とと姉ちゃん 8週45話のネタバレと感想
NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」8週45話のあらすじネタバレと感想です。
まずは8週44話の振り返りを少し。
結局、常子の歯磨事業は失敗に終わたものの、家族や森田屋の人々と力を合わせ、一カ月間夢中になって取り組んだ日々に後悔はありません。
そこへ何食わぬ顔で戻ってきた鉄郎、実は方々に頭を下げて金策に走り回っていたのでしたが、借金問題は滝子のおかげで既に解決済みなのでした。
本当は歯磨事業を成功させ、鞠子の大学進学資金を稼ぎたかった常子、姉の思いを知り意を決して君子に許しを請う鞠子。
最初反対していたものの、鞠子の文学への熱い思いを聞き、ついに進学を許すのでした。
そして、常子は鞠子の進学資金を稼ぐため、チヨに就職の相談をするのですが・・・
とと姉ちゃん 8週45話のあらすじネタバレ
試験まで半年、練習に励む常子
「大学へ行きたいんです・・」自らの思いを君子にぶつけ、許しを得た鞠子。
常子は鞠子の夢を叶えるため、高給取りのタイピストを目指すことになったのですが・・・
「・・アメリカで大活躍した巨人軍が、明日帰国だってよ・・・」朝早く、仕込に追われる森田屋の調理場で、呑気に新聞に目を通す宗吉。
野球じゃアメリカ行けるなんて・・お弁当じゃ何処へも行けないですもんねえ・・軽口を叩く森田屋の女たち。
「行って参ります!」常子が慌てて階段を駆け下り、調理場の中に一声掛けると、脇目も振らずに飛び出して行きました。
学校に行くにはずい分早い時間ですが、タイピストの練習があるのです。
「・・・お給金良いのかい?」タイピストをよく知らないまつですが、職業婦人の花形であり専門的技術も必要な仕事です。
「・・・で、常子は大丈夫なのかい?」まつに聞かれ、君子も苦笑いするしかありません。
チヨに指導を受け、和文タイプの練習を重ねる常子でしたが、かなり苦戦していました。
「小橋さん・・ひょっとして暗記は苦手?」一向にうまくならない常子に、些か呆れ気味のチヨ。
タイプライターが空いていないと練習も出来ません。
何か暗記のコツはないか・・・悩む常子に、チヨは文字の並びをすべて紙に書き写して覚えるよう、提案するのですが・・・
「2273文字!?」その全てを書き写す・・・「当然です!」きっぱり言い切ったチヨに、常子も覚悟を決めます。
「2273文字!これがあれば、いつでも・・タイプの練習が出来るってわけね」書き写した紙を机に並べ、じっと見つめる常子に、綾が励ます様に声を掛けます。
しかし、朝まで練習を繰り返したものの、「全然上達しないの!」疲れ切った表情で答える常子。
試験まであと半年、慌てず練習を繰り返すよう励ます綾。
家でも鞠子が勉強に励む傍らで、常子は文字を一つ一つ指さし、懸命に暗記しようとしています。
そんな常子をパタパタとうちわで扇ぐ美子。
二人の姉が忙しいため、一人寂しくしている美子を不憫に思ったのか、気分転換に三人で縄跳びでも・・と誘う鞠子。
ですが、むしろ美子のほうが二人の姉を気遣います。
「いいの!私の事は気にしないで!」そう言って、常子と鞠子を扇ぎ続けるのでした。
そして、美子は二人の勉強の様子を滝子に報告。
この調子なら二人とも大丈夫・・そう言って、おやつのカステラを美味しそうに頬張る美子。
「・・・そんなに慌てたら、胸につかえちまうよ」滝子が嬉しそうに美子を見つめています。
ふと、滝子が目を留めたのは美子の筆入れ。
「ずい分と年季の入った筆入れだねえ・・・」思わず手に取り、呟く滝子。
美子は、何でも二人の姉のお古を使っています。
洋服でも何でも全部お古・・破れてもかかがいつも直してくれる・・新しい物なんか一つもない・・
もうすっかり慣れっこ・・そんな様子の美子を見て、滝子は・・・
中々に厳しい職業婦人の花形・タイピストへの道。
ただひたすらに、がむしゃらに文字の配列を頭に叩き込もうと、四苦八苦する常子ですが、周りももう少しマシなアドバイスが出来ないものか・・・
半年間で2273文字の暗記と言うことは、単純計算で一日当たり12~13文字ということになります。
具体的なノルマを設定して、小さな目標をクリアすることの積み重ねで、モチベーションを維持すれば少しはマシかな、と思うのですが。
まだまだ精神論が幅を利かせていた時代、四の五の言っている暇があるなら根性で覚えろ!ということでしょうか。
常子はタイピストの練習、鞠子も大学進学のため一層勉強に励む中、ある意味自由に振る舞う美子。
二人の姉を応援する傍ら、滝子を独り占めして存分に甘えています。
一応、節度を保っているようには見えますが・・要領よく器用に立ち回る性格で、”一人我が道を行く”そんな感じもしますね。
結婚が決まった綾は・・・
授業が終わり教室を出る常子ですが、大きなあくびが・・・
「ちゃんと寝てるの?」どうせ徹夜で練習しているのだろう・・心配する綾。
入社試験がある十二月までが勝負、それまでは無理をしてでも・・常子には余裕がありません。
そんな常子は例外的存在、他の女学生の多くは結婚の話で持ち切りです。
「結婚かあ・・・どんな気持ちなんだろう・・・」今の常子には想像できません。
特に何も変わらないわ・・表情一つ変えず答える綾に、思わず吹き出す常子。
まるで結婚する方の気持ちを知ってるみたい・・可笑しそうに笑う常子に対し、「だって知ってるもの」綾は平然と答えます。
「実は・・私も・・結婚が決まったの!」突然の親友の告白に、仰天する常子。
「えー!聞いてないけど・・・」少し怒っているようにも見える常子、「だって言ってないもの」ちょっとムッとする綾。
だって聞かれなかったから・・と言うのが綾の言い分ですが、知らないのにわざわざ聞かないでしょ・・常子はちょっと呆れます。
親が決めた結婚相手は医大生。
綾はまだ会ったことがありません。
「お会いするのが楽しみね!」気楽に尋ねる常子でしたが、綾は実際に会うことには不安もあるようです。
「・・・だって、顔も知らない人に自分に人生を委ねるってことでしょ?」それって何だか・・・言葉に詰まる綾。
不安そうな表情で見守る常子でしたが、「大丈夫、お相手に会えば不安もなくなるわよ」かえって綾の方が常子を気遣います。
それよりも綾は、常子が無理をして体を壊さないかが心配です。
「・・・うん、ありがとう」綾の励ましに常子が答えます。
「勝負は時の運」武蔵が問題文を読み上げると、常子はタイプライターの文字配置を書き写した紙の中から文字を見つけ、一つ一つ指さしていきます。
「・・・そこまで96秒です」一昨日と比較して2.4倍の速さにまで進歩しているものの、チヨからは今の速度の倍の速さを要求されていました。
めげずに練習に励む常子を、君子が温かく見守ります。
美子はいつものように、滝子のもとに遊びに来ています。
「よし、出来た」美子がお絵かきしている隣で、滝子が呟きました。
さ、見てみな・・そう言って渡したのは、綺麗な紐で飾りを施した美子の筆入れ。
「とっても素敵!」素直に喜ぶ美子。
こうすれば常子とも鞠子とも違う、美子だけの筆入れになる・・・美子は改めて、滝子の心遣いにお礼を言うのでした。
その頃、練習の疲れが見える常子が、森田屋に帰ってきました。
「ただ今帰りましたあ・・」玄関をガラッと開けると、丁度まつが荷物を持って奥から出てくるところでした。
手違いでお重の弁当が余ったため、武蔵に食べさせてやろうと持っていくところだったようです。
常子は曖昧な返事でその場を逃れようとしますが、まつは半ば強引に包を渡し、奥に引っ込んでしまいました。
仕方なく、武蔵の元に向かう常子。
住所の書かれたメモを頼りに、武蔵が住む下宿までやって来ました。
「・・・すみません・・こちらに星野武蔵っていらっしゃいます?」鉢植えに水をやっていた女性に尋ねます。
「驚いたあ・・葉っぱの学生さんにも、女友達なんてものがいたんだねえ!」女性の反応に、些か困惑する常子。
部屋にいますよ・・どうぞ・・勧められるまま中に入り、部屋の襖の前で声を掛けます。
「すみません!常子です!おまつさんのお使いで来ました・・・」しばらく待ちますが、返事がありません。
繰り返し呼び掛けるものの、部屋の中は静まり返ったまま。
「開けますよ・・・」常子が襖を開くと、そこにはうずくまる武蔵の姿が・・・
綾は何故、親友の常子に結婚のことを黙っていたのでしょうか?
常子に告白する際に、若干の迷いも見られた気がしたのですが、まだ自分の中で結婚に対する整理がついてなかったのかもしれません。
あくまで表面上は平然とした様子の綾ですが、本当は常子に報告するタイミングを計りかねていたのではないでしょうか?
常にクールでなかなか本心が見えない綾ですが、やはり年頃の女学生らしく、見知らぬ相手との結婚に対する不安もある様子。
そんな綾にとって、常子は一体どう見えているのでしょうか?
自分の力で人生を切り開き、家族のために職業婦人を目指すという、自分の生き方の対極にいる常子。
どこか羨ましさを感じる半面、親友に対してちょっと距離を感じ始めているのかもしれません。
翌檜の話
「星野さん・・・」恐る恐る声を掛ける常子。
視線の先には、目隠しをして両手で耳を塞ぎ、花の匂いを嗅ぐ武蔵が。
「星野さん・・・」常子が、反応のない武蔵の肩をポンッポンッと叩くと、ビクッとしてようやく気付きました。
一体何をしていたのか・・開いた口が塞がらない常子に、武蔵が釈明します。
「植物の香りを調べていたんです」視角と聴覚に左右されないよう、目と耳を覆って一心不乱に嗅いでいた、という訳でした。
相変わらずの変人ぶりに、苦笑いする常子。
やや気まずい沈黙が流れ、ふと気づいた武蔵が慌てて部屋の襖を開きます。
「妙齢の女性と二人きりですから・・」あらぬ誤解を招かぬよう、念のための処置です。
タイプライターの練習の進捗状況が気になる武蔵。
「紙を使った練習で、”一応”順調に・・・」常子の答えに、安心しかけるものの、何かが引っ掛かります。
「”順調”なんですよね・・・」改めて尋ねた武蔵に、「”練習”は・・・」微妙な返事を返す常子。
実際には、常子は不安でいっぱいでした。
いくら必死に練習しても、今まで長い時間特訓してきた他の受験者に勝てるかどうか・・・
もし、不採用になったら、他に働き口が見つかるかも分からない。
仕事が決まらなければ、鞠子の大学進学が難しくなってしまう・・・
「星野さんが羨ましいです」植物の研究という、しっかりとした目標を持っている武蔵に、つい弱音をはく常子。
ですが、武蔵も悩みを抱えていました。
「・・先日、実家にいる弟が兵隊に行きました」思わぬことを聞いた常子は、おめでとうございます・・としか言えません。
武蔵は本心では、大学院に進んでまだまだ研究を続けたいと思っています。
しかしこうなった今、就職して親を支えるべきではないか・・進路を決められず悩んでいるのでした。
何も知らなかった常子は、掛ける言葉が見つかりません。
「常子さんの話を聞いて、翌檜を思い出しました」明日は檜になろう・・そう願っているのになれない木。
だから、翌日の”翌”に”檜”と書いて”翌檜(あすなろ)”になった、そんな説がある・・・
「・・・何だか可哀想」翌檜の話に少し感傷的になる常子。
「そんなことはありませんよ」翌檜は翌檜で立派な樹木、常子も他と比べて自分を卑下する必要はない。
翌檜としてちゃんと育てば、檜にだって負けない立派な樹木になる・・武蔵の話を聞き、常子は少しだけ元気を取り戻しました。
「常子さんなら、必ず・・タイピストになれます」真っ直ぐ目を見て励ます武蔵に、常子も笑顔で応えます。
昭和十一年十二月、いよいよ就職試験の日がやって来ました。
「とと、行ってきます」仏壇に向かって手を合わせていた常子は軽く頷き、すっくと立ち上がりました。
「それでは・・行って参ります!」どこか、吹っ切れたような表情の常子。
車に轢かれないようにね・・道に迷わないようにね・・指、攣らないようにね・・君子たちが口々に声を掛けます。
うんっと無言でうなずき、常子はタイピストの試験を受けるため、歩き出しました。
武蔵は、家族のために職業婦人を目指す常子を見て、進路に悩む自分が虚しく思えたのかもしれません。
今の自分が置かれた状況と、常子の境遇とは大きく異なるものの、共に家族のためにどう行動すべきかを考える二人。
武蔵の中で常子に対する気持ちに、何か変化があったのかもしれません。
そんな状況の中、朴念仁で恋愛下手の武蔵が翌檜の話に込めた思いは、一体何だったのでしょうか?
「常子さんの話を聞いて、翌檜を思い出しました」、「翌檜は・・立派な樹木で、僕も大好きです」
ともすれば、告白と受け取れなくもないですが・・・
恋愛に鈍感な常子は、友人に対する励ましと受け取ったようですし、武蔵の様子からもそれ以上の意味はなさそうに見えます。
この二人の関係は、これからもずっとこんな調子で進んでいくのでしょうか?
とと姉ちゃん8週45話の感想まとめ
鞠子の夢を叶えたい・・その思いを胸に、苦手な暗記に必死で取り組んだ常子。
2273文字を全て紙に書き、活字の配列を頭に叩き込むという力技。
そして、武蔵に練習に付き合ってもらい、翌檜の話を聞き励まされた常子は、ついに試験の日を迎えます。
強い決意を滲ませた表情で家を出た常子ですが、無事に試験に合格できるのでしょうか?
”家族を守る”決意のほどが問われるとと姉ちゃん・・鞠子の夢を叶えることが出来るのでしょうか?
以上、とと姉ちゃん8週45話のあらすじネタバレと感想でした!