とと姉ちゃん 11週66話のネタバレと感想

とと姉ちゃん 66話 ネタバレ

NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」11週66話のあらすじネタバレと感想です。

まずは11週65話の振り返りを少し。

滝子たちもお祝いに駆けつけ、森田屋最後の大仕事・・富江と長谷川の祝言が始まりました。

賑やかな祝言の裏で、客に振る舞う料理の準備に追われる照代ですが、富江はそんな照代のような妻、そして母になることに憬れを持っています。

滝子とまつが酒を酌み交わし、長谷川がしどろもどろで”金言”を披露し、富江の口から長谷川との意外な馴れ初めが語られ、祝言は無事終了。

そして、いよいよ森田屋が深川を去る日、荷物をすべて運び出しガランとした店の中で一人佇むまつに、宗吉がこれまでの事を謝罪、まつもようやく気持ちを切り換えるのでした。

森田屋の人々が常子たちに別れを告げようとした時、急いで駆け付けた滝子と最後の丁々発止の掛け合いを楽しんだまつ。

「いつか必ず自分たちの暮らしを取り戻す」その決意を胸に、森田屋の人々は高崎へと去って行くのでした。

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とと姉ちゃん 11週66話のあらすじネタバレ

再出発する常子

「・・・だからあんたも・・強く生きるんだよ!とと姉ちゃん」励ましの言葉を残し、まつたちは去って行きました。

そして、常子たちは再出発の時を迎えます。

「本日から、お世話になります・・・」青柳商店に戻ってきた常子たちは、改めて滝子に挨拶します。

しかし、元々暮らしていた家、堅苦しい挨拶も遠慮もいらない・・滝子や清が笑顔で迎えますが・・・

同じように、ニコニコと笑顔で常子たちを迎える隈井の顔に、皆の視線が集中。

「?・・何すか?あっしの顔に・・何か付いてますか?」キョトンとして、一同を見回す隈井。

涙もろい隈井が、今回も顔が涙でくしゃくしゃになるかと、皆期待していたのでした。

「泣かないのかとおもってねえ・・・」おちょくる清、「泣きたきゃ泣いて良いんだよ」滝子も促します。

三つや四つのガキじゃあるまいし・・隈井もさすがにムッとしたようです。

「それに今までも会ってたし・・感激するようなことじゃないわよ」ちょっとドライな美子。

「でも・・離れていても隈井さんが気遣ってくださっていたからこそ・・今の私たちがあるんですよね・・・」

常子が君子と頷き合い、「隈井さんには感謝してもしきれないわよね・・・」さらに、君子が鞠子に話を振ります。

「ええ・・本当に」頷く鞠子、そして・・揃って隈井を見つめますが・・・

「止めてくださいよ!」一瞬ほろりとしかけ、みんなが自分の事を泣かせようとしていることに、ちょっとイラつく隈井。

それはそうと・・清が、常子の新しい働き口を気に掛け尋ねました。

常子は早々に見つけるつもりなのですが・・「昔だったら一つや二つ、見繕ってあげられたんだが・・」滝子が気遣います。

しかし、曲がりなりにも三年間の職業婦人としての経験がある常子。

「きっと、私を必要としてくるれる職場も、あると思います」自信を持って頷きます。

すると・・隣からおいおいと泣き崩れる声が。

とうとう我慢できなくなった隈井に、一同も思わず吹き出してしまいました。

その後、改めて自分たちが暮らす部屋に、家訓の額を飾る常子。

仕事を失って以来、ずっと落ち込んでいた常子を心配していた君子たちは、先程からの常子の様子をみて、ようやく安心したようです。

「さっきのとと姉ちゃん、”とと姉ちゃん”みたいだった」美子の独特の言い回しに、若干戸惑う三人。

私はいつも私よ・・強がる常子でしたが、鞠子の目から見てもその変化は明らか。

富江の祝言の準備に追われたり、森田屋の人々を送り出す中で、少しずつ元気を取り戻して行ったようです。

真っ直ぐに生きていても報われないことばかり・・会社を去る時に、早乙女から送られたはなむけの言葉を、改めて思い起こす常子。

「その時は・・受け止めきれなくて・・・」でも今ならあの言葉に頷くことが出来る・・ようやくその気持ちになれたのでした。

常子の気持ちを知り、君子も安心したように頷きます。

「私ね・・こんな日が来ると思って、とと姉のために用意してたものがあるの」

出し抜けに言いだした鞠子、「・・・私も」美子も自分の荷物をごそごそと探し始めました。

「私は・・これ!」鞠子が差し出したのは、日頃から新聞に目を通し求人広告を控えたノートでした。

タイピストとそれ以外の求人にまとめられ、きちんと整理された内容に感激する常子。

「よっちゃんは何?」鞠子が振り返って美子に尋ねますが・・言いにくそうに、後ろに何かを隠してしまいました。

何尻込みしてるのよ・・鞠子に促され、仕方なく前に出た美子は、小さな紙の包を差し出します。

常子が包を開いてみると、そこに入っていたのは求人広告の切り抜きでした。

「鞠姉ちゃんと全く一緒・・・」ばつが悪そうな美子を見て、クスクス笑いだす三人。

「ありがとうよっちゃん!」満面の笑顔で感謝する常子、「姉妹そろって、考えることは同じね!」可笑しそうに笑う君子。

ようやく本来の自分を取り戻しつつある常子、「さっきのとと姉ちゃん、”とと姉ちゃん”みたいだった」美子のセリフがそのことを象徴しています。

祝言が行われている裏で、黙々と自分の仕事をこなしていた照代の姿から、仕事にひた向きに打ち込んでいた頃を思い出したのでしょうか?

荷物を運び出し、ガランとした森田屋の中で「当たり前の暮らしがしたかった・・・」そう言って涙を見せていたまつが、再び前を向いて歩き出した姿に、勇気づけられた面もあるかもしれません。

会社を追われる際に、早乙女から送られたはなむけの言葉に、ようやく向き合えるまでになった常子。

あの頃の暗く沈んだ顔が嘘のように、さっぱりとした表情で家族と話していました。

そして、ようやく再出発の準備が整った常子に、妹たちからの贈り物が。

鞠子も美子も同じく求人広告を集めていたなんて、二人には職業婦人としての常子がそれほど輝いて見えていた、ということになるのかもしれませんね。

求人広告

―――翌日から、常子の仕事探しは始まりました

「和文タイプの経験は3年6カ月です」張り切って面接に挑む常子でしたが、「今は英文しか要らない」にべもなく断られてしまいました。

「タイプだけでなく、書類の整理も!」次の会社ではアピールポイントを変えてみましたが・・「必要ないね!」取りつく島もありません。

―――タイピストの枠は埋まってたり、経営状況の悪化で雇い入れを辞めていたり・・と、常子を雇う会社は見つかりません

仕方なく常子は、タイピストへのこだわりを止め、他の職種にも手を伸ばしますが・・それでも厳しい答えしか返って来ませんでした。

戦争が長引いた影響で、以前に比べ女性の就職は厳しい状況になっていました。

そうこうするうち、鞠子と美子が探してくれた求人情報も、最後の一か所を残すのみ。

「雇ってくださるんですか?」半ば諦めていた常子に、思わぬ答えが返ってきました。

明日からでも・・という採用担当の言葉に、ホッとする常子ですが・・「雇う代わりと言ってはなんだけど・・・」

求人広告には月三十円とあった給金を、僅か十一円に値切って来たのです。

「本当の給金書いたら誰も応募してこないでしょ」悪びれる様子もない担当者。

月十一円では家族四人が暮らしていけない・・抗議する常子ですが、「嫌ならいいんだよ」何もないよりマシだろう・・完全に足元を見てきます。

「考えさせてください」常子そう言って、一旦家に戻ってきました。

「・・・十一円」大きなため息をつき、悩む常子の視線の先には三つの目標を書いた短冊が。

いくら考えても結論が出ない中、思い出したように給仕の坂田がくれたキャラメルを手に取ります。

キャラメルを包んだ新聞紙を開く常子。

「最後の一個か・・・」名残惜しそうに呟くと、キャラメルを頬張りその甘さに思わずニンマリ。

ゆっくりとキャラメルを味わう常子ですが、ふと気になって新聞を広げてみました。

”事務員急募 男女問はず 月二十五圓”常子の目に飛び込んできた求人広告。

常子は新聞を引っ掴み、慌てて家を飛び出して行きました。

難航する就職活動に、常子は何を思ったのでしょうか?

やはり女性は一人前と認められないのか・・簡単に首にされた自分や道子の事を思い返し、改めて悔しさが蘇ってきたのかもしれません。

さらには、ようやく雇ってもらえると思った瞬間に、給金を値切られるという屈辱を味わい、男性だったらこんな事には・・との思いもよぎったかもしれません。

いずれにせよ、鞠子と美子が用意してくれた求人広告は、結果的に全部外れとなってしまった訳ですが、常子の性格からすると妹たちのことを真っ先に心配したのではないでしょうか?

どうやって二人を慰めよう・・家に戻って、そんなことを考えているようにも見えました。

しかし、その常子に一筋の光が差してきます。

タイピストとして就職した当初、会社で唯一の味方だった給仕の坂田がくれたキャラメル・・そのキャラメルを包んでいた新聞紙に載っていた求人広告。

こんなところでも常子を助けてくれた坂田・・ひょっとしたら、この後も何らかの形で再登場することがあるかもしれませんね。

甲東出版

新聞片手に街中を駆け抜ける常子。

求人広告に書かれた住所を頼りにやって来たのは、甲東出版。

「ここかあ・・・」ビルの入り口に掛かる看板を見て、ポツリと呟く常子。

「ごめんくださーい・・・」恐る恐る中に入り、声を掛けますが・・どうやら誰もいないようです。

常子がガランとした出版社の中を見回していると、突然、ドアがガチャっと勢いよく開き、男が飛び込んできました。

「あった・・やはりここだったか・・・」雑然と置かれた原稿の山の中から、目的のものを見つけたようです。

「あーあ・・・」ため息をつく男に、常子が背後から声を掛けます。

常子の存在に全く気付いていなかった男は、のけぞって驚きました。

「もしかして君・・求人見てきた?」じりじりと近づいてくる男、しかし常子は気にせず「はい!」と明るく返事をします。

丁度いい・・そう言うと、男は強引に常子を連れ出しました。

常子が連れてこられたのは、雑誌が山と積まれた倉庫のような場所。

戸惑う常子に対し、男はお構いなく「この号!検閲で削除が出たんだ・・」検閲箇所を切り取る作業に、常子を巻き込みます。

「え?え?・・これ全部ですか?」机の上に大量に積み上げられた雑誌を見て、閉口する常子。

ようし・・やるぞ・・困惑する常子をよそに、さっさと作業を始める男、「急な話で困ってたんだよ」ぶつぶつと独り言を言っています。

「4時までにやらなきゃいけないんだ」常子が何か言いかけるのを無視して、時計の針を気にする男。

早くしよう!・・これ以上話しても無駄と悟った常子も、作業に取り掛かることにしました。

検閲で削除がでたページを切り取り、訂正の紙を挟み込んでいきます。

男と共に黙々と作業に打ち込む常子、「そっちはどうだい?」男に尋ねられ、残りの雑誌を数える常子。

どうやら時間までに終わりそうで、男はホッとした様子。

「君のおかげで助かったよ」何とか役に立てたようで、常子も喜びますが・・・

「あれ?・・・あれ・・・?」突然常子を見つめ、男が立ち上がります。

「慌てていて・・気付かなかったけれど、君・・よく見ると可愛らしい顔してるなあ・・・」

作業を続ける常子の隣に立ち、口説き始める男。

ドギマギする常子ですが、男は尚も常子を口説き続けます。

「君の周りにいた男は見る目が無いんだね・・こんなにも素敵な女性を、見逃すなんてさ」

これまでに聞いたことの無い、歯の浮くような口説き文句に、常子もまんざらではないようです。

と、その時・・「五反田!そういうのは終わってからにしろ!」立派な身なりの男が入ってきました。

「しゃ・・社長」五反田、と呼ばれた男が慌てて常子から離れます。

「聞いたぞ!削除が出たって・・女なんか口説いてたら間に合わんだろうが!」

不機嫌そうな社長に、常子のおかげで何とか作業が終わったことを報告する五反田。

「あ・・手伝って頂いてたんですか!」社長は常子の事を、五反田の連れ込んだ女と思っていたようです。

申し訳ない・・素直に謝罪する社長。

「・・・そう言えば君、名前は?」五反田は、今更ながら常子の名前を尋ねます。

名前も聞かずに手伝わせていた五反田に、社長もあきれ顔。

「小橋常子と申します」改めて自己紹介すると、「社長兼編集長の谷です」相手もそう名乗りました。

「僕は、五反田一郎です」それが、先程まで常子を口説いていた男の名前です。

改めて、五反田が求人広告を見てやって来た常子の事を、社長に紹介します。

「出版のお仕事は初心者なんですが・・一生懸命頑張りますので、雇っていただけないでしょうか」

懸命に頭を下げる常子ですが、「上げて・・上げて、上げて」社長の谷に言われ、恐る恐る頭を上げます。

「お願いしたいのはこっちの方なんだから・・・」求人広告を見て、常子の前にも何人か来ていましたが、皆すぐに辞めてしまい困っていたのでした。

雇って頂けるんですか・・信じられないといった様子で尋ねる常子に対し、「勿論!」即答する谷。

喜色満面の常子ですが、ふと冷静になり、求人広告通りの給金が貰えるかを確認します。

「当然でしょ!」五反田の答えを聞き、ようやく安堵する常子。

「ただ・・うちは人使いが荒いから、覚悟してね」谷は、少し心配そうに常子に伝えました。

「はい!一生懸命切り取ります!」勢いよく答える常子に、谷は苦笑い。

なるべく検閲で削除など出したくない・・谷から言われ、常子も思わず照れ笑いを浮かべました。

―――これが・・戦後、常子の一生の仕事となる、出版との出会いでした

最初に常子に名前を訪ね、そして自分もきちんと名乗る・・当たり前のことながら、以前の会社との社風の違いが端的に表れていたと思います。

以前の会社では、採用を担当していた山岸でさえ、最初は常子の名前を憶えていませんでした。

女性は”おい”や”君”で済ませられ、名前・・ひいては人格を無視されていました。

まさに、代わりなんか幾らでもいる・・と言わんばかりの雑な扱いに、早乙女もすっかり心を閉ざしていた訳です。

そんな環境の中で孤軍奮闘してきた常子にとって、甲東出版の社長兼編集長・谷誠治の態度はどう映ったでしょうか?

これまで出会ったことの無いタイプの谷に、この会社ならばやっていけそうだ・・と希望を持ったかもしれませんね。

そして、歯の浮くようなセリフでいきなり常子を口説き始めた五反田ですが、こちらもこれまで出会ったことの無いタイプ。

こんな軽い男がこの時代に居たのか疑問も残りますが、甲東出版の自由な社風を象徴しているようにも思えます。

いずれにせよ、常子にとって一生の仕事となる出版のと出会いは、こんな二人との出会いから始まるのでした。

とと姉ちゃん11週66話の感想まとめ

常子のために求人広告を集めていた鞠子と美子・・妹たちが揃って同じことを考えていたと知り、嬉しくなる常子でした。

しかし、長引く戦争の影響で世の中は深刻な不況に見舞われ、タイピストの職はなく、ようやく見つけた事務の仕事も足元を見られ、給金を値切られてしまいます。

そんな時、給仕の坂田が餞別にくれたキャラメルを包んでいた新聞、そこに乗っていた求人が目に留まった常子。

採用前に仕事を手伝わされたり、いきなり口説かれそうになったりと、本当に大丈夫か?と思わなくもないですが・・・

いよいよ常子の生涯の仕事となる出版との出会い・・ここからが本格的な物語のスタート、来週以降の展開が楽しみですね。

以上、とと姉ちゃん11週66話のあらすじネタバレと感想でした!

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