とと姉ちゃん 26週156話(最終回)のネタバレと感想
NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」26週156話(最終回)のあらすじネタバレと感想です。
まずは26週155話の振り返りを少し。
「先ほど・・花山が息を引き取りました」疲れきった口調の三枝子から連絡を受けた常子は、水田に後を託し花山家に駆けつけます。
「”あなたの暮し”は、常子さんに任せておけば大丈夫だとも・・・」花山が語っていたと聞き、胸がいっぱいになる常子。
突然の別れに、重苦しい雰囲気に包まれる小橋家の人々でしたが、花山が残した最後の原稿の中に、常子たち三姉妹へ宛てた手紙が。
「君が居なければ、今の私は居なかった・・ありがとう」花山が最後に書いた一文に、常子は穏やかな表情を見せるのでした。
花山が亡くなってふた月がたった頃・・・”あなたの暮し”は長年の功績が認められ、雑誌の最高栄誉と言われる日本出版文化賞を受賞しました。
目次
とと姉ちゃん 26週156話(最終回)のあらすじネタバレ
「いくつになっても、常子は僕の娘です」
「かんぱーい!」小橋家では、”あなたの暮し”の日本出版文化賞の受賞を祝い、家族だけのささやかな宴が開かれています。
テーブルの上には、ちらし寿司やおはぎ、ポテトサラダなどごちそうが並び、子供たちも大喜び
「常子伯母さん、このたびは受賞・・おめでとうございます」たまきが声を掛けると、一同からもおめでとうございます・・と声が上がります。
常子はちょっと照れ臭そうに、「ありがとうございます」と挨拶を返しますが、「ありがとうは、私のセリフです」と言う真由美。
「常子伯母さんのおかげで・・こーんなごちそうが食べられるんだもん・・・」うっとりしたように話す真由美を見て、一同は笑いに包まれます。
「いつになったら花より団子じゃなくなるのかしら」娘を注意する美子ですが・・・
「よっちゃんだって、ずーっとそうだったじゃない」鞠子からばらされ、面目丸つぶれ。
ひとしきり笑った後、「では、そろそろ頂きましょうか」常子が声を掛け、ようやく食事が始まります。
すると、「あ、常子さん・・取りますよ」常子の取り皿に料理をよそう水田。
「潤・・こういう時にな、すーっと女性に気を使えるかどうかが・・モテるかどうかの分かれ道だからな・・・」
したり顔で持論を展開する水田ですが、「あ、そう」当の潤は食事に夢中で、まるで馬に耳に念仏。
「真面目に聞いておきなさい!大事なことだぞ・・なあ!」と、大昭を巻き込む水田ですが、大昭は思わず苦笑い。
「ま、この家に育てば・・否が応にも身につくことになるか・・・」何気なく呟いた水田ですが、女性陣からの冷たい視線が・・・
「どういう意味よそれ!」思わずムッとするたまき。
「それじゃ私たちが無理矢理やらせてるみたいじゃない」鞠子からも責められ、ようやく自分に突き刺さる冷たい視線に気付く水田。
大慌てで釈明に追われる水田に大昭は苦笑い、アタフタしている父親を見つめる潤はちょっと冷めた表情。
そんな家族の賑やかな様子を、可笑しそうに見ている常子なのでした。
あなたの暮し出版では、夜遅くまで大勢の社員たちが仕事に追われていました。
「そうそう、水田さん昨日言っていた・・・」書類に判を押していた常子が、ふと顔を上げると・・・
ついさっきまで、大勢の社員たちが忙しく働いていた編集部はシンと静まり返り、ひとっこひとり見当たりません。
突然の事に訳が分からず、呆然とする常子。
居なくなった社員たちを探して、常子が一階の試験室へ降りて来ると、薄暗い室内に謎の人影が。
「あの・・・」明かりを点け、背を向けたままの男性に近付いて行くと、相手がゆっくりと振り返ります。
その顔を見た常子は、驚きのあまり言葉を失ってしまいました。
「やあ、常子」そう声を掛けたのは、紛れもなく、常子が幼い頃亡くなったはずの竹蔵でした。
「とと?」まだ茫然としたままの常子に向かって、竹蔵がゆっくりと近付いてきます。
ただただ驚くばかりの常子に向かって、「どうかしましたか?」まるで何事も無かったかのように話しかける竹蔵。
「いえ・・す・・少し驚いてしまって・・・」常子はそれだけ答えるのがやっと。
「そうですよね・・突然こんな風に表れては驚くのも無理はありません」竹蔵はそう言うと、ニコッと微笑みかけます。
少し落ち着いてきた常子は、「ととは・・あの頃のままですね」そう言いながら、ゆっくりと竹蔵の側へ。
竹蔵も二、三歩近付くと「常子は大きくなりましたね」感慨深そうに語りかけました。
「大きくなったと言いますか・・歳を取りました」若干苦笑いする常子。
「今ではととよりも年上です・・とてもご自分の娘とは思えないでしょう」自嘲気味に話す常子でしたが、竹蔵にとってはそんな事は関係ないようです。
「いくつになっても、常子は僕の娘です」常子の目を真っ直ぐ見つめ、ゆっくりとした口調で語りかける竹蔵。
最後には、可笑しくなって二人とも思わず笑ってしまうのでした。
「ここが常子の作った会社なんですね?」辺りを見回し、竹蔵が改めて尋ねました。
「案内してくれませんか?」竹蔵からそう頼まれると、常子は嬉しそうに説明を始めるのでした。
花山を失い、それでもひた向きに仕事に打ち込む常子の前に、突然姿を現した竹蔵は、常子の記憶の中にあるまま。
一方、「歳を取りました」と自嘲気味に話す常子ですが、「いくつになっても、常子は僕の娘です」という竹蔵のセリフが胸に迫ります。
思えば十一歳の時に竹蔵が無くなって以降、一家の大黒柱・”とと姉ちゃん”として家族を守って来た常子。
家族を必死に守っていく中で、嬉しい事も悲しい事も含めて、たくさんの出来事がありました。
積もる話がたくさんあったはずですが、驚きのあまり言葉にならず、見ていてもどかしい気持ちにもなります。
そんな常子に対し、まるで何事も無かったかのように話しかける竹蔵ですが、常子に対する気遣いなのかもしれません。
気持ちを整理する時間を与えるため、わざと自然体で話しかけているようにも思えました。
そして竹蔵は、あなたの暮し出版を案内してくれるよう常子に頼むのですが、自分の娘が何処までやり遂げたのか確かめたいのでしょうか?
幼い頃、綴方(作文)の宿題のため無茶をした常子を叱りつつ、「自分で考え自分で行動したことは素晴らしいと思います」と褒めた竹蔵。
この面白い感性を失うことなく育ってほしい・・常子に対してそんな思いも抱いていた竹蔵は、常子が素晴らしい仕事をやり遂げた、と信じているはずです。
自分が信じた通りの大人になっていることを、その目で実際に見てみたくなったのかもしれません。
常子の生きる糧
「こちらは・・”商品試験”をする場所です・・今は、扇風機の性能を調べる試験をしています」暮しに役立つ”商品試験”の説明に、竹蔵も感心した様子。
四十七名の社員の他、テスターも加えて百五十名ほどが、現在のあなたの暮し出版に関わっています。
「そんなに大勢が!」驚いた様子の竹蔵を見て、常子はちょっと可笑しそう。
「とと、二階も見て頂けませんか?」常子はそう言って、竹蔵を編集部に案内します。
「元々は・・鞠子と美子と、それから・・編集長の花山さんと、四人だけで始めた会社だったんです」
二階へ戻ってきた常子は、三姉妹で並んで撮った思い出の写真を、竹蔵の前に差し出しました。
「鞠子も美子も・・立派になりましたね!」娘たちの成長した姿に、心底嬉しそうな竹蔵。
竹蔵は編集部の中を見て回ると、「よくぞここまで!」改めて感心している様子。
棚に飾られた”あなたの暮し”のバックナンバーを、興味深そうに眺めています。
その背中に向かって、「色んな方と出会って、助けて頂きました」常子が語りかけると、竹蔵がゆっくりと振り返りました。
「皆さん一人ひとりのお力添えがあったから・・こうして・・・」常子はそこまで話して、竹蔵が泣いていることに気付きました。
「ここまで来るのには・・相当な苦労があったでしょう」涙を堪えながら、常子のこれまでの人生に思いを馳せます。
竹蔵の思わぬ反応に、少なからず驚きを覚えた常子は、「ええ・・まあ・・平坦な道のりでは無かったですけれど」あえて笑顔を作り、そう答えるのでした。
「僕が常子に、父親代わりを託したために・・ずい分と苦労をさせてしまったね」竹蔵は罪悪感を感じているようです。
すまなかった・・涙を堪えつつ、頭を下げる竹蔵。
「そんな事はありません・・とと・・私・・ととの代わりだから”とと姉ちゃん”って呼ばれているんです」
声を震わせながらも、笑顔を見せる常子の姿に、竹蔵は少し驚いた様子。
―――皆さんの”とと”になります
竹蔵が亡くなった後、”家族を守る”という決意を胸に”とと姉ちゃん”となった常子。
一家の大黒柱として、懸命に生きてきたこれまでの人生を走馬灯のように振り返ります。
「出版社を起こして、女の人の役に立つ雑誌を作りたい・・って夢が持てたのも・・私が”とと姉ちゃん”だからです」
常子は、自分の人生に何の後悔も感じてはいません。
鞠子も美子も結婚し、子供も二人合わせて三人授かり、小橋家は今では八人で暮らす大家族。
「もう・・毎日が・・賑やかで、楽しくて、みんなと過ごすささやかな日常が・・私の生きる糧です」
自信を持ってそう断言する常子を見て、竹蔵もようやく安心出来たようです。
「私は・・とと姉ちゃんで居られて幸せです!」満面の笑みを浮かべ、嬉しそうに報告するのでした。
「常子・・頑張ったねえ・・・」竹蔵は、まるで小さい頃の常子にしてあげたように、優しく頭を撫でてあげます。
そして、「ありがとう・・・」竹蔵から最後に声を掛けられると、嬉しくなると同時に涙が溢れる常子なのでした。
百五十名ほどが関わる大きな会社に成長したあなたの暮し出版を、竹蔵に見せて回る常子は充実感に包まれているように見えます。
そして、常子をはじめ娘たちの成長した姿を見た竹蔵は、感慨無量といった様子。
常子の前に姿を現した甲斐があった・・と思ったかもしれません。
竹蔵が亡くなってからというもの、遠州浜松染工の社長・杉野や君子と和解した滝子、青柳商店を追い出された時に拾ってくれたまつなど、多くの人々の助けがありました。
常子はきっと、その一つひとつを竹蔵に話して聞かせたかったに違いありません。
しかし、竹蔵が感極まって泣き出し、常子に苦労を掛けたことに罪悪感を抱いている様子を見て取り、詳細は控えることにしたのではないでしょうか?
「私は・・とと姉ちゃんで居られて幸せです!」満面の笑みを浮かべ報告した常子ですが、”とと姉ちゃん”であることを選び、武蔵と別れる辛い決断をしたことも。
あまり細かなことに話が及ぶと、かえって竹蔵を悲しませることにる・・そう思ったのかもしれません。
竹蔵も常子に色々な事があったことは察しているのではないでしょうか?
まるで小さい頃のように、常子の頭を優しく撫でてあげる竹蔵の姿を見て、そんな風に思えました。
花山も苦笑い?
常子が目を覚ましたのは、自室のベッドの上でした。
ゆっくりと身を起こし、辺りを見回した常子は、ずっと夢を見ていたことに気付きました。
すると、部屋の外から賑やかな笑い声が。
常子がカーテンを開けると、そこには庭の木を囲む家族の姿がありました。
今年もずい分実を付けてくれたわねえ・・こんだけあったら、ジャムご近所さんに配ってもまだあまりそうね・・
今年も実りがあったことに、思い思いに感謝の気持ちを口にしています。
平和な日常の風景を確かめた常子は、ふと自分の机の上に目を向けました。
そこには、”家族を守る”、”鞠子 美子を嫁に出す”、”家を建てる”という常子の目標を書いた三枚の短冊が。
そのうちの一枚、”家族を守る”と書かれた短冊を手に取り、しみじみと見つめる常子。
そして、残りの二枚も手に取り、重ね合わせると・・しばらく見つめた後で、机の引き出しに仕舞い込むのでした。
常子は再び庭の方に目を向け、机の前から離れました。
―――時は流れ、昭和六十三年夏・・・
常子が会社に戻ってくると、ベビーカーを押したテスターの女性たちが出掛けて行くところでした。
「いってらっしゃーい」一人ひとりに声を掛け、見送る常子。
一階の試験室では、今日も新たな”商品試験”のため、社員たちが忙しく働いています。
「ただ今戻りましたー!」二階の編集部に入った常子は、その場の全員に大きな声で帰社を知らせます。
「とと姉ちゃん・・確認お願いします」常子が席に着くと、気付いた美子が原稿を持ってきました。
「それと・・お客様よ」悪戯っぽく笑う美子が指した方を見ると・・・
「んふっふっふ・・鞠ちゃん!」”お客様”の正体が鞠子と分かると、常子は思わず苦笑い。
すると、鞠子が気付き「ちょっと・・かんぴょう巻の差し入れをね」重箱に入ったかんぴょう巻を見せながら、側へと歩いてきます。
常子はそんな鞠子の差し入れを、いつもありがたく思っていました。
「取材に出てたんでしょ?・・社長さん自ら良く働くわね~」からかう様に話しかける鞠子。
一方常子は、「休んでる方が疲れちゃうのよ」と減らず口。
その時、「常子さ~ん!・・すみませ~ん!・・・」情けない声を上げながら、一人の新入社員が駆け込んできました。
「桜井先生の原稿なんですが・・僕がテーマを間違えてお伝えしてしまっていたようで・・・」
とんでもないミスが発覚し、編集部員たちは騒然。
「だ・・だったら一からやり直しじゃない・・・」さすがに常子も唖然としています。
気難しい相手だけに、応じてもらえるか・・不安に駆られる美子。
「さあ・・どうしたもんじゃろのう・・・」常子が頭を抱えていると、切羽詰まった新入社員がお詫びの電話を入れようとしますが・・・
「ああああああ!・・電話じゃ駄目よ!・・お詫びだろうが原稿依頼だろうが、ちゃんとお目に掛かってお伝えしないと!」
言うが早いか、常子は自らお詫びをする為、編集部を飛び出して行くのでした。
「・・・呆れた・・あれじゃ花山さんとやってた時と一緒じゃない・・・」思わずそんな感想を漏らす鞠子。
美子も「花山さんも苦笑いしているわね」と呆れ顔ですが、どこか楽しそうにも見えます。
そんな二人が振り返った先には、花山と一緒に撮った三姉妹の写真がありました。
にこやかな三姉妹に比べ、花山はカメラを睨み付けるような仏頂面。
その頃常子は、全力で街中を走り抜けていました。
走り続けてかなり息苦しそうですが、その表情には笑顔も。
新入社員のミスを挽回するため、ひたすら駆けて行くのでした。
フッと目を覚ました常子は、夢の中で久々に竹蔵と再会したことを、一体どう感じたのでしょうか?
三枚の短冊の中から、最初に”家族を守る”と書かれた一枚を手に取ったことがその答えのような気がします。
これまで”とと姉ちゃん”として自分がやって来たことが、ようやくととにも認めてもらえた・・きっとそう感じたはずです。
そして、三枚の短冊を机の引き出しに仕舞い込み、常子の中で大きな心境の変化があったことを伺わせますが・・・
別にこれで”とと姉ちゃん”を辞める・・という事ではなく、これからは一歩引いた立場からみんなを見守ろうという事なのではないでしょうか?
鞠子も美子も既に結婚して家庭を持ち、合わせて三人の子供にも恵まれ、自分がこれ以上先頭に立って引っ張る必要ない、そう感じたのかもしれません。
竹蔵に優しく頭を撫でてもらい、そんな心境になったのだ思うと、何だか胸が熱くなります。
しかし、それから時が流れても、会社での常子は相変わらず先頭に立って猪突猛進。
「花山さんも苦笑いしているわね」と呆れ顔の美子ですが、花山は常子のそんな行動を否定しないと思います。
「君は社員が毎日幸せに働いているかどうかを、いつも気に掛けている番人になれ!」かつて常子に対して、そんな風に語っていた花山。
そして、「謝るということが、会社の代表として一番大きな仕事だ」とも。
常子の胸には、花山の言葉がずっと生きていたのでした。
とと姉ちゃん26週156話(最終回)の感想まとめ
ついさっきまで忙しく働いていた社員たちが姿を消し、ガランとした編集部の中を呆気にとられたように見回す常子。
薄暗い一階に下りてくると、そこには謎の人影が・・常子が明かりを点けると、何と目の前に居たのは常子が幼い頃亡くなったはずの竹蔵だったのです。
常子のこれまでに苦労を思い、思わず涙が溢れる竹蔵に「私は、”とと姉ちゃん”で居られて幸せです」と、常子は笑顔で答えます。
ととからようやく認めてもらえた・・そんな思いが込み上げて来たのか、常子は目標を書いた三枚の短冊を机にしまい、人生の大きな節目となったようです。
それでも、常子の日常には大きな変化がある訳ではなく、むしろこれまで以上に張り切って仕事に取り組む姿に、美子も鞠子も苦笑いするしかないのでした。
以上、とと姉ちゃん26週156話のあらすじネタバレと感想でした!