とと姉ちゃん 22週127話のネタバレと感想
NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」22週127話のあらすじネタバレと感想です。
まずは21週126話の振り返りを少し。
”商品試験”の記事のせいで売り上げがガタ落ちした、と怒鳴り込んできたちとせ製作所の社長・田中利一でしたが、常子の説得が功を奏し、新しい商品の開発に取り組むことに。
自分たちの仕事が誰かを路頭に迷わせている・・と悩んでいた常子もようやく迷いを払拭し、決意を新たに仕事に打ち込むのでした。
そんな折、毎週木曜日に続けていた青葉と大樹の世話も、武蔵の会社の繁忙期の終わりと共に最後となり、寂しさを覚える常子。
「もし・・これからも必要であれば・・・」と、躊躇いがちに話を切り出す常子でしたが、武蔵は堅い表情のままその申し出を断るのでした。
常子は寂しい気持ちをついポロリと美子に漏らすものの、”商品試験”が大変なこともあり、無理矢理気持ちを抑えこもうとしますが・・・
目次
とと姉ちゃん 22週127話のあらすじネタバレ
一般の主婦をテスターに
「これからも必要であれば・・こうしてまた・・・」手伝いを申し込む常子でしたが、武蔵は堅い表情を崩さぬまま断り、常子も引き下がるしかありません。
常子は武蔵ともう会わないつもりなのか・・心配する美子でしたが、常子はあくまで強がって見せます。
「星野さんにはご家庭があるの・・大樹君も青葉ちゃんも、お父さんのこと大好きだし、星野さんも二人の事大切に思っている・・・」
武蔵の抱える事情に理解を示したうえで、「それにほら、今は”うちの子”も大変だから」と、”あなたの暮し”の仕事に集中することを告げるのでした。
―――昭和三十年代、粗悪な商品が多く出回り始めたため、常子と花山は”商品試験”を始めました
しかし、試験が本格化するにつれ、社員だけで全てを行う事が難しくなり、康恵の協力で一般の主婦をテスターとして雇うことに。
「今どきの若い男性はアイロンもろくに使えないんだねえ」大袈裟に嘆いて見せる康恵。
そんな康恵に苦笑しつつ、常子と美子が見送りに出てきました。
康恵を含めて十名のテスターを集めることになり、常子が改めて頭を下げお願いします。
「いいんだよ・・それにあんた等も・・アイロン使える主婦のあてなんてろくにないだろ?結婚してないんだから」
悪気はない康恵でしたが、言った後ですぐに慌てて言い訳を始め、「あたしだってつい最近、戦争未亡人だった訳だから」と何とか取り繕います。
「ずっと気になってたんですけど・・どこで知り合った方なんですか?お相手の方って」話題を切り替える美子。
若干照れながら、「カフェーの時の客でね・・気に入られてさ・・・」と康恵が馴れ初めを語りだしました。
全然好みじゃなかったけど、金は持ってたから・・となかなか容赦ありません。
「それに・・向こうの連れ子が懐いちゃってさあ・・それが何だか可愛くてねえ」幸せそうに語る康恵でしたが、一方の常子は複雑な表情で聞いていました。
数日後、康恵の集めた主婦たちを前に、アイロンの”商品試験”について常子が説明しています。
「えー、今回・・皆さんにこちらにある十台のアイロンを使って試験して頂きたいのは、アイロンの使いやすさです」
一日で五十枚のワイシャツにアイロンをかけ、取っ手の持ちやすさや重さ、細かい部分のシワの伸び易さ等、確認していきます。
―――康恵が集めてきた主婦の仲間たちは、早速働き始めました
「これすぐ熱くなるんだけど・・冷めるのも速くてねえ」問題点を指摘する康恵。
頻繁にコードを抜き差しする必要があり、かなり面倒な様子。
「こっちは・・先っぽが全然熱くならなくて、細かいところのシワが伸びないわ」別のアイロンを試してた主婦からは、そんな指摘が。
持ち手がすぐに熱くなって使いづらい物もあり、常子が注意を促します。
―――彼女たちの声により、具体的な試験項目が固まって行きました
武蔵と子供たちのことは気に掛かりつつも、”商品試験”に打ち込む常子ですが、大事な問題を置き去りにしたままで大丈夫なのか、心配になります。
美子の前では強がって見せていましたが、武蔵から断られた時の表情からは、かなりショックを受けたように見受けられました。
かつての恋人に拒否されたことに加え、青葉も大樹もずい分懐いていただけに、失望が大きかったのではないでしょうか?
そんな気持ちを無理矢理押さえつけているようにも見える常子に、事情を知らない康恵が自らの再婚について話して聞かせますが・・・
「向こうの連れ子が懐いちゃってさあ・・それが何だか可愛くてねえ」と、幸せそうに語る康恵を見て、常子はどう思ったのでしょうか?
自分にすっかり懐いている青葉と大樹を思い出し、手伝いの申し出を拒んだ武蔵に若干の苛立ちを覚えたかもしれません。
そんな思いが、二人の関係を余計に複雑なものにしてしまわなければよいのですが・・・
武蔵との再会
「うーん・・どこも、温度の上昇が速いみたいだな」テスターによる試験のデータを見て、花山が呟きました。
「ああ・・外国製よりも小さく設計されてるからですかね」常子も懸念を示します。
主婦のテスターだけでなく、社員総出で夜食をつまみながら様々な試験が続けられています。
底板全体に均一に熱が行き渡るかを調べる試験や、電源を入れたまま置いておくとどれだけ柄が熱くなるか測る試験、など。
「・・・では、ここから三十分おいていきます・・どんな小さな変化も見逃さないで下さい」美子が試験を取り仕切り、テキパキ動く社員たち。
―――正確な結果を導き出すために、試験は何度も繰り返し行われます
「温度試験、五十回分の平均値です・・二十分経つと、半分のアイロンは持っていられなくなります」
水田から試験結果を報告されると、「最悪、火事にもつながりかねない温度ですね」と、さらに懸念を強める常子。
全員に慎重に試験を続けるよう注意を促します。
―――アイロンの”商品試験”は連日深夜まで及び、二カ月にわたって行われました
昭和三十一年九月・・アイロンの試験も徐々に終わりが近付いてきました。
長い期間、康恵たち母親を拘束してしまったことで、「お子さんたちが寂しがっていないが心配で」と言う常子。
「そんなことないよ・・家に帰ったら飛んできて、今日は何したの?・・って聞いて来てさ・・・」
母親が”あなたの暮し”の試験に関わっていることが、子供にも誇らしいみたい・・そんな康恵の話を聞き、常子もホッとしたようです。
「あたしも気分良くなって話しちゃうんだけどね・・そしたら目、キラッキラさせて聴き入っちゃってさあ・・・」
連れ子が懐いている様子を嬉しそうに話す康恵を見て、自分も幸せな気分に浸る常子ですが・・・
美子はそんな常子のことを、複雑な表情で見つめていました。
―――その日常子は、料理記事の確認のため森田屋に向かいました
「こんにちは・・すみません、あの・・原稿の確認・・・」店に入るなり、宗吉に原稿を差し出そうとする常子でしたが、「あ!おばちゃま!」唐突に子供の声が。
驚いて声のした方を見ると、大樹と青葉の兄妹が武蔵に連れられテーブルに座っていました。
若干気まずい表情で見つめ合う常子と武蔵。
そんな二人にはお構いなしに、「おばちゃま!」青葉が席を立ち、常子の方に駆け寄ってきます。
「たまには・・みんなで外食しようかと」武蔵は言い訳のように、常子に向かって事情を説明しました。
「ねえ、おばちゃま・・何でもうお家に来てくれないの?」何も知らない青葉は、明らかに不満気です。
「次はいつ来られるの?クリスマスは?私の誕生日は?」常子が答えに困る中、矢継ぎ早に尋ねる青葉。
さすがに見かねた武蔵が、やんわりと青葉を諭します。
「・・・常子さんはお忙しいんだから・・無理を言ってはいけないよ」武蔵が言い聞かせますが、青葉はしょんぼりしてしまいました。
そんな青葉を気遣う常子でしたが、不意に宗吉が横から口を挟んできました。
「何だよ・・連れねえこと言うなよ・・それとも何か?葉っぱの兄ちゃんのとこに、行けねえ事情でもあんのか?」
まさか子供たちの目の前で訳を話す事も出来ず、常子と武蔵は困惑するばかり。
「ああ・・大将、常子さんの持ってきた原稿、確認しないでいいんですか?」微妙な空気を察したのか、話題を変える大昭。
常子も思い出したように宗吉に原稿を渡し、武蔵は青葉に席に戻るよう促します。
何気ない風を装う二人でしたが、互いに相手の事が気になって仕方がないようです。
宗吉に原稿を確認してもらい、森田屋を出た常子の表情は暗く沈んだままでした。
常子と武蔵の間の微妙な空気を一切無視して、無遠慮に横から口を挟む宗吉ですが、本当に何も分かっていないのか、それともわざとなのか。
宗吉の日頃の言動から考えれば、何も分かっていないという可能性が濃厚ですが、ひょっとしたら何かに気付いているのかもしれません。
可能性は低いかもしれませんが、古い付き合いだけに二人の間の微妙な空気を無意識のうちに感じ取った・・ということも。
だからといって気の利いたアイディアが浮かぶわけでもなく、ストレートに二人をくっつけようとする辺りが宗吉らしいとも言えます。
それはさて置き、連れ子の事を嬉しそうに話す康恵を見て、幸せな気分に浸っているかのような常子ですが、ある種の現実逃避という気もします。
恐らくもう二度と、青葉と大樹に会うことは無い・・その時はそんな風に思っていたのではないでしょうか?
康恵の話を聞き、少しでも心の隙間を埋めることで、気持ちに区切りを付けようしていたのかもしれません。
しかし、キッチン森田屋で二人と武蔵と再会し、大きく気持ちが揺らいでしまった常子。
常子と武蔵の間の微妙な空気にも青葉はお構いなしで、久しぶりに再会した常子にいきなり抱きつき、甘えてきます。
常子は、再び揺らぎ始めた自分の気持とどう向き合っていくのでしょうか?
「とと姉おばちゃんは、すっごく偉いのよ」
「・・・皆さんのおかげで、本当に捗りました・・男たちがだらしなくて本当にすみません・・・」
腰の低い扇田が試験を終えた主婦たちに声を掛け、常子も頭を下げて見送ります。
扇田たちが中に戻ると、常子と康恵の二人だけが残されました。
「ああ!・・一生分のアイロンがけをやってる気がするよ」康恵に言われ恐縮する常子ですが、「おかげで最近、アイロンかけるのが上手くなったって」夫に褒められた康恵。
「前の結婚の時は・・アイロンなんてあんまりかけなかったから」そういうの無頓着な人だったから・・亡くなった前夫の事を思い出したようです。
「再婚したからって・・前の人・・忘れた訳じゃないんだよ・・今の結婚だって、ずい分悩んだんだから・・・」
色々な事があったのか、康恵は複雑な気持ちを覗かせます。
「・・・ってえ、あんたに言い訳しても仕方ないんだけどねえ!」照れ笑いを浮かべる康恵。
「いえ・・亡くなったからといって忘れられる訳ありませんから」少し寂しそうな表情で応じる常子。
一方で康恵は、子供がいる以上前向きに生きて行かねば・・との思いもあるようです。
その時、「とと姉おばちゃん!」不意に背後から子供の呼ぶ声が。
振り返ると、鞠子と共に姪のたまきが常子に向かって駆けてくるところでした。
たまたま近くを通りかかったらしく、「突然でお邪魔だった?」康恵と話し込んでいた様子に、鞠子は若干遠慮気味です。
「おばさんは何してるの?」無邪気に問い掛けるたまきに、「常子さんに頼まれて、どのアイロンが一番いいか調べてるんだよ!」にこやかに答える康恵。
たまきがちょっと不思議そうな顔をすると、「この人、とっても偉いんだから!」康恵がおどけた調子で太鼓判を押します。
照れ臭そうにする常子ですが、「本当よ・・とと姉おばちゃんは、すっごく偉いのよ」鞠子も一緒になって、たまきに常子の事をしっかり教えることに。
「いい?・・女の子が、やりたいことをやって生きていくっていうのは・・とても大変な事なの」
もしたまきが大人になった時、女性がやりたいことが出来るような世の中になっていたら、それは常子のような人たちのおかげ・・・
真剣に伝える鞠子の姿に、たまきも納得できたようです。
大袈裟よ・・とちょっとこそばゆい様子の常子ですが、「いいや!あたしも鞠子さんに一票だね」康恵がさらにもう一押し。
対して常子は、「一人でどうこうなんてそんな・・鞠ちゃんと、みんなが居てくれたおかげよ」心の底からそう思うのでした。
しかし、鞠子は鞠子で「・・・とと姉が居てくれたから、好きなことが出来たの」との思いが。
大学で学ぶことも出来たうえ、文章を書く仕事する事も出来たことに感謝している鞠子。
「そういう時期があったからこそ、今こうして結婚して・・子供を育てて生活していく事の良さも分かるの」
しみじみと話す鞠子を、常子は感慨深そうに見つめていました。
やがて退屈したのか、赤とんぼを見つけて走り去るたまきと、追いかけて走り出す鞠子を見送る常子でした。
一方、星野家ではいつもより早めに武蔵が帰宅すると、大樹が青葉に本を読んであげているところでした。
「・・・仕事が早く終わったものですから・・なみさんももう上がって結構ですよ」武蔵がお手伝いの与那嶺なみに促しました。
武蔵は、買ってきた花を仏壇に供えると、妻の遺影に向かって手を合わせます。
と、その時・・玄関から不意に来客を告げるブザーの音が。
「あたしが」と言って、帰り支度をしていたなみが玄関に向かいました。
「こんな時間に・・誰だろう?」首をかしげる大樹。
「う~ん・・誰かな?」武蔵がそう応じると、「かな~」青葉が真似をして首を傾げ、三人とも可笑しくて笑ってしまいます。
「旦那様・・お客様です」なみに呼ばれ、武蔵が玄関に向かうと・・・
「お義父さん!」そこに居たのは、何と義父の弓岡柳生でした。
改めてこれまでの事を振り返り、常子に感謝の気持ちを伝える鞠子ですが、その思いをたまきにしっかりと引き継いで欲しいようです。
一番間近で常子の苦労する様子を見てきただけに、「すっごく偉いのよ」という言葉にも実感がこもっています。
幼いころから父親代わりの”とと姉ちゃん”として矢面に立ち、自分を進学させるために必死に働いてくれたことを、たまきにちゃんと伝えよう・・と思ったのではないでしょうか?
一方の常子も、鞠子に支えられてここまで来ることが出来た、という思いが。
水田との披露宴の挨拶で、鞠子と結婚して「これから誰よりも幸せになることでしょう」と水田に伝えたように、本心から感謝している常子。
そして鞠子から、「今こうして結婚して・・子供を育てて生活していく事の良さも分かるの」と聞き、常子は本当に嬉しかったのではないでしょうか?
常子も鞠子も、お互いに相手に対する感謝を忘れず、その様子を見ているたまきは自然と常子の存在の大きさに気付いていくのかもしれません。
そうなると、只でさえ「小っちゃくなった常子みたい」と言われているたまきだけに、色々と影響を受けていく事でしょう。
将来は、常子の後を継いで”あなたの暮し”を背負う存在になる・・のかもしれません。
とと姉ちゃん22週127話の感想まとめ
社員だけでは手が足りなくなったことから、康恵の協力を得て主婦のテスターを集め、”商品試験”を本格化させていく常子たち。
主婦たちのおかげで順調に試験が進む中、康恵が何気なく口にする自らの再婚の経験が、常子には気になって仕方がない様子。
康恵の話を聞くうち、どうしても武蔵と子供たち、そして自分との関係に置き換え、様々な思いが常子の脳裏を駆け巡っているようです。
キッチン森田屋で武蔵と子供たちと再会した常子は、変わらず慕ってくれる青葉を見て、どんな思いを抱いたのでしょうか?
そんな折に、武蔵の元に義父の弓岡柳生が尋ねてきましたが・・果たしてどんな要件なのか、今後の展開のカギになるのかもしれません。
以上、とと姉ちゃん22週127話のあらすじネタバレと感想でした!