とと姉ちゃん 20週118話のネタバレと感想
NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」20週118話のあらすじネタバレと感想です。
まずは20週117話の振り返りを少し。
いよいよ花山の指示の元で石鹸の”商品試験”始まり、常子はそれと並行して各家庭の台所の取材を続けていました。
そんな中、取材先で知り合った大樹と青葉の兄妹に誘われ、取材させて貰おうと二人の家を訪ねると、何と二人の父親はかつての恋人・星野武蔵だったのです。
驚きを隠せない常子は、取材を続けるものの結局何も話せず、武蔵もまた同様に多くを語りません。
一方、綾たちの協力も得て”商品試験”は順調に進み、検査機関からは大手メーカーの商品の欠陥を示すデータが出され、些か興奮気味の花山でしたが・・・
大手メーカー・麗風堂と古くから付き合いのある検査機関が、メーカー名を伏せることを要求してきたのです。
とと姉ちゃん 20週118話のあらすじネタバレ
「私たちでやろう!」
「我が検査機関による・・検査を基に・・メーカー名を公表するのは・・どうかお止め下さい!」
古くから付き合いのある麗風堂の商品が、各項目で最低の評価となったことを受け、完全に腰が引きてしまった検査機関。
花山は検査結果のデータを見ながら、じっと考え込んでいます。
―――メーカー名を公表すべきか、”商品試験”の結果を優先すべきか・・常子と花山は決断を迫られたのでした
数日後・・結局メーカー名は公表せず、”商品試験”の結果のみを掲載した最新号が発売されました。
不本意な出来栄えの最新号を見て、不満を募らせる花山のもとへ、常子たちがやって来ました。
「悔しがってる顔でも見に来たか?」憎まれ口を叩く花山でしたが、「悔しいのは私たちも一緒です」と言う美子。
これでは何のための”商品試験”か分からない・・不満なのは常子も同じです。
「出来上がった”あなたの暮し”を読んで・・こんなに苦い気持ちになったことは無いよ」毎号、庶民に豊かな暮らしをもたらすため、一切の妥協を許さず戦ってきた・・・
にも関わらず、「こんな生ぬるい記事を載せることになるなんて!」最も不満なのは花山でした。
これではいけない、次号は必ずメーカー名を公表した記事を載せ、読者に事実をありのまま伝える・・真剣な表情で訴える花山。
常子も力強く頷くものの、「今後”商品試験”を続けるとなれば、また、どこかの検査機関を頼らざるを得なくなります」水田が不安を口にします。
それでは、また同じ問題が繰り返される恐れが・・理想通りの”商品試験”を続けることの困難さを指摘する水田。
すると、「私たちでやろう・・全て私たちだけで試験する」しばらく考え込んでいた花山ですが、思い切った決断を下しました。
検査機関に頼らず自前で試験をするならば、横やりが入る心配もない・・美子は賛成するものの、常子は微妙な反応。
一方、「僕は反対です!・・常子さんも・・僕と同じことを、懸念してるんじゃないですか?」水田が異議を唱え、常子に意見を求めます。
水田と常子が心配していたのは、自前で試験をする場合に必要となる、膨大な費用の事でした。
今回の石鹸のように、成分の分析等、専門性の高い知識や経験が必要とされる試験をする場合、検査器具も一から揃える必要が。
それに会社内で試験を行う場合、もっと広い場所を確保しなければなりません。
「会社が傾く可能性だってあります!」水田の言葉に、驚きを隠せない美子。
実際に自前で試験を始めれば、まだまだ問題が出てくるはず・・・
「それは分かっている!・・だが・・”商品試験”には、我々が追い求めていた、”あなたの暮し”の全てがある気がするんだよ!」
必死に訴える花山を見ているうちに、常子はかつて会社を起こす前に花山と交わした会話を思い出していました。
―――衣服だけでなく・・衣食住にまつわる全ての中で、毎号・・私たちが大切だと思う物を調べて・・・
実際に、その生活の知恵を実験してみて、体験したことを読者に伝え、庶民の生活が今日よりも明日と、少しでも豊かになる様な雑誌を作りたい・・そんな志を話し合った常子と花山。
―――もう間違えないようにしませんか?
自らの言葉を思い出した常子は、「そうですね・・やりましょう!・・私たちは、そのためにこの雑誌を作ったんです」ついに決断を下しました。
二人がやる気なら・・常子と花山の決意を目の当たりにし、美子も覚悟を決めたようです。
そして三人の視線が集まると、水田は小さなため息と共に口を開きました。
「今なら・・このビルの一階が空いてます・・家賃も安く出来そうだと、大家さんから聞きました・・・」
花山と常子が「自分たちで”商品試験”をする」と言い出す予感がしていた水田は、既に下調べを始めていたのでした。
「社長が決めた事なら、異論はありません」きっぱりと告げる水田。
嬉しそうに頷いた常子は、「では、早速みんなに発表しましょう!」行動を開始するのでした。
一切の妥協を許さず、”あなたの暮し”を作り続けてきた中で、初めて苦い気持ちを味わった花山。
そんな花山の熱い思いを聞くうちに、”あなたの暮し”を作った当初の気持ちを思い出し、花山と共に新たな一歩を踏み出す決意を固めた常子。
費用の心配をして渋い表情を見せていた水田も、実はこうなることを見越して既に動き始めていたと知り、常子たちの士気は高まりますが・・・
水田の指摘を待つまでもなく、全て自前で試験を実施するとなると、様々な困難が予想されます。
”商品試験”にこそ、自分たちが追い求めていた全てがある・・熱く語る花山ですが、全員が同じ方向に向かって猪突猛進していいのか、心配な面も。
とは言え、この件は”あなたの暮し”のアイデンティティーの問題とも言うべきことだけに、他に選択肢は無いのかもしれません。
しかし、だからと言って行き過ぎた時にブレーキを掛ける人間も必要です。
常子が花山と共に前のめりになりつつある今、その役目は水田が果たすことになるのでしょうか。
常子たちに次ぐ古株の社員として、また経理担当として、理想の追求と会社の存続を両立させるべく、バランスとる難しい役回りを演じることになるのかもしれません。
”お洒落おばちゃま”
「う~ん・・何度やってもダメだ・・このシミは落ちないな」思わず呟く武蔵。
青葉の洋服に着いた赤いシミを、何とか洗い落とそうと洗濯板にこすり付けるものの、如何ともし難い様子。
「分かった分かった・・新しいのを買ってあげるから、泣かない泣かない」ぐずる青葉をどうにか宥めます。
可愛い洋服を欲しがる青葉ですが、武蔵には”女の子の可愛い”がよく分かりません。
「あ!お洒落おばちゃまみたいなお洋服がいい!」唐突に思いついた青葉。
”お洒落おばちゃま”と言われてもピンとこない武蔵でしたが、青葉の描いた絵を見て常子の事と気付きました。
しばし考えた武蔵でしたが、「聞いてみようか」そう呟くと、子供たちと共に常子を訪ねることに。
武蔵たちが常子の会社にやって来たのは、日が暮れた後でした。
「こんばんは・・どうかされたんですか?」突然の来訪に、常子はちょっと戸惑い気味。
「実は・・先日、娘のよそ行きの服が汚れてしまい・・何度も洗ったんですが、どうにも色が落ちなくて・・・」
武蔵の話を聞き、傘の色が落ちた時の・・と思い当る常子。
「でも、お父さんが新しいの買ってくれるって!」青葉が機嫌よく答え、常子は買い物帰りに立ち寄ったのかと思いますが・・・
「何処に女の子の可愛らしい服が売っているのか、また、どのような服が幼児に可愛らしい服として認知されているのか、僕には・・理解不可能で」
相変わらずの武蔵の口調に、常子はちょっと苦笑いを見せました。
「だから、青葉がお洒落おばちゃまみたいな服がいいって!言ったの」大樹が説明を付け足すと、コクリと頷く青葉。
”お洒落おばちゃま”と呼ばれ、常子は嬉しそうに二人に微笑みかけます。
武蔵が改めて、常子の着ている洋服に似た子供服がどこに売っているか尋ねると、常子は手帳を捲って調べ始めました。
「知ってるの?」青葉は興味津々のようです。
「お洒落おばちゃま何でもしってるよ~」常子も子供たちに調子を合わせ、おどけて答えます。
一方、武蔵は常子の家族の近況を尋ねてみました。
少し白髪が増えた君子のこと、今も同じ会社で働いている美子のこと、結婚して娘が一人いる鞠子のこと・・尋ねられるままに答える常子。
「お!・・鞠子さんに娘さんが・・おいくつですか?・・四つか・・青葉の一つ下か・・・」武蔵は感慨深げ。
「では・・森田屋の皆さんや青柳商店の皆さんはその後・・」立て続けに尋ねる武蔵に、「少しお時間ありますか?」悪戯っぽく笑って常子が確認します。
その頃、森田屋では・・・
「じゃあ、これから常子ちゃんも美子ちゃんも忙しくなるわねえ!」美子から事情を聴き、ちょっと心配そうな照代。
自前で”商品試験”をやることになり、これまで以上に忙しくなる事は間違いありません。
「それじゃあ、タイショウと会ってる暇なんかねえなあ~」宗吉がイジワルな質問をぶつけます。
が、「いいえ、それは何とかします」あっさり答える美子に、「愛されちゃってんな~タイショウ!」まるで自分の事のように喜ぶ宗吉。
一方の南は、「ええ・・はい」とこちらもあっさりとしたもの。
「ごちそうさま!」照代も二人の様子を見て、すっかりあてられたようです。
宗吉が見つめ合う二人をからかっていると、「こんばんはー」と入口の方から常子の声が。
宗吉たちが奥の厨房から顔を覗かせると、「どうぞ」常子は外に向かって声を掛けます。
やや不審そうな表情を見せる宗吉たちの前に、「どうも・・ご無沙汰しております」店の中に入って来た武蔵が挨拶しました。
「ああ・・星野さん!」懐かしさのあまり、思わず近寄る美子。
「葉っぱの兄ちゃん!」宗吉も驚きを隠せません。
あまりに突然の再会に、「本物よね?」照代は中々信じられない様子。
「ええ!本物の星野武蔵です!」ちょっとおどけて答える武蔵の手を握り、「生きてやがったよ!この野郎!」心底嬉しそうにはしゃぐ宗吉なのでした。
青葉も大樹も”お洒落おばちゃま”の常子がかなり気に入った様子。
幼くして母親を亡くした二人は、常子に母親なの姿を重ねているのかもしれませんが、ひょっとしたら子供たちのちょっとした気まぐれということも。
常子の方は兄妹に懐かれて素直に喜んでいるようですが、武蔵の子供たちという事を考えれば、少々複雑な思いを抱えているのかもしれません。
あの時武蔵のプロポーズを受け入れ、一緒に大阪に付いて行っていたら・・そんな思いが過っているのではないでしょうか。
常子と武蔵の仲がこれから進展していくのか、なんとも気になるところですが、カギを握っているのは、やはり青葉と大樹の兄妹だと思います。
今は常子の事を優しい”お洒落おばちゃま”としか認識していない二人ですが、常子の立場が変化した時どんな反応を見せるのか、ちょっと心配になります。
一方、宗吉たちにからかわれてもお構いなしで、美子と南の仲は順調そうですが、どこかに落とし穴が隠されているかもしれません。
まだ付き合い始めたばかりで、お互いの事をよく分かっていないはず・・南がプライベートでどんな人間なのか、明らかになった時にひと波乱ありそうにも思えます。
美子の性格からして、トラブルになった時にエキセントリックな行動に打って出そうな予感も・・・
少しも変わらない武蔵を見て・・・
その後子供たちの面倒を南に任せ、武蔵は宗吉たちとテーブルを囲んで座ります。
「ホットケーキでも焼いてくるから」南がそう言うと、嬉しそうにはしゃぐ兄妹。
「すみません・・二人とも、良い子にしてるんだぞ」すっかり父親らしくなった武蔵を、頼もしげに見つめる宗吉たち。
昔の知り合いを前に、照れ臭そうに笑う武蔵なのでした。
「そう言えば・・当時手紙を差し上げたのですが、お返事が無くて心配していたんです」
常子から話を聞き、申し訳なさそうにする武蔵ですが、その時には既に内地に居なかったとのこと。
武蔵は南方のスマトラ島に飛ばされ、油田地帯の警備に就いた部隊の本部でずっと書類仕事をさせられていたようです。
「さすがに、帝大卒ですものね」照代の言葉に、皆も納得。
「現地の人に農業を教えたことがきっかけで仲良くなったり・・そんなに悪い事ばかりでもありませんでした」
努めて明るく振り返る武蔵でしたが、スマトラでも敵の空襲を受け、上官や戦友が大勢亡くなったと言います。
「親しかった・・現地の人たちも巻き込まれて・・爆撃がほんの少しずれていれば、僕もこうして、皆さんとお話してはいなかったと思います」
さすがに辛そうな表情を見せる武蔵に、しんみりとした雰囲気に。
スマトラはその後、現地が混乱したとこもあり、武蔵が復員できたのは昭和二十一年の十二月のことでした。
「ああ・・そりゃずい分遅くなったなあ・・」終戦から一年以上もたっての復員に、宗吉も照代も同情を寄せます。
しかし、武蔵の両親が「涙を流し喜んでくれました」という話を聞き、重たい空気も幾分和らぎます。
「それからしばらくして、大阪の大学に帰ったんですが・・研究室にはもう別の方が雇用されており、僕の居場所はありませんでした」
自嘲気味に笑って見せる武蔵ですが、その後帝大時代に世話になった教授に相談し、仕事を紹介してもらったのでした。
「植物関係のお仕事ですが?」思わずそう尋ねる美子ですが、どうやら違うようです。
「・・・どんな仕事でもいいですから、とお願いして入れたのが、医薬品を扱っている会社でした」
葉っぱの兄ちゃんが、薬の兄ちゃんか・・宗吉にからかわれ、思わず笑みがこぼれる武蔵。
「妻と出会ったのも・・この会社です」穏やかに語る武蔵につられ、「女房はどうした?・・逃げられたんじゃねえだろうなあ!」宗吉がつい軽口を叩きます。
しかし、「それが・・妻は亡くなりまして」武蔵が打ち明けると、さすがにシンと静まり返る宗吉たち。
「・・・悪い事を・・聞いちまったな・・・」宗吉が申し訳なさそうに言うと、再び重苦しい雰囲気になりかけるものの、既に四年も前の事で、武蔵も吹っ切れている様子。
それを見た宗吉は「それより、今日は飲もうぜ・・聞きたいことも山ほどあるしなあ・・・」と、武蔵を誘います。
そんな宗吉に、「昔よりは飲めるようになったんですよ!」嬉しそうに応じる武蔵。
―――十五年たっても変わらない星野の人柄に、懐かしさを覚える常子でした。
以前に比べて、少し痩せたように見える武蔵を心配していた常子でしたが、独特の口調から滲む人柄は昔と変わりなく、取り敢えずはひと安心。
帝大卒という学歴が物を言ったのか、もっぱら書類仕事をさせられていたという武蔵ですが、さすがにそれ以外の仕事では役に立たない・・と上官に思われたのかもしれません。
一方で、現地・スマトラの人々に農業を教えるなど、武蔵ならでは貢献はどの程度評価されていたのでしょうか?
戦争末期のひっ迫した状況で、そんな悠長なことをやっているどころではなかったと思うのですが・・・
努めて明るい口調ながら、常子たちには明らかに出来ない苦労があったのかもしれません。
宗吉の誘いに、「昔よりは飲めるようになったんですよ!」と嬉しそうに応じた武蔵ですが、ひょっとするとそれも苦労の証しではないでしょうか。
本当のところ、どんな苦労があったのか・・今後武蔵の口から語られるのかもしれません。
とと姉ちゃん20週118話の感想まとめ
一切の妥協を許さず”あなたの暮し”を作ってきた花山ですが、初めて妥協を強いられる結果となり、「こんなに苦い気持ちになったことは無いよ」と不満を露わに。
二度と”生ぬるい記事”を載せる羽目にならないよう、全て自前で”商品試験”を実施することを提案した花山に、常子も覚悟を決めるのでした。
今後水田の懸念が現実のものとならないか、若干の不安も抱えつつ新たな一歩を踏み出すことになった常子たちですが、果たしてどうなるのか・・・
一方、武蔵を案内してキッチン森田屋を訪れた常子は、懐かしい再会に喜ぶ一同を見て、幸せな気分に浸っているように見えます。
色々なことが新しく動き始め、次の展開が気に掛かりますが、一見順調そうな美子と南の恋の行方は・・・
以上、とと姉ちゃん20週118話のあらすじネタバレと感想でした!