とと姉ちゃん 19週110話のネタバレと感想

とと姉ちゃん 110話 ネタバレ

NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」19週110話のあらすじネタバレと感想です。

まずは19週109話の振り返りを少し。

鞠子と水田が交際を始めてから二年、そしてプロポーズから二週間が経っても、答えを出せずにいる鞠子を心配する常子と美子。

「他に頼って生きる”月”ではなく、”太陽”みたいに自ら輝きたい」そんな思いを抱える鞠子は、何も結果を残せていないことに焦りを感じていました。

そんな時チヨから助言を受け、「何かをやり遂げた、という実感」を味わうための”挑戦”として原稿を書き上げるものの、花山から散々に酷評され、逆に自信を喪失。

代わりに花山が書き上げた原稿を読んで、自分の文才の無さに落ち込む鞠子を、「いくらでも待ちます」と水田は決心するのでした。

一方、頼んでいた作家にドタキャンされ混乱に落ちる編集部の中で、鞠子は平塚らいてうに頼むことを提案しますが・・・

⇒19週109話のあらすじを詳しく読む方はこちら

とと姉ちゃん 19週110話のあらすじネタバレ

担当編集者を訪ねる鞠子

「平塚らいてう先生にお願いするのはいかがでしょうか?」混乱する編集部の中で、鞠子が声を上げました。

「誰もが知っている有名作家ですし、何より・・平塚らいてうの言葉を待っている女性はたくさんいると思うんです」

急に原稿を断ってきた作家の代わりに、平塚らいてうに依頼しようという鞠子。

「確かに、平塚らいてうの原稿を掲載出来たら光栄なことだな」著名な作家だけに、花山も乗り気です。

早速、常子に担当するよう命じる花山でしたが、その常子は「いや・・鞠子に任せたいです」との考え。

担当はその作家の事を一番良く知る人物がなるべきだ、と言うのです。

「鞠子は、誰より平塚先生の作品をよく読み、感銘を受け、自分でも先生に関する随筆などを書いてきました」

あなたの暮し出版で一番平塚らいてうの担当に相応しいのは、鞠子以外考えられない・・と言う常子。

そこまで言われては、さすがに花山も納得せざるを得ません。

取り敢えず鞠子が担当することは承諾するものの、「だが・・そう簡単に事は進まんぞ」花山には懸念がありました。

「噂によれば、平塚先生は信頼している編集者としか仕事をしないらしい・・・」

それでは、今回のような急な依頼を受けてくれないのでは・・編集部には不安な空気が漂います。

「恐らく受けてはくれんだろう・・編集者のもとに足を運び、熱意を見せてようやく話を聞いてくれるかどうか・・だろうな」

鞠子は不安を抱えつつも、編集者に会うため乙葉出版へとやって来ました。

「何度も言ってるように、原稿の依頼なら、今は無理だよ」平塚らいてうの担当編集者・若松永正は、すげない態度です。

しかし、鞠子もめげずに「・・・私どもは今までとても平塚先生のお言葉に力づけられてきました」と、食い下がります。

「ですから、今回は是非うちの雑誌の読者にも、平塚先生のお言葉で力を与えて頂けないかと・・・」

繰り返し懇願する鞠子に対し、今持っている依頼だけで手一杯・・新規の依頼は受けていない、とにべもない若松。

埒が明かないと思ったのか、「では、平塚先生のお住まいを教えて頂けませんか?直接お願いに上がります」と言う鞠子でしたが・・・

「何を言ってるんだ君は!仕事の依頼は私に一任されているんだよ」若松は怒って立ち去ってしまいました。

一方、あなたの暮し出版では、帰りの遅い鞠子のことを皆が心配していました。

「水田さん・・鞠ちゃんなら大丈夫ですよ」中でも取り分け不安そうな水田に、常子が声を掛けます。

鞠子の机を見つめる常子の表情は、水田に掛けた言葉通り、鞠子の事を信頼しているように見えます。

その頃鞠子は、乙葉出版の玄関先で若松の帰りを待ち受けていました。

「若松さん!・・もう一度お話を聞いてください!」戻ってきた若松のもとに、急いで駆け寄る鞠子。

露骨に表情を曇らせた若松は、「話しても無駄だよ・・受けられないんだから」それだけ言い捨て、さっさとビルの中に入って行ってしまいました。

鞠子がチヨのもとに相談に訪れていたことを知る常子は、鞠子に”何かをやり遂げた”という実感を持ってもらうため、この仕事を託したのかもしれません。

鞠子に人生の転機を与えた平塚らいてうに原稿を依頼する・・というのは、まさに鞠子の”挑戦”として打って付け。

公私混同、という気がしないでもありませんが、そこまで杓子定規に考えるのも若干酷な事ではないでしょうか?

それに、常子の言う通り平塚らいてうに心酔する鞠子ならば、他の編集者と比べての一番の適任なはず。

鞠子にとっては水田との結婚をどうするか、結論を出すために超えるべきハードルが平塚らいてうであるということは、幸せな事なのかもしれません。

大袈裟に言えば、鞠子のこれまでの人生の総決算のような戦い、という事でしょうか。

鞠子の熱意は担当編集者・若松から煙たがられ、若干空回り気味ですが、常子は鞠子の事を信頼して腰を据えて待つ構えのようです。

鞠子自身は常子の”お荷物”になっている・・と自分を卑下していましたが、これまで支えて貰っていた常子は、鞠子ならばやってくれる、と信じているのかもしれません。

いよいよ平塚らいてうと会えることに!

―――それからも連日、鞠子は若松の元を訪ねました

鞠子は、憧れの平塚らいてうに手紙を書くことを思い立ちました。

書いた手紙を若松に託そうとするものの、「もう勘弁してくれよ!」相変わらず、取りつく島もありません。

それでも鞠子はめげることなく、雨の降る中じっと若松を待ち続けます。

「この雨の中・・ずっと待ってたのか」鞠子の姿を見た若松は、さすがに気持ちが揺れているようです。

「お願いします!お話だけでもさせて頂けませんか?・・どうしても平塚先生に執筆をお願いしたいんです」繰り返し頭を下げる鞠子。

「話だけは通しておく・・それでいいだろう・・受けるかどうかは先生次第だ・・・」とうとう、若松が折れました。

あくまで、”こういう話があった”と伝えるだけ・・ぶっきら棒に答える若松ですが、それでも大喜びの鞠子は、若松に手紙を託すことに。

「タオルと傘を貸そう・・編集部まで来なさい!」ずぶ濡れの鞠子を、仕方なしに招き入れる若松なのでした。

翌日、鞠子は事の次第を花山に報告しました。

「そうか、担当者が折れたか・・・まずは大きな第一歩だ・・ご苦労様!」珍しく素直に労いの言葉を掛ける花山。

もっとも、「平塚先生からのお返事がないと、まだ何とも言えませんが・・・」というのが鞠子の率直な感想です。

花山からの労いの言葉に嬉しさ半分、戸惑い半分の鞠子でしたが、お手柄には違いありません。

「噂を聞く限り、偏屈な編集者らしい・・相当骨が折れたろう?」と尋ねる花山ですが、「とと姉が花山さんに編集長をお願いした時の話と比べれば・・・」そう言葉を濁す鞠子。

それを聞いた常子は、思わず笑いが込み上げ、下を向いて堪えています。

「鞠子さん・・君は今・・私の事を偏屈だと暗に言っているのかな?」さすがに花山も、軽い苛立ちを覚えるのでした。

その後、改めて編集部に電話が掛かってきました。

「はい、あなたの暮し出版です・・はい・・・分かりました・・すぐ伺わせて頂きます・・・はい、ありがとうございます」

電話を受けながらメモを取っていた常子でしたが、「今すぐ出られる?」受話器を置いてすぐ、鞠子に声を掛けました。

「大丈夫だけど・・もしかして!?」一瞬、分からなかった鞠子でしたが、すぐにピンと来たようです。

「平塚先生が会って下さるって!」満面の笑みを浮かべ、住所を記したメモを渡す常子。

凄いじゃないですか・・鞠子さんが粘った甲斐がありましたね・・うちの雑誌に平塚らいてうが載るのか・・

皆口々に鞠子を称え、感激しているようですが、まだ原稿を書いて貰えると決まった訳ではありません。

「担当の方曰く、直接会って依頼の詳細を聞きたいって・・・」常子は、皆をぬか喜びさせて若干申し訳なさそうです。

全てはこれからの交渉次第・・編集部の一同が微妙な空気に包まれる中、敢えて強気の構えを見せる鞠子。

「ご安心ください!皆さん・・必ず、平塚先生を説得して参ります」鞠子の力強い言葉を受け、改めて士気が上がります。

「行って参ります!」勢いよく編集部を出る鞠子を、全員で見送るのでした。

鞠子はメモを頼りに平塚らいてうの自宅を尋ねることに。

たどり着いた家の表札を見ると、”オクムラ ヒラツカ”と書かれています。

「あの・・こちらは・・・」鞠子が玄関脇にうずくまっていた女性に話しかけると・・・

「平塚先生・・でいらっしゃいますね・・・」立ち上がり振り向いた女性を見て、驚きのあまり目を見開く鞠子。

慌てて自己紹介しようとする鞠子を見て、「もしかして、あなたの暮し出版の?」らいてうは、すぐにそう察しました。

「本日は、先生に執筆のお願いに伺いました」緊張でガチガチの鞠子に、らいてうは家に上がるよう促します。

とうとう熱意が通じて、平塚らいてうに話を通して貰えることになった鞠子ですが、ちょっとあっさり決まりすぎな気も。

確かに、説得するために訪れた常子を何度も追い返した花山に比べれば、若松の方がずい分物わかりが良いように思えます。

それにしても、さすがの花山も自分が「偏屈」だという自覚は無いようです。

自覚があったうえでの偏屈さだとしたら困りものですが、無いなら無いで理不尽な話。

度を越えて偏屈過ぎる花山に鍛えられるうち、若松程度の偏屈さではビクともしない程、鞠子が鍛えられていた・・という事かもしれません。

それはともかく、いよいよ平塚らいてうに直接会えることになった鞠子は、いつになく自信に溢れているように見えました。

ある種の空元気かもしれませんが、ようやくここまで漕ぎ着けた・・という思いが、鞠子を強気にさせているのかもしれません。

珍しく花山から労いの言葉を掛けられたことも、滅多にない事だけに自信につながったのではないでしょうか。

そして、勇んで編集部を飛び出す前に水田と視線を交わし、さらに勇気づけられていたようにも思えます。

編集部一同の期待を一身に背負って、平塚らいてうのもとに向かった鞠子ですが、”高揚感”は最高潮に達しているはずです。

これがそのまま”達成感”に繋がっていくかどうか、予断を許しません。

「考えは変わるものなのよ」

「私・・先生に私淑し、自分も作家になりたいと大学にも進学して、出版の世界に入りました」

鞠子が自分について語るのを、穏やかに頷きながら聞くらいてう。

「ですから今回、私たちの作っている雑誌に寄稿して頂けることになれば、どれだけ光栄な事か・・・」

話しているうちに、つい個人的な思いが前に出過ぎていることに気付いた鞠子は、慌てて発言を補足します。

「私が『青鞜』を読んで感銘を受けたように、先生が語りかけて下さる一言一言を、私たちの読者の方々にも届けたいと思っております」

穏やかな表情のまま話を聞いているらいてうに、手を付き頭を下げる鞠子。

相当な覚悟の鞠子でしたが、「執筆致しますよ」意外なほどあっさりとした返事が。

”あなたの暮し”を以前から読んでいたらいてうは、是非寄稿したいと思っていたのでした。

「若松さんにはそうお伝えしたはずなんだけど・・あの方人の話をちゃんと聞かないから」

呆れたように話すらいてうを、鞠子は拍子抜けしたような顔で見つめています。

「それで、題材はどんなものがいいかしら?」早速打ち合わせを始めようとするらいてうに、鞠子は姿勢を正して思いの丈をぶつけました。

「元始、女性は実に太陽であった・・」唐突に鞠子が口にした言葉に、幾分真剣な表情を見せるらいてう。

「女性は本来太陽のように自らの力で生き、自ら輝きを放っていた・・それが今はどうだ!と・・・」力強く叱咤され、励まされた・・感じた鞠子。

かつて『青鞜』創刊の辞を読み、身が震えるほどの感動を覚えた鞠子は、「私よりももっと若い読者に、私が味わったような感動を覚えてもらいたいです」と、熱弁をふるうのでした。

戦後の今の時世だからこそ、女性が堂々と社会進出を果たせるような、勇気を持てるような言葉を・・興奮気味に語る鞠子。

途中から元の穏やかな表情に戻り、頷きながら聞いていたらいてうでしたが、「それはどうかしら・・・」軽いため息をつき、意外な事を口にしました。

「そんな文章は、あなた方の雑誌には相応しくないのではなくて?」らいてうから否定され、鞠子はやや困惑気味。

「私が読者なら・・この雑誌にそんな言葉は求めないわ・・・」明日の暮しが良くなる”知恵”や”考え”が欲しい、と言うのです。

そんならいてうは、ずっと書きたいと思っていたことがありました。

「夏に食べたくなる、お汁粉の作り方と・・それにまつわる随筆はどうかしら?」

”お汁粉”と聞き、思わず肩透かしを食らった気分の鞠子。

「母が元々得意でねえ・・私も教えて貰ったの・・うちの子もみんな好きで、先人の知恵が詰まったお汁粉なのよ・・・」

楽しそうに話すらいてうですが、「いかが?」と尋ねられても、鞠子は何と答えていいのか分かりません。

さすがにらいてうも、鞠子が納得していないことに気が付きました。

「失礼を承知で申し上げます・・平塚先生が執筆して下さるのが、お汁粉の作り方と随筆だなんて・・・」

恐る恐る異議を唱える鞠子に対し、「もう少し前なら、あなたの提案に乗っていたでしょうね」考え深そうな表情で答えるらいてう。

「でも・・戦争が終わった今は、違うわ」そう言ってゆっくりと眼鏡を外します。

「私にも・・娘と息子が出来て、育てなければならなかった・・戦時中は、息子を戦地に行かせたくない・・という思いで一杯だった」

らいてうの言葉に、鞠子がじっと聞き入っています。

「それからようやく戦争が終わって・・必死に生き延びねばならない時代が続いたでしょ?」

女性の問題も大切だけれど、何よりも平和が一番・・らいてうは、戦争があったことで大きく考えが変わったのでした。

「甘いお汁粉で幸せになれるような・・平和な日常があってこそ、女性が権利を主張出来るのではないかしら?」

鞠子は、いまだにらいてうの言葉をどう受け止めていいのか分からない様子。

そんな鞠子に、「私もね、考えが変わったの・・そう、考えは変わるものなのよ・・そうじゃなきゃ生きていけないわ」屈託なく話すらいてう。

「それに・・それって、とても良い事なのよ」

―――らいてうの言葉は鞠子の心に大きく響きました

初めて対面した憬れの平塚らいてうを前に、思いの丈をぶつけた鞠子でしたが、その熱意をいなすように”お汁粉”の作り方とそれにまつわる随筆を書きたい・・と言うらいてう。

「私よりももっと若い読者に、私が味わったような感動を」と意気込んでいただけに、肩透かしを食らった鞠子の表情が、何とも言えず笑いを誘います。

確かにらいてうの言う通り、”あなたの暮し”に”女性解放”を前面に押し出したような文章は似つかわしくありません。

女学生の頃、自分の人生を決定づけるほど影響を受けたらいてうを前に、鞠子は若干暴走気味になり、雑誌の方向性を考える余裕までは無かったようです。

その辺りが、いつまでたっても花山から認めて貰えない理由のような気もしますが・・・

それはさて置き、戦争を経て大きく考えが変わったらいてうの言葉は、鞠子の心にどんな変化をもたらすのでしょうか?

「甘いお汁粉で幸せになれるような・・平和な日常があってこそ」というらいてうの言葉は、日常を大切にした竹蔵の言葉に重なります。

そしてそれは、”あなたの暮し”の求める理念そのものでもあり、鞠子も自分が大切にしなければならないものに気付いたはずです。

人々の豊かな暮しの実現のため、自分たちが仕事をしてきたことを、改めて思い出したのかもしれません。

とと姉ちゃん19週110話の感想まとめ

常子の推薦を受け担当に選ばれた鞠子は、平塚らいてうに原稿を依頼すべく奔走するものの、そう簡単にはいきません。

平塚らいてうの担当編集者・若松はなかなかガードが固く、繰り返し懇願する鞠子の事を、煩わしそうに振り払うのみ。

しかし、それでも諦めない鞠子の熱意が実り、鞠子はようやく憬れ続けた平塚らいてうに会えることになるのですが・・・

いざ会ってみると、鞠子の想像していたらいてうとはずい分違って柔和な印象で、鞠子にはかなりの困惑もあるようです。

戦中・戦後の経験が、らいてうの考えを大きく変えたようなのですが・・お汁粉の随筆を書きたいというらいてうの言葉に、鞠子はどう答えるのでしょうか?

以上、とと姉ちゃん19週110話のあらすじネタバレと感想でした!

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