とと姉ちゃん 16週96話のネタバレと感想
NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」16週96話のあらすじネタバレと感想です。
まずは16週95話の振り返りを少し。
花山の見せた前書きの一節から、雑誌の名前を”あなたの暮らし”とすることを決めた常子は、知名度のアップを狙って新聞に広告を載せることに。
思わぬ高額な広告代を掛けたことに鞠子は驚きますが、全国の読者から雑誌の購入を依頼する手紙が殺到し、三姉妹は確かな手ごたえを感じるのでした。
”あなたの暮らし”によって直線裁ちの服がブームとなり、常子たちはなぜ花山が服に詳しく、女性の視点を持っているのか不思議に感じます。
それが亡き母親の影響と聞いた美子は、「”かか兄ちゃん”だ」と思わず口にしますが、花山はちょっとむくれた様子。
花山が提唱した直線裁ちの影響は大きく、洋裁学校の校長が「商売の邪魔だ」と怒鳴り込んできますが、”社長”の常子は毅然と対応するのでした。
目次
とと姉ちゃん 16週96話のあらすじネタバレ
お金と話題のために・・講座を開く常子
―――和服で洋服を作る直線裁ちは、戦後の物資不足に悩む女性たちの間でブームとなりました
そして、”あなたの暮らし”創刊号は雑誌を使い捨てにはしない・・という花山の考えに基づき、増刷されることに。
常子は社長として、”もっと売れる雑誌にするにはどうすればよいのか?”そのことで頭がいっぱいなのでした。
「増刷分です・・ありがとうございました」まだまだ経営に余裕のない常子は、自ら印刷所を訪れて代金を渡し、増刷分の雑誌を積んだリヤカーを引いて運びます。
「ただ今帰りましたー」常子が出版社に戻ってくると、君子と妹たちが雑誌の配送作業に追われていました。
まだまだ注文が増えそうな予感がする常子に対し、「・・・今日は、百通来たわよ」興奮気味に報告する君子。
最近は為替の整理と雑誌の発送作業にてんてこ舞いの状態で、「早く次号に取り掛かりたいなあ」美子の口からはそんな本音も。
一方の常子は、「作った雑誌を売るのも立派な仕事よ」と妹たちに促します。
そして、常子は花山に「今度・・講座を開いてみませんか」希望者を集めて、直線裁ちの講座を開催することを持ち掛けました。
「感心はしないな・・直線裁ちの作り方なら雑誌で十分に伝えてある・・何故講座が必要だと思うんだ」
自らが講師となって直接指導する、という常子の提案に難色を示す花山。
しかし常子は、「お金と話題のためです」きっぱりと言い切りました。
新聞広告は効果覿面、さらに講座を開いて記事にして貰えれば読者が増えるはず・・軽い驚きを見せる花山に、常子が戦略を説明します。
「それに・・講座の受講料が入れば、次号をより充実させられるかと」常子はそう確信しているようです。
少しの間考えた花山でしたが、「社長は君だ・・任せるよ」あっさりと承諾するのでした。
が、部屋を出る常子を見る目はどこか不安気にも。
その後常子は、毎活新聞社を訪ね講座の共同開催を持ち掛けました。
担当者に”あなたの暮らし”を見せ、常子は盛んに実績をアピール。
「近頃こういう洋服を着ている女性が増えてますよね」前向きな反応を見せる担当者に、直線裁ちの講座を開けば反響が期待できる・・そう訴えます。
―――こうして、新聞社との共同開催で講座を開くことが決まり、新聞に受講者を募集する広告が載ることになりました。
すると、その反響はすぐに表れ、多くの受講希望者からの葉書が出版社に届きました。
「けど・・どうするの?私もよっちゃんも雑誌の発送で手一杯だよ」上機嫌の常子とは対照的に、鞠子は不安げな顔。
加えて講座の準備をするとなると、明らかに手が足りません。
「大丈夫・・臨時でお手伝いをお願いしたから~」何故か楽しげな常子を、鞠子と美子は怪訝そうな面持ちで見つめるのでした。
「お金と話題のためです」花山に向かってきっぱりと言い切った常子ですが、やはりどこか舞い上がっている・・という事なのでしょうか?
そんな常子を見送る、花山の何か言いたそうな表情が、この後の波乱の展開の伏線ともなっている気がします。
もっとも、そんな花山も「”あなたの暮らし”がいずれ目指すのは・・百万部だ!」と大目標をぶち上げ、常子たちを煽った面もあると思うのですが。
花山を編集長に迎えた甲斐あって雑誌の売上は順調、全国から送られてくる購入依頼の手紙を前に、まだまだ素人に毛が生えた程度の三姉妹に、興奮するなという方が無理な話。
そこへ、カリスマ的編集長から”百万部”という見当もつかない数字を突き付けられたのですから、尚更です。
美子は早く次号に取り掛かりたい・・と気が焦り、君子は毎日届く購入依頼の手紙に興奮するばかり。
ここで鞠子が常子のよき相談役として、存在感を示して欲しいところですが、残念ながら別の事で頭がいっぱい。
そんな鞠子の気持ちを掻き乱す様に、常子が手伝いを頼んだのは・・・
鞠子は水田が気になるものの・・・
常子が臨時の手伝いを頼んだのは、誰あろう水田でした。
「突然お願いして、すみません」低姿勢の常子ですが、少しでも力になれるのでしたら・・と、水田はどこか嬉しそう。
鞠子と目が合うとお互いに照れ臭そうに俯き、それを見た美子はにんまりとしています。
「こちらが・・受講を希望する方々からの葉書です」先着百二十名に当選の知らせ、それ以外に落選の知らせを書くよう、水田に指示する常子。
早速返信を書き始める水田ですが、鞠子はそんな水田の様子が気掛かりなようです。
その夜、家に戻った美子は、常子と講座の内容について話し合うことに。
講座では、実際に参加者に直線裁ちで服を作ってもらうので、ハサミやミシンの用意が必要になります。
同じような形の服ばかり見本で作るものつまらない、少し違う形の服も作ってみたい・・美子も積極的に提案。
一方の鞠子は、一人で部屋に籠り物思いに耽っていました。
「どうかした?」気になった君子が声を掛けます。
心配賭けまいとする鞠子ですが、悩みがあるのは君子にはお見通しのようです。
「かかは・・ととにイライラしたりすることはなかったですか?」鞠子は思い切って訪ねてみました。
意外な質問に戸惑う君子に、「何だか気になったり・・心配になったり」したことは無かったか、繰り返し訪ねます。
鞠子は、水田の事を見ていると「失敗するんじゃないかって、なんだかハラハラして、心配で目が離せない」というのです。
何か失敗して情けない顔を見ていると、凄くイライラしてつい怒ってしまったり、まるで子供を見ている母親になった気分になる・・・
「男の人を、こんな風に考えたことが無かったので・・戸惑ってしまって」鞠子は、どうしたらいいのか分からないのでした。
鞠子の話を聞いていた君子は、「水田さんに・・恋をしてるってことなんじゃない?」優しくそう答えました。
思いがけない答えに、慌てて首を振る鞠子。
「あたしとととの事を聞くってことは・・あなたも、水田さんをそういう風に見てるってことだと思うわ」君子は可笑しそうに笑っています。
「えー・・でも、私はハンサムな方が好きですし・・ただ、放っておけないというだけで・・・」鞠子はまだ、納得できません。
人を思う気持ちは色々ある・・優しく諭す君子ですが、鞠子はひたすら戸惑うばかりでした。
―――そして、直線裁ち講座当日・・・
会場の入り口に立て掛けられた看板を、満足そうに見つめた常子は中へと入って行きます。
水田も含めて全員で準備を進める中、花山が美子の作った見本の服に目を留めました。
同じような服ばかりではつまらないと思った美子は、自分でデザインした見本の服を飾っていました。
「うん、確かにな・・面白い試みだ」花山に褒められた美子は、嬉しそうにはにかみます。
一方の鞠子は、「あの・・水田さん・・今日も・・お手伝いありがとうございます」君子に言われ意識しているのか、自分から話しかけます。
そして水田も、鞠子に話しかけられたことが嬉しいのか、表情がにやけっぱなし。
そんな二人に、「おい!椅子も机も並びが曲がっているぞ!」きちんと並べなさい!と花山の怒号が飛びます。
そうこうしているうちに、新聞社から記者とカメラマンが取材にやって来ました。
「今日のこれが、新聞に載るのね!」君子は大興奮です。
―――こうして準備は順調に進み、午前の部の講座が始まる時間となったのです・・が・・・
君子から水田に対する気持ちを指摘され、ドギマギする鞠子ですが、本当に今まで水田を”そういう風に”見てなかったのでしょうか?
確かに、大学時代に思いを寄せていた木戸とは全く違うタイプだけに、鞠子にはそんな気持ちはなかったのかもしれません。
もし、君子に指摘されなかったら、水田の事を全然違う風に見ていた可能性もあるのではないでしょうか?
本当に、ただ手のかかる子供のような存在として、水田の片思いに終わっていた・・という結果もあったと思います。
果たして君子の指摘は、本当に的を射たものだったのか、それとも見当違いな指摘で鞠子を迷わせてしまったのか?
何がきっかけにせよ、鞠子の気持ちは既に水田の方に向き始め、このまま一気に突き進んで行ってしまうのでしょうか?
一方美子は、自分が考えた見本の服が花山に褒められ、ご満悦の様子。
花山に父親的なものを感じ、褒めてほしいと思っていた美子にとって、ちょっとした収穫になったようです。
これから仕事を続けていくうえで、それが重要なモチベーションになっていくのでしょうか?
しかし、花山の方は本気で感心しているのか、それとも大した意味のない雑談だったのか、表情からはよく分かりません。
若干冷めた目で見ているようにも感じられ、ちょっと心配な気もするのですが・・・
一人も現れない受講者
時間を過ぎても、受講者は誰一人として現れませんでした。
受付で待機する常子たちは所在無げ、会場内では花山が腕組みしたまま眉間にしわを寄せています。
―――それは、午後の部になっても同様で・・・
もしかして水田が住所を間違えて送ったのでは・・鞠子が不安になって尋ねました。
しかし、葉書は送る前に常子も確認済み。
どういう事かしら・・誰も来ないなんて・・皆首を捻るばかり。
その時、カツカツカツと靴音を響かせ、洋裁学校の校長・小山内が部下を引き連れやって来ました。
「あらあら何これ・・誰も居ないじゃない・・中止になったのかしら」これ見よがしに呟きます。
一体なぜ小山内たちが・・疑問に思う常子。
新聞広告を見て、「我々日の出洋裁学校の授業の参考にさせて頂ければと・・・」言うのですが・・・
「だーれも居ないんじゃ・・やる意味ないですものねー」嘲り笑っています。
「もう、残念ですが・・帰ります・・また、講座をやるときは呼んでください」散々常子たちを笑い飛ばした後、勝ち誇ったように告げました。
「あたしは、あなた達の”唯一の”ファンなんですから・・では!」言いたいことだけ一方的に言って、去って行きました。
花山はそのからくりが読めたようです。
「恐らく彼女の仕業だな・・講座を妨害するために、大量の葉書を一度に出して、席を抑えたんじゃないか?」
自分たちの学校を守るため、こんなに酷い事を・・美子には信じられません。
抗議に向かおうとする常子ですが、「無駄だよ」花山が引き留めます。
洋裁学校にとって、洋裁の知識を要さない直線裁ちがブームになることは死活問題。
「必死だったんだろう・・皆食うに困れば何にでもなる・・非難することは出来ん」花山は、どこか達観した様子。
恨むならこの時代を恨め・・全員に言い聞かせます。
そして常子に対し、社長として今後の糧にするよう諭すのでした。
「少し舞い上がっていたんじゃないか?・・欲をかいては、足を掬われるぞ」
何も答えることが出来ない常子を残し、花山は帰っていきました。
「申し訳ありませんでした・・色々ご準備頂いたのに・・・」新聞社の記者たちに頭を下げる常子。
「みんなも・・本当にごめんなさい」常子は、家族や水田にも申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
君子が努めて明るく振る舞い、常子や皆を促し帰る支度を始めます。
―――常子たちは商売の厳しさを思い知らされたのでした
汚いやり方・・と非難するのは簡単ですが、花山の言う通り、追い詰められた人間はどんな事でもやるものなのかもしれません。
小山内のなりふり構わぬ妨害工作を、花山が予想していたとは思えませんが、何故そんなに落ち着いていられるのでしょうか?
戦地での過酷な経験から独特の人間観が形成されたのか、それとも持って生まれた性格なのか、或いは両方なのか。
思っても見ないようなところで怒りのスイッチが入る花山ですが、小山内の使った汚い手を思い浮かべても、実に平然としたものでした。
ちょっと常子に対して冷たいような気もしますが、ここで自分が取り乱しては収拾がつかなくなる・・と思ったのかもしれません。
果たして、常子はこの屈辱的な経験を成長の糧に出来るのでしょうか?
花山は懇切丁寧に指導するようなタイプには見えませんし、そんな気も無いと思います。
自分で足掻くしかないのか、それとも谷や五反田からのアドバイスで立ち直るのか、いずれにせよ平坦な道のりではないはずです。
大きな挫折を経験したことで、常子がより強く成長してくれることを、祈らずにはいられません。
とと姉ちゃん16週96話の感想まとめ
洋裁学校の校長・小山内の思いがけない反撃で、直線裁ちの講座は大失敗に終わり、常子は経営的にも精神的にも大きな打撃を受けてしまうのでした。
花山の推測によれば、小山内たちが大量の葉書を送って席を押さえ、受講希望者を締めだした・・というのが真相らしいのですが・・・
だとすれば、こんな時にこそジャーナリズムの出番だと思うのですが、講座を共催した新聞社は結局何もしないのでしょうか?
小山内に抗議しようとする常子を引き留めた花山は、「少し舞い上がっていたのではないか」と言って諭すのですが、そう感じていたのなら最初に言えばいいのに・・という気もします。
もっとも、目の前の成功に舞い上がって、のめり込んでいる人間には、多少言ったぐらいでは効き目がないと思ったのかもしれません。
花山は、常子がどこかで痛い目に合う事を織り込んだうえで、好きなようにやらせてみたのではないでしょうか?
以上、とと姉ちゃん16週96話のあらすじネタバレと感想でした!