とと姉ちゃん 8週44話のネタバレと感想
NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」8週44話のあらすじネタバレと感想です。
まずは8週43話の振り返りを少し。
鉄郎の借金返済のため、ただ同然で歯磨を作ることになってしまった常子でしたが、武蔵の言葉をヒントにある作戦を思いつきます。
借金取りには紙包の歯磨を渡して借金をチャラにし、自分たちはより優れた製品を作って売り出し、出し抜こうというのです。
チューブに歯磨を詰め、必要な分だけ取り出せるように工夫した製品のアイディアを聞き、森田屋の面々もすっかり乗り気。
しかし、隠していたチューブ入り歯磨が借金取りに見つかってしまい、常子たちは窮地に陥ってしまいます。
そこへ屈強な職人たちを引き連れた滝子が現れ、借金取りを一喝し追い払ったまではよかったのですが・・・
とと姉ちゃん 8週44話のあらすじネタバレ
後悔はない!?事業は失敗したものの・・・
滝子が借金取りを追い払い、一件落着・・と思いきや、突然破裂し始めたチューブ入り歯磨きに、森田屋の中はパニック状態。
そこへ武蔵が訪ねてきたのですが・・・何やら中の様子がおかしいことに気付き、覗いてみると大変な事態になっていました。
「星野さん!」武蔵の姿を見つけ、騒ぎの中常子が駆け寄ってきます。
「アルミ製のチューブを使ったんですか?」どうやらアルミと歯磨が反応して、チューブの中で気体が発生したようです。
目の前で起きている現象を、科学的に説明しようとする武蔵ですが、分かったところでどうにもなりません。
「破裂・・・治まりましたね」そして残されたのは、中身の飛び出したチューブの山。
終わりましたね・・力なく頷く君子、一同も呆然自失です。
「ぷっ・・ふふっ・・ははっ・・」常子が、沈黙を破るように突然吹き出しました。
一体どうしたのか・・心配する一同をよそに、「失敗しちゃいました・・」そう言って可笑しそうに笑う常子。
見れば分かる・・滑稽だねえ・・すげえ顔してんな・・つられて笑い始める皆の顔には、飛び散った歯磨が。
―――失敗はしましたが常子は後悔していませんでした・・歯磨作りに夢中になったこの一カ月は、それはそれは刺激的な日々だったのです
ひとしきり笑い終えると、常子たちに見送られ、滝子たちは帰っていきました。
「・・それにしても青柳の女将はかっこよかったねえ」しみじみと呟く長谷川。
これからビシッと言ってやるところだったのに・・負け惜しみのようにこぼすまつですが、「お義母さんだって、怒ると相当こわですからねえ」照代がフォローします。
「それに比べて父ちゃんときたら・・・」急に名前が出てお茶を吹きこぼす宗吉。
とにもかくにも大事に至ることなく事が治まり、常子は改めて森田屋の人々に頭を下げます。
そこへ、「いやー!すまん、すまん!」何食わぬ顔で鉄郎が戻ってきました。
皆が怒っているにも関わらず、鉄郎にとってはどこ吹く風。
自分がやったこと分かってんのかい・・酷すぎます・・借金押し付けて逃げるなんて・・口々に非難する森田屋の女たち。
森田屋にまで迷惑をかけてよく戻ってこれたものだ・・君子や鞠子も憤慨しています。
そんな非難の声を軽く受け流し、「ほらよっ!」鉄郎は懐から分厚い封筒を取り出し、常子の目の前にポンッと置きました。
「開けてみろ!」鉄郎に言われるまま、常子が中身を確認すると、かなりの大金が。
方々頼み込んでかき集めたんだよ・・もう、お前らには迷惑かけねえよ・・・遠い目をする鉄郎。
が、先程滝子に助けてもらい、もう借金問題は解決していたのでした。
拍子抜けする鉄郎、「・・・大変だったんだぞ!散々頭下げてさあ」やってられない、という態度。
「叔父さん・・逃げたんじゃなかったんですね」完全に見限っていた鞠子。
「あったりめえだろ・・俺が逃げる男に見えるか!」金策に走り回ったにも関わらず、散々な言われように不本意な鉄郎。
「見えるよ!」即座に突っ込む長谷川、「見えるよな・・」自分でもちゃんと自覚はある鉄郎。
と、宗吉が立ち上がり鉄郎に歩み寄ります。
俺だけは信じてたぜ・・そう言って鉄郎と肩を組み、なれ合う二人。
「・・・確か叔父さんのこと、腹巻バカ・・とか言ってませんでしたっけ・・・」常子の言葉に頷く一同。
何ともばつの悪い宗吉は、笑ってごまかしますが・・・
まさか鉄郎がこんなに早く戻って来るとは、かなり意外な展開でしたね。
ほとぼりが冷めるまで、当面姿を見せないと思っていたのですが、置手紙に書いた通り本当に金策に走り回っていたとは。
加えて驚きなのは、鉄郎に大金を貸してくれる仲間がいたこと。
伊達に長年色々な商売に首を突っ込んできた訳じゃない!と言うところでしょうか。
常子たちからは、全くと言っていいほど信用されていない鉄郎ですが、どこかに鉄郎のことを買っている人物がいるのでしょうか?
実はどこかで意外な大物と繋がりを持っている・・なんてことも?
それはさて置き、今回の騒動ですっかり株を下げた宗吉、もはや恐れているのは長谷川くらい・・・
それに鉄郎とウマが合うというのも、どこかにダメ人間の気配を感じさせますね。
思いを打ち明ける鞠子
その夜、ひとり森田屋を出る鉄郎。
カバンを肩に担ぎ、そのまま歩き去ろうとすると、背後から常子が声を掛けてきました。
「叔父さん!」常子に続いて、君子と鞠子も鉄郎を見送りに出てきました。
仲間の大事なカネだからすぐに返してやんねえと・・鉄郎の意外と仲間思いの一面を見て、少し寂しそうな表情を見せる常子。
その名残惜しさを・・次会う時の笑顔に変えてくれ・・・臭いセリフを残し、鉄郎は去って行きました。
常子たちには全く響いていないようですが・・・
「鞠ちゃんごめんね」部屋に戻った後、常子が謝りますが、鞠子はピンと来ていません。
歯磨事業で一山当て、鞠子の大学進学の資金に当てたかったのですが・・・
進学の話を初めて聞いた君子も、秘密にしてた鞠子も同じく驚いた様子。
チヨを問い詰め聞き出した常子、状況を理解した鞠子に、今度は君子が問いただします。
「鞠子・・どういうこと?」尋ねる母の方に向き直り、鞠子が自分の思いを口にします。
「私、大学へ行きたいんです」突然の告白に驚く君子に、どうしても大学で文学を勉強したいと訴える鞠子。
常子は応援するというのですが・・「私は賛成できないわ」君子は、やはり学費の件を心配しています。
お金なら私が・・言いかける常子に、「・・・お金を稼ぐというのは、容易なことではないんです」静かに諭す君子。
その時、「初めてなんです!」鞠子が声を上げました。
平塚らいてうの文を読んで、今まで感じたことが無いくらい胸が熱くなったこと。
自分もこんな風に人の心を熱く焦がせるような、女性の生き方を後押しできるような文章が書きたいと思ったこと。
自分の文章でたくさんの女性を勇気づけたい、「・・・そう思ったんです」自らの思いを吐露する鞠子。
だから、もっと勉強がしたい・・内職もするし、家の手伝いも今以上に頑張る、そう言って必死に君子に頭を下げます。
「私からもお願いします。鞠ちゃんの夢を叶えさせてあげてください」常子も懇願します。
二人の娘を見比べ、「確かに初めてね」感慨深そうに君子が呟きました。
いつもみんなに合わせてばかりの鞠子が、こんなわがままを言うの・・・
ようやく君子が鞠子の大学進学を認めました。
ただし、常子が仕事を見つけるという条件付きで。
「鞠子には立派な文豪になってもらって、いずれ家でも建ててもらいましょうか!」君子の冗談めかした言い方に、常子もつい吹き出してしまいます。
「かか!ありがとうございます・・とと姉!よろしくお願いします」本当に嬉しそうな妹の姿を見て、頑張ってお給金の良い勤め先見つけないと・・張り切る常子でした。
―――将来、また家族で仕事をする日が来ることを、この時は誰も想像していませんでした
これまで胸に秘めていた思いを口にして、一歩前に踏み出した鞠子。
ずい分回り道をしたようにも思えますが、波乱万丈の小橋家にあって、優等生だからこそ何事も慎重に考えようとする癖がついてしまったのでしょうか?
君子は、滝子と本格的に和解が成立するまで、不安定な状態が続きましたし、猪突猛進する常子は鞠子がしっかりフォローしなければ、どこへ向かっていくか分かりません。
そんな環境が、鞠子に一歩踏み出す勇気を発揮させなかった、というのは飛躍し過ぎでしょうか?
しかし、そんな苦労の連続が、鞠子にもしっかり成長を促していたのかもしれませんね。
娘の成長を見て、君子は経済的な不安を抱えながらも、一歩前に踏み出す決意をしたのではないでしょうか。
和文タイピストへの道
「歯磨が破裂!?」常子から事業の顛末を聞き驚くチヨ
「失敗は成功の母と言います・・めげないこと」教師らしく常子を励まします。
しかし、事業を起こすより堅実な就職に方針転換した常子は、就職先を紹介してもらえないか、チヨにお願いに来たのでした。
「うーん・・・」難しい顔をして唸り始めるチヨ、つられて唸りだす常子。
「・・・難しいですよね・・・」ダメもとで頼んでみた常子でしたが・・・
「・・・実は、後藤さんが結婚されることになりました」なんと、タイピストの推薦を貰っていた女学生が、急遽お嫁入りすることになった、と言うのです。
つまりタイピストの推薦枠が空いたということ。
確かタイピストは月給四〇圓という好条件だったはず・・パッと明るい表情に変わる常子。
「先生!私を是非・・・」喜んで飛びつこうとする常子を制し、チヨが厳しい口調で問いかけます。
「覚悟はおあり?」推薦は技術があることが前提、まずはタイプライターの技術を習得しなければなりません。
しかし、技術の習得は容易ではなく、チヨも相当苦労したようです。
改めて常子に覚悟を問うチヨに対し、「はいっ!」力強く返事をする常子。
タイプライターには英文と和文の二種類がありますが、推薦枠は和文タイピスト。
「お入りなさい」チヨがタイプライターの置かれた部屋に入るよう、常子を促します。
常子が席に着くと、和文タイプライターに掛けられた布をチヨが取り払いました。
すると、細かな活字がびっしりと並んだ和文タイプライターが、常子の目の前に現れました。
タイピストの仕事は、男性社員が作成した書類を、会議出席者に配る資料として清書すること。
手書きで何十枚も清書していては、来る日も来る日も文字を書き続け、腱鞘炎になってしまう。
チヨに言われ、手書きの苦労を思い浮かべる常子。
タイプライターならば、カーボン紙を挟んでタイプすれば六枚同時に清書することが出来ます。
これを使えばあっという間に清書できる・・初めて聞く話に感動する常子。
ですが、それほど甘くはない・・チヨの言葉が現実に引き戻します。
和文タイプライターを使いこなすためには、平仮名、片仮名、常用漢字など2273文字の活字の配列をすべて暗記しなければなりません。
「2273文字!?暗記!?」厳しい現実に驚く常子ですが、いちいち驚いている時間はありません。
―――鞠子を大学に入れるため、思いがけずタイピストという職に飛びついた常子・・その試練の日々が始まりました
突然掴んだ和文タイピストの推薦枠ですが、中々に前途多難の様相です。
見るからに細かい2273文字の活字、昔の人は本当にあれを全部暗記していたのでしょうか?
ほとんど職人技の世界ですね。
暗記に加え、かなりの集中力を長時間持続させることも、必要なのではないでしょうか。
実際かなり厳しい肉体労働のような気がします。
それはともかく、先に決まっていた女学生が急な結婚で辞退する、という展開もこの先の波乱要因になるかもしれません。
雇う方にしてみれば迷惑な話、これだから女は・・と後任の常子がとばっちりを食うのでは?
もっとも、この時代にはありきたりな話なのかもしれませんが・・・
とと姉ちゃん8週44話の感想まとめ
全て破裂してしまった歯磨のチューブを前に、大笑いする一同の姿が印象に残りましたね。
これから先、就職に向けて困難もあるようですが、君子たちや森田屋の人々、滝子や隈井にも支えられて、常子は成長していくのだと感じました。
そして鞠子は意を決し、君子に文学への思いを打ち明け、常子は妹を大学へ進学させるために就職を目指すことに。
和文タイピストへの道のりは中々険しそうですが、勉強が苦手な常子に2273文字の暗記は出来るのか?
あてにしていた歯磨事業がダメになり、背水の陣とも言える状況ですが、常子の前向きな姿勢が唯一の救いですね。
以上、とと姉ちゃん8週44話のあらすじネタバレと感想でした!