とと姉ちゃん 26週153話のネタバレと感想

とと姉ちゃん 153話 ネタバレ

NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」26週153話のあらすじネタバレと感想です。

まずは26週152話の振り返りを少し。

花山が広島に取材に出掛けて四日、「帰っていらしたら、バリバリ働いて頂かないと」常子が苦笑いしていると、突然花山の妻・三枝子から連絡が。

花山が東京駅で倒れたという驚くべき知らせに、急いで病院に駆けつけると・・花山はまるで何事も無かったかのようにベッドの上で原稿を執筆中。

ひとまずホッとした常子でしたが、花山が名もない市井の人々の暮しについて取材していたと聞き、驚きを隠せません。

花山の体調を家族は心配するものの、「私は死ぬ瞬間まで編集者でありたい」と強烈な決意を示し、常子は複雑な表情を見せます。

いったんは反対した常子でしたが、花山の思いに応えるため、”あなたの暮し”で読者の戦争体験を募集することになりました。

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とと姉ちゃん 26週153話のあらすじネタバレ

戦争特集号

花山は自ら募集文を書くことを決め、病院のベッドの上で原稿にペンを走らせます。

―――その戦争は、昭和十六年に始まり、昭和二十年に終わりました・・それは、言語に絶する暮らしでした

あの、忌まわしくて虚しかった戦争の頃の暮しの記録を残したい・・切々と訴える花山。

戦後生まれの若い世代に戦争を知ってもらう為、”貧しい一冊”を残したい・・・

二度と戦争をしない世の中にしていくため、また、二度と騙されないために、読者に”戦争中の暮しの記録”を送るよう呼びかけるのでした。

―――読者からの戦争体験談を募集して、ふた月がたった頃・・・

「常子さーん!大変です!!」会社に戻った常子の元に、素っ頓狂な声を上げて島倉が駆け寄ってきました。

一体何事か・・と常子たちが二階へ上がっていくと・・何とそこには入院しているはずの花山の姿が。

「どうしてここに?」驚く水田に対し、「ここが私の仕事場だからだ」と澄まして答える花山。

一時退院の許可が下りた花山は、「そろそろ読者からの原稿が届いた頃だろう」そう考えて出社してきたのでした。

「見せてくれ、仕事がしたいんだ」当然のように要求する花山ですが、自宅で療養に専念して欲しい常子たちは、首を縦に振る訳にはいきません。

「いい加減になさってください!」問題ない・・と繰り返す花山に、とうとう常子が怒り出してしまいました。

「ご家族も社員もみんな、心の底から心配していることをもっと真摯に受け止めてください!花山さんのお体は花山さんだけのものではないんです!」

部下を信じて任せることも、上に立つものの立派な責任・・珍しく色をなす常子の説教を、花山も思わず真剣な表情で聞き入ります。

「はああ・・分かった!」全員からじっと見つめられ、さすがに花山も一旦引き下がらざるを得ません。

繰り返し家に帰るよう説得する常子でしたが、花山がカメラを取り出したのを見て思わず苦笑い。

水田にタクシーを手配するよう指示し、美子たちには読者からの原稿を持ってくるよう促します。

後に残った常子は、花山を見てちょっとニンマリ。

「読者から募集した戦争体験談です」美子が花山の机の上に置いたのは、箱一杯に詰まった投書の山。

「これが・・全てか・・・」ちょっと残念そうな花山でしたが・・・

「いえ・・箱一杯に、あと十ほどは・・・」水田が答えると、島倉たちが手に持った箱を頭の上に掲げます。

花山はおもむろに立ち上がると、机の上に置かれた投書の山から一通を取り上げ、その中身に目を通し始めました。

そこに書かれていたのは、疎開した娘と久しぶりに再会した時の話。

かつて元気だった娘の手が、それこそ骨と皮ばかりに痩せこけ、涙が止まらなかった・・・

「どれも、あの頃の風景が蘇る様な、胸が締め付けられる・・文章ばかりでした」淡々と報告する美子。

「編集会議の内容は、勿論お伝えしますし・・全ての原稿はお宅にお持ちして、最終確認はこれまで通り、花山さんにお願いするつもりです」

最大限の配慮を示す常子ですが、さすがに社員の負担を考え、花山も躊躇している様子。

珍しく殊勝な姿を見せる花山に、ちょっと可笑しくなった常子たち。

「平気です・・花山さんが納得されるまで・・何度でも、ご自宅と会社を往復する覚悟です」常子がそう答えると、皆も頷きます。

「そうか・・それにしても、よくこれだけ集まったものだ・・出来ればここにある全部を雑誌に載せたいくらいだな」

花山の言葉に、一同からは笑いが漏れますが、常子だけはふと真剣な表情に変わり・・・

「だったらそうしましょう!思い切って・・二世紀第三十二号まるまる一冊、戦争の記事だけで作るのはいかがですか?」

予想外の常子の提案に、さすがの花山も驚いたようです。

「読者の皆さんが送って下さった、戦争体験がこれだけあれば・・出来ますよね!」若干興奮気味の水田。

「”あなたの暮し”まるまる一冊、一つのテーマだけで作るなんて・・今までやったことないわね!」美子はやる気十分。

一方で、「しかし・・戦争特集なんて、”あなたの暮し”らしくないんじゃないでしょうか?」島倉からはそんな懸念も。

「勿論それは分かっている」花山は島倉の懸念にも理解を示したうえ、説き伏せるように言葉を続けます。

「読者からの反発の声もあるかもしれない・・それでもこれは、価値のあることだと私は思うよ」花山が自信を持って言い切ると、皆も納得したようです。

そして、常子は頼もしそうに花山の事を見つめていました。

「出来ればここにある全部を雑誌に載せたいくらいだな」花山が何気なく口にしたひと言に、鋭い反応を見せた常子。

まるまる一冊を一つのテーマで作り上げるという、これまでに経験の無い挑戦を思い立ち、興奮している様子が伝わってきます。

そんな常子の決断に、読者からの反発があったとしても、やる価値がある・・と考えて後押しする花山からも、強い意気込みが感じられます。

自分が探していた「”あなたの暮し”がこれからの世に、提案すべきもの」とは、まさにこれだった・・そう直感したのではないでしょうか?

或いは、読者から寄せられた多くの”戦争中の暮しの記録”を前に、ひとつでも切り捨てれば信頼を裏切ることになる、との思いもあったかもしれません。

いずれにせよ、常子のアイディアを後押しする形で、これまでに前例のない取り組みを始めることにした花山。

体調に不安を抱える中、さらに無茶をしなければいいのですが・・・

一方、一時退院の許可が下りたとはいえ、心配する周囲の声に耳を貸そうとしない花山に対し、珍しく色をなす常子。

「部下を信じて任せることも、上に立つものの立派な責任なんじゃありませんか?」と、気色ばんだ様子で問い詰めていましたが、日頃の不満が噴出した格好です。

カリスマ的編集長の花山の影響力は社内では絶大、常子も日頃から色々と気を使わざるを得ず、言いたくてうずうずしていたのかもしれません。

もう少し自分の事を信じて仕事を任せてくれても・・そんな不満がずっと溜まっていたのではないでしょうか?

編集作業に没頭する常子

―――常子たちは、戦争特集号の編集作業に今まで以上に没頭しました

送られてきた戦争体験談を、一つひとつ丁寧に確認するとともに、写真などの資料を集め、当時を知らない若い世代にも伝わるよう、記事を作ります。

しかし、花山は体調を崩すことが多くなり、入退院を繰り返すようになっていました。

その日は、美子が原稿を持って病室の花山を訪ねることに。

「おお・・珍しいね・・今日は美子さん一人か・・・」花山はそう言うと、何故か書いていた原稿をサッと裏返し、素知らぬ顔。

もっとも、美子は何も気付かなかったようで、「校正お願いします」と花山に原稿を渡します。

受け取った原稿に目を通した花山は、「私の前に誰か目を通したのか?」どこか違和感を感じたようです。

「はい、とと姉ちゃんが・・執筆も推敲も編集も・・いつも以上に、念入りに・・と皆さんに言ってるんです」

花山の負担を少しでも減らすため・・美子の説明を聞き、花山もさすがに感心した様子。

「その原稿は問題なさそうですね」機嫌よく笑みを浮かべる花山を見て、美子は安心したようですが・・・

「いやーダメだダメだ・・書き出しはなかなかだったが、展開力が乏しい・・まだまだ私の校正なしで、掲載は無理だな」

そう言うと、早速原稿に赤ペンを入れ始める花山なのでした。

そして美子は、生き生きとした花山の様子に安心感を覚えたようです。

一方、常子は家にも仕事を持ち帰り、忙しく作業に追われていました。

”お父さんがいるとき・いないときのおかずは何が多いか”そんなアンケートを見ながら、結果を取りまとめて行きます。

そこへ、鞠子がお茶を持って部屋に入ってきました。

「昔もあったわねえ・・とと姉が花山さんの代わりをしたこと」常子にお茶を勧めながら、懐かしい話を思い出す鞠子。

「ああ・・広告を載せようとして、花山さんを怒らせてしまった時ね・・・」常子は若干苦笑い。

当時に比べればずい分慣れたものの、やはり花山の代わりを務めるのは大変・・常子は改めて痛感していました。

そんな常子に対し、「私に出来ることがあったら何でも言ってね」と、鞠子が手伝いを申し出ます。

「今となっては、雑用くらいしか出来ないだろうけど・・とと姉、何でも自分でやろうと無理し過ぎるから・・・」

遠慮せずに・・そう言ってほほ笑む鞠子を見て、常子も素直に感謝するのでした。

そこへ、「何のお話?」美子が原稿を持って病院から戻ってきました。

「花山さん・・ご様子どうだった?」一番気になることを訪ねる常子。

「うん・・今日もあまり良さそうじゃなかったけど・・でもね、原稿の校正をし始めたら・・もう、みるみる生き生きした表情に変わっていって・・・」

美子が嬉しそうに報告すると、常子もホッとしたようです。

が、花山が校正した原稿を受け取ると・・・

「ああ・・もう、こっちなんて真っ赤じゃない・・お元気そうで安心したわ」と、思わず皮肉な言い方になってしまいます。

鞠子も美子もつられて苦笑いを浮かべていましたが、「鞠ちゃん・・早速お願いしてもいいかしら?」常子のひと言で、鞠子も巻き込んで三姉妹が揃って作業を開始します。

ちゃぶ台を囲み、資料を広げて黙々と作業を続ける常子たちなのでした。

病気で臥せっていれば多少なりとも角が取れるのが普通ですが、花山は普段と何も変わらず、容赦なく原稿に赤ペンを入れていきます。

そんな花山の姿に、美子は安堵したようで、真っ赤になって帰って来た原稿を見た常子も、苦笑いしつつホッとしているように見えます。

入退院を繰り返すことが多くなった花山を見て、不安に駆られていたであろう常子たちは、頭の片隅でから元気と思っていても、そんな姿が見たかったのではないでしょうか?

花山にはいつまでもその独善的な姿のまま、自分たちを引っ張って行って欲しい・・そんな思いでいるのかもしれません。

”スタアの装ひ”を作り始めた頃から容赦ないダメ出しを受け続け、一人前の編集者に育ててもらったことを、やはりありがたいと思っているのではないでしょうか?

それはさて置き、久々に三姉妹そろって雑誌作りに取り組む姿を見て、何だか懐かしさを覚えました。

最初の頃は大学で文学を学んだ鞠子が、常子と美子を指導するような場面もありましたが・・・

今では常子も美子も経験を積んで一人前の編集者となり、長い年月が過ぎたのだな・・と思うと、感慨深いものがありますね。

ついに百万部を達成!

―――ふた月が経ち、八月十五日・・戦争中の暮しを特集した最新号は発売されました

ページを捲ると”子どものこえ”、”おしゃれなどできない”、”身の回りのもの”などといった見出しが。

読者から寄せられた原稿に写真やイラストが添えられ、見開きのページには空襲で焼け野原になった街の写真。

さらには、焼夷弾が投下される様子を爆撃機の側から撮影した写真も掲載され、空襲を経験した読者の声が載せられています。

”ここが みんなの町が〈戦場〉だった こここそ 今度の戦争でもっとも凄惨苛烈な〈戦場〉だった”

食糧難のためぐったり元気の無い子供の写真や、玉音放送をひれ伏して聞く人々の写真が載せられ、”その日 日本は 晴天だった”との一文が添えられています。

あなたの暮し編集部では、雑誌の発送作業に追われ、増刷分も次々に運び込まれてんてこ舞い。

たまきや寿美子は読者からの問い合わせに答え、反響の大きさを直に感じているようです。

常子は各書店への連絡を美子に命じ、忙しそうにしています。

そこへ、水田が報告にやって来ました。

「常子さん!近郊の書店、百件回ってきましたが・・全てで売り切れです!」報告を聞いた常子は、早速増刷を指示します。

が、「ずい分と落ち着いていますね・・いつもなら、飛び跳ねて喜ぶのに・・・」水田はちょっと不満げ。

「ん~・・今号に関しては・・正直、受け入れて頂けるか不安もあったので・・喜びというよりは・・安堵の方が大きくて」

どこかに戸惑いもあるのか、常子は微妙な笑顔を浮かべ、そう答えました。

しかし、その気持ちは水田や美子も同じようです。

三人が頷き合っていると、不意にたまきが駆け寄ってきました。

「・・・今読者の方から、これこそ後世に残したい雑誌だ・・なんてお声が!」興奮気味に常子に報告します。

「それこそ、花山さんが望んだ事よね・・我々の雑誌は、使い捨てにしたくないって・・ずっと仰ってらしたから」

美子も大きな手ごたえを感じているようで、いかにも感慨深そうです。

「落ち着いたら・・後で、花山さんにお伝えに行きましょう!」水田がそう言うと、常子たちの視線が花山の机に集まりました。

―――戦争特集号は、過去のどの号よりも早く売り切れることとなり、ついに、”あなたの暮し”は百万部を超える発行部数を達成したのです

読者による戦争の体験談の特集という、重い内容の記事が受け入れられたことに、色々と複雑な思いもありそうな常子。

対して、読者からの励ましの電話を受けたたまきは無邪気に喜び、それぞれの世代の感覚の違いが表されているようにも思えます。

常子や美子も嬉しくないということはないでしょうが、実際に戦争を経験しているだけに、たまきのように喜びを爆発させることは出来ないのではないでしょうか?

それでも、達成感はたまき以上のものを感じているようで、「使い捨てにしたくない」という美子の言葉に重みを感じます。

それはさて置き、常子たちの視線が主のいない花山の席に集中する場面が、妙に印象に残りました。

いかにも花山の最後を暗示しているように思えて、少し物悲しい気分になりました。

とと姉ちゃん26週153話の感想まとめ

花山の何気ない一言をきっかけに、常子は戦争特集号を作ることを決断し、鞠子の力も借りながら編集作業に没頭していきます。

一方で、相変わらず口の減らない花山ですが、体調は思わしくないようで、入退院を繰り返しつつ美子たちに支えられながら仕事をこなす日々。

そして完成した”あなたの暮し”戦争特集号は百万部を突破、編集部には読者からの励ましの電話が多数寄せられ、たまきは興奮を抑えきれません。

対して常子は、喜びを爆発させる・・ということはなく、静かに安堵の表情を浮かべていましたが、題材を考えればそれも当然という気がします。

勿論、常子が誰よりも大きな手ごたえを感じているはずですが、それにもまして大きなプレッシャーもあるのではないでしょうか?

以上、とと姉ちゃん26週153話のあらすじネタバレと感想でした!

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