とと姉ちゃん 9週53話のネタバレと感想
NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」9週53話のあらすじネタバレと感想です。
まずは9週52話の振り返りを少し。
「・・・所詮この世には男と女しかいないんだよ?」滝子に相談に行った常子は、お互いにいがみ合い、受け入れられなくなることの愚かさに気付きます。
早乙女たちに認めてもらうため、常子が選択したのは山岸課長に直談判し、禁止令を撤回してもらうことでした。
「たとえ雑用でも必要とされるなら受けるべきだと思うんです」堂々と自分の信念を主張する常子と、自分たちの誇りを守るため、常子のやり方を認めない早乙女が鋭く対立します。
しかし、そこへやって来た総務部長・佃博文が、常子の清書した手書きの書類を高く評価したことで、早乙女も常子の考え方に一定の理解を見せ始めました。
そして、待ちに待った初任給の日、常子は滝子の元を訪れ・・・
とと姉ちゃん 9週53話のあらすじネタバレ
初めてのお給金で
常子は、嬉しそうに初めてのお給金を受け取りました。
自分の力で金を稼いで、家族を養う・・常子は一家の大黒柱ってことだよ・・・
滝子に言われた言葉をかみ締める常子。
青柳商店を出た常子が、風呂敷包みを大事そうに抱え森田屋へ走ります。
森田屋のお茶の間で包を開くと、中からは立派なお肉が。
「すき焼き!?」思わず声を上げる一同。
給料日にみんなで外食を・・とも考えた常子ですが、やはり家で落ち着いて食卓を囲みたかったようです。
「これだけあれば、皆さんで食べられますもんね!」嬉しそうにみんなを見回します。
凄いとと姉・・すき焼き!すき焼き!・・すき焼きなんて何年ぶりかな・・みんな浮かれまくっています。
「おめえは良く出来た娘だなあ!」常子の背中をポンッと叩く宗吉。
この肉は俺がちゃっちゃと・・と肉に手を伸ばす宗吉ですが、その手をまつがペチンッと叩いて振り払います。
「うちの今日の夕飯は・・鰯と煮物だ!」すき焼きにする訳に行かないね・・そう言ってそっぽを向くまつ。
もう下ごしらえも済ませた・・頑としてすき焼きを拒むまつに、宗吉は不服そう。
「この肉は・・常子が懸命に働いて始めて貰った給金で買った肉だ」森田屋の人間が食べる道理はない・・まつはあくまでやせ我慢を押し通します。
そう言われては宗吉も引き下がるしかありませんが・・クゥ~っと腹の虫が情けない音を。
笑いに包まれる一同。
「今月分の、お給金です」部屋に戻った常子は、改めて君子に給料袋を渡します。
滝子に返済した分の残りは、生活費に充てられることに。
「お勤めご苦労様です」そう言って頭を下げる、君子と妹たち。
その様子にプッと吹き出した常子ですが、「あれ・・再開しません?」月に一度のお出掛けを再開しようと、君子たちに提案しました。
竹蔵が決めた三つの家訓のうち、「月に一度、家族皆でお出掛けすること」だけは、生活に余裕がなかったせいで、実行できていませんでした。
そのことがずっと気になっていた常子。
「どうでしょう?これを機会に再開してみませんか?」常子の提案に君子たちも乗り気です。
「竹蔵さん・・常子が、始めて貰ったお給料です・・・」君子が仏前に給料袋を供え、竹蔵に報告しました。
その夜、小橋家の四人はすき焼きの鍋を囲んでいます。
「では・・頂きましょう!」君子に促され、早速鍋に手を伸ばす常子たち。
常子は火の通った肉を箸でつまみ、卵にくぐらせると一口で頬張ります。
「う~~~ん!」テンションが上がる常子。
「う~~ん!フフッ・・」久しぶりのすき焼きに、思わず笑ってしまう鞠子。
「う~~ん!おいしい・・」恍惚の表情を浮かべる美子。
幸せ・・常子が思わず漏らした一言が、四人の気持ちを代弁しています。
その頃、一階では・・「楽しそうだな・・・」長谷川が羨ましそうな顔で、天井を見上げていました。
長谷川のみならず、森田屋の面々も二階から漂ってくるすき焼きの香りをおかずに、ご飯を掻き込んでいます。
「う~ん・・勝って手にした肉は美味じゃのう・・・」町内運動会で、米を獲得したことを思い出しているのでしょうか?
「美味じゃ美味じゃ・・・」鞠子と美子が、本当に満足そうにしています。
「美味ねえ・・・」娘たちの様子を、可笑しそうに見守る君子。
せっかくの常子がみんなですき焼きを・・と言ってくれているのに、やせ我慢を押し通したまつ。
やせ我慢をする方と、それを受け入れる方で、阿吽の呼吸が必要なのかもしれません。
損になると分かっていても、メンツのために敢えてグッと堪える・・いったん堪えた以上はもう後には引けません。
”筋”も”やせ我慢”も”通す”もの・・ややこじつけっぽい気もしますが、それがまつの性格なのだと思います。
常子や宗吉たちもそれが分かったうえで、まつが”通す”と決めた以上は黙って受け入れるのが人情・・という結論になったのかもしれません。
敢えて損を取るなどというのは、今どきあり得ない考えでしょうが、まつの態度にこの時代の空気を感じることが出来ました。
さて、初めてお給金を貰い、職業婦人としての自信の表れか、月に一度のお出掛けを再開しようとする常子。
竹蔵の決めた家訓が、これで完全に復活することになり、ようやく”とと姉ちゃん”になれた・・ということかもしれません。
滝子には一足先に認めてもらっていた訳ですが、これが欠けていた最後のピースだったのではないでしょうか?
美子の成長に・・・
「此方に行くべきか・・はてまた此方か・・」地図を片手に道に迷うチヨ。
とそこへ、「東堂先生!」常子が駆け寄ってきました。
―――常子は、就職先を世話してもらったお礼に、東堂を家に招きました
常子から勧められたお茶を飲むチヨの前には、コチコチに緊張した森田屋の面々が。
「・・・どうしたんですか?」沈黙を続ける宗吉たちに、いつも通りお話を・・と促す常子ですが・・・
インテリの教師相手に、喋って馬鹿がばれたら恥ずかしい・・宗吉の言葉に頷く一同。
加えて、”雷に向かって、お静かに!”と言ったというエピソードを、事前に聞いていたことで、チヨの事をかなり厳しい人物と恐れているようです。
「それは申しました」雷のエピソードを認めたチヨに、尚の事恐れを抱き沈黙する一同。
「・・・だから、黙ってしまわずに」思わず突っ込む常子。
その時、沈黙を打ち破るように長谷川が手を上げました。
「あの・・誰かの名言って教えて頂けます?」受け売りのネタを仕入れようとする長谷川。
宗吉は長谷川を睨みつけると、今度は自分が質問を考えます。
「先生・・・俺はよく、この”ろくでなし”!って言われるんですがね・・・”ろく”って言うのは何なんですかい?」
”ろく”とは元々”陸”の字を書いて平らな土地を意味し、物や性格が真っ直ぐなこと。
”ろくでない”という表現は、性格が捻くれていることを表していたが、それがさらに転じ、役に立たない者を差すようになった・・・
博識なチヨに、すっかり感心した森田屋の一同は、緊張が解けたのか一気に色々と質問攻めに。
「・・・存じません!何だと思ってらっしゃるんですか、あたくしを・・」くだらない質問の連続に、やや気色ばむチヨ。
さすがに恐縮する森田屋の人々を見て、チヨも可笑しそうに笑います。
その時、「先生に教えていただくのは、私なんですからね!」皆に言い聞かせるように、美子が宣言します。
来年から女学校に上がる美子は、チヨのそばにちょこんと座ると、「お世話になります」そう言って頭を下げます。
「お二人の妹さんなら、可愛がりようがあるわね」と満面の笑みで応じるチヨですが・・それを見た美子は苦笑い。
しかし、君子がさしあたって気に掛かっているのは、鞠子の進学の件。
「このまま進めれば、大学合格は間違いございません」順調です・・とチヨが太鼓判を押します。
先生の行き届いたご指導のおかげです・・私が会社で働けるのも先生が・・お世話になりっぱなしで・・
常子たちからお礼を言われるたびに、「いえ、いえ、いえ・・・」幾分芝居がかった調子で頭を振るチヨ。
話しはこの辺にして・・と宗吉が何か食事でもと勧めますが、「お招き頂いたお返し」と言うと、チヨは荷物に手を伸ばします。
遠慮する常子でしたが、「是非受け取って頂きたいの・・」と一冊の本を取り出し、立ち上がりました。
一体何をするつもりなのか・・一同が見つめる中、「では始めます」軽く一礼すると、表情が一変しました。
「永らうるか、永らえぬか・・それが疑問じゃ」重低音の声を響かせ、ハムレットの一節を演じ始めるチヨ。
予想の斜め上を行く”お返し”に、困惑を隠しきれない一同。
「女学校に行くの、不安になってきた・・・」美子の言葉に、皆が苦笑いする間も、チヨの入魂のハムレットは続くのでした。
―――幼いと思っていた美子が女学校に通う年齢に・・常子は、妹の成長の早さに驚きつつも、幸せを感じていました
相変わらず圧倒的な”個性”と”存在感”を放つ東堂チヨに、森田屋の面々もたじたじ。
それにしても、ハムレットの芝居を始めた瞬間、一瞬にして切り替わるあの表情と声は圧巻でしたね。
個性派俳優・片桐はいりさんの面目躍如と言ったところでしょうか。
常子や森田屋の面々が戸惑い、呆れるその隣で、一切手を抜くことなくハムレットに没入するというチヨの変人ぶり。
片桐さんでなければ、なかなかこの面白さは表現できないのではないでしょうか?
森田屋の人々をを圧倒し、美子に女学校へ上がることへの不安を抱かせたチヨ。
これから女学校で、美子とチヨがどんな掛け合いを演じるのかが、楽しみになりますね。
美子はどうやら、チヨの満面の笑顔が苦手なようですが・・・
逞しい末っ子
そして一年後、昭和十三年四月・・この春、美子は女学校に。
そして鞠子は帝都女子大学に、それぞれ無事進学しました。
「ちょっと待って、よっちゃん!」一人で駆けて行く美子に、慌てて声を掛ける常子。
「先に行って切符買ってくる!」みんなゆっくり来ていいよ・・そう言って再び駆け出す美子。
今日は、常子の就職をきっかけに再開した、月に一度のお出掛けの日。
四人でレストランに入り、思い思いに好きなメニューを頼みます、
そんな中、美味しそうにお子様ランチを頬張る美子は、まだ幼い娘のようです。
「今月のお出掛けは、デパートにして正解ね!」大満足の常子、職業婦人様様です・・と姉をおだてる鞠子。
「・・・でも、よっちゃん・・お子様ランチでよかったのかなあ?」遠慮したのかと心配する常子ですが・・・
鞠子に言わせれば”まだまだ子供”、本当にお子様ランチが食べたかったようです。
女学校に上がったというのに、こんな調子で美子は大丈夫なのでしょうか?
「美子は心配ないわ」良く言えば逞しい、有り体に言えば要領がいい・・鉄郎と同じにおいを感じ取りる君子。
そうこうしているうちに、美子がご不浄から戻ってきました。
ふと、テーブルの上のイチゴに気付いた美子。
「あれ?このイチゴって・・・」君子の食事についていたもののようです。
三人で分けて食べてほしいところですが、生憎と二つしかありません。
「よっちゃん!一つどうぞ」常子はまず、美子に勧めます。
ありがとう・・そう言って素直に一粒つまみ、一口で頬張り至福の表情を浮かべる美子。
「鞠ちゃんも残りの一つ、どうそ・・・」最後の一粒を、妹に食べさせようとする常子ですが、とと姉のお金で来たんだから・・そう言って鞠子も姉に譲ろうとします。
いいのいいの、鞠ちゃん食べて・・ううん、とと姉が・・互いに譲り合う二人の姉を見た美子は・・・
「よし!そんなに揉めるんだったら・・私が何とかしてあげる」言うが早いか、最後の一粒をパクッと食べてしまいました。
「これで丸く収まるでしょ?」呆気にとられ、そして思わず笑い出す三人。
逞しいこと・・呆れたように呟く鞠子。
逞しいこと!怪訝な顔をする美子に、常子がちょっときつめの言い方で注意します。
―――この美子が、小橋家に新しい風を巻き起こして行くのです
君子によれば、美子からは鉄郎と同じにおいがするという・・それは中々大変な評価を受けたものですね。
美子自身、いい加減な鉄郎には呆れ果てていたようですが、自分の母親からそんな風に思われていると知ったら、ちょっとショックなんじゃないでしょうか?
しかし、今までも大人の都合とはお構いなしに、滝子の元を自由に訪れおやつをねだるなど、かなり要領のいい面を見せていましたから、君子の評価も納得ですが。
そんな美子も成長し、女学校に上がって演者も交代・・益々騒動の火種になりそうな、常子を引っ掻き回しそうな予感がしますね。
常子にとっては妹というより、娘に近い美子ですが、そろそろ反抗期が始まるのかもしれません。
とと姉ちゃん9週53話の感想まとめ
早乙女たちにも徐々に認められ、そしていよいよ待ちに待った初めてのお給金で、みんなのために肉を買って帰った常子。
ですが、「常子が一生懸命働いて買った肉だ」そう言ってやせ我慢するまつ・・てっきり常子はまつを説得するのかと思ったのですが・・・
結局、すき焼きにありついたのは小橋家の四人だけ・・そうなるか?と思わないでもありませんが、森田屋の人々への恩返しは次回にお預け、と言うことでしょうか?
そして、今回から美子役が根岸姫奈さんから、杉咲花さんへとバトンタッチ。
早速、要領よく立ち振る舞う、逞しい末っ子の姿が描かれていましたが、これから美子の成長をどんなふうに演じていくのか、楽しみにしておきたいと思います。
以上、とと姉ちゃん9週53話のあらすじネタバレと感想でした!