とと姉ちゃん 26週155話のネタバレと感想
NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」26週155話のあらすじネタバレと感想です。
まずは26週154話の振り返りを少し。
戦争中の暮しを特集した最新号は、百万部を超える発行部数を達成・・常子たちは次号の出版に向けて、会社と花山家を行き来して仕事を進めていました。
久しぶりに花山に怒鳴られる編集部員からは、「”あなたの暮し”はこうでなくっちゃ」との声も上がりますが、一方の花山は徐々に病状が進行していき・・・。
ある雪の日、原稿を見てもらうため花山家を訪れた常子は、自分が死んだ後に雑誌に載せるあとがきを筆記するよう、花山から頼まれます。
突然の事に動揺を隠せない常子でしたが、「常子さんにしか頼めないことだ」と真剣な表情で訴える花山を前に、断ることは出来ません。
読者にこれまでの感謝を伝え、”最期のお願い”を伝える花山を見て感極まった常子。
そんな常子に対し花山は、「悩んだときは・・君の肩に、語り掛けろ・・君に宿ってやるから」そんな言葉を掛けるのでした。
とと姉ちゃん 26週155話のあらすじネタバレ
花山との別れ
「常子さん・・どうもありがとう」別れ際、深々と頭を下げる花山。
「嫌だわ花山さん・・また来ますね」不意の事に驚く常子でしたが、無理に笑顔を作って花山家を後にします。
しかし、穏やかな笑顔で力なく手を振り続ける花山の姿に、何か不吉なものを感じたのか、常子は玄関の前で立ち止まり、振り返るのでした。
その二日後・・・
「え!?・・花山さんの原稿まだ入稿してないの?」驚く美子。
いつもに比べてずい分とのんびりしている常子に、綾もちょっと心配そう。
「いつ花山さんが、やはり直したい・・って言ってくるか分からないでしょ?」常子が澄ました顔で答えると、美子も頷きます。
三人が二階の編集部に戻って来た時、ちょうど掛かってきた電話に水田が出るところでした。
「もしかして・・・」美子が悪戯っぽく笑うと、常子もつられて苦笑い。
しかし、「・・・常子さん・・花山さんの・・奥様からです」水田から受話器を渡されると、常子の表情には緊張の色が浮かびます。
「常子さん・・お忙しいところすみません・・先ほど・・花山が息を引き取りました」疲れきったような口調で告げる三枝子。
「分かりました・・すぐに伺います・・失礼します」電話の途中から、不穏な空気を察した編集部員たちが常子の元に集まってきます。
静かに受話器を置いた常子は、ゆっくりと顔を上げると隣の水田に声を掛けました。
「こちらの事は僕が・・常子さんと・・美子さんはすぐに」事情を察した水田は、花山家に急ぐよう二人に促します。
常子と美子が花山家を訪れた時、花山の孫・みのりは一人でお絵かきの最中でした。
二人は茜の案内で花山の部屋に通されます。
無言のまま茜に頭を下げ、部屋の中へ入ると、花山の傍らに寄り添う三枝子の姿が。
まるで眠っているかのような穏やかな花山を見て、常子たちは呆然としています。
「この度は・・ご愁傷さまでございました」三枝子に向かって深く頭を下げる常子。
「ごめんなさい・・容体が急変してね・・間に合わなかったわ・・・」最期は声を震わせ、連絡の不備を詫びる三枝子ですが、責めることは出来ません。
一方の常子も、「いえ・・お知らせ下さり、ありがとうございます」感情を抑え、それだけ言うのがやっと。
三枝子は常子たちに花山の顔を見るよう促し、「あなた・・常子さんと美子さんがいらしてくださいましたよ」そっと語りかけます。
常子と美子は立ち上がって花山が横たわるベッドのそばに寄り、その顔が良く見えるよう屈みこみました。
しばらく無言のまま、じっと見つめていた二人でしたが、美子は感情を抑えきれず、思わず嗚咽を漏らしてしまいます。
その隣で常子は、静かに涙を流しながら花山の顔を見つめ続けていました。
「あの日・・常子さんが帰られた後・・花山は満足そうでした」静かに語り始める三枝子。
「これから、この国がどうなって行くかのは分からないけれど・・”あなたの暮し”は、常子さんに任せておけば大丈夫だとも・・申しておりました」
三枝子の話をじっと聞いていた常子でしたが、最期の言葉に思わず表情が緩みます。
「そんな風に褒めて下さったのは・・初めてですねえ、花山さん」常子は笑顔を作り、花山に向かって語りかけました。
その隣で、美子は涙でぐしゃぐしゃになった顔で、花山の最後の姿を目に焼き付けています。
そこへ、「じいじー!・・絵描けたよー」完成した似顔絵を持って、みのりが部屋に駆け込んできました。
「起きてー!じいじ起きてー!」何も分からない幼いみのりの無邪気さに、思わず嗚咽が込み上げる常子。
「じいじは眠っているから・・もう少し寝かせてあげよう・・・」茜がみのりを連れて行った後も、常子の涙は止まりませんでした。
「”あなたの暮し”は、常子さんに任せておけば大丈夫・・・」三枝子に対して、そんな風に語っていたという花山。
花山からは怒られっぱなしで、あまり褒めてもらったことの無い常子は、それを聞いて思わず胸がいっぱいになってしまったようです。
出来れば面と向かって言って欲しかったことと思いますが、花山の性格からそんなことは望むべくもない事は、常子が一番分かっています。
それだけに、三枝子の口から花山の本心を聞くことが出来て、常子としてはそれで十分だったのかもしれません。
そのやり取りを隣で聞いていた美子は、常子と花山の関係を長年そばで見続けて来ただけに、感情を抑えることが出来なくなったように感じました。
ところで、常子は一体何故、花山の原稿をなかなか入稿しようとしなかったのでしょうか?
「やはり直したい・・って言ってくるか分からない」と、花山の気まぐれのせいにしていましたが、本心ではないように思えます。
別れ際、普段と様子の違う花山を見て不吉なものを感じた常子は、手元の原稿が無くなってしまうことに躊躇したのかもしれません。
これが無くなってしまったら、ひょっとして花山も・・そんな予感が頭を過ったのではないでしょうか?
花山からの手紙
その夜、小橋家は重苦しい空気に包まれていました。
茶の間に家族が揃っていますが、誰も口を開きません。
そこへ、常子が原稿の束を持って姿を現しました。
「・・・三枝子さんからお預かりした・・花山さんの最後の原稿よ」常子の言葉に、皆の視線が集まります。
「花山さんの字・・・」原稿を見て、ポツリと呟く美子。
水田も鞠子も、花山を偲ぶように原稿に目を通します。
そんな中、「ん?・・これ!」たまきが何かを見つけ、常子に向かって差し出しました。
それは、常子たち三姉妹に向けた手紙でした。
「美子さん・・初めて出会った頃、きつく責める私の言葉に、必死に涙を堪えていた君の顔は今でも覚えている」
常子がそこに書かれている事を読み上げます。
―――それから、私が会社を一時期辞めた時、説得しに来た時の顔もね
常子の手元を覗き込み、じっと聞き入る美子。
―――君の情熱が無ければ、”あなたの暮し”はあの時終わっていたかもしれない
―――鞠子さん・・今でも君が仕事を続けていたら、どうなっていただろうと考える
自分の事に話が及び、鞠子は立ち上がって花山の手紙を覗き込み、次いで常子の方に顔を向けます。
―――だが君は、結婚で大きな幸せと、たまきさんという素晴らしい娘さんを得ることが出来た
―――たまきさんはきっと、会社を支えるいい編集者になるだろう
花山の残した言葉を聞いたたまきは、少し複雑そうな表情を見せます。
―――常子さん・・君に感謝を伝えるには、原稿用紙が何枚必要だろうね
―――たくさんの事を君に教えた・・それと共に、たくさんの事を君に教えられた・・君が居なければ、今の私は居なかった・・ありがとう
花山と共に新しい雑誌を作るために立ち上がり、時に衝突しながら仕事に打ち込んだ日々を、懐かしく振り返る常子。
常子は最後に書かれた”ありがとう”という一文を見て、穏やかな表情を浮かべるのでした。
その時、「見て!」美子が原稿の束の中から、一枚のイラストを見つけました。
そこには、常子や鞠子、美子だけでなく、水田やたまき、その他にも長年苦楽を共にした編集部員たちの似顔絵が。
「そっくり・・・」自分たちの似顔絵を見ながら、常子たちは和やかな気持ちになるのでした。
花山からの最後の手紙を読んで、常子たち三姉妹はどう感じたのでしょうか?
花山に会社に戻って貰う為、花山の企画を勝手に進め、”自分が出した企画は最後まで責任を持て”という花山の言葉を逆手に取った美子。
「君たちは私の企画を盗んだのか!」と花山を怒らせたものの、無事常子と和解させることに成功しました。
鞠子は会社を辞める直前、平塚らいてうに原稿を書いてもらったことで、花山から「良くやった!」力強く称賛を受けました。
それぞれ、懐かしく思い出していたのではないでしょうか?
一方、花山から”会社を支えるいい編集者になるだろう”と評価されたたまきは、若干複雑そうな表情を見せていました。
花山からもっと色々な事を教えてもらいたかった・・そんな思いがあるのかもしれません。
そして常子は、花山が最後に記した”ありがとう”という一文を見て、感慨無量といった様子。
”ありがとう”に込められた原稿用紙何枚分のも感謝の気持ちを、しっかりと感じ取っていたのではないでしょうか?
「花山さん・・どうしたもんじゃろのう」
―――花山が亡くなってふた月がたった頃・・・
編集部では、美子が花山の残したイラストを棚に飾っています。
まるで花山を真似するように、縦・横が真っ直ぐになるよう、慎重に位置を整えます。
と、その時・・「美子さん・・もうすぐはじまりますよ」テレビの前に集まっていた社員から声が掛かりました。
「はい」短く答え頷く美子でしたが、テレビの前には行かず、そのまま自分の席に。
「美子さんは観なくてもいいんですか?」気付いた島倉が声を掛けますが・・・
「・・・毎日会ってますから・・わざわざテレビで観なくたって・・・」ちょっときまり悪そうに答える美子。
―――”あなたの暮し”は長年の功績が認められ、雑誌の最高栄誉と言われる日本出版文化賞を受賞しました
テレビ局で本番を待つ常子は、傍目にも緊張でガチガチなのが分かります。
「花山さん、花山さん・・どうしたもんじゃろのう・・・」自分の右肩をポンポンポンと叩き、不安そうに話しかける常子。
しかし、そんな自分が可笑しくなったのか、思わずフッと力が抜けてしまうのでした。
ちょうどその時、「小橋さーん・・よろしくお願いします・・・」司会者の女性が声を掛け、常子を席に案内します。
その頃小橋家では、鞠子が竹蔵と君子の写真をテレビの前に置き、準備万端でソファーに腰を下ろしていました。
「ああ!始まった!」常子が出演する”時代のスケッチ”が始まると、思わず一人で拍手。
一方、あなたの暮し出版でも、テレビの前に詰めかけた社員たちから歓声が上がり、さすがに美子も気になる様子。
「・・・さて今日は、・・・あなたの暮し出版・社長でいらっしゃる、小橋常子さんにおいで頂いております」
司会者の沢静子が、”あなたの暮し”が戦後の日本の人々の生活を豊かにしたことが評価され、日本出版文化賞を受賞したことを説明します。
「あ・・はい・・よろしくお願い致します」ぎこちなく頭を下げる常子ですが、テレビの前ではみんな冷や冷やしっぱなし。
一方、テレビの中では常子と司会者のやり取りが進みます。
「・・・ひとえに、私たちを支えて下さり、応援して下さった、読者の方々のおかげだと、思っております」
緊張で声が震えながらも、「私たちの編集長の花山も、草葉の陰で・・喜んでいると思います」どうにか質問に答える常子。
みんなが祈るような思いで画面を見つめる中、話は紙面づくりの方針に移ります。
「はい・・花山も私たちも、とにかく庶民の生活、暮らしを何よりも大切に考えて参りました・・・」
戦争で奪われた豊かな暮らしを取り戻し、その暮しの役に立つ生活の知恵を提案して行く。
そして、暮しの中心に居る女性たちの役に立つ雑誌になって行って欲しい・・・
「今も昔も、只々その事だけを念頭に置いてやって来ております」話しているうちに、常子は少しずつ落ち着いてきたようです。
「”あなたの暮し”にとって、やはり戦争の影響というのは大きくあるのですねえ・・・」司会者の沢は、改めてそう思ったのでした。
「そうですねえ・・戦後生まれの方々はご存じないかもしれませんが・・当時はお家のフライパンなんかも供出しましたからね」
戦時中の苦労話に差し掛かり、沢も大きく頷いています。
鞠子の結婚式での挨拶の時も、やはり緊張でガチガチになっていましたが、常子は晴れがましい舞台が苦手なようです。
そんな常子を緊張から解放してくれたのは、花山が残した言葉。
「悩んだときは・・君の肩に、語り掛けろ・・君に宿ってやるから」最後にそう言い残した花山ですが、まさかこんなにすぐに役に立つとは思っていなかったのではないでしょうか。
花山に言われた通り、そのままを実行した常子でしたが、傍から見るとかなり滑稽な光景。
おかげで常子は本番を前に肩の力を抜くことが出来ましたが、まさか花山もそこまで計算できるはずもなく、泉下で呆れているかもしれません。
それはさて置き、これまで庶民の生活を豊かにするための取り組みが評価され、大きな賞を贈られることになった”あなたの暮し”ですが、花山だったらどうするでしょう。
評価されたことを素直に喜ぶか、それとも気にも留めずに仕事を続けるか・・・
どちらとも言えませんが、自分たちが目指してきた”女性たちの役に立つ雑誌”として世間から認められたことは、やはり嬉しいはずです。
もっとも、社員たちが仕事そっちのけでテレビの前に集合しているのを見たら、大きな雷を落としそうですが・・・
とと姉ちゃん26週155話の感想まとめ
とうとう花山との別れの時を迎え、どうにか気丈に振る舞おうとする常子ですが、一方の美子は涙を堪えることが出来ません。
三枝子から「”あなたの暮し”は常子さんに任せておけば大丈夫」と花山が褒めていた事を聞かされ、常子の脳裏にはいろいろな思いが過ったはずですが・・・
花山の最後の原稿からは、常子たち三姉妹へ寄せる深い信頼が感じられ、それぞれ花山との思い出を振り返ります。
常子たち三姉妹や編集部員たちを描いたイラストも、いつも怒ってばかりいても皆から慕われていた、花山の人柄が良く表れているように思えました。
そしていよいよ迎える最終回・・花山から託された思いに常子はどんな形で応えるのか、最期まで楽しみですね。
以上、とと姉ちゃん26週155話のあらすじネタバレと感想でした!