とと姉ちゃん 11週63話のネタバレと感想
NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」11週63話のあらすじネタバレと感想です。
まずは11週62話の振り返りを少し。
常子は、かをるに誘われて立ち寄ったビアホールで酔っ払いに難癖を付けられ、ついには乱闘騒ぎに発展してしまいました。
そこへ現れた謎の少女・お竜に助けられますが、かをるは常子を置き去りにしてさっさと逃げ出してしまうのでした。
ひとまず危機を脱した常子でしたが、帰宅した森田屋では商売に行き詰った宗吉がまつと大喧嘩・・鞠子は照代と宗吉が離縁するのでは、と心配していますが・・・
翌日、常子が会社に出勤すると、突然課長の山岸に呼び出され、首を通告されてしまいます。
自分と常子のどちらかが首にされそうな事を知ったかをるが、ビアホールの事件で常子に濡れ衣を着せていたのです。
とと姉ちゃん 11週63話のあらすじネタバレ
「会社、首になっちゃったんで」
課長の山岸から首を告げられ、抗議も虚しく会社を去ることになった常子。
愛用のタイプライターにそっと布を掛け、早乙女のもとに最後の挨拶に向かいます。
「お世話になりました」常子が早乙女の前に立ち頭を下げると、さすがに他のタイピストたちも手を止め、常子を注視します。
「ご苦労様でした」立ち上がり、常子に向かって一礼する早乙女。
早乙女さんのおかげで・・改めてお礼を述べる常子ですが、ずっと暗い表情のままです。
「このご時世、真っ直ぐに生きても報われないことばかりだと思うの・・・でも、負けないでください」
決して・・祈るように呟き、真っ直ぐ常子を見つめる早乙女。
しかし、「今の私はその言葉を受け止めることが出来ません」抑揚のない声で、虚しい答えが返って来ただけでした。
一礼し、タイプ室を出た常子がロッカーから荷物を取り出していると、給仕の坂田が声を掛けてきました。
黙って新聞紙の包みを差し出す坂田。
常子が包を開けると、「ありったけのキャラメル・・集めたんだ」坂田の言葉通り、そこにはたくさんのキャラメルが。
「いつも・・ありがとうございました」少しだけ表情がほころんだ常子は、坂田に深くお辞儀をすると会社を後にしました。
会社からの帰り道、近所のお寺に立ち寄った常子。
家族にどう説明するのか・・新しい仕事はどうするのか・・悩みの尽きない常子でしたが、やがて顔を上げると、決意したように再び帰路につきました。
その頃、森田屋では宗吉と照代が薄暗い店の中で、深刻そうな様子で話し込んでいました。
「・・・分かった、俺が話す」二人の話し合いは結論に達したようです。
もうそれしかないだろう・・諦めたように呟く宗吉。
二人が小さなため息をついた時、玄関がガラガラっと開く音がして、常子の声明るい声が聞こえてきました。
「ただ今帰りましたー！」いつもよりずい分早い常子の帰宅に、宗吉たちが慌てます。
今日は早いのね・・そう尋ねる照代に対し、「会社、首になっちゃったんで」常子が明るく答えました。
仰天するふたり。
「・・・ひっどい話だねえ・・そんな理由で」事情を聴き、憤るまつ。
君子たちも心配そうに見つめますが、常子はそんな不安を吹き飛ばす様に、モグモグと夕食を食べ続けます。
これ以上悪くなりようがありませんから・・考えようによっては良かった、と嘯く常子。
そんな常子に対し、皆なんと声を掛ければいいのか分かりません。
「・・・みなさん、暗くならないで下さい」重苦しい沈黙に包まれる食卓に、常子が慌てて声を上げました。
必ず次の働き口、見つけて見せます・・あくまで強気に振る舞う常子ですが、無理をしないか美子が心配します。
とと姉ちゃんが一番つらいはず・・真剣に気遣いますが、「以外にへっちゃらでさ・・・」と、常子はやせ我慢を通します。
「あたし働く」思い余って美子が口にすると、隣で聞いていた鞠子までが、学校を辞めると言い出しました。
「それだけはやめて」それじゃ何の為にここまで・・さすがに常子も、顔色を変え声を震わせます。
ですが、すぐに無理に笑顔を作り、「お願い！」と二人に向かって小さく頷くのでした。
絶望に打ちひしがれ、早乙女の優しい言葉も耳に届かない常子でしたが、給仕の坂田のくれたキャラメルが少しだけ安らぎをもたらしてくれたようです。
新聞紙に包まれたありったけのキャラメル・・この事が後から常子に転機をもたらすらしいのですが・・・
坂田の心遣いが、常子にもうひと踏ん張りする勇気を与えたのか、家族の前では不自然なほどの空元気で、心配かけまいと明るく振る舞います。
しかし、そんな常子の分かり易すぎる強がりが、かえって美子や鞠子に不安を抱かせることに。
当然の流れのような気もしますが、二人が学校をやめてしまっては、常子のこれまでの苦労が水の泡になってしまい、それこそ浮かばれません。
しかし、森田屋の経営難のあおりを受けて君子の給金も未払いとなり、美子たちの心配は当然の事です。
家族の前では無理に明るく振る舞う常子ですが、この窮状は誰よりもよく分かっているはず。
自分が次の仕事を早く見つけないと、二人の妹が学校をやめてしまうかもしれない・・そんな焦りがあるはずです。
滝子、倒れる！
―――常子が会社を辞めてから10日が経ちました
「陸軍がお祖母様に何の用で？」青柳商店を訪ねた常子は、隈井に意外なことを聞かされました。
「それが・・あっしらにも・・・」首をかしげる隈井。
どうやら他の木材商も呼ばれているようで、「木場全体の話でしょ・・・」と、清は心配要らないと言うのですが・・・
滝子が不在と知り、帰ろうとした常子でしたが、丁度そこへ滝子が戻ってきました。
「お祖母様・・・」常子が声を掛けると、いつになく疲れた様子で答える滝子でしたが、次の瞬間、意識が遠のき倒れてしまいました。
「しっかりしてくださいお祖母様！」驚き懸命に呼びかける常子、清や隈井も慌てふためき、滝子を支えるのがやっと。
常子たちは奥に滝子を運び、布団を敷いて休ませました。
「陸軍からの通達って・・何かあったんですか？」虚ろな表情の滝子に、隈井が訪ねます。
お国のために死んでくれとさ・・布団に横たわったまま、滝子がポツリポツリと話し始めました。
戦争の長期化の影響で、大陸では軍用資材の木材が慢性的に不足しており、統制価格の半額で供出するよう強制された・・・
あまりに滅茶苦茶な話を聞かされ、清も隈井も驚きと憤りの表情を隠せません。
「お祖母様たちは・・それを承諾されたんですか？」常子が恐る恐る尋ねます。
軍に逆らうことが出来るかい・・力なく答える滝子。
「そうだ・・こうしちゃいられない」滝子は不意に起き上がると、商店会の寄合に行くと言い出しました。
常子が滝子の体を気遣い、隈井は清と共に代理を務めることを申し出ますが・・・
深川で商いをする者たちの寄合に、自分がいかなくてどうする・・と、頑として曲げません。
心配になった常子は寄合についていくことに。
「ええ！？あの女将さんが心労で・・・」常子に事情を聴き、驚きの声を上げる宗吉。
寄合に集まった一同の前で幹事として取り仕切る滝子は、そんな素振りを微塵も感じさせません。
あたしだっていつ卒倒するか・・すっかり弱気のまつを宗吉が宥めます。
「問題は多々ございますが・・・」滝子に促され、清が議事進行を務めます。
「こうして深川で商いをやっているのも何かの縁。この厳しいご時世の中、皆さんで助け合って・・・」
清がそこまで話した時、突然待ったの声が掛かりました。
「今回の陸軍の通達にゃあ・・どう足掻いても太刀打ち出来ねえ・・・」
素直に商売替えさせてもらう・・同業者の弱気な声を聞き、滝子も清も押し黙ってしまいます。
しかし、一つの業者が店を閉めると、あちこちに飛び火して深川全体が沈んでしまいかねない。
異論が噴出して皆騒然となる中、老舗の材木商の飯田末五郎が一同を制して話し始めました。
「うちももう・・店を畳ませてもらうよ」飯田の発言に滝子も息を飲みます。
驚いたまつが、飯田に何とか思いとどまってもらおうと訴えますが、この時世では・・と既に諦めています。
「・・・うちの最後の五八様なんですよ！」まつが上ずった声を上げました。
「あんたんとこには世話になったが、これで終わりにさせてもらうよ」本当にすまねえ・・そう言って頭を下げる飯田。
がっくりと肩を落とすまつ、そして照代が宗吉の袖を引き、何かを促しますが・・・
「いや・・とてもじゃねえが・・今は・・・」場の雰囲気に呑まれ、二の足を踏む宗吉。
他に・・他に商売替えを考えているものは・・滝子の声が、まだざわつきの収まらない中で聞こえてきました。
それじゃ・・滝子が話を打ち切ろうとした時、「待ってください！」照代が声を上げました。
「うちも・・店を畳もうと思っております」一同の視線が集まる中、意を決して切り出す照代。
森田屋は、この深川から高崎に移転するつもりです・・突然の発表に、誰より驚いたのは・・まつでした。
陸軍の無茶苦茶な要求に、さすがの滝子も太刀打ちできません。
もとより、清が闇での商売に手を出そうとするのを、「お国に楯突こうってのかい！」と咎めた滝子に、”太刀打ち”も何もないのかもしれませんが・・・
自分の思いなど、この時代の荒波の中では些かも顧みられることなどない・・と思い知らされ、尚の事ショックが大きかったのではないでしょうか？
布団の上に横たわり、常子たちに心配される滝子の弱々しい姿は、これまでに見せたことの無いものでした。
最後の気力を振り絞って寄合に出席した滝子でしたが、精神的なショックの大きさがありありと見てとれました。
そして、グズグズと煮え切らない宗吉に代わって、照代の口から常子にとってもショックな話が飛び出します。
森田屋が店を畳み、高崎に移転する・・突然の話に常子以上にショックを受けるまつ。
何も知らされていなかったようなのですが、何故そんな大事な話を秘密のまま進めてしまったのか？
どう考えても波乱が必至の展開になってきました。
高崎移転
「こんな話があるか！！」森田屋に戻るなり、怒りの声を上げるまつ。
すさまじい剣幕に驚く君子たちに、常子が事情を話して聞かせます。
「突然でごめんなさい・・それしかもう私たちには・・・」事後報告になってしまったことに、照代が頭を下げます。
「勝手な事言うんじゃないよ！！」まつは、大女将の自分の承諾なしに進められた移転話に、納得がいきません。
まつの反対を見越したうえで、秘密裏に計画を進めた宗吉と照代でしたが、かえって話をこじらせる結果に。
「私は認めないよ！！」まつは照代を押しのけ、宗吉に泣きつきますが、そもそも、まつには秘密のまま寄合で発表することにしたのは宗吉だったのです。
「本当は俺が話すつもりだったんだが・・土壇場で意気地なくしちまって・・・」
見かねた照代が、宗吉に代わって話を切り出したのでした。
話を聞きながら、怒りにわなわなと震えるまつ。
「この親不孝もん！！」何度も、繰り返し宗吉の頬を叩きます。
そして、まつは・・宗吉の視線を追うように振り返り、富江と長谷川にも尋ねました。
「・・・あんたらも知ってたんかい」まつの顔色を窺いつつ、小さく頷く富江と長谷川。
「あーやだやだ！！長生きはしたくないもんだ！！！」この歳になって一族郎党に裏切られるなんて・・悔しさのあまり、顔を歪めるまつ。
此処の家賃すら払えないんですよ・・照代が店の窮状を訴え、何とかまつを説き伏せようと試みます。
高崎のある群馬は、現在軍需産業で景気がいいともっぱらの評判。
働き盛りの人も多く、大口の注文も期待できる・・照代の兄も、高崎で洋食屋を開き成功しているというのです。
「その店手伝ってほしいって、俺たちに・・・」宗吉たちは、そんな誘いを受けていたのでした。
時流が変われば、また東京で店を開ける日も巡って来るかもしれない。
それまで一旦、高崎に引っ込もうや・・背中を向けて涙を堪えるまつに、噛んで含めるように言い聞かせる宗吉。
「皆さんも・・相談もなしにごめんなさいね」照代が、今度は君子たちに頭を下げます。
御厄介になっている身ですから・・君子は理解を示しますが、これから自分たちはどこへ行けばいいのか・・鞠子は不安を覚えます。
対して、照代は手を尽くして空き家を探すと申し出ますが、君子としては滝子の元に身を寄せる考えのようです。
「私たちのことは心配なさらないで下さい」常子の言葉に、照代が頭を下げます。
その時・・「移転が決まったようなこと言うんじゃないよ」声を震わせ、再びまつが怒りをぶちまけ始めました。
「かあちゃん！いい加減へそ曲げるのやめろよ！」宗吉に言われ、さらにへそを曲げるまつ。
「どうしても高崎行きたいんだったらあたし殺してから行きな！！」
あくまで頑ななまつに、どうしても今行くべきだと思うんです・・と懇願する照代。
「高崎が景気が良いだの！この森田屋には関係ないよ！！高崎の”た”の字も聞くの嫌だ！！！嫌だ！！！」
まつは興奮のあまり、まるで駄々っ子のように喚き散らします。
「今・・富江のお腹には赤ちゃんがいるんです」突然の照代の告白。
思わず振り返るまつ、驚いて照代を見つめる宗吉、そして常子たちの視線が富江に注がれます。
「そんなの聞いてねえぞ！！相手はどこのどいつだ！！」興奮して富江に詰め寄る宗吉。
富江が俯き、言い出せずにいると・・「すんません大将！！」突然隣の長谷川が声を上げました。
「富江さんと結婚させて下さい！！！」そしていきなりの土下座。
長谷川を睨みつける宗吉、そして呆気にとられる常子。
森田屋の高崎移転に続き、さらなる衝撃の事実・・「今・・富江のお腹には赤ちゃんがいるんです」照代の唐突な告白にまつだけでなく、今度は宗吉も仰天します。
察するに、この事が今回の一件のカギを握っているのではないでしょうか？
照代の兄から高崎への移転を勧められたとのことでしたが、富江に妊娠を打ち明けられた照代が、娘とその赤ちゃんを守るために、一計を案じたのかもしれません。
しかし、全く知らなかった娘の秘密を聞かされ、まつに加え今度は宗吉も、梯子を外された思いでいるのではないでしょうか？
さらなる波乱の予感が漂う中、完全に取り残されてしまった感のある常子たち小橋家の四人。
しかし、そうはいっても、これから存分に巻き込まれることになると思いますが・・・
果たして常子は、恐らく最後になるであろう、この森田屋一家の危機的状況に、どうやって立ち向かっていくのでしょうか？
とと姉ちゃん11週63話の感想まとめ
とうとう会社を首になってしまった常子ですが、落ち込んだ姿を家族に見せまいと、無理に明るく振る舞う姿が胸を打ちますね。
そして、さらに厳しさを増していく時代の荒波に揉まれ、青柳商店も森田屋も大きな転機を迎えつつあります。
滝子が倒れた青柳商店は、これからどうなってしまうのか？森田屋の高崎移転に断固反対するまつを、宗吉たちは説得できるのか？
そんな中、最後に明かされた衝撃の事実・・富江の妊娠！そして相手は長谷川！！そんな気配は微塵も感じさせなかったのに・・・
次回、長谷川と宗吉の衝突は必至の展開ですが・・長谷川は無事、五体満足で結婚の許しを得られるのでしょうか？
以上、とと姉ちゃん11週63話のあらすじネタバレと感想でした！
