とと姉ちゃん 23週134話のネタバレと感想
NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」23週134話のあらすじネタバレと感想です。
まずは23週133話の振り返りを少し。
アカバネからの嫌がらせが続く常子たちの周りを、怪しいハンチング帽の男が嗅ぎ回り、さらに不穏な空気が漂う中、印刷会社から一本の電話が。
何と、花山の代理を名乗る男の指示で原稿を捨ててしまったという信じがたい話に、編集部にも動揺が走りますが、常子は急ぎ対応を指示します。
しかし、そのせいで武蔵と約束した日曜日の動物園行きは難しくなり、断りの電話を入れた常子は青葉から「おばちゃまの嘘つき!」と非難され、ショックを受けるのでした。
常子と花山が会社に泊まり込み、夜を徹して原稿を作り直すための作業を続けていると、突然ハンチング帽の男が編集部にやってきます。
男は大東京新聞の国実と名乗り、”商品試験”に対して露骨に疑いの目を向け、常子たちを”拝金主義者”とまでこき下ろし、さすがに常子もショックを受けたようですが・・・
目次
とと姉ちゃん 23週134話のあらすじネタバレ
差し入れのおにぎりに常子は・・・
桑原印刷から掛かってきた電話に出た常子は、何者かの嫌がらせによって”商品試験”の原稿が処分されてしまった事を知ります。
原稿は花山が書き直すことになったものの、楽しみにしていた子供たちとのお出掛けは難しくなり、電話で謝ることにした常子でしたが・・・
幼い青葉に常子の気持ちは伝わらず、「おばちゃまの嘘つき!」と受話器の向こうから聞こえてくる声に、常子は酷く傷つくのでした。
―――花山は不眠不休で原稿を書き直し、写真も全て準備し直しました
原稿は何とか日曜日の午後に印刷所に届けることができ、印刷所も最大限のスピードで作業を進めることを約束。
「はい・・ありがとうございます・・何とか間に合いそうなんですが、確認が取れましたら、またご連絡差し上げます」
どうにか窮地を脱し、常子が書店や取次店にお詫びの電話を掛けているところへ、美子が来客を案内してきました。
「星野さん・・・」美子に連れられて入って来た武蔵と子供たちを見て、少しホッとした様子の常子。
ちょうど一段落ついたところだっただけに、常子にとっては何よりの息抜きになったようです。
「ああ・・じゃ、私は・・お先に」常子と武蔵の顔を見比べていた美子でしたが、気を利かせて一足先に帰ることに。
「みんな一緒に来てくれたんだ」子供たちの予想外の訪問に、常子は思わず笑みがこぼれます。
そんな常子を前に、青葉は少し遠慮がち。
「ねえ、おばちゃま・・昨日はわがまま言ってごめんなさい」屈みこんだ常子の顔を見上げながら、恐る恐る謝る青葉。
「ううん・・わがままだなんて・・悪いのはおばちゃまなんだから」常子は青葉の髪を優しく撫でてあげます。
まだ少し落ち込んでいる青葉ですが、一方で大樹は「おばちゃん、これ」と言って持っていた包を常子の前に差し出しました。
何だろう・・包を受け取った常子は、重さを確かめたり匂いを嗅いでみたりとちょっと楽しそう。
そんな常子に、「おにぎりなの!」嬉しそうに教えてあげる青葉。
三人で一つずつ作ったと言い、「大きいのが私の!」と青葉は得意気にしています。
「ああ!ありがとう・・おばちゃまね、ちょうど今ね、お腹空いてたの」常子は子供たちに向かって、ニッコリと微笑んでみせるのでした。
差し入れを渡した武蔵が子供たちを促して帰ろうとした時、ガチャっとドアが開き花山が部屋に入ってきました。
「おや・・お客さんかい」見慣れぬ武蔵たちに、ゆっくり近づく花山。
「急にお邪魔してしまってすみません・・僕たちは・・その・・」武蔵は変に意識してしまい、上手く言葉が出てきません。
「む・・昔の・・知り合いと言いますか・・ゆ・・友人です」常子の方もしどろもどろ。
二人の様子から大体の関係を察した花山は、「ごゆっくりどうぞ~~」と子供たちに向かっておどけるように言うと、次回の企画案を常子に手渡し、部屋を出て行きました。
子供たちは大喜びでしたが、武蔵は呆気にとられてしまったようです。
楽しみにしていた動物園へのお出掛けがダメになり、「おばちゃまの嘘つき!」と常子を非難する言葉を、思わず口にしてしまった青葉。
常子にとっても相当ショックな出来事だっただけに、少し長引くかとも思いましたが、武蔵と大樹と共におにぎりを差し入れた青葉は、ずい分反省した様子でした。
父親である武蔵が懇々と諭したと考えるのが普通ですが、ひょっとすると大樹が言って聞かせたのかもしれません。
信頼していた常子に裏切られ、大人に対する不信感を持ったところに、父親が説教をしても効果は薄いのではないでしょうか?
この場合、武蔵よりも大樹の口から常子の気持ちについて説明する方が、青葉にとってもすんなりと受け入れやすいように思えます。
いずれにしても、仕事で問題を抱える中で子供たちとの関係にまで神経を使わねばならない状況は、常子にとっては相当な負担。
思いの外早く解決に漕ぎ着け、青葉から手作りのおにぎりまで貰って、ひとつ肩の荷が下りた・・と常子もホッとしているのではないでしょうか?
後悔しないように生きる
「今日の事はすみませんでした・・この埋め合わせは必ず」武蔵たちを玄関まで見送った常子は、改めて約束を破ってしまったことを謝りました。
しかし、常子にとって社員が大事な家族だと理解している武蔵は、「優先するのは当然です」とその気持ちを汲み、優しく声を掛けます。
「お互いに無理をせず、補い合いながら時間を作って行きましょう」武蔵の見せた大人の余裕に、常子も少しホッとしたようです。
「おばちゃま、またね!」すっかり機嫌の直った青葉は、武蔵と大樹と共に帰っていきました。
一方花山は、相変わらず一人で知恵の輪に興じていました。
「花山さん・・たった今印刷所から連絡あり、予定通り発売日に間に合うそうです」武蔵たちを見送った常子が、戻ってきて報告します。
ようやく問題が解決し、ホッとする常子でしたが・・「彼と交際しているのかい?」出し抜けに花山に尋ねられ、若干動揺した様子。
「ああ・・いや・・その・・まだ・・そういう・・はっきりしたことはまだ・・・」しどろもどろで、何と答えていいか迷う常子。
「花山さん・・今私はこういう事にうつつを抜かしている場合ではないのは分かっているんですが・・・」
常子は怒られると思ったのか、何とか釈明を試みます。
が、「謝ることではないよ・・・」花山は別に怒っている訳ではなさそうです。
しかし、新しい雑誌を作るとなった時に”人生を掛けて雑誌を作る”と花山に誓った手前、「それなのに・・という思いが」胸の中にあるという常子。
ですが、「君も不器用な人間だね」花山はフッと笑ってそう言いました。
花山も常子の言葉が安易な気持ちから出たものとは思っておらず、実際に常子は「社長が社員の親である」という考えをよく体現し、特に不満は無いようです。
「だからあえて言うがね・・あの時の誓いに縛られることは無いんじゃないか?」花山の言葉を、戸惑いながら聞く常子。
生まれたばかりのあの頃と違い、今は曲がりなりにも自分の足で立てるようにはなった、”あなたの暮し”。
「仕事も大切だが・・常子さんの人生なのだから、後悔しないように生きるべきだよ」珍しく花山に優しい言葉を掛けられ、常子も少し気持ちが楽になったようです。
昭和三十二年五月・・紆余曲折を経て、電気釜の”商品試験”の記事が掲載された”あなたの暮し”最新号は無事発売。
―――発売直後より、「電気釜を選ぶ際に参考になった」という感謝の言葉が、読者から数多く寄せられました
一方、大東京新聞では・・・
「おい・・”あなたの暮し”は凄いなあ・・四十二万部だってよ・・・」国実の背後で、同僚の記者たちが驚きの声を上げています。
”商品試験”も相変わらず手厳しい内容で、「ここまで書かれたらアカバネも堪らんな~」などと言う意見も。
最低の”C”の評価を付けられたのはアカバネだけとあって、さらに厳しい状況に追い込まれることは必至。
自分の席で”商品試験”の記事にじっと目を通す国実は・・・
”あなたの暮し”に対してかなり偏見を持っている国実ですが、最新号の反響の大きさを横目に見ながら何を考えているのでしょうか?
常子たちの前では、メーカー側の立場に立つようなことを言っていた国実ですが、果たしてそれが本心なのか、それとも常子たちを挑発する目的だったのか・・・
もし、本気で常子たちの事を”拝金主義者”だと考えているのであれば、国実から見ればアカバネの方が被害者ということに。
妙な正義感に駆られ、赤羽根に体よく利用されたりするのでは・・という懸念も。
それはさて置き、花山からの忠告を常子はどう受け取ったのでしょうか?
「常子さんの人生なのだから、後悔しないように生きるべきだよ」と言われ、武蔵との関係でもう一歩踏み込んでみよう・・と思ったかもしれません。
最初の誓いに縛られる常子を”不器用”と表現した花山ですが、常子自身にもその自覚があったのではないでしょうか。
ひょっとしたら、誰かに背中を押してもらうのを待っていたのかもしれません。
「”月が綺麗ですね”と・・・」
久しぶりに武蔵に家に遊びに来た常子は、子供たちと一緒に武蔵の学生時代のノートを眺めていました。
「とっても綺麗・・・」ノートに書かれた植物の絵を見て、驚いたように声を上げる青葉。
まるで本物の花のような精密な絵を見て、大樹もすっかり感心したようです。
「大樹君と青葉ちゃんのお父さんは、昔た~くさんお花の絵を描いてたんだよ」懐かしそうに当時を振り返る常子。
常子の話聞いて、青葉や大樹は興味津々。
大樹から「もう一回描いてよ」とねだられた武蔵は、今度みんなで描きに行こう・・と提案するのでした。
新しいお出掛けの予定が決まった子供たちは、本当に嬉しそう。
その日、夜遅くまで星野家に居た常子は、遊び疲れた子供たちを寝かしつけます。
青葉と大樹がようやく寝静まると、常子は縁側にいる武蔵の隣に腰を下ろしました。
「二人とも、もうぐっすりです」武蔵に伝えると、「まだ寝たくないって言ってたのに・・あっという間でした」ちょっと可笑しそうに振り返ります。
「疲れたんでしょう・・二人とも、久しぶりに常子さんと過ごせて・・はしゃいでましたから・・・」と言う武蔵でしたが、楽しかったのは常子も同じ。
そして、もちろん武蔵も同じ気持ちで、二人の間に和やかな雰囲気が漂います。
「綺麗な月だなあ・・・」ふと夜空を見上げ、ポツリと呟く武蔵。
常子も上を見上げ、「本当ですね・・・」と素直に応じます。
すると、隣に座っていた武蔵が不意に何かを思い出したかのように、フッと笑いました。
「以前・・”月が綺麗だ”と言った僕の言葉を、鞠子さんが愛の告白だと勘違いしたことが」不意に記憶の底から浮かび上がってきたのでした。
「ふふっ・・ありましたね・・そんなこと」常子も思い出し、可笑しそうに笑います。
一方で武蔵には、「でも僕はそれを聞いて・・素敵だと思いました」との思いも。
「だから本当は・・結婚をお願いしたあの時に・・月を見ながら”月が綺麗ですね”と・・常子さんに思いを伝えるつもりだったんです」
緊張してそんな気の利いたこと言えなかった・・と自嘲気味に語る武蔵を、温かく見守る常子。
「そうだったんですね・・あの日」当時の事を思い出し、常子は少ししんみりとした雰囲気を漂わせます。
「今・・あの時と同じ気持ちです」武蔵は、常子を真っ直ぐに見つめたまま告白しました。
「常子さん・・・」自分の事を真っ直ぐ見つめ返す常子の名を呼び、そっと抱きしめます。
しばし武蔵に身を委ねていた常子でしたが、ゆっくり離れると武蔵と見つめ合い、やがて武蔵が常子の唇にキスを・・・
一方、”あなたの暮し”最新号の発売を受け、アカバネ電器の社長室では・・・
「村山・・我が社の事について書いてあることを読んでみろ」不機嫌そうに命じる赤羽根。
「・・・特にアカバネはフタやつまみが熱くなることを明記しておらず、使う人の立場を考えているとは言えません」
赤羽根の指示を受け、村山が恐る恐る記事の内容を読み上げます。
「どういう事だ?」赤羽根は、嫌がらせの実行役である酒井に改めて問い質しました。
「決して手加減したつもりはないんですが・・・」弁解を試みる酒井ですが、赤羽根は納得しません。
「どうだかなあ・・お前は昔から妹に似て、優しいところがあるからなあ・・秀樹」出来の悪い甥に不満気な様子。
「だけど伯父さん!」さらに弁解しようとする酒井でしたが、「会社では社長だ・・・」赤羽根はドスの利いた低い声で、脅す様に忠告します。
「こいつらは世直しでもしてるつもりか・・思い上がりも甚だしい・・マスコミに持ち上げられて調子に乗りすぎてしまったんだなあ・・・」
脅しにも屈することなく、アイロンに続いて電気釜まで酷評され、はらわたが煮えくり返っている赤羽根は、さらなる妨害を考えたようです。
「・・・だったらそのマスコミを敵に回せばいい」憎々しげに呟き、”あなたの暮し”を引き裂き、投げ捨てました。
「何としてでも”商品試験”をやめさせろ・・手段は選ばん」改めて妨害の続行を厳命します。
「苦労してここまで大きくしたんだ・・こんなことで潰されて堪るか!」そう呟く赤羽根の視線の先には、額に入れられた工場の写真が・・・
「後悔しないように生きるべきだよ」と花山から背中を押され、常子もようやく武蔵の気持ちを受け入れることにしたようです。
当然、仕事の面でひと段落してホッとしたこともあるでしょうが、最初の誓いに縛られていた常子が、花山の一言で解放された面もあると思います。
或いは、始め頼りなかった水田や、他の社員たち、それに美子の成長もあって、自分一人で全てを抱え込むことはない・・そう思えたのではないでしょうか。
そして、花山をはじめとして、みんなの協力があって成り立っている”あなたの暮し”の中で、改めて自分の立ち位置について考えたのかもしれません。
皆が徐々に自分の足で立って歩き始めた中、社長の役割も自然と小さくなっていく・・だとすれば、武蔵との関係を一歩先に進めてもいい。
常子はそんな風に考えたのではないでしょうか?
一方で武蔵は、プロポーズの時の”裏話”を常子に打ち明け、思わず自分でも苦笑いしてしまいますが・・・
結果的に上手く緊張がほぐれ、十五年越しで再びやり直したプロポーズを成功させることに。
しかし、「月を見ながら”月が綺麗ですね”と」常子に思いを伝えるつもりだったと言っていましたが、本当にそんな計算があったのでしょうか?
実はこの場で思いついたことを喋っていただけかもしれません。
学生時代の武蔵の事を思い返すと、どうもそんなキャラでもありませんし、逆に今の武蔵は大人になった分、色々と策を弄しているような気もします。
そんな風に考えるのは穿ちすぎかもしれませんが・・・
とと姉ちゃん23週134話の感想まとめ
花山が不眠不休で原稿を書き直し、何とか予定通りの発売に漕ぎ着けた”あなたの暮し”ですが、自社製品に最低の評価を突き付けられた赤羽根は、さらに恨みを募らせることに。
完全な逆恨みとしか思えませんが、苦労して会社を大きくしたという自負心を持つ赤羽根は、このまま済ませる気は全くありません。
一方、”あなたの暮し”は大東京新聞の記者たちの間でも評判を呼んでいるようですが、同僚たちの話にじっと耳を澄ませる国実は、一体何を考えているのでしょうか?
赤羽根はマスコミを利用することを考えているようですが、常子たちのやり方に疑問を抱く国実と、共闘することになるのかもしれません。
青葉とも仲直りし、武蔵との交際も順調な常子ですが、赤羽根との闘いに終わる気配はなく、まだまだ困難な時が続きそうです。
以上、とと姉ちゃん23週134話のあらすじネタバレと感想でした!