とと姉ちゃん 13週74話のネタバレと感想

とと姉ちゃん 74話 ネタバレ

NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」13週74話のあらすじネタバレと感想です。

まずは13週73話の振り返りを少し。

昭和十九年、太平洋戦争で日本は窮地に立たされ物資不足も深刻化、常子たちは物々交換で農作物を手に入れようと考えますが、どこへ行っても冷淡な反応。

ようやく一軒の農家で、孫が喜ぶようなおもちゃとなら交換してもいいと言われ、鞠子は美子が大切にしているままごと道具はどうかと、常子に提案しますが・・・

滝子との大切な思い出が詰まった、大事なままごと道具を手放すことに美子は反発、自分の食べる分を減らしてでも守ろうとします。

しかし、戦況は益々厳しくなり、甲東出版の男性たちや美子の職場の同僚の家族が、次々に兵隊にとられていました。
さらに、嫌っていた隣組の組長・三宅も息子が出征してから人が変わったと知った美子は・・・

小橋家では家族が兵隊に取られる心配もない、「それだけで十分よね・・・」とままごと道具を手放すことを決心するのでした。

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とと姉ちゃん 13週74話のあらすじネタバレ

全部戦争のせいよ・・・

―――常子は再び千葉の農家を訪ねました・・今回は美子も共に・・・

ままごと道具を入れた箱を大事そうに抱え、そして虚ろな表情で汽車に揺られる美子。

「みんな我慢したり、苦しんだりしてるのに、うちは家族を兵隊に取られる心配もないし、こうしてみんな元気に暮らしていられる・・それだけで十分よね」

そう言って、ままごと道具を食料と交換することを決心した美子でしたが、辛い気持ちに変わりはありません。

「これなんですが・・・」常子に促されるように、美子は包を開きままごと道具を老人と少女に披露します。

見たことの無い珍しいおもちゃに少女がはしゃぎ、そんな孫の姿に老人も満足そうに目を細めます。

「うわー!これ全部貰えるの?」嬉しそうに祖父に尋ねる姿を、複雑な表情で見つめる常子。

そんな中、美子はままごと道具を入れた箱に手を付き、じっと俯いたままでした。

「・・・よっちゃん」常子に小声で促された美子は、顔を上げ少女に向かってニッコリ笑うと、「楽しんで使ってね」寂しさを押し殺して話しかけました。

無理に笑顔を作って、少女にままごと道具の遊び方を教えてあげる美子を、常子は悲しそうな眼差しで見つめるのでした。

「よかったよかった・・かかも喜ぶわね」ままごと道具と交換にもらった農作物を抱え、美子は自分から話を切り出しました。

こんなに貰えるなんて思わなかったね・・期待以上の食料が手に入り、鞠子は安心したようです。

ですが・・美子が不意に立ち止まり、その場に座り込んでしまいました。

「お祖母ちゃま・・私たちのために下さったのに・・色んなものが無くなっちゃった」美子の中で、我慢していたものが溢れだしてきました。

森田屋の人々は高崎へと去り、滝子も青柳商店を閉めて木曽へと引っ込み、鞠子も小説家の夢を諦め工場勤め。

「全部戦争のせいよ・・・」悲嘆にくれる美子に、常子がそっと肩に手を回します。

「よっちゃん・・・」小さく呟き、髪を優しく撫でる常子。

感極まり、美子は涙を堪えることが出来なくなりました。

「ごめんなさい・・泣かないつもりだったのに・・・」そう言って謝った美子は、常子にすがりつき、声を押し殺して泣き続けるのでした。

みんな元気に暮らしていられる、それだけで十分・・とやせ我慢をした美子ですが、もう二度と滝子には会えないと分かっているのでしょう。

農家の少女に向かって無理に笑顔を作り、ままごと道具を見せてあげている美子は、色々な思い出が頭を過ったはずです。

その間は何とか涙を堪えていた美子ですが、帰り道でとうとう我慢できなくなり、涙が溢れてしまいます。

交換にもらった農作物を抱え、こんなに貰えるなんて思わなかったね・・という鞠子の言葉を聞いた瞬間、無意識のうちにままごと道具と重さを比較したかもしれません。

いくら貴重な食べ物とはいえ、思い出の詰まった大切なままごと道具と比べてしまったことに、罪悪感を感じたのではないでしょうか?

或いは、戦争のせいで大切なものが次々に失われ、その代わりに得たものは僅かな農作物だけ・・その現実が突き刺さってきたのかもしれません。

「全部戦争のせいよ・・・」そう吐き捨てた美子の胸には、深い傷が残ったのではないでしょうか。

空襲警報

家に戻った鞠子は、縁側で鉛筆を削っていました。

「どこまで削るつもり?」ぼんやりとして、いつまでも鉛筆を削り続ける鞠子に、常子が声を掛けます。

短くなっちゃった・・ふと我に返り、手元を見つめた鞠子は自分で削った鉛筆を見て、小さな驚きの声を上げました。

「気にしてるの?よっちゃんに言われたこと・・・」鞠子の隣に腰掛け、尋ねる常子。

小説家を諦め働いていること・・しかし、鞠子はそのことは既に自分の中で区切りをつけていました。

「・・・今はそうするのが一番だと思ってるから。ただ・・とと姉・・戦争っていつ終わるのかな・・・」

もしもこの先、十年・・二十年と戦争が続いたら、ずっと工場で働き続けることになる・・それが鞠子の不安の原因でした。

家族に無理をさせて、女子大にまで行かせてもらったにも関わらず、手に職もなく十分に稼ぐことも出来ない。

「ごめんなさい」健気に振る舞う美子を見ていて、鞠子は情けなくなったのでした。

せめて次女として、皆を支えられるようになる・・常子に自分の決意を告げる鞠子。

そんな妹に対し、常子は笑顔で頷き励まします。

―――この頃、東京をはじめ日本各地は、米軍のB29爆撃機による空襲を受けるようになっていました

「とと姉、ずい分遅いのね」三人で粗末な食事を囲みながら、鞠子が呟きました。

常子は出版社で原稿が届くのを待つため、帰宅が遅れているようです。

「ねえ、畑の人参・・そろそろ食べられるかな?」食事を終えた美子が、鞠子に話しかけます。

しかし、まだまだ食べられるような大きさにはなっていない・・食いしん坊の美子に、やや呆れ気味の鞠子。

「・・・デパートでチキンライス食べた、あの日が懐かしい」美子は、四人でお出掛けしてお子様ランチを食べたことを、懐かしそうに思い出します。

またどこか行きたいな・・美子の呟きを聞き、「ずーっと行けてないものね・・お出掛け」君子がため息交じりに答えました。

そして三人は、黙ったまま家訓の額を見上げるのでした。

その頃甲東出版では、常子と五反田が仕事に追われていました。

「んああ・・疲れた・・原稿が読めなくなってきたよ」やっぱり日中にやっておくべきだった・・ぼやく五反田。

常子が手伝いを申し出ますが、自分もそろそろ切り上げるから・・と、五反田は常子に帰るよう促します。

「ああ・・でも、切りの良いところまで」そう言って残業を続ける常子に、いつになく真剣な表情で五反田が話しかけました。

「・・・実は、いや・・やはり・・いい。やめとこう」歯切れの悪い五反田に苦笑いしつつ、気になった常子は話を聞き出そうとします。

「分かった・・・」そう言って立ち上がり、常子のそばに歩み寄ると「君にはちゃんと話そう・・実は・・・」話しかけた五反田でしたが・・・

突然、空襲警報が鳴り響きました。

慌てて防空頭巾を被り、常子は五反田と共に会社を出て走り出しました。

一方の小橋家では、”次女として”家族を守ろうと必至になる鞠子の姿が。

防空頭巾を被り、庭の防空壕に鞠子を先に非難させ、君子を探し家の中を走り回っています。

君子に防空頭巾を渡し、急いで防空壕に入るよう急かしますが・・途中で自分が転び、足を挫いていしまいました。

鞠子!・・鞠姉ちゃん大丈夫?・・君子に助け起こされ、さらには美子も防空壕から飛び出し、鞠子の手を引きます。

そして、常子は依然として街中を逃げ惑っていました。

「よし!ここに入ろう!」ようやく防空壕にたどり着き、五反田が常子に促します。

しかし、「私・・やっぱり家に戻ります!」家族が心配な常子が無茶な事を言い出しますが、五反田が引き留め防空壕へと向かいました。

小橋家の庭の片隅の防空壕では、君子が娘たちをしっかり抱きしめ、「大丈夫よ!ねっ!」自分にも言い聞かせるように呟きます。

鞠子は、君子に肩を抱かれたまま無念そうな表情を浮かべ、挫いた足を擦っていました。

爆音が響く防空壕の中で、常子は五反田の隣に腰を下ろし、家族の無事をじっと祈ります。

―――空襲は長く続きました

戦争のせいで夢が断たれ、大学で学んだことはすべて無になってしまった・・そんな後悔が見え隠れする鞠子。

進むべき道を見失い、戦争そのものよりも将来が思い描けないことに不安を覚える、背景が全く違うとはいえ、今の時代にもそんな不安を抱える人は大勢います。

国の指導者が道を誤ったことで、庶民の暮らしが大きく揺さぶられるのは、今も昔も変わりありません。

大学への進学を君子に許してもらった時には、あれほど希望に満ちていた鞠子は、厳しい現実に何とか向き合おうと必死になっています。

しかし、小橋家の次女として、”とと姉ちゃん”の代わりに家族を守ろうとする鞠子は、米軍の空襲の前に自分の非力さを思い知らされることに。

運・不運というものはあるにせよ、肝心な時に役に立てないどころか、かえって家族に迷惑を掛けてしまう・・・

自分が大学で学んだことは何だったのか・・鞠子の脳裏には、改めてそんな思いが過ったのではないでしょうか?

美子に続き、鞠子までが戦争のせいで心に大きな傷を負ってしまう、実にやるせない展開ですが、常子は妹たちを支えていくことが出来るのでしょうか?

五反田の告白

ようやく空襲が終わり常子が外へ出てみると、空はすっかり明るくなっていました。

「五反田さん・・私、家に帰らせてもらいます。家族が心配で」今だ震えが収まらない常子は、五反田に断ると防空頭巾を取って駆け出しました。

―――空襲の影響で電車は動かず、常子は家まで走りました。

一刻も早く家族の無事を知りたい・・その一心で。

「帰りました!かか!」玄関を開けると、家の中に向かって必至に呼びかけます。

真っ先に美子が玄関に駆けつけ、次いで君子も興奮気味に常子の無事を喜ぶのでした。

「・・・無事で良かったです・・鞠ちゃんは?」常子が訪ねると、何故か二人は顔を見合わせ、言い難そうにしています。

縁側に腰掛け、鞠子が挫いた足を擦っていると、隣に常子がゆっくりと腰を下ろしました。

「鞠ちゃん・・大変だったわね」常子に声を掛けられると、緊張の糸が切れた鞠子の目には涙が。

声を震わせ、「とと姉・・ダメだったよ」自嘲気味に呟く鞠子。

常子に代わって家族を守ろうとした鞠子でしたが、足を挫いてい皆に迷惑をかけ、怖くて何も出来ませんでした。

すすり泣く鞠子の肩を抱き、常子は悲しそうに見つめています。

―――この時、常子の気持ちは固まりました

翌日、常子はいつもより早く出版社に出勤してきました。

一人で机に向かい、仕事をしていると、「お!今日はずい分早いんだね」遅れて五反田が出てきました。

常子も五反田も、互いの家族が無事と知り、ひとまず安堵します。

「しかし・・亡くなった方も大勢いたらしい・・・」五反田から突き付けられる、厳しい現実。

たった今喜んだばかりの常子の表情が、またすぐに曇ります。

「そんな悲しい顔は・・美人には似合わないよ」いつもの五反田らしい気取った言い方に、常子は思わずフッと笑っていました。

しかし、すぐに真剣な表情になると、「五反田さん・・ずっと悩んでいたんですが・・・」と、自分の決意を話し始めました。

「お国を守るために・・戦争をしなければならないのは・・仕方のない事です・・・」

常子には、軍人が命がけで戦っていることも分かっています。

「ただ・・戦争を称えるような雑誌を作る事が・・私には、どうしても苦しくて・・・」

色々な物を奪っていく戦争を称え、国民を煽るような雑誌を作りたい・・という気持ちには、どうしてもなれない常子。

「何とかして、違う内容の雑誌を作ることは出来ないでしょうか?」

躊躇いがちに話す常子に対し、一度だけ何かを言いかけて言葉を飲み込んだ五反田は、常子に顔を向けニッと笑って見せました。

そして立ち上がると、常子に歩み寄りつつ、「じゃあ・・僕が、その苦しみから解放して進ぜよう」気取った言い回しで、昨夜言いかけた事を告げるのでした。

「もう雑誌は作らなくていいんだ・・僕に・・赤紙が来た」少しだけ、辛そうな表情を見せる五反田。

そんな・・常子は絶望的な眼差しで、五反田を見つめていました。

家族の無事を喜びつつ、空襲の時に怖くて何も出来ず、自らの無力さに打ちひしがれた鞠子を見た、常子の決心。

戦争に大切なものを奪われた妹たちを支える道は、同じ境遇にある人々を励ますような雑誌を作ることだと、常子は考えたのかもしれません。

美子から大切な思い出の詰まったままごと道具を、鞠子から小説家の夢を奪った戦争に対する、常子なりの抵抗なのかもしれません。

ですが、その決意は意外な結末を迎えることに。

「僕に・・赤紙が来た」キザでプレイボーイな五反田が、甲東出版の雑誌作りが終わりを迎えた事を告げるのでした。

常子にもある程度の覚悟はあったはずですが、何とか前向きに”違う内容の雑誌”を作れないか・・そんな決心をした直後だけに、ショックが大きかったのかもしれません。

しかし、果たしてこれが常子にとって、苦しみからの解放につながるのでしょうか?

ここでやめてしまっては、これまで踏みとどまってきた事が、全て無になってしまうと思うのですが・・・

とと姉ちゃん13週74話の感想まとめ

ついに五反田にまで赤紙が届き、甲東出版は常子一人が取り残される格好になってしまいました。

「もう雑誌は作らなくていいんだ・・・」常子の気持ちを汲んで、優しく語りかけた五反田ですが、常子としては本当にそれでいいのでしょうか?

空襲の最中に足を挫いてしまい、何も出来なかったことで自己嫌悪に陥る鞠子を見て、積極的に”違う内容の雑誌”を作ろうと考えたと思うのですが・・・

果たして甲東出版はこのまま閉鎖となってしまうのか、そしていよいよ追い詰められたこの状況で、常子に出来ることはあるのでしょうか?

長引く戦争に希望を失ってしまっている妹たちを前に、常子はただ無力感の苛まれるだけで終わってしまうのでしょうか?

以上、とと姉ちゃん13週74話のあらすじネタバレと感想でした!

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