・・二十七年一緒にやって来て・・大体僕の考えと一緒だよ」花山の答えを聞きながら、常子は涙が止まらなくなってしまいました。

「君の考えだけでやって行けるだろうけれど・・悩んだときは・・君の肩に、語り掛けろ・・君に宿ってやるから」

常子を安心させるかのように、ひと言ずつゆっくり話しかける花山。

「おい・・花山・・どうしたもんじゃろのう・・と」花山の最後のひと言に、常子も思わず吹き出してしまいます。

しかし、すぐに真剣な表情に戻り、涙を浮かべたまま「はい」と小さく頷くのでした。

創刊から二十七年、部数が百万部を達成したことを読者に感謝しつつ、これまでの歩みを振り返る花山。

読者に対する感謝の辞であると同時に、常子へのメッセージも含まれていたのかもしれません。

”力が弱いかもしれないぼろ布”とは、花山自身でもあり、常子や美子たちのことでもあると思います。

そして、”端切れを繋ぎ合わせた、暮しの旗”とは、あなたの暮し出版を指しているのではないでしょうか?

アカバネからの嫌がらせや、週刊誌や新聞からのバッシングに耐えて”商品試験”をやり遂げた自負が、「どんな大きな力にも負けません」という言葉に繋がるように思えます。

全員が一丸となって危機を乗り越え、ここまで成長した会社をこれからも守っていって欲しい・・そんな願いが込められているように感じられました。

そして、”最後のお願い”を終えた花山を前に、涙を堪えることが出来なくなった常子。

これがまさに花山の”遺言”だった・・と感じたのではないでしょうか?

花山が居なくなった後の事を思い、途方に暮れる常子は考えをまとめることが出来ません。

そんな常子に、「君に宿ってやるから」と声を掛けた花山ですが、二十七年分の感謝の気持ちだけなのでしょうか?

或いはそれ以上の感情が・・・

「常子さん・・どうもありがとう」

「お邪魔致しました・・・」花山の”最後のお願い”を聞き終えた常子は、玄関で三枝子に挨拶して帰ろうとしていました。

そこへ、花山がよたよたとした足取りで姿を現し、二人を驚かせます。

「これをね・・忘れていた・・次号の表紙だ・・・」そう言って常子に渡したのは、赤い洋服に身を包んだ女性の絵。

「素敵な人ですね・・・」思わず笑顔になる常子。

そんな常子を見て、「初めて私の絵を見た時も、君はそんな顔をしていた」と、花山は最初に出会った時の事を思い出していました。

戦時中、ユーモア特集の小説のための挿絵を花山から受け取った常子は、そこに描かれた平凡な一軒家を見て、「素敵な家ですね・・・」思わずそう言ったのでした。

懐かしい思い出を振り返り、少しだけ表情が緩んだ花山でしたが、「常子さん・・どうもありがとう・・・」真剣な表情になり、深々と頭を下げました。

三枝子はそんな花山に驚いたように、思わず顔を覗き込みます。

「嫌だわ花山さん・・また来ますね」何か不吉なものを感じたのか、無理に笑顔を作って答える常子。

常子は受け取った挿絵を封筒の中にしまうと、一礼して玄関の扉を開きます。

一方、花山は穏やかな表情を見せ、常子に向かって力なく手を振り続けていました。

常子が玄関を閉めると、力を使い果たしたように花山は下を向き、「さあ・・あなた・・・」三枝子に促され部屋に戻ります。

雪の降る中、外に出た常子は花山の家を振り返り、やがて歩き出しました。

花山が差し出した挿絵を見て、「素敵な人ですね・・・」と思わず笑顔になった常子ですが、花山と最初に出会った時も同じ反応を見せていました。

ユーモア特集の為に花山が描いた平凡な一軒家を見て、「素敵な家ですね・・・」うっとりした表情でそう呟いて、花山をちょっと照れさせています。

常子のモデルとなった大橋鎭子さんのエッセー、”すてきなあなたに”と掛けているのでしょうか。

それはさて置き、「常子さん・・どうもありがとう・・・」と、まるで最後の挨拶でもするかのような花山の態度に、常子は不吉な予感を拭いきれません。

三枝子も同じく不吉なものを感じていたようですが、果たしてこれが本当に最後の言葉となってしまうのでしょうか?

常子に向かって力なく手を振り続ける姿が、まるで精根尽き果てているかのように見え、心配になりますが・・・

とと姉ちゃん26週154話の感想まとめ

自分が死んだ後、”あなたの暮し”に掲載するあとがきの筆記を常子に頼んだ花山ですが、既に最期が近付いている事を悟っているかのようです。

庶民の豊かな暮らしを実現するため、二十七年にわたって力を尽くしてきたと自負する内容に、これまでの色々な出来事が思い出されます。

一方、花山の最期が近い事を悟り取り乱す常子に対しては、「悩んだときは・・君の肩に、語り掛けろ・・君に宿ってやるから」と珍しく優しい言葉を。

そんな花山の様子を見ていると、嫌でもクライマックスが近付いている事を思い知らされ、切ない気持ちにさせられます。

そして、次号の表紙として最後に一枚の女性の絵を差し出した花山ですが、そこに描かれてるのは、やはり常子だったのでしょうか?

以上、とと姉ちゃん26週154話のあらすじネタバレと感想でした!

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