とと姉ちゃん 7週39話のネタバレと感想
NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」7週39話のあらすじネタバレと感想です。
まずは7週38話の振り返りを少し。
何かに悩んでいる様子の鞠子を見て、チヨから借りた『青鞜』を半ば強引に押し付けた常子。
最初は仕方なく読み始めた鞠子でしたが、夜遅くまで熱心に読み耽り、朝にはすっかり感化され「景色が変わった気がした」のでした。
そして常子と共にチヨに会い、その力強い言葉に圧倒されるものの、まだ一歩踏み出す勇気は出せずにいます。
鞠子が将来について悩んでいるのでは・・と気になる常子でしたが、今はまだ見守ることしか出来ません。
そんな折、しばらくぶりに叔父・鉄郎が尋ねてきたのですが・・・
とと姉ちゃん 7週39話のあらすじネタバレ
成功者?鉄郎
「叔父さん!?」常子が学校から戻ると、森田屋では宴会の真っ最中でした。
すっかり出来上がった様子の宗吉や隈井に交じって、叔父・鉄郎の姿まで・・・
「おー!常子嬢のお帰りだあ・・・」鉄郎が声を上げると、なぜか酔っ払い一同は拍手喝采。
酒持ってくる奴に悪い奴はいねえ・・・長谷川も上機嫌、手土産のお酒が利いたようです。
酒臭い鉄郎に常子が呆れていると、「どうもー、常子さん!」べろんべろんに酔っぱらった武蔵が話しかけてきました。
「苦手って言ったんですけど・・飲まされちゃって・・・」それだけ言うと、そのまま突っ伏してしまいました。
取りあえず常子が毛布を掛けてやっていると、「あー!この野郎・・酒盗一人で平らげちまったあ!」突然、宗吉が叫びだしました。
犯人の隈井を口々に非難する酔っ払いたち、「うっせーなバカ野郎!俺が肝食っちゃいけねえのか!バカ野郎・・」突然切れる隈井。
隈井の迫力に静まり返る一同、「俺はなあ!女房にいつもなあ!肝冷やされてんだ!肝食ったっていいだろ!」切れまくる隈井、宗吉が宥めていますが・・・
「酒が入ったら変わんなあ・・あの爺さん」ドン引きしている鉄郎に、常子も頷きます。
台所の様子見て来い、つまみが足んねえぞ・・宗吉が常子に命じると、一同から”つまみ”コールが巻き起こります。
「ずーっとあの調子」台所では君子と鞠子が、ありあわせの材料でつまみを作っていました
性質の悪い酔っ払いに呆れている鞠子、鉄郎が来てから一層悪くなった・・とぼやいています。
鉄郎は一体何をしに来たのでしょうか?
またお金無くなっちゃったんじゃないの・・小ばかにしたように呟く常子でしたが、どうやら違うようです。
「それが、そうじゃないらしいのよ・・」さっき話したんだけど・・君子が言いかけた時、台所に当の鉄郎が入ってきました。
卒業後の就職を考えている常子を、「勤め人なんてバカらしい・・・」と鼻で笑う鉄郎。
定職にも就かず、お金に困るよりマシ・・そう言って反論する常子に、鉄郎は得意顔で札束を取り出しました。
「どうしましたか?」驚きの声を上げる常子たち。
どうやら今回は事業が成功した様子、「まさに数撃ちゃ当たるってやつね・・・」鞠子も驚きを隠せません。
実業家は当たるとデカい、チマチマ働くのが馬鹿らしくなる・・お前らが聞きたきゃ成功の秘訣、教えてやってもいいぞ・・・
得意になって語る鉄郎に自制を促す君子でしたが、「お話聞かせてください!」突然常子が声を上げました。
驚く君子と鞠子をよそに、鉄郎に駆け寄ると「私・・男の人みたいに稼ぎたいんです!」熱心に教えを乞う常子。
常子の様子に、満足げな表情浮かべる鉄郎は・・・
ついに下手な鉄砲が当たった鉄郎ですが、果たしてどんな事業を手掛けたのか?何も語られていないのが気になりますね。
これまでの鉄郎の言動から考えるに、あまり真っ当な商売ではない気がするのですが・・・
しかし、鉄郎が懐から取り出した札束が余程のインパクトを与えたのか、ガッツリ食いついた常子。
少々、いや、かなり焦り過ぎの様にも思えるのですが、鉄郎の商売に巻き込まれるような展開になっていく恐れも・・・
これまで滝子やまつから教えられてきた、地に足のついた生き方で信用を大事にするやり方と、対極的な鉄郎の生き方に常子がこれ以上感化されて欲しくない、と思うのですが。
猪突猛進する常子
出掛けていたまつと照代が、森田屋の玄関先まで帰ってくると、中から賑やかな声が聞こえてきます。
玄関を開けると、大きな声で酔っ払いの歌声が響いてきました。
慌てて中へ駆けこむ二人。
常子たちが中鉢に盛ったつまみを並べている横で、肩を組み上機嫌で歌う酔っ払い一同。
そこへ駆けつけたまつと照代は、その光景を見て口をあんぐりさせ驚いています。
近所中に響くバカ騒ぎに、この恥晒し!と酔っ払いたちを叩いて回るまつ。
恥晒し呼ばわりされ反発する宗吉ですが、戒厳令の敷かれた中に酔っぱらって騒ぐなどみっともないこと。
「世の中が暗いからってよお!何でこっちまで辛気臭え面しなきゃなんねえんだよ!」さらに反発する宗吉、隈井も同調します。
「お前はお黙り!」スパンと隈井の頭を叩くまつ。
興醒めだ!すっかり不機嫌になった宗吉が皆に呼びかけ、余所で飲み直すため出て行ってしまいました。
「うちのバカ息子はもう!このご時世にあんな赤いシャツ着た知らない唐変木まで上げちまって・・・」
嘆息するまつに、苦笑いするしかない常子たち。
実は・・・叔父なんです・・・そう言って恥ずかしそうに頭を下げる常子と鞠子と君子。
思わずため息を漏らしたまつは、何気なく煎餅を齧りますが・・「痛たたた・・・」と、歯を抑え痛がります。
まつは歯医者で歯槽膿漏と診断され、堅いものを控えるよう言われていたことを忘れていました。
「帝都不祥事件(二・二六事件)があってから・・どうしようもないね」きな臭いご時世の影響か、仕出しの注文も減っています。
このまま注文が減り続けたら、君子さんのお給金も・・・そう呟くまつに、不安を覚える常子たち。
「どうしたもんじゃろのう・・・」翌日、女学校の教室でも悩み続ける常子。
「あら、今度はどんな面白い悩みをお抱え?」綾がからかう様に話しかけてきます。
綾にとっては、常子の悩んでいる姿が面白いのでしょうか。
ちょっとムッとした常子でしたが、「・・・何か欲しいものってある?」唐突に切り出しました。
対して綾は、「無いわ」裕福な綾の家には何でもあるのです。
贈り物でも頂けるのかしら・・質問の意図をつかみかねている綾に、「・・私、事業を始めようと思ってるの」得意顔で語る常子。
前の日、鉄郎から商売の基本について講義を受けたことを話し始めました。
商売の基本は物を売ること・・当たり前の事じゃない、と呆れる鞠子を抑え鉄郎は話を続けます。
需要と供給を考え何を売るのかが重要、どこかにある需要を探して売る・・そうすれば必ず儲かる。
思ったより説得力がある鉄郎の話に、いよいよ決意を固める常子。
「挑戦することが大事」チヨにそう言われたことも、背中を押します。
「・・・それで事業を?」本当に大丈夫だろうか・・そんな顔で綾が見つめますが・・・
それからの常子は商売のタネを見つけようと、女学校の帰りや配達の途中でもお構いなしに、情報収集に明け暮れます。
親友の綾が温かく?見守っているのに対し、妹の鞠子は不安げです。
「鞠ちゃん?」配達帰りの富江が差し掛かり、常子を見守る鞠子に話しかけてきました。
「・・・学校の先生に相談した?」そう尋ねる富江は、鞠子の悩みについて何か聞いているのでしょうか。
言ったら皆に迷惑かけるから・・・かぶりを振る鞠子。
「確かに・・言い出しづらいことだもんね」富江は鞠子の考えに理解を示します。
「常子さんはすごいね・・思い込んだらなりふり構わないんだもの・・・」行商人に根掘り葉掘り商売のことを聞く常子を見て、富江が感心しています。
―――常子の猪突猛進な行いは、鞠子が蓋をしてた気持ちを知らず知らずのうちに、開け始めるようになったのです
好むと好まざるとに関わらず、世の中の大きな動きが常子の人生にも影響を与えつつあるのかもしれません。
不穏な時代の空気が強まるにつれ、君子の給料にまで影響が及びそうな状況に、常子はある意味追い詰められている訳です。
自らの事業計画を立案すべく、情報収集に明け暮れる常子の姿は、楽しんでいるようにも見えますが、家族の食い扶持を稼がなければという、必死な思いもあるのでした。
そんな姉を見つめる鞠子ですが、どうやら家族のだれにも打ち明けられない悩みを、鞠子にだけは相談してたようです。
制服事件がきっかけとなって、二人の距離はグッと縮まったのかもしれませんね。
その辺りの経緯について、もっと詳しく描いてくれたら見ている方としては楽しめるのですが・・・
ひょっとしたら、本編終了後のスピンオフドラマで・・・と言う期待も持っておきたいと思います。
常子に妙案?事業の行方は・・・
翌日、何事か思いつめた様子で、職員室の前までやって来た鞠子。
下を向き、どうしようか迷っていると、職員室の戸をガラッと開けてチヨが廊下に出てきました。
「東堂先生!」チヨに気付き慌てて声を掛ける鞠子、「小橋・・鞠子さん?」チヨは鞠子のことを覚えていました。
何か御用?にこやかに尋ねるチヨでしたが、「私・・実は・・・」言い難そうにしている鞠子。
「しん・・」途中で言葉に詰まる鞠子、「しん?」チヨが不思議そうな表情を見せます。
「しん・・心・・臓ってどうして・・・」こんなに小さいのに毎日動くなんて不思議だなあ・・とあからさまに話を逸らす鞠子。
真に受けたチヨが生物の先生を呼ぼうとするのを、鞠子は慌てて押し止め、そそくさと退散していきました。
さすがに不審そうな面持ちで見送るチヨ。
息を切らせて中庭の噴水のそばまで駆けてきて、ようやく一息つく鞠子。
―――どうしても、常子の様にはいかないようです
「ただ今帰りましたー」常子が森田屋に戻ると、美子が出迎えます。
お客さん来てるよ・・美子に教えられ、居間を覗いてみるとそこには武蔵の姿がありました。
まつに呼ばれたとのことですが、当のまつはお向かいにお裾分けに行っていて留守のようです。
「丁度よかった・・ご相談したいことがあるんですけど」そう言って、武蔵の前に座り込む常子。
需要のある商品について調べてみた常子でしたが、あまり参考になるようなものはありませんでした。
最初のうちは物珍しさで売れても、やがて閑古鳥が鳴いてしまうようなものばかり・・・
自分で事業を始めたい常子でしたが、市場調査の段階でつまずいています。
悩む常子に武蔵は、例え一過性でも、人々が食い付いている間に売り切ってしまえばいい・・商売としては間違っていないと、教科書通りとも思える答え。
しかし、その答えに釈然としない常子。
「需要の中には、欲しくても手に入らずに、困っているような人もいる訳じゃないですか」
だったら、その困っている人を助けるような商品を作って、商売に出来たら・・・自らの理想を語る常子。
誰の役にも立たず、すぐに忘れられてしまう商品を売って儲けたとしても、「・・・なんだか虚しいじゃないですか」
ジッと話を聞いていた武蔵は、いつも人のためになろうと考える常子に感心しました。
「いつもはとと姉ちゃんとして、家族のために何かをしたいと思っている。今回はお客さんのため・・」
そういう性分なんじゃないですかね・・・照れ笑いを浮かべる常子に、もっと自分のことを考えてみては、と助言する武蔵。
自分の目から見て、自分が欲しいもの、必要だと思うものを感じることが出来れば、人の役に立つものが見えてくるのかもしれない。
武蔵の話を聞き、考え込む常子。
「あー!」ふっと顔を上げると、「なるほど」何かを思いついたのか、常子は何度も頷いています。
―――いやはや、何を思いついたのでしょう。本当に大丈夫かしら?
さすがにいい加減で場当たり的な鉄郎とは違い、生真面目な常子は出来るだけ意義のある商売を考えています。
困っている人を助けるような商売、という考え方は最近で言えばソーシャルビジネスと通じるものがあるのではないでしょうか。
しかし、この時代の日本には、社会活動に熱心に取り組んだ渋沢栄一のような考えを持つ人物が、まだ多くいたのだと思います。
滝子やまつは、難しい言葉は使わないものの、しっかりとした商道徳の持ち主のようですから、その二人から日頃教えを受けている常子は、自然と考えを受けて継いでいるのでしょう。
鉄郎に感化され、あらぬ方向に暴走してしまうのではと、一瞬思いましたが、どうやら杞憂に終わりそうですね。
とと姉ちゃん7週39話の感想まとめ
突然現れた鉄郎に、引っ掻き回されそうな気配も漂う常子ですが、果たしてどんな商売を思いついたのでしょうか?
武蔵の助言がきっかけになったようですが、恋愛関連に鈍感な常子と朴念仁の武蔵の関係に、何か進展はあるのでしょうか?
そして、常子の猪突猛進ぶりは鞠子の進路にどんな影響を与えるのか、鞠子自身がまだ煮え切らない態度のため見えてきませんが、どうなることでしょうか。
一山当てて羽振りのいい鉄郎ですが、どこかに落とし穴が待ち受けているような気がしてなりません。
常子たちを巻き込まなければいいのですが・・・
以上、とと姉ちゃん7週39話のあらすじネタバレと感想でした!