とと姉ちゃん 20週120話のネタバレと感想
NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」20週120話のあらすじネタバレと感想です。
まずは20週119話の振り返りを少し。
昭和三十年十一月、常子たちはビルの一階を借り切り、社員総出で”商品試験”を行うための実験室を設けることに。
慌ただしい社内の様子を見た鞠子は、「たった四人から始まったのに・・・」と感慨深げですが、常子に益々男性が近付きにくくなる・・との心配も。
日が暮れてようやく作業も終わり、「新企画の門出を祝って、皆で乾杯でも」と盛り上がる一同を前に、花山はいずれ電化製品の試験も行う必要がある、と展望を語ります。
が、費用面の心配もあることから、取り敢えずは身近な日用品・歯ブラシの試験から始めることになり、常子たちは実際に使用しながら調べて行きます。
そして、完成した”あなたの暮し”最新号はメーカー名を公表し、”商品試験”は大きな反響を巻き起こすのでした。
とと姉ちゃん 20週120話のあらすじネタバレ
節分の日に・・・
昭和三十一年二月・・歯ブラシの”商品試験”と台所の記事を掲載した最新号は評判となり、売り切れる書店が続出。
―――常子は、台所の取材に協力してもらった家を、一軒一軒お礼をして回りました
これは役に立ちそうねえ・・この歯ブラシの”商品試験”も、とっても面白いわ・・各家庭での評判も上々です。
常子は、武蔵の家にも”あなたの暮し”を持って、お礼に訪れました。
「はーい・・はいはいはい!」来客に気付いた武蔵が慌てて玄関を開けますが、紙で作った鬼の面を被った姿で現れ、常子はびっくり。
「すみません常子さん・・節分なので子供たちと豆まきを・・・」恐縮する武蔵。
武蔵は可笑しそうに笑っている常子を家に上げ、一緒に豆まきの続きを楽しみます。
「鬼は外!」常子は青葉や大樹と共に、鬼に扮した武蔵を追い掛け回しました。
しかし、「・・・もう止めよう」大袈裟に苦しむ武蔵を見て、「お父さんが可哀想!」と青葉がやる気をなくした様子。
困惑する武蔵をよそに、常子は子供たちと投げた豆を拾い集めます。
「ねえねえ!後でお洒落おばちゃまに、この前買ったお洋服見せてあげる!」嬉しそうに話しかける青葉に、常子も楽しそう。
ところが・・次の瞬間突然電球が切れて、部屋の中は真っ暗になってしまいました。
どうやら停電ではなさそうで、「この前換えたばっかだというのに・・最近はこういうのが多いな・・・」不良品の電球に不満のこぼれる武蔵。
常子は真っ暗になった部屋の中で、武蔵の言葉を受けてじっと考え込んでいます。
一方、水田家でも節分の豆まきの真っ最中。
「福は内!鬼は外!」豆をぶつける鞠子とたまきは、容赦なく攻め立てます。
大袈裟に苦しんだ後、再び起き上がった鬼役の水田でしたが、目の前にはたまきの姿がありません。
ふと見ると、たまきは画用紙を取り出しお絵かきの準備中。
「鬼さん止めちゃダメ!」呆気にとられる水田に、鬼を続けるよう催促するたまき。
「そのままでいて、お絵かきするの」再び襲いかかろうとした水田でしたが、機先を制されてしまいました。
娘のために無理な姿勢のまま固まる水田でしたが、たまきがお絵かきを始めようにも、鉛筆が書けません。
―――この時代の鉛筆は芯の質が悪く、滑らかに濃く書くためには、先をなめて湿らすこともしばしばでした
花山家でも茜が節分の豆まきに興じていますが・・・
「鬼は外!福は内!」楽しそうに花山目がけて豆をぶつける茜。
一方の花山は机に向かったまま、資料を読み耽っていて全くの無反応。
「お父さん・・ちょっとは反応してよ・・・」さすがにムッとする茜ですが、「ああ・・やられたー・・・」花山は棒読みのセリフで答えるのみ。
つまらなくなった茜は、食事の準備をする母・三枝子の手伝いに回ります。
「あなたー、お食事ですよー!」三枝子に声を掛けられ、花山が食卓に顔を出すと、当の三枝子は縁側で七輪を使ってパンを焼いている最中でした。
娘の茜はパンが好きなようで、「まさかここまでパン食が根付くとはなあ・・・」と、花山はなんだかちょっとウンザリした様子。
すると、「あーあ・・焦がしちゃった・・・」三枝子が、ため息交じりに焦げたパンを持ってきました。
トースターがあれば・・と言う茜ですが、三枝子にはどれを買えばいいのか分かりません。
ご近所でもトースターを買った家があるようですが、「上手く焼けない、とこぼしてましたし・・・」とのこと。
節分の豆まきも三者三様、常子は相変わらず青葉と大樹に懐かれ、武蔵と共に子供たちを楽しませて、自身も充実しているように見えます。
水田家では娘のたまきが主導権を握っているようですが、振り回される水田も十分に幸せを味わっているようです。
一方、花山家は・・茜が一人ではしゃいで何とか父親を振り向かせようとするものの、我が道を行く花山は全くの無関心。
それでいいのか?と思ってしまいますが、茜はそんな父親に慣れっこなのかもしれません。
季節の行事に絡めて、それぞれの家族の”当たり前にある日常”が描かれていましたが、冷静に考えればこの中で常子が唯一の部外者。
そう思うとちょっと侘しいような気分にもなりますが、これらのシーンの意味は何なのでしょうか?
ひょっとしたら何かの伏線か・・という気がしないでもありませんが、常子と武蔵の関係がどちらに転ぶのか、まだ何とも言えません。
出版社の社長として、なかなか男性が近付きにくい常子に幸せは訪れるのか・・妹たちも心配しているようですが、果たしてどうなるでしょうか。
本当にやるべきかどうか?
翌日、あなたの暮し出版では次の”商品試験”で何を取り上げるか、企画会議が行われています。
電球、鉛筆、トースター、体重計、洗濯機・・・等々。
「一見どれもよさそうですが・・・」数多くの候補が示され、どれにすればいいのか迷う編集部員たち。
買ったばかりですぐに切れる電球や、すぐに割れる鉛筆など、粗悪品に悩まされた経験は誰にもあります。
「私は・・丁度、トースターを買いたかったので・・・」少しばかり公私混同が入る寿美子。
「買ってやってもええけどねえ!」本木が大声で笑っています。
トースターの実験なら、終わった後でパンが食べられる・・などという意見も。
が、一同が盛り上がっているところへ、深刻そうな表情を浮かべた花山と水田がやって来ると空気が一変しました。
「うん・・やはりもう一度きちんと話し合おう・・本当にやるべきかどうか」深い溜息と共に、意外な事を言い出す花山。
”商品試験”をやるかどうか・・花山の考えを察し、動揺が広がる編集部。
「今、水田君とも話したんだが・・やはり相当の覚悟が必要なようだ」花山は、水田の試算で具体的な金額を知り、慎重な考えに傾いたようです。
「これから、電化製品をメインに”商品試験”を一年間継続した場合・・年間一千三百万円掛かります」
予想を超える高額な負担に、一同は言葉を失いますが、これでも低く見積もった金額。
そして、商品試験そのものにもまだまだ問題が含まれている・・と言う花山。
「そもそも・・商品の判定基準をどこに置くのかが難しい」改めて皆に説明を始めました。
「例えば・・タイマーは正確だが、汚れのあまり落ちない洗濯機と・・タイマーは不正確だが、汚れの良く落ちる洗濯機があるとする」
もし、点数を平均するならどちらも同点になるが、本来の評価から言えば、汚れの落ちる洗濯機の方が優れている・・・
平均点で伝えるのではなく、各項目ごとに商品の良し悪しを伝えなければなりません。
「そうなりますと・・試験をやる人間の価値基準も問われますね」本木には、花山の言いたいことが分かってきたようです。
汚れが落ちたかどうかの基準が人によって違えば、結果が統一のとれないものになってしまう。
「さらに・・もう一つ理由がある・・検査をする人間は、誰でもいい訳じゃない・・体重計を試験するとしよう・・大塚さん、君ならどんな試験をする?」
「・・・正確に、重さを表示するかどうかです」指名された寿美子は、ちょっと戸惑いつつ、自分の考えを述べました。
が、「他には?」花山からさらに尋ねられても、それ以上の事は思いつきません。
「実際に体重計を使ったことがあるものなら、浴室の近くに体重計を置く場合が多く、湿気で錆びやすい事を知っている」
従って、錆びにくいかどうかも、試験する項目に付け加えることを忘れないだろう・・と言う花山。
試験する人間の商品に対する目の深さ、社会に対する考えの広さ、そう言ったものまで求められることになる。
「だから人を選ばないといけない・・人件費もそれなりの額になるだろう・・・」花山の話を、常子は深刻な表情で受け止めています。
高価な電化製品を使ったことの無い庶民もまだまだ多く、「たった一回の、高い買い物の基準を我々が提示するんだ」間違った結果は出せません。
しかも、一年後に発表するための実験をしている間、何も記事に出来ないのでは”商品試験”の印象が薄れてしまいます。
毎号何らかの”商品試験”が載っている必要があり、そのためには、同時並行でいくつもの実験を進めなければなりません。
「そうすると・・月ごとに、莫大な金額が動いていくということになります」改めて指摘する水田。
「”商品試験”を失敗したら・・”あなたの暮し”は潰れるだろう・・それでもやるか?常子さん・・・」
花山が改めて覚悟を問いますが・・常子は答えることが出来ません。
「現在”あなたの暮し”は毎号十五万部の売上を維持しています・・バックナンバーの売上も馬鹿に出来ず、初版一万部だった創刊号が版を重ね、十万部をこれまで売りました」
水田の試算では、その利益をすべて注ぎ込むなら、”商品試験”を始めるだけの資金は賄えるということですが・・・
「ただ・・ここでムチャをしなければ・・安定した経営を続けて行けると言う事です!本当にいいんですか?」
水田からそう問われた常子の事を、全員がじっと見つめています。
このまま冒険を続けるのか、それとも安定路線に舵を切るのか、二者択一を迫られる常子ですが、まるで花山と攻守所を変えたかのような展開。
「”商品試験”には我々が追い求めていた、”あなたの暮し”の全てがある」とまで言い切っていたのに、いまさら?という気がしました。
高額な費用の問題は大きいとしても、”商品の判断基準をどこに置くのか”という話は、些かこじ付けのようにも思えます。
石鹸の試験の時には、重さを計測して汚れの落ち具合を客観的に調べ、湯の温度まで花山が厳密に管理して実施していました。
どんな項目について調べればいいか、どんなやり方が適切か、当然花山は考え抜いた末に試験を実施していたと思うのですが・・・
改めてこんな問題提起を行ったのは、常子や他の編集部員たちに危機感を持たせるためだったのかもしれません。
編集会議の冒頭で、トースターの話で盛り上がっている様子からは、ちょっと真剣さが欠けているようにも見えます。
恐らく、常子が理想としているのは、家族的なつながりを持った会社なのかもしれませんんが、その悪い面が出ているように感じました。
花山は編集部のそんな空気を察し、引き締めを図ったのかもしれません。
しかし、花山の事ですから、常子の返答次第では本当に”商品試験”をやめてしまう可能性も。
全員、花山のそんな性格を知っているだけに、常子を見つめる眼差しも自ずと真剣にならざるを得ません。
今の時代に、どうしても
「・・・戦争が終わった後、私たち姉妹と花山さんは女の人のために雑誌を作って、何もなかった時代に・・暮らしを取り戻すお手伝いをしようと誓いました」
長い沈黙の後、ようやく常子が口を開きました。
「今・・その願いはたくさんの女の人たちに届いて、”あなたの暮し”を買ってくださっています」
しかし、女性たちの財布は”決して膨らんでいない”と考える常子。
「バックの中に大切にしまってあるお財布を取り出し、その中から百六十円出し、私たちの雑誌を買ってくださってます」
常子はその意義を強調し、皆に訴えます。
「旦那さんが働いて稼いだ、大切なお金を・・お財布から取り出させるほどの、値打ちのある企画を・・私たちは考えなければなりません」
”商品試験”には、それだけの価値がある・・常子はそう信じていました。
世の中の女性や子供たちに、値打ちに見合った安全で良質な商品が届くよう、”あなたの暮し”が手伝いをする。
「これは・・今の時代に、どうしてもやらなければならない企画なのではないでしょうか?」
真剣な表情で訴えた常子でしたが、自身が”純粋にやってみたい”との思いも。
「いばらの道になるかと思います・・でも・・今まで”何とかなるさ”でやって来ました・・これからも”何とかなるさ”と信じて、力を合わせて成し遂げましょう!」
最後に常子が声を張り上げると、すぐに美子が立ち上がって力強く頷き、古株の緑も続きます。
「やりましょう!」誰からともなく声が上がると、花山と水田もようやく認めた様子で、揃って笑顔を見せます。
こうして、”商品試験”の続行が決まったのでした。
花山から厳しく覚悟を問われ、会社を設立した当初の気持ちを思い出した常子。
そして、まだまだ厳しい女性たちの経済状況に思いを致し、”商品試験”のような価値のある企画を届けねば・・そんな思いに駆られています。
花山は、常子がそんな結論に達すると、最初から見越していたのかもしれません。
常子の熱い演説に編集部が一丸となった様子を見て、満足そうな表情を見せていたことが、その証拠ではないでしょうか?
資金面での問題はあるにせよ、常子が当初の志に立ち返ったことで編集部の空気も一変。
これでさらにいい雑誌が作れる・・花山はそんな満足感に浸っていたように思えます。
水田も、裏で花山と同調して一芝居打っていたのでしょうか?
だとすれば、良いサポート役と言えるかもしれませんね。
とと姉ちゃん20週120話の感想まとめ
石鹸や歯ブラシだけにとどまらず、まだまだ粗悪品が溢れる世の中に、次なる”商品試験”に向けて企画会議で議論を重ねる常子たち。
ところが、以外にも花山が高額な費用負担を問題視し、「本当にやるべきかどうか」を常子に問い掛けます。
”たった一回の、高い買い物の基準”を提示するため、高額な負担に耐えて”商品試験”を続けるのか、それともムチャをせず安定した経営を続けるのか・・・
厳しい現実に怯んだかに見えた常子でしたが、”商品試験”の価値を信じて決断を下すのでした。
花山は、本当に考え直すつもりがあったのでしょうか?
常子に覚悟を促し、編集部員たちを団結させるため、あえて厳しい現実を突き付けて見せたのかもしれません。
以上、とと姉ちゃん20週120話のあらすじネタバレと感想でした!