とと姉ちゃん 11週64話のネタバレと感想
NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」11週64話のあらすじネタバレと感想です。
まずは11週63話の振り返りを少し。
会社を首になり失意のどん底にいる常子に、「・・・負けないでください」と早乙女が励ましの言葉を掛けますが、常子はその言葉を受け止めることが出来ません。
真っ直ぐに生きても報われない世の中・・絶望する常子に、給仕の坂田がくれた”ありったけのキャラメル”が、ほんの少しだけ安らぎを与えるのでした。
会社を首になった常子を家族も心配しますが、そんな時、青柳商店では陸軍からの無茶苦茶な要求に心労が重なり、滝子が倒れてしまいます。
そして、森田屋では・・まつに秘密のまま進められていた高崎への移転話が明らかになり、宗吉との激しい親子喧嘩に。
まるで駄々っ子のように喚き散らすまつに、「今・・富江のお腹には赤ちゃんがいるんです」照代がもう一つの秘密を打ち明けました。
とと姉ちゃん 11週64話のあらすじネタバレ
激怒する宗吉、そしてまつは・・・
「今・・富江のお腹には赤ちゃんがいるんです」照代の突然の告白に、まつも宗吉も驚きを隠せません。
「本当なの?」常子に尋ねられ、はい・・と小さな声で頷く富江。
相手は何処のどいつだ!!興奮して詰め寄る宗吉に対し、いきなり土下座して結婚の許しを求める長谷川。
「てーめえーー!!ぶち殺す!!!」激昂した宗吉が長谷川に襲い掛かります。
身の危険を察し、脱兎のごとく逃げ出した長谷川を、憤怒の形相の宗吉が追い掛け回します。
再び台所に戻ってきた長谷川を、宗吉が後ろから羽交い絞めにし、騒然とする森田屋。
三枚に下ろしてやる!!!興奮して何をしでかすか分からない宗吉を、皆が必至で止めに入ります。
と、その時・・「父ちゃんこの人の話も聞いてあげて!!」鍋をカンカンカンッと打ち鳴らし、富江が声を上げました。
ようやく長谷川を解放した宗吉ですが、怒りが収まった訳ではありません。
長谷川は富江の隣に駆けより、乱れた呼吸を整えます。
「何時からだ!何時から富江と!!」厳しい口調で問い詰める宗吉。
もうすぐ一年・・宗吉の剣幕に怯えて言葉が出てこない長谷川に代わって、富江が答えました。
ええ・・そんなに前から・・気付かなかった・・次々と驚きを口にする常子たち。
照代も知ったのは先週の事でした。
「父ちゃんお願い・・お腹の子のためにも・・認めてください!!」富江が深々と頭を下げます。
「あっしからもお願いしやす・・どうか結婚させてくだせえ・・」一旦頭を下げた長谷川ですが・・・
宗吉の顔色を窺うようにチラッと見上げると、「お・・お父さん・・・」消え入りそうな声で言いました。
すると・・みるみる宗吉の顔が怒りに溢れ、「てーめえーにお父さんなんて!言われたくねえんだよ!!」再び長谷川を追い掛け回します。
「もういい加減にしなさい!!!」まつが一喝すると、さすがに全員静まり返りました。
お前も!そうだったじゃないか!!まつから過去を暴露され、微妙にばつの悪い表情で黙り込む宗吉。
気まずい沈黙が漂う中、照代は改めてまつの説得を試みます。
「お義母さん・・つまりは、こういう事情もあるんです」富江と赤ちゃんの為にも、高崎への移転が必要なのです。
必至に頭を下げる照代を、皆固唾をのんで見守る常子たち・・宗吉はばつの悪い表情のまま。
富江と長谷川もそろって頭を下げます。
「・・・一晩・・考えさせてもらうよ」まつも、頭を冷やして考える時間が必要なようです。
頭がおかしくなっちまう・・ぶつぶつ言いながら引っ込んでいきました。
次々と明らかになった衝撃の事実に、あたかも毒気を抜かれたようになってしまったまつ。
一歩間違えれば、宗吉とまつの両方が手の付けられない状態になり、とんでもない事になっていたと思うのですが・・・
照代の作戦勝ち!?と言っていいのか、どこまで計算のうえでやっているのか、照代の考えが読めません。
森田屋の嫁として、一家を切り盛りしてきたこれまでの経験は伊達じゃない、ということなのでしょうか。
それに比べて、森田屋の男たちの有様はどうも格好がつきません。
弱い相手には徹底的に強気の宗吉、憤怒の形相は男親としての怒りの表れでしょうが、長谷川相手では・・・
そしてその長谷川も、宗吉の怒りに恐れをなし、富江の陰に隠れるように逃げ回る始末。
富江は長谷川のどこが良かったのか・・どうにも、二人が惹かれあう場面が想像できません。
可愛いひ孫のために・・まつの決断
―――そして、翌朝
表では大粒の雨が降る中、朝食の支度をする照代。
不機嫌そうな様子で新聞に目を通す宗吉、その隣には富江が神妙な面持ちで座り、そして長谷川は・・さすがに敷居が高いのか、隣の部屋で畏まっています。
そして、一晩では結論が出せなかったのか、まつの姿はありません。
「でも・・承諾して頂くまで、何度でもお願いするつもりです」照代も覚悟を決めています。
と、そこへ・・「おはようさん」ようやくまつが姿を現しました。
「朝飯前に・・片付けちまおうかね・・・」まつが席に着くと、宗吉も読んでいた新聞を脇に置き、向き直ります。
「江戸っ子にとっちゃこの歳で、上州の空っ風に吹かれるのは酷だよ・・・」また不満を聞かされると思った宗吉が、渋い表情を見せますが・・・
だけどねえ・・背に腹は代えられない・・何より身重の富江に腹一杯食わせて・・滋養付けてやりたいしねえ・・・
切々と、一晩じっくりと考えたことを語ります。
「可愛いひ孫のために、空っ風だってなんだって、耐え忍んでやるよ」ニッと笑って、行こうじゃないか高崎に・・と、決断を下したまつ。
ホッとした空気が、森田屋の食卓に広がりました。
照代が富江の事を思って真剣に考えた提案・・まつもその提案に乗りことに決めたのでした。
「・・・ありがとうございます」照代と富江が頭を下げます。
そしてまつは・・宗吉に対し、富江と長谷川の結婚を許すよう、グッと身を乗り出し迫りました。
常子たちも注目するなか、「・・・ああ!」渋い表情のまま頷く宗吉。
まつが失笑を漏らし、常子たちもようやくホッとしていると、「本当ですか?」この機を逃すまいと、富江のそばまでバタバタと駆け寄る長谷川。
「元気な子を産まなきゃ・・・」富江もようやく安堵したように、うっすらと涙ぐんでいます。
常子が安心したように二人を見つめていると、「そうだ!お二人の祝言挙げませんか?」唐突に鞠子が声を上げました。
森田屋の門出を祝う意味も込めて、富江と長谷川の祝言を挙げようと言うのです。
しかし、ろくな材料が手に入らないうえ、贅沢が憚られるご時世・・・
「・・・けど、やらないのも寂しいじゃないですか」鞠子が改めて訴えると、美子や君子もやる気を見せます。
判断しかねる照代が、まつにお伺いを立てます。
「森田屋・・最後の大仕事だ・・みんな、しっかりやるんだよ!!」まつの決断を受け、祝言を挙げることが決まりました。
そして、当日・・・
「うーん・・良いお天気!」外を眺めた美子が大きく伸びをします。
まさに絶好の祝言日和。
おーい、手伝ってくれ・・一階から宗吉の張り切った声が響き、美子と鞠子は手伝いに降りて行きました。
そんな二人を見送った常子は、ふと視線を三つの目標を書いた短冊に移します。
ぼんやりと短冊を見つめる常子は、君子が部屋に入ってきたことにも気づかない様子。
「・・・常子!」やや躊躇いながらも、君子は娘に声を掛けました。
新しい仕事がなかなか見つからず、常子は焦っていました。
祝言と引っ越しが終わって、落ち着いてから探せばいい・・と君子は言いますが・・・
「不安なんです・・私が女学校を出た時とは、世間の風向きも違いますし・・本当に見つかるのかなあって・・・」
しかし、探す前から不安がっていても、何も始まりません。
「・・・それに、今日は仕事の事は一旦忘れて、しっかりお祝いしてあげなきゃ」そう言って諭す君子。
森田屋の人々と過ごすのもあと僅か・・常子も気持ちを切り換えることにしました。
高崎行きと富江の妊娠・・結果的にはこの二つを同時にぶつけたことが、功を奏した格好です。
”可愛いひ孫のため”という大義名分がなければ、まつも振り上げた拳を下ろすことが出来なかったのではないでしょうか?
まるで憑き物が落ちたようにサッパリとした表情で、上州の空っ風に耐え忍ぶことを宣言したまつの姿を見ていると、富江の妊娠が判断に与えた影響の大きさが推し量れます。
寄合から戻ってきたまつの、駄々っ子のように泣き叫ぶ姿とは一変し、大団円に向けて動き出した感じがしますね。
それに対し、常子の表情はなかなか晴れません。
再就職の不安が重く圧し掛かっているからですが、自分で書いた三つの目標を見つめ、何を思っていたのでしょうか?
どこで間違ったのだろう・・と、かをるの誘いに応じてビアホールに出掛けたことを、いまだに後悔しているのでしょうか?
しかし、それでは猪突猛進の常子らしくありませんね。
森田屋の面々との別れの時が近づき、滝子の事もあまり頼る訳にはいかなくなったこの状況で、いよいよ常子の底力が試されることになるのではないでしょうか。
祝言をきっかけに、しっかりと気持ちを切り換えていってほしいですね。
長谷川の決意
―――厳しい食糧事情の中、祝言の準備は進められました
「後は玉子焼きなんだがなあ・・・」さすがにこれだけじゃ・・ため息をつく宗吉。
仕方ないですよ・・量は増やせませんから・・「どうしたもんじゃろのう・・・」と、常子も途方に暮れた様子。
そこへ・・「ふっふっふっふ・・まかしとき!」人一倍、玉子焼きへの思い入れの強いまつが台所へ入ってきました。
長芋を手早くすりおろし、そこへ溶いた卵を入れ、さらにかき混ぜます。
「こうすれば、嵩も増えるし仕上がりもふっくらする・・・」まつは、焼き上がった玉子焼きの端をちょっと切って、常子に差し出しました。
「うん!うんうん!」玉子焼きを頬張り、笑顔になる常子。
まつの手伝いもあって、着々と準備が進んでいきます。
と、その時、「お待たせしました」富江の寸法に合わせて、美子が裄を直した花嫁衣装を持ってきました。
「こりゃーすげえなあ!」思わず感嘆の声を上げる宗吉。
こんな立派なものを・・まつが感激しています。
そして、宗吉が最後の仕上げに取り掛かります。
「鯛の尾頭付きが手に入らなかったからなあ・・代わりの魚で代用だ」そう言って、用意したフッコをまな板の上に乗せました。
「そいつは・・あっしにやらせてもらえませんか?」待っていたかように、長谷川がやって来ました。
しかし、長谷川をまだ一人前と認めていない宗吉は、首を縦に振りません。
ですが、だからこそ自分にやらせてほしい・・と、食い下がります。
「高崎に行くからには今まで通りってわけにはいきません・・・」
フッコは将来スズキになる出世魚で縁起が良い、自分も何時までも半人前のままではなく、早く一人前になって家族を守る。
「大将の気持ち、しかと受け止めました」自らの決意を語り、宗吉に必死に頼み込みます。
宗吉は黙って包丁を置くと、「今まで教えたことが出来なかったらぶん殴るからな」真剣な表情で長谷川を見据えました。
やや上ずった声で返事をすると、長谷川は包丁を手に、フッコをさばき始めました。
そして・・花嫁衣装をまとった富江は、照代から唇に紅をさしてもらい、支度を整えます。
「何か・・お手伝い出来ること、ありますか?」部屋の外から常子が声を掛けますが、着付けはもう終わっていました。
照代に促され、中を覗いてみると・・「綺麗・・・」艶やかな花嫁衣装に身を包んだ富江に、思わず感嘆の声を漏らす常子。
富江はしばらく常子に花嫁姿を見せた後、照代に向き直ると背筋を正し、語りかけました。
「かあちゃん・・ありがとう」改めて富江からお礼を言われ、可笑しそうに吹き出す照代。
富江と長谷川から相談を受けた照代が、宗吉を説得してくれたおかげでこの日を迎えることが出来たのです。
「お前は長谷川に富江を持ってかれてもいいのか」へそを曲げる宗吉に対し、富江が選んだ人なんですから・・と、説得した照代。
母親が子供のために何かするのは当たり前・・「あなたも、その子が生まれたら・・同じことをするわ」照代の言葉を聞き、富江は改めてお腹の子を思うのでした。
―――こうして宗吉・照代の思いを受けて、富江と長谷川の祝言が始まります
宗吉が用意したフッコの意味を、自分に早く一人前になるよう奮起を促すものと受け止めた長谷川。
黙って包丁を置いた宗吉の本心は分かりませんが、長谷川に任せたということが答えなのかもしれません。
ひょっとしたら長谷川の言ったようなことは、後付の理屈になるのかもしれません。
しかし、宗吉は話を聞いているうちに、次第に納得していったのではないでしょうか?
今まで全く頼りないと思っていた長谷川が、自分の知らないところでいつの間にか成長していた。
富江もそんなところに惹かれたのかもしれない・・そんな考えが過ったのかもしれません。
そして、富江に母親としての心構えを伝えた照代。
その気持ちの奥には、娘に対する信頼があったようです。
富江が選んだ人なんですから・・と長谷川を受け入れ、お腹の子のために富江も自分と同じようにするはず、と信じています。
富江の事を信じているからこそ、宗吉を説得し高崎への移転を決断したのかもしれませんね。
とと姉ちゃん11週64話の感想まとめ
富江の妊娠に激怒し長谷川を締め上げる宗吉でしたが、一方でまつは生まれてくるひ孫のために、高崎行きを承諾するのでした。
”雨降って地固まる”の例え通り・・かなり激しい雨になりましたが・・森田屋の抱える問題は、何とか丸く収まりそうです。
対して心配なのは、常子の再就職問題なのですが、かをるの裏切りによって深く傷いた常子は、立ち直ることが出来るのでしょうか?
これまで大きな支えとなってくれていた、森田屋の面々とも別れの時が近づき、青柳商店も危機的な状況に見舞われています。
これから益々厳しくなる時代の荒波に、一人立ち向かわなければならない常子は、再就職先を見つけられるのか・・・
以上、とと姉ちゃん11週64話のあらすじネタバレと感想でした!