とと姉ちゃん 15週85話のネタバレと感想
NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」15週85話のあらすじネタバレと感想です。
まずは14週84話の振り返りを少し。
”スタアの装ひ”の初版・三百部が完売し、強気の鞠子の押されて一千部の増刷に踏み切り闇市に持ち込んだ常子たち。
しかし、既により安価な大量の類似雑誌が出回り、また、粗悪な仙花紙を使ったことですぐにボロボロになると悪評も立って、”スタアの装ひ”は大量に売れ残ってしまいます。
途方に暮れる常子たちを残し、ジーンズのビジネスに失敗した鉄郎は、引き揚げ船の港として賑わう舞鶴で再起を図るべく、小橋家を去って行きました。
「諦めないでもう一度出せ」鉄郎が残した言葉に勇気づけられるように、常子は再び妹たちと雑誌作りに取り組むことに。
甲東出版の谷たちに助言を求める常子でしたが、文芸誌一筋の彼らには女性向け雑誌については専門外・・一方、五反田は常子に対し、花山に相談するよう助言するのですが・・・
とと姉ちゃん 15週85話のあらすじネタバレ
酷評される常子
「全部で七百十六冊・・・」大量に売れ残った雑誌の山を前に、ため息を漏らす鞠子。
「あと一冊・・頑張ってみない?」そう言って励ます常子でしたが・・・
昭和二十一年七月、常子は五反田の助言に従って、花山を訪ねることにしました。
雨の降る中、常子が花山の家の玄関の前に立つと、「・・・お手紙届いてるかな?」中から女性の声が。
「ど・・どちら様?」ガラガラと玄関が開くと、幼い子供を抱えた女性がそこに立っていました。
驚いた様子で尋ねる女性に、「あ・・あの・・私・・・」常子も若干慌てています。
花山の妻・三枝子は、すんなりと常子を家に上げてくれました。
「茜ちゃん・・二歳?三歳ですか?」三枝子に抱っこされ、花山の娘が甘えています。
「三歳です・・ほら、きちんとご挨拶なさい」初めて会う常子に、照れたように顔を背ける茜に言い聞かせますが・・・
甘えん坊で・・ちょっと困ったように、笑って答える三枝子。
常子が茜をあやそうとしていると、「ただいま」玄関から声が聞こえ、花山が帰ってきました。
「お帰りなさいませ」茜を抱いたまま三枝子が迎えに出て、来客を告げます。
ちょっと怪訝そうな表情を見せ、花山が茶の間を覗いてみると、そこには一人で待つ常子の姿が。
「お邪魔しております」花山の姿を見て、常子は姿勢を改め頭を下げました。
「私・・一度五年前にお目に掛かったことが・・・」言いかける常子の言葉を遮り、「憶えてる。甲東出版の小橋常子だ」面倒くさそうに早口で答える花山。
用件を言いたまえ・・急かす花山にちょっと戸惑いつつ、”スタアの装ひ”をバッグから取り出し、テーブルの上に置きました。
「雑誌を作ったんです。母と妹二人で・・ですが・・思うように売れず、どうしたらいいか行き詰まってしまって・・・」
お力を貸して頂けないでしょうか・・五反田からの紹介に一縷の望みを託した常子でしたが・・・
「力など貸さん。帰れ」花山は取りつく島もありません。
五反田も余計な事を・・ぶつぶつ文句を言っている花山を、宥める三枝子。
しかし、素性の分からない者を勝手に家に上げるな・・と逆に説教を始めます。
「強盗や詐欺の類だったらどうする?・・ああいう外害の無さそうな間抜け面でも油断するな・・・」
歯に衣着せぬ花山の毒舌に、三枝子が代わって謝りますが、常子は苦笑いするしかありません。
「あの・・せめてこの雑誌の駄目なところを、一度だけでも見て頂けませんか?」
必死に食い下がろうとする常子ですが、「駄目なところしかない」にべもなく切り捨てる花山。
”たまたま”闇市で買ったという花山に、一瞬喜ぶ常子でしたが・・「買ったことを後悔したよ!」花山が声を荒げました。
「何を見せたいんだ?文章か?洋服か?テーマは何だ!」常子に対して一気に捲し立てます。
どのページを見ても同じような割り付けで飽き飽きする、紙も劣悪で手触りも悪い、こんな物に七円払うならちり紙を百枚買うことを勧める・・・
「そもそも君は・・読者を想像できていない!外国人や一握りの令嬢が着るような浮世離れした服を載せて何になる!」
周りを見渡せば、食べる物も着る物も最低限しかない中で生きている人々ばかりです。
作り方を載せたところで、洋服の材料など簡単には手に入らない・・「型紙も載せないで、読者が本当に作れると思うのか!」
絶叫するように批判を繰り返す花山に、一言も反論できない常子。
「無理だろ・・帰れ!」花山はそう言って、常子から渡された雑誌を突き返すのでした。
よくもまあ、次から次へと思いつくものだと感心するほど、”スタアの装ひ”の駄目な所を的確に列挙した花山。
ぐうの音も出ない程徹底的にやり込められた常子ですが、いずれも的を射ているだけに何も言い返せないのでした。
常子にとっては、妹たちと力を合わせ必死に作り上げた雑誌だけに、悔しい思いをしたに違いありません。
自分の甲東出版での拙い経験はもとより、鞠子が大学で学んできたことも、裁縫の得意な美子が街中を歩き回って洋服のスケッチをしたことも、全部否定されてしまったことになります。
花山に雑誌を突き返された時の常子の表情は、妹たちに申し訳ない・・との思いが強く滲み出しているように感じられました。
しかし、改めて自分たちの仕事のやり方が、素人に毛が生えた程度の物だった事を自覚した常子は、プロフェッショナルの必要性を痛感したのではないでしょうか?
もう失敗の出来ない状況に追い込まれた常子には、前に進むために何としても花山の力が必要です。
なかなか一筋縄ではいきそうもない花山ですが、説得のカギはどこにあるのでしょうか?
助言はもらえたものの・・・
常子は、完全に打ちひしがれて家に戻ってきました。
「でも、良かったじゃないか・・結局、助言はもらえたんだろ?」花山の家を出た後で相談した、五反田の言葉を思い返しています。
「的確で・・圧倒されました」常子はそう答えるしかありません。
才能は抜群な花山ですが、五反田が仕事を依頼した際、”二度とペンは握らない”そう返事をしたというのです。
「何だか疲れたって・・濁された」五反田も、花山の抱える事情について分かっていませんでした。
五反田が知っていたのは、「今は品川で、コーヒー屋を始めたらしい・・・」という事だけ。
「花山さん・・私たちの編集長になって下さいませんかね・・・」五反田に対し、何気なく呟く常子ですが・・・
どうしたもんじゃろのう・・昼間の事を思い出し、常子が思わず独り言を漏らします。
「花山さん・・って方の事?」三人を代表して尋ねる君子。
無理して編集長になってもらわなくても・・鞠子はあまり乗り気になれません。
しかし、「・・・でも、花山さんの指摘って・・すごく的を射てると思わない?」常子は諦めきれないようです。
「けど・・私の文章の良さが分からないだけかもしれないし・・そもそもその方は断ったんでしょ」
ちょっと突き放したような鞠子の言い方に、「・・・まあ・・そうなんだけどね」常子は曖昧な返事を。
ふと、テーブルに置かれたお椀の中に、ぽたぽたと上から滴り落ちる雨粒が気に掛かります。
「晴れたら・・雨漏りの修繕しないとね・・・」天井を見上げ、呟く常子。
部屋のあちこちで、バケツやタライが雨漏りを受け止めています。
ですが、「いいのいいの・・家の事は私に任せて、あなたは・・花山さんの所に伺ったら?」君子がそう促しました。
「どうしても・・諦められないんでしょ!」お見通し・・といった様子の君子に、常子は笑顔で「はい!」と頷くのでした。
一方で花山家では、家族三人が質素な夕食を囲んでいます。
「お味・・薄いですかね・・・」黙々と食事を口に運ぶ夫に、三枝子が訪ねました。
調理の途中で醤油が切れてしまい、図らずも”薄味”になってしまったようです。
「こんな時に贅沢は言ってられんさ・・・」遠慮がちな三枝子を、花山が気遣います。
少ない収入でやり繰りしている三枝子に、申し訳ないという思いも。
ふと、花山は柱に掛かっている花入れが目に留まりました。
おもむろに立ち上がると、微妙に傾いている花入れを真っ直ぐ整えます。
「あ・・すみません」恐縮する三枝子でしたが、思い出したように常子の話題を持ち出しました。
「昼間いらっしゃった小橋さんって・・お母様と妹さん、女だけで雑誌を作ってるって仰ってましたけど・・」
それで暮らしていけるんですかね・・と気に掛ける三枝子。
「人の心配している余裕などないだろう・・・」花入れの角度が気に入らないのか、何度も修正する花山。
常子の事が何だか気になる三枝子に対し、花山は「一緒に医療の事業をやらないかと誘われている」と、古くからの知人に会うことを告げます。
驚く三枝子に、話を聞いてみるだけ・・そう答えた花山でしたが、今の暮らしはもう少し良くしなければ、との思いを抱えていました。
「今のままの貧しい食事では・・茜が不憫でね・・・」そう言って娘を見つめるのでした。
果たして、常子が鉄郎から借りた資金は、あとどれ位残っているのでしょうか?
花山を編集長に迎えたいと、真剣に考える常子ですが、そのためには当面の給料を支払わなければなりません。
家族を養っていかなければならないのは常子と同じ、花山を説得するのにさらに高いハードルが待ち構えています。
「茜が不憫でね・・・」そう言って娘を見つめる花山は、強く責任を感じている様子。
常子がそんな花山を説得するためには、やはり妻の三枝子を味方にする必要があるのではないでしょうか?
娘の成長が気掛かりなのは、母親である三枝子も同じはずですし、妻に苦労を掛けていることに引け目を感じている様子の花山は、三枝子の理解なしに常子の話に乗れないはず。
三枝子自身は、花山に編集者として復帰してほしいと願っているようですので、常子の味方になってくれる可能性はあります。
だからと言って、経済的なハードルを越えるのはかなり困難そうですが・・・
それはさて置き、どうやら鞠子は花山に対して若干不信感を持っているようです。
ようやく、大学で学んだことを活かせる雑誌の仕事を始め、やりがいを感じていただけに批判を素直には受け入れられないのでしょう。
恐らく三姉妹の中で、鞠子が一番プライドが高いのではないでしょうか?
今後、花山を編集長に迎えるにあたって、両者が激しく衝突する場面もあるかもしれません。
雑誌の編集長に!
翌日、雨が上がり、相変わらず活気に溢れた闇市。
―――鞠子と美子は売れ残った雑誌を手に、闇市に向かったのですが・・・
「あんたらかい・・・」これまで”スタアの装ひ”を取り扱っていた店の主人ですが、鞠子たちを見てもいたって淡泊な反応。
「またあの雑誌かい?懲りないねえ・・・」大量に売れ残ったことで、すっかり信用を無くしています。
七円から四円に値下げすることで、何とかまだ売れるのでは・・と考えている美子。
置いてもらおうとするのですが・・「安くするのは構わねえが、こっちが貰う額は変わんねえよ」主人が不愛想に答えました。
「じゃ・・今まで通り三円ってことですか?」利益が大幅に減ってしまうことに、ショックを隠しきれない鞠子。
抗議する鞠子に対し、「嫌なら置き場所は無い!帰んな!!」主人は二人を怒鳴る付けると、そのままソッポを向いてしまいました。
その頃常子は、品川にあるという花山のコーヒー屋へと向かっていました。
近所の住民に尋ね、路地を入っていくと”珈琲 巴里”と書かれた看板が。
常子は入口の扉を開け、恐る恐る中へと入って行きます。
「ごめんくださーい」人気のない店内に声を掛ける常子。
ふと見ると、かつて花山に描いてもらった挿絵を思わせる一枚の絵が、壁に飾ってあります。
「ああ・・いらっしゃい」常子が店の中を見回していると、奥から一人の年老いた男性が現れました。
好きな席にどうぞ・・常子は勧められるまま、カウンター席に座ります。
「あの・・花山さんはいらっしゃいますか?」常子が訪ねると、「マスター、お客さんだよ・・・」男性は店の奥に声を掛けました。
しかし、現れた花山は「また君か・・・」いかにも面倒くさそうに、ウンザリした表情を見せるのでした。
常子に水を出そうとする男性に対し、「接客など結構です・・客じゃありませんから」相手にしないよう促す花山でしたが・・・
「すみません、コーヒーお一つ」どうしたものかと戸惑う男性に、注文を出す常子。
イラつく花山に、「注文しましたから、私はもう客です」常子はしてやったりと言った様子で、軽く胸を張ります。
「ほっほっほ・・コーヒー、ね!」可笑しそうに笑った男性は、店の奥へと消えて行きました。
取り残され、若干決まりの悪そうな花山は、「昨日の話なら何度来ても同じことだ」ぶっきら棒な態度を見せます。
しかし、「昨日の話ではありません・・・今日は、雑誌の編集長として入って頂きたく、参ったんです」花山を真っ直ぐ見つめ、用件を告げる常子。
「どういう頭を持てばそうなる?助言するのを断った人間が、編集長になる訳などなかろう!」
常子のよく分からない理屈に苛立ち、思わず声を荒げる花山ですが、常子は諦めません。
「ですから、そこを説得しようと」する常子ですが、「無駄だ!帰れ!」花山は即座に断ります。
が、「帰りません!」常子もすぐさま言い返すのでした。
思いの外強気な常子の態度に花山が閉口していると、「花山さんとお会いすると・・いつもこのやり取りですね」常子がこれまでの事を振り返ります。
初めに内務省で会った時も、花山の自宅を訪ねた時も、同じやり取りが繰り返されていました。
自分を真っ直ぐ見つめる常子を、若干持て余したかのように、くるっと背を向ける花山。
「君が来て欲しくない時に来るからだ!」そう言ってむくれる花山に、では何時窺えば・・と尋ねる常子ですが・・・
「私の葬儀だ」死んでいれば君の話を聞かずに済む・・と無茶苦茶な事を。
「はあ・・本当に・・失礼な物言いをなさいますね」さすがに常子も苛立ちを強めます。
これ見よがしに棚のコーヒーカップを整理していた花山は、作業を終えて店の外へ出て行こうと常子に背を向けました。
「二度と・・ペンを握らないのは何故なんですか?」思い切って核心をつく常子。
真剣な眼差しで本当の理由を問い質す常子に、しばらく黙って考えていた花山でしたが、「聞いてどうする」振り返って尋ねました。
「どうしても・・花山さんと一緒に雑誌を作らせて頂きたいんです」常子が必至に訴えます。
しかし、「そんな事は知らん!大体君は身勝手過ぎる!何度も押しかけてきて!」花山はどこまでも頑なに拒むのでした。
尚も自分たちの力になってもらおうと懇願する常子ですが、「帰れ目障りだ・・何も話す気はない!出て行け!!」花山はどんどん表情が険しくなっていきます。
言葉で説得するのが困難と悟った常子は、花山を見据えたまま黙って席に着き、テコでも動かない構え。
すると・・「分かった・・君が帰らんのなら私が帰る!」花山は、外でコーヒーを煎れている男性に後の事を託すと、さっさと店を出て行ってしまうのでした。
呆気にとられて見送る常子。
再び花山を訪ねた常子でしたが、何処までも頑なに拒む花山を前に、ほとんど喧嘩のようになってしまいます。
帰れ!・・帰れ!・・帰れ!・・と会うたびに繰り返す花山に、常子は実際のところどんな思いを抱いているのでしょうか?
自分たちの出版事業の立て直しのため、何とかして花山の才能を活かしたい常子ですが、相当イラついていることは間違いありません。
それでも、女性側の視点を持つ・・との五反田の評価を信じ、何としてでも編集長に迎えたいと思っているのでしょう。
常子も簡単に説得できるとは思っていないはずですが、それにしてもここまで花山が頑なな理由が気に掛かっています。
ひたすら正面からぶつかり、激しく言い争いになってしまうあたりが、いかにも猪突猛進の常子らしいと言えますが、全く突破口が見えてきません。
”二度とペンを握らない”理由を尋ねた常子ですが、触れてはいけないものに触れてしまった・・と後悔したかもしれません。
結局、テコでも動かない構えの常子を残し、店を出て行ってしまった花山。
呆気にとられる常子は、完全に手詰まりの状態に見えます。
果たして、”次の一手”が見つかるのか・・此処が勝負どころかもしれません。
とと姉ちゃん15週85話の感想まとめ
助言を求める常子に対し、けんもほろろの対応を繰り返す花山ですが、その頑なさの裏にあるものとは一体何なのか・・・
寺田農さん演じる関元和四朗が、何か重要なカギを握っているようなのですが、一人取り残された常子は関元からどんな話を聞かされるのでしょうか。
そして・・もう一人のキーパーソン、花山の妻・三枝子はどうやら再び編集者として、夫にもう一度活躍してほしいと願っている様子。
どうしても花山の才能を活かしたい常子は、三枝子を味方にして花山の説得を試みるのか、それともあくまで一人で正面からぶつかって行くのか?
やはり、海の物とも山の物ともつかない常子の出版事業に花山が参加するためには、家族の理解が欠かせないと思うのですが・・・
以上、とと姉ちゃん15週85話のあらすじネタバレと感想でした!