とと姉ちゃん 11週65話のネタバレと感想
NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」11週65話のあらすじネタバレと感想です。
まずは11週64話の振り返りを少し。
「今・・富江のお腹には赤ちゃんがいるんです」しかもその相手が長谷川と聞かされ、激怒する宗吉。
しかし、富江の妊娠を知ったまつは・・身重の孫娘の事を考え、猛反対していた高崎移転を承諾することにしたのでした。
ようやく混乱の収まった森田屋では、鞠子の提案を受け富江と長谷川の祝言を挙げることに。
みんなで協力して祝言の準備を進める中、宗吉が鯛の代わりに用意したフッコを、自分に捌かせてほしいと願い出た長谷川。
将来スズキになる出世魚のフッコを見て、自分も早く一人前になって家族を守る・・そう考えた長谷川の気持ちを聞き、宗吉は包丁を任せるの事にしたのでした。
とと姉ちゃん 11週65話のあらすじネタバレ
森田屋、最後の大仕事
いよいよ富江と長谷川の祝言が始まりました。
「富江ちゃん綺麗・・・」花嫁姿の富江を見て、思わず鞠子が呟きます。
隣でその姿を見つめる長谷川も、「俺は幸せもんだあ・・・」と、にやけっぱなし。
―――深川を去ることになった森田屋最後の大仕事・・富江と長谷川の祝言が始まりました
もちろん、滝子や隈井、そして清もお祝いに駆けつけます。
祝言が滞りなく進んでいく中でも、照代は客に振る舞う料理やお酒の準備に追われていました。
「私がやります・・照代さん」見かねた常子が申し出ますが・・・
「いいの!常子ちゃんはみんなと楽しんでて!」照代は意に介しません。
花嫁の母である照代にはゆっくりしてほしい常子ですが、むしろ余計なお世話だったようです。
「常子ちゃんみたいに外で働いている人には分からないでしょうけど・・・」
日頃から家事に忙しい照代は、寝ている時以外は手を動かしていないと落ち着かないのです。
別に常子に対する嫌味ではなく、それが当たり前の事だから・・笑って答える照代。
「でも・・私も・・落ち着かないです」常子の言葉にプッと吹き出し、照代は温めたお酒を運ぶよう頼みました。
その頃、祝言の席ではすっかり出来上がった隈井が、高砂を披露していました。
千鳥足の隈井が賑やかに騒ぎ、富江は鞠子の恋のお相手に興味津々、酔っ払いが君子を口説こうとするなど、中々の盛況ぶり。
そんな中で、「一杯どうだい?」まつが滝子の隣に腰を下ろしました。
「それじゃ・・遠慮なく」軽くお辞儀をして、酒を注いでもらいます。
「あんた幸せもんだねえ・・あんないい子たち・・孫に持って」しみじみと語るまつ。
「あんただって幸せだよ・・孫だけじゃなく、今度はひ孫まで出来るんだから・・・」滝子の言葉に、まつも思わず涙ぐみます。
精々長生きするんだね・・滝子の軽い憎まれ口に、素直に頷くのでした。
二人がしんみりしていると、酔っぱらった隈井と清が長谷川に対して、挨拶しろ!と騒ぎ始めました。
「・・・分かりました」若干震える声で返事をすると、おぼつかない足で立ち上がる長谷川。
「僭越ながら・・ご挨拶を・・・」既にかなり息が荒い状態で、お礼代わりの”金言”を披露することに。
「人生は柳のようにあれ・・・」酔っ払いに野次られ、しどろもどろになりながら、さらに続けます。
長い人生の中、嵐が起こり強い風が吹きすさぶ、そんな状況が来ても柳のようにしなやかに耐え抜けば、やがて青く晴れ渡る青空が戻ってくる・・・
「・・・そういうことです」以外にまともな事を言う長谷川に、ちょっと感心した様子の常子。
一同からも拍手が送られ、長谷川は力が抜けたようにへたり込みました。
そんな長谷川の手を富江がそっと握りしめ、二人は見つめ合います。
その光景を見ていた宗吉が、いきり立って長谷川に掴みかかろうとするのを、周りが押し止めます。
「・・・夫婦が手を握り合って何が悪いのよ」文句を言う富江。
富江、言い過ぎだよ・・長谷川が宥めますが・・・「富江って・・呼ぶなあ!!」宗吉はさらに興奮する始末。
「じゃあ、富ちゃん」明らかに宗吉を挑発しています。
「二人ともうるさい!!」思わず声を上げた照代でしたが、皆の注目が一斉に集まり、照れてしまいました。
森田屋最後の大仕事、富江と長谷川の祝言が滞りなく進んでいく中、”犬猿の仲”のまつと滝子が酒を酌み交わす。
色々ありながらも、やっぱりこの二人は本当は仲が良かったんでしょうね。
海千山千のまつと滝子ですが、一面では丁々発止で口喧嘩を繰り広げる子供っぽさもあり、お互いにしか分からない距離感が合ったのだと思います。
いよいよこれで最後となり、万感の思いを込めて酒を酌み交わしていると思うと、何だか泣けてきます。
それはさて置き、長谷川が語った最後の”金言”ですが、自分の事を話していたのかもしれません。
日頃から宗吉に厳しく仕込まれ、まさに嵐のような修行の日々をしなやかに?或いはへらへらと?耐え抜き、富江との結婚に至る。
しどろもどろになっていたのは、宗吉にばれやしないかと冷や冷やしていたのかもしれませんね。
いずれにせよ、長谷川のパクッた”金言”も聞き納め、最後に見せ場が出来て良かった・・と言うべきかもしれません。
引っ越しの日に
「富江ちゃんも、いよいよ今日から奥さんかあ・・・」改めて富江を祝う常子たち三姉妹。
お母さんにもなるんだね・・信じられないなあ・・鞠子も美子も、幸せな富江を祝福しています。
しかし、富江には一抹の不安も。
「母ちゃん見てると・・自分もあんな風になれるのかなあって」
家族の誰より早く起き、家の事も店の事も子育ても全部こなし、夜は誰よりも遅く寝て、ずっと働き詰の照代。
会社勤めにせよ、店を切り盛りするにせよ、休みはありますが、照代にはありません。
「でもね、私やってみたいの」不安な気持ちを振る払うように、富江が言いました。
長谷川やお腹の赤ちゃんのためにも、照代みたいな奥さんに・・お母さんになりたい・・笑顔で宣言します。
「長谷川さんは幸せもんだなあ・・富江ちゃんにそこまで言わせるなんて」心底羨ましそうな常子。
しかし、そもそも何故富江は長谷川の事が好きになったのか?
「・・・答えが出せない問題なんてなかったけど・・この件だけはどれだけ考えても分からないの」
鞠子の身も蓋もない言い方に、思わず吹き出す富江でしたが、「きっかけは鞠ちゃんの制服かな・・・」と、馴れ初めを語り始めました。
富江が鞠子の制服を借りた日、「制服・・鞠子ちゃんより・・似合ってた」盛んに照れながら、わざわざ言いに来た長谷川。
自分をちゃんと見てくれている人がいる・・ということが妙に嬉しくなり、それ以来長谷川を意識するように。
「あーあーそうですか・・私が似合ってないおかげでのご結婚おめでとう・・・」ややお冠の鞠子でした。
―――少しずつ、常子は仕事を失った辛さから、立ち直りつつありました
そして、雲一つない秋晴れのその日、森田屋は引っ越しを迎えました。
三姉妹も協力して引っ越しのお手伝い。
富江が常子たちに手を貸そうとしますが、「あーダメダメダメ・・富ちゃんダメ!」常子が妊婦を気遣います。
「よし、俺がやるよ!」富江に良いところを見せようというのか、常子たちが三人がかりで運んできた机を一人で抱えようとする長谷川。
ですが・・ピクリとも動かず、可笑しそうに笑い転げる富江と三姉妹、そして冷ややかな視線を送る宗吉。
全ての荷物を運び出し、ガランとした森田屋の中に、まつが一人で佇んでいます。
「準備・・出来ました」常子が声を掛けました。
一つ大きなため息をつき、まつが腰を下ろします。
「何にも無くなっちまったこの家見ていたら・・本当にここで暮らしていたのかなって思っちまって・・・」
ここでずっと弁当を作り続けたかった・・毎日ご飯を炊いて、魚を焼いて、盛り付けをして・・・
「そんな・・当たり前の暮らし、したかったっての・・・」涙で言葉を詰まらせるまつ。
柄にもなく感傷にふけっちまって・・弱気になっている自分に、少しばかり嫌気も差したようです。
「・・・こんなぼろ屋の・・思い出なんか・・語るだなんて」必至に涙を堪えています。
そこへ、宗吉がまつの隣に腰を下ろしました。
一つ大きなため息をつき、ガランとした店の中を見回す宗吉。
やがて、「母ちゃん・・・すまなかったな」躊躇いがちに、謝罪の言葉を口にしました。
少しだけ表情を緩ませ、黙って頷くまつ。
まつが謝罪を受け入れたことを確認すると、宗吉も黙って立ち上がり、外に出て行きました。
「時々・・様子見に来ます」大家に頼み、再び森田屋が戻ってくるまで・・掃除や手入れなどを引き受ける常子。
「ありがたい話だけど・・結構さ。今度・・東京に帰ってくるときにゃ・・もっといい家に・・暮らすから」
精一杯の笑顔で答えるまつに、常子もふふっと笑いがこぼれます。
「さあ・・行くか」決意したように呟くと、まつが立ち上がりました。
制服事件の裏にそんな後日談があったとは・・中々抜け目のない長谷川、ずっとチャンスを狙っていたのではないでしょうか。
それにしても、富江ももう少し厳しく吟味すればいいのに・・と思わなくもないですが、男たちは次々に徴兵されていくご時世、そんな余裕はなかったのかもしれません。
客観的に見て、かなり頼りない長谷川ですが、照代のような良妻賢母に憬れる富江にとって、むしろ支えがいのある男と言えなくもない・・ということでしょうか?
現代とは結婚に対する価値観もずい分違うでしょうし、相思相愛な分だけ幸せなのかもしれません。
さて、いよいよ引っ越しの準備も終わり、ガランとした森田屋の風景を見ていると、常子たちの引っ越しの事を思い出してしまいます。
他のどんなものより、たくさんの思い出が詰まっているのは家そのもの。
浜松の家を出るとき、傷跡の残る柱を丁寧に拭きながら、「ありがとうございました」と呟いた常子。
森田屋が東京に戻ってくるまで、家の手入れを引き受けようとした常子の胸には、その時の思いが過っていたのかもしれません。
再出発
まつは玄関の表札を外し手に取ると、しばし見つめた後荷物の中に潜り込ませました。
改めて挨拶しようと常子たちに向き直った時、タッタッタッと滝子が駆け寄ってきました。
「あらまあ・・わざわざ見送り・・お暇です事!」まずは、挨拶代わりの軽い皮肉で出迎えるまつ。
仕事で通りかかっただけ・・と、かわしつつ「それより・・御怪我の方は平気ですの?」滝子が訪ねます。
「おでこに何やら深い傷が・・あ!皴か・・・」後で常子が笑いを堪えています。
「でも・・雪が積もって大変でしたね」頭の上が真っ白・・と、惚けたことを言いつつ「あー!白髪か・・・」大袈裟に驚いて見せる滝子。
さすがに皆可笑しくてクスクスと笑い出しました。
果ては滝子とまつも声を上げて笑い出します。
ひとしきり笑い転げた後、「皆さん・・本当にお世話になりました」君子が森田屋の人々にお辞儀します。
「生まれたらお知らせするね」富江が前に進み出ると、常子がそのお腹を両手で擦って、「元気に生まれてくるんだぞ!」別れの挨拶に変えて、無事の出産を祈ります。
「・・・いつか必ず自分たちの暮らしを取り戻す、だからあんたも・・強く生きるんだよ!いいね、とと姉ちゃん」
まつの言葉に、力強く頷く常子。
すると、「・・・湿っぽい挨拶は終わったかあ?」明後日の方を向きながら、一番後ろから宗吉が声を掛けてきました。
別れの挨拶なんてちゃっちゃと済ませればいいんだよ・・そう嘯くと、「じゃあな!またいつか会おうぜ!」明るく手を振るのでした。
「はい!いつか必ず!」常子の返事を聞くと、一人でさっさと歩き出す宗吉。
勝手に行くんじゃないよ!・・一応宗吉に声を掛け、再び常子たちに向き直ったまつは、深々と頭を下げます。
そしてまつに促され、一同は高崎へ向けて歩き出すのでした。
―――家族のように過ごしてきた森田屋の人々と別れ、常子は再出発の時を迎えました
まつと滝子の丁々発止のつばぜり合いも、これで本当に見納めなのかと思うと、少し寂しい気がしますね。
みんなと一緒に二人が笑い合っている光景も、かえってそんな思いを増幅させてしまいます。
こんな風に、遠慮なくズケズケと悪口を言い合える友達と言うのは、実に貴重な存在ですね。
滝子がタッタッタッと駆け寄ってくる足音が、いかにも別れの寂しさを表しているように感じました。
そんな二人の姿を見て、常子は何を感じたのでしょうか?
これからまさに人生の再出発の時を迎える常子にとって、二人の与えた影響は大変大きなものがあります。
再就職先を探すにあたって、二人の言葉を思い返す時がやって来るかもしれません。
とと姉ちゃん11週65話の感想まとめ
富江と長谷川の祝言も無事終わり、森田屋の面々は深川を去って行き、常子はいよいよ再出発の時を迎えます。
今度東京に帰ってくる時にはもっといい家に・・と、前に向かって進む姿勢を見せたまつの言葉が、常子にはいい餞別になったかもしれません。
そして”犬猿の仲”の滝子とまつの息の合った最後の掛け合いも、いい思い出になったことでしょう。
それにしても、富江と長谷川の馴れ初めに、あの制服事件が絡んでいたとは・・長谷川の制服姿が強烈だっただけにやや複雑な気もします。
ともあれ、高崎へと移転していった森田屋ですが、まつの決意通り再び東京に戻ってくることは出来るのでしょうか?
以上、とと姉ちゃん11週65話のあらすじネタバレと感想でした!