とと姉ちゃん 9週54話のネタバレと感想
NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」9週54話のあらすじネタバレと感想です。
まずは9週53話の振り返りを少し。
初めてのお給金を受け取り、少しずつですが滝子に学費を返済し始め、ようやく小橋家の大黒柱として自信を持ち始めた常子。
これまで苦しい生活の中で、実行できていなかった月に一度のお出掛けも再開することになり、家族の絆も深まります。
そんな中、美子もいよいよ女学校へ通う年齢になり、妹の成長に幸せを感じつつも、常子はまだまだ子供のような美子に不安も覚えます。
しかし、君子はそんな美子から鉄郎と同じにおいを感じ取っているようです。
良く言えば逞しい、有り体に言えば要領がいい美子に、振り回されそうな予感のする常子たちは・・・
とと姉ちゃん 9週54話のあらすじネタバレ
充実した毎日
昭和十四年十月・・朝の支度に忙しい小橋家。
「お願いとと姉ちゃん、三つ編み直してくれない?」制服に身を包み、鏡の前で髪を直していた美子が、書類をチェックしている常子にお願いしますが・・・
「・・・ちょっと直すぐらい自分で出来るでしょ」出勤前で忙しい常子には相手にしてもらえません。
学生の本分はあくまで勉強・・見た目にばかり気を遣う美子は、姉から小言を言われてしまいました。
「また始まった・・・」ちょっとウンザリ気味の美子。
そこへ・・「二人ともまだ?」とっくに支度を済ませた鞠子が呼びに来ました。
慌てて飛び出す美子。
「今日も走らないと間に合わないよ!」気を揉む鞠子、「走れば間に合うから、大丈夫!」まだまだ余裕の常子。
研究会の発表のため、分厚い本を何冊も抱える鞠子に、見送る森田屋の人々も驚きます。
常子も、今日までに仕上げなければならない仕事の資料を抱え、大変そうです。
「・・・それに比べて美子は・・軽そうだねえ!」大荷物を抱える姉二人と比べて・・と、からかうまつ。
お弁当しかないんじゃない?そんな皮肉に対し、「・・・一応、教科書も入ってます!」美子はちょっとむくれています。
”一応”ってどういうこと・・常子が叱りかけますが・・・「行ってきます!」言うが早いか、さっさと駆け出す美子。
常子も鞠子も妹を追って、駆け出しました。
―――常子がタイピストとなって二年半、今では大きな戦力として認められていました
「小橋さん、それが終わったら原稿の整理、手伝っていただけない?」困った様子の道子に頼まれ、快諾する常子。
「あ・・取られたか・・・」どうやら隣の席のかをるも、頼みたい仕事があったようです。
終わったら手伝いましょうか・・と、気に掛ける常子ですが、仕事の締め切りはは3時。
残り時間は40分・・「どうしたもんじゃろのう・・・」悩む常子ですが・・・
「悩んでる暇があったら手を動かしなさい」小橋さんなら間に合うでしょ・・と、早乙女が励ましてくれました。
「・・・はい!」笑顔で頷くと、張り切って仕事に取り掛かります。
その頃、鞠子は大学の文学研究会で発表を行っていました。
「小橋君の発表は相変わらず出来がいいな」発表を終え席に着いた鞠子に、木戸稔が話しかけます。
君の後に発表するのが憂鬱だよ・・歯の浮くようなお世辞に、照れて下を向く鞠子。
一方、美子は・・・女学校では二人の姉と比較され、悩んでいました。
「小橋美子さん」先生に名前を呼ばれ、テストの答案を取りに席を立ちます。
点数は・・64点。
ホッとする美子でしたが、「喜べる点数ですか?」常子さんでももう少し・・と、先生に小言を頂戴してしまいます。
鞠子に関しては90点以下など一度もなかった・・優秀な姉と比べられ、面白くない美子。
女学校からの帰り道、ふらっと青柳商店に立ち寄ります。
「・・・上手いもんだねえ」職人の着物を繕う美子の手捌きを見て、滝子は感心しました。
私より縫い目も綺麗だし、色合いもいいよ・・滝子が褒めちぎっています。
一人の繕い物が終わると、すぐに次が待っています。
―――美子もまた、充実した時間を過ごせる場所を見つけていました
三者三様ながら、それぞれに充実した毎日を過ごしている小橋家の三姉妹。
しかし、優秀な鞠子に対する劣等感と、最近小言が増えてきた常子に対する不満が募っている美子の事が気に掛かりますね。
自分なりに頑張っても女学校の先生からは、優秀な鞠子や努力家の常子と比較され、かえって小言を言われてしまいます。
姉妹と比べてあれこれ言われても、本人のやる気を削ぐだけで逆効果ですよね。
言っている方は励ましているつもりか、或いはちょっとした会話のきっかけのつもりかもしれませんが、言われた方は理不尽さを感じるだけです。
美子の居場所は女学校にはありません。
そんな美子は必要としてくれているのは、青柳商店の人々。
得意の裁縫の腕を活かし、皆の役に立っている充実感に、自然と足が向くのでしょう。
将来、常子の創刊する雑誌で衣服分野を担当することになる美子ですが、今のところ二人の姉からはまだまだ子ども扱いされています。
しかし、そんな美子の成長が、これからの展開のカギを握っているのかもしれませんね。
時代の足音
「お!美子ちゃ~ん!こんにちは・・」奥から清が出てきました。
にこやかな顔で美子に挨拶した清でしたが、すぐに真剣な表情になると、滝子と隈井を奥へと連れて行きました。
繕い物をしながら、不安そうな表情で見送る美子。
―――昭和十四年九月、ヨーロッパで第二次世界大戦が勃発
一方、日本では日中戦争の打開のために、国家総動員法が成立。
戦時に際した人・物の国家統制が進んでいました。
暗い時代の足音が、常子たちの暮らしに迫って来ていたのです。
「しばらくの間・・松弁当を作るのを、見合わせようと思う」宗吉が寂しそうに皆に告げました。
物の価格統制が進み、すべてが軍に優先的に配分され、食材も手に入りにくい・・・
「そういうご時世なんですかね・・」ため息をつく照代。
お国が大変なんだ・・皆に辛抱するよう説くまつですが、ここ深川でも徴兵される男たちが。
「あんたにもいつ赤紙が来るか・・・」まつと目があい、長谷川が素っ頓狂な声を上げます。
早く戦争が終われば・・心配する富江に、「・・・すぐに勝って終わっちまうさ!」宗吉が、無理に明るく答えます。
うん、そうだ・・皆頷く中、「あの・・木材の方は大丈夫なんでしょうか」君子は、青柳商店の経営が気掛かりです。
「みんな深刻そうに相談してた・・・」ポツリと呟く美子。
常子は、妹が縫物のために頻繁に滝子の元へ行っていることで、勉強が疎かにならないか心配です。
しかし、勉強なんかやるだけ無駄・・と諦めている美子。
成績優秀な鞠子は、勉強した分だけ結果は出る・・とお説教。
「あたしは鞠姉とは違うの!」ふて腐れる美子を見て、益々心配になる常子でした。
―――星野は、帝国大学の大学院に進み、植物の研究を続けていました
いつも通り、近所の甘味処で常子と待ち合わせする武蔵。
几帳面な武蔵は、今日常子に報告する出来事をノートに書き留めていました。
・弟からの葉書
・今日こそ常子さんに必ず傳へる
「よし・・」ノートを確認し、武蔵が呟いていると、ようやく常子がやって来ました。
向かいの席に常子が腰を下ろすと、武蔵は早速いつも通りお汁粉を二人前、注文します。
「すみません!”あれ”を二つ・・」武蔵がそう告げると、「お汁粉二つ?好きだねえ・・」笑って応じる店の主人。
「早速ですが。今週はいかがでした?」常子もノートを取り出し、準備を整え身を乗り出します。
お汁粉よりも武蔵から聴く、今週の出来事の方が気に掛かっているようです。
”今日こそ常子さんに必ず傳へる”ノートの文字を鉛筆でなぞる武蔵ですが・・・
「戦地にいる弟から、葉書が届きました」生活にも慣れ、健康状態も問題ないと聞き、常子も喜びます。
武蔵はノートの”弟からの葉書”という文字に、鉛筆で線を引きました。
「でも、心細い事には変わりないですね・・・」遠く離れた戦場で、家族と離れて暮らすことなど想像もできない常子。
悲しそうにする常子を前に、武蔵はノートをじっと見つめています。
「以上です。今週はそれだけでした」もう一件の報告を残し、笑顔で告げました。
丁度そこへ、店の主人がお汁粉を運んできました。
最後にノートを開き、見つめる武蔵でしたが・・・
武蔵が常子に伝えたかった事とは、一体何なのでしょうか?
ノートをよく見ると、何週にも亘ってずっと伝えきれずにいたようですが、一体どれほど深刻な問題なのか気になります。
弟が軍に招集され、進路に悩んでいた武蔵ですが、その事と関係があるのでしょうか?
常子の事を意識し始めた武蔵だけに、深刻な話であれば尚の事、話しづらいのかもしれませんが・・・
そして、もう一点気になるのは青柳商店の問題。
清がいかにも深刻そうな表情で滝子と隈井を呼び出し、さらに君子が青柳商店の事を案じるなど、次の展開へ向けた伏線の様にも思えます。
戦時中にはむやみに森林を伐採し、山林が荒れ果てるようなことがあったようですが、青柳商店の経営は大丈夫なのでしょうか?
国による統制も影響があるのかもしれません。
青柳商店にもしものことがあったら、その時常子は一体どうするのでしょうか?
頼もしい武蔵の姿に常子は・・・
「今日も楽しかったです」お汁粉を食べた帰り道、二人並んで歩いていると、一枚の張り紙が目に留まりました。
”パーマネントのお方は当町通行をご遠慮ください”世の中の空気を反映し、自粛を訴えています。
「ご時世ですね・・・」大坂では街灯も自粛して、夜は暗いそうですよ・・・
砂糖も節約しなくては・・・あのお汁粉も食べられなくなるかも・・武蔵の話に、軽いショックを覚える常子。
その時、「貴様ら!」突然男の怒鳴り声が。
「時局をなんと心得るか!」一人の男が、常子と武蔵に詰め寄ってきました。
「大陸では皇軍将兵が、東亜の安寧のために戦っているという時に!」目くじらを立て、怒りを露わにする男。
「乳繰り合い、風紀を乱し、恥ずかしいと思わんか!」さらに二人に詰め寄ります。
誤解を解こうとする常子でしたが、「口答えするか!」男は聞く耳を持ちません。
「止めてください!」常子に食って掛かろうとする男の前に、武蔵が割って入ります。
御気分を害されたなら・・出来るだけ下手に出る武蔵ですが・・・
乳繰り合うとは男女が密に会って、情を交わし合うこと・・情を交し合うとは性行為を意味する・・・
「そのようなことが一切ない僕らに対して、乳繰り合っているというのはお門違いであり・・・」
まったくもって間違った言葉使いであり、それこそ「・・・風紀の乱れにつながるのではないでしょうか以上です!」
しどろもどろになりながら、一気に捲し立てる武蔵。
「うるさい!」大声で怒鳴りつける男でしたが、思わぬ反撃に気を削がれたのか、全く最近の若い奴は・・と、捨て台詞を残して行ってしまいました。
取り残された二人の間に、しばし漂う沈黙。
「失礼・・卑猥な・・言葉を・・・」興奮状態にあった自分を省みて、武蔵が頭を下げます。
「いや・・ありがとうございます」怒鳴り散らす男が余程怖かったのか、少し泣いている常子。
ようやく嵐が過ぎ去ったことに安堵したのか、「よかった・・常子さんを守ることが出来て」と、武蔵の表情が緩みます。
「私も・・よかったです。頼もしい星野さんを見ることが出来て」常子もようやく笑顔になりました。
そんな事とはつゆ知らず、美子は鞠子相手に愚痴をこぼしていました。
「とと姉ちゃんさあ、最近口うるさいと思わない?」口うるさいのは昔から・・鞠子は特に気にかけていません。
しかし、美子は働き始めてからの常子に対し、お金を出していることを鼻にかけ、やたら自分の考えを押し付けてくる・・と不満が募っています。
色々大変なのよ・・妹を諭す鞠子ですが、美子にとっては月に一度のお出掛けも、少々面倒なようです。
「・・・みんなもう大人なんだし、家訓だからって・・・」と言う美子ですが、鞠子は”大人”という言葉に思わず苦笑い。
と、その時。
無言で襖を開き、常子が帰ってきました。
お帰り・・鞠子と美子が声を掛けますが、ふふふっ・・と不気味な笑いを浮かべ、無言のまま机に向かって座る常子。
そして、一人でニヤニヤと思い出し笑いを浮かべる姿を、怪訝そうに見つめる妹たち。
その頃、武蔵も下宿に戻ってきました。
「あ、丁度帰ってきました・・・星野さん、お電話よ。何とかかんとかって方」と、かなりいい加減に電話を取り次ぐ下宿のおばさん。
電話に出た武蔵でしたが、その途端、一気に表情が暗くなります。
「あ・・申し訳ありません。もう少しだけお時間下さい」まだ決心が・・と、落ち込んだ様子で話す武蔵。
―――この時はまだ、人生を左右する大きな決断を迫られることに常子は気付いていませんでした
いくら時代背景があると言っても、かなり理不尽な難癖をつけられた常子たち。
しかし、それが戦時中の空気と言うものなのかもしれませんね。
何かにつけて自粛しろだの、不謹慎だの最近でもそう言う言動を目にする機会もありますが・・・
結局、そういうことを言っている人間は、自分の不安を紛らわせるためにスケープゴートを探しているだけなのかもしれません。
不安だからこそ、過度に攻撃的になる・・自分よりも幸せそうな人間が気に食わない・・そんな感情が根底にあるのではないでしょうか?
ともかく、そんな理不尽な男に怒鳴りつけられ、そしてその男に必死で立ち向かった武蔵に、常子は今までにない感情を抱き始めたようです。
家に帰ってからも終始にやけっぱなしの常子の表情が、何とも幸せそうに見えましたね。
妹たちも呆れていたのか、それとも気味悪がっていたのか、話しかけられずにいました。
しかし、武蔵には謎の電話が掛かってきており、何やら難しい決断を迫られているようなのですが・・・
とと姉ちゃん9週54話の感想まとめ
常子が就職して一年、今では大きな戦力として周りに頼られ、鞠子も大学で充実した毎日を送る中、何かと二人の姉と比較されむくれる美子。
そんな美子も青柳商店に行けば、得意の裁縫の腕を活かして皆から必要とされる、美子なりに充実した毎日を送っています。
小橋家の三姉妹がそれぞれの人生を歩み始める中、いよいよ戦争の暗い影が忍び寄り・・・
常子が早乙女田たちに認められ、ようやくひと安心したところで大きな時代のうねりが小橋家を翻弄する・・次週、どんな展開が待っているのか気になりますね。
武蔵の頼もしい一面に触れ、心浮き立つ常子ですが、一方の武蔵には何やら大きな不安を抱えているようなのですが・・・
以上、とと姉ちゃん9週54話のあらすじネタバレと感想でした!