とと姉ちゃん 19週109話のネタバレと感想
NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」19週109話のあらすじネタバレと感想です。
まずは18週108話の振り返りを少し。
”あなたの暮し”の出版部数は順調に推移して、経営も確固たるものになり、そして鞠子と水田の交際も順調な様子ですが・・・
水田がなかなか結婚を申し込まないことに焦れてきた美子は、「しっかり背中を押してやらないと」そう言ってお節介を焼こうとします。
一方、「もし、断られたらと思うと・・・」と煮え切らない水田は、何度もチャンスはありながら、なかなか鞠子との仲が進展しないことに焦りもある様子。
そんな中で美子に焚きつけられ、水田は意を決してプロポーズするものの、「今は・・お返事することが出来ません」と、自分に自信のない鞠子は躊躇するのでした。
水田から事情を聴いた常子たちは戸惑うばかりでしたが、当の鞠子の気持ちは大きく揺れていたのです。
とと姉ちゃん 19週109話のあらすじネタバレ
鞠子の気持ち
―――昭和二十五年七月・・鞠子と水田が交際を始めてから二年の月日が経とうとしていたのですが・・・
水田からプロポーズを受けて二週間が経っても、鞠子は答えを出せずにいました。
すっかりフラれたと思い込んでいる水田は、あれ以来ずっと落ち込んだままです。
「水田さん今日もずっと元気なかったわ・・・」さすがに心配する美子。
鞠子は水田の事が好きなはず・・なのに何故答えを保留したままなのか、美子には分かりません。
「いや・・私に聞かれても・・・」と困惑する常子に対し、鞠子に訳を聞くよう迫りますが・・・
常子としては、「それはだって・・二人の問題だから」必要以上に詮索したくはないようです。
ですが、「とと姉ちゃんは鞠姉ちゃんと水田さんがお別れすることになってもいいの?」美子は心配している様子。
あまりに悲観的な水田が、このまま身を退いてしまうのでは・・そう言われると、さすが常子も心配になってきました。
その夜、「鞠ちゃん・・ちょっといい?」結局常子は、鞠子の気持ちを確かめてみることに。
「水田さんに聞いたわ・・結婚を申し込んだって」単刀直入に切り出しました。
鞠子は落ち着いて常子の話を聞いています。
「迷ってるの?・・水田さん・・自分と一緒になることが不安なんじゃないかって」水田の気持ちを代弁する常子。
ですが、鞠子は慌てて頭を振り、「そうじゃないわ・・今結婚することは出来ないって思ったの」迷える胸の内を明かしました。
作家になりたい・・と言い出して大学まで行かせて貰ったにも関わらず、作家どころか大学で学んだことを何も活かせていない。
出版の仕事をする中、文章を書く場を与えられても力になれず、ずっと常子のお荷物になって来た・・そう感じているのでした。
「そんなことないわ・・鞠ちゃんの協力があったからこそ・・あなたの暮し出版はここまで来られたのよ」
常子は感謝の気持ちを伝えますが、「私はもっと役に立ちたいの」そう言って立ち上がると、本棚から『青鞜』を手に取りました。
「あの時・・東堂先生と『青鞜』に出会って・・他に頼って生きる”月”ではなく、”太陽”みたいに自ら輝きたいって思ったの」
今はまだ未熟でも、この仕事を続けていれば実現出来るかもしれない・・そんな希望を抱いている鞠子の言葉に、常子は黙って耳を傾けています。
「でも・・どうすればいいのか分からないの・・はっきりした答えが出せない限り、水田さんに失礼だから」
真面目な性格の鞠子は、真剣に悩んでいたのでした。
「そう・・鞠子はそう思ってたの・・・」常子から話を聞いた君子が呟きました。
「何か・・手助けしてあげたいですけど・・こればっかりは鞠ちゃんの気持ちの問題ですからね」
結局、ゆっくり待つしかない・・という結論に達した常子たちなのでした。
「私はもっと役に立ちたいの」そう訴える鞠子の気持ちは、切実なもののようです。
苦労して大学まで行かせてくれた常子に対する申し訳なさもあるでしょうし、何より自分自身が納得できていない様子。
常子の感謝の気持ちに嘘は無いでしょうが、これまでずっとお荷物なって来た・・とまで感じている鞠子は、ちょっと真面目すぎるのでしょうか?
花山から厳しい言葉を投げかけられるのは、常子も美子も同様ですが、大学まで進んで専門的に学んだ自分は、もっと出来るはず・・との思いがあるのかもしれません。
そして、何より『青鞜』の言葉にあるように、自ら輝く”太陽”になりたい・・との願いが結婚を躊躇させているようにも見えます。
今の時代と違って、結婚すれば会社を辞めて家庭に入ることが普通ですから、仕事で結果を残せないまま水田と一緒になれば、一生”月”のまま終わることに。
そんな事を考えるうち、自分の人生は何だったのか・・と虚しくなったのかもしれません。
チヨからの助言
あくる日、「今日は、ありがとうございました」お辞儀をしてチヨの家を出る鞠子。
吹っ切れたような表情で去って行く鞠子を、チヨが見送っていると・・何と入れ替わりに常子が現れました。
驚いた顔で常子を迎えるチヨですが、「今・・どうして妹が?」常子にとっても予想外だったようです。
「やっぱり姉妹なのね・・立て続けにいらっしゃるなんて」常子が土産に持ってきたトウモロコシを手に取りながら、妙に納得したように頷きます。
恐縮する常子ですが、「嬉しいのよあたくしは・・こうやって贈り物を頂くのも、鞠子さんのように相談に来て下さるのも」そう言うと、鞠子の相談について話して聞かせます。
「どうしたらいいのかよく分からないんです・・仕事を続けるべきか、結婚するべきか・・・」弱り切った表情で訴える鞠子。
対してチヨは、「鞠子さん・・あなたは今挑戦していますか?」そう問いかけました。
「お仕事をなさっていて・・何かをやり遂げた、という実感を味わったことはおあり?」
何か一つでもやり遂げたと思えたら、その時に答えが出るのかもしれない・・というチヨ。
鞠子が納得した様子で頷いていた事を聞き、常子は改めてお礼を述べるのでした。
その日の晩、常子は『青鞜』を傍らに置き、一心不乱に原稿に取り組んでいました。
平塚らいてうの言葉をかみ締めながら・・・
―――元始、女性は実に太陽であった・・真正の人であった・・今、女性は月である・・他に依って生き、他の光によって輝く、病人のような青白い顔の月である
―――さてここに、『青鞜』は初声を上げた・・現代の日本の女性の頭脳と手によって初めて出来た『青鞜』は、初声を上げた
―――女性のなすことは、今は只嘲りの笑いを招くばかりである・・私はよく知っている・・嘲りの笑いの下に隠れたる或るものを・・・
翌朝、打って変わって明るい表情の鞠子が出社してきます。
常子が安心したように見守る一方、水田はどことなく違和感を感じているようにも。
鞠子は自分の席に着くと、昨晩仕上げた原稿を見て満足そうに笑みを浮かべます。
その時、「鞠子さん・・洋服選びの知恵についての原稿はまだなのか?」ちょっとイラついた様子で、花山が尋ねました。
「今出来上がったところです・・ご確認お願いします」自信ありげに答えると、花山に原稿を渡します。
無言で編集部の中を歩き回りながら、じっくり原稿に目を通す花山。
鞠子も美子も、そして水田も固唾をのんで見守りますが・・・
「これではダメだな」花山は冷たく言い放ち、原稿を突き返しました。
急いで書き直そうとする鞠子でしたが、「それは結構」花山はにべもなく断ります。
花山は”素材の選び方”という観点より、”お金の使い方”という切り口で記事を書いた方がいい・・との考え。
「鞠子さんの着眼点ではどうしたいのか伝わらない」取りつく島もありません。
至らない所は直します・・何とか食い下がろうとする鞠子ですが、「ずっと取材してきてこの程度にしかまとめられない」事を、厳しく叱責する花山。
「取材メモを貸しなさい・・原稿は私が書く!」花山は鞠子からメモを取り上げ、自分の部屋に籠ってしまいました。
重苦しい沈黙が漂う中、鞠子はがっくりと肩を落とし、常子も美子もなんと声を掛けていいのか分かりません。
チヨの助言に従って、目の前の仕事をやり遂げようと”挑戦”した鞠子でしたが・・妥協を許さない花山の前に、気合を入れて仕上げた原稿はボロクソの評価。
編集部に姿を見せた鞠子の晴れやかな表情からは、まさに”やり遂げた”という気持ちが溢れていましたが・・・
”何かをやり遂げた”という実感を味わうどころか、花山のおかげで益々自信を喪失し、絶望の淵に追いやられる鞠子。
遠慮も妥協も一切ない花山の壁は、鞠子にはあまりに高すぎるようです。
しかし、そのことは鞠子だって十分承知しているはず・・今回の落ち込みようは、チヨからある意味で焚きつけられ、舞い上がっていた反動かもしれません。
平塚らいてうが書いた『青鞜』発刊の辞を胸に、高揚した気分のまま書き上げた原稿だっただけに、実際以上の満足感が得られた・・という可能性も。
いずれにしても、鞠子の落胆ぶりは目に余るものがあります。
水田の事をずっと待たせていることが申し訳なくて、一日も早く”はっきりした答え”が出したくて、焦りがあるのかもしれません。
にも関わらず、花山の要求する仕事の水準は遥に高く、とても手が届きそうにない事を改めて思い知らされ、必要以上に落ち込んでしまったのではないでしょうか?
どこにも進むべき道を見いだせない鞠子は、このままダメになってしまうのでしょうか?
大きな転機が?
―――その夜、花山が書き上げた原稿を、鞠子はじっくりと読み進めました
「素晴らしいわ・・こんなの私には書けない」鞠子は大きなため息の後そう呟くと、読み終えた原稿を常子に渡します。
思いつめた鞠子は、「花山さんを見ていると・・自分の文才の無さに気付くばかりよ」そう言い残し、編集部を飛び出してしまいました。
追いかけようとする常子を抑え、水田は部屋を出ました。
「私・・才能が無から仕事を諦めて結婚なんて虫のいい話・・そんな失礼、水田さんに出来ません」
追いかけてきた水田に気付き、力なく話す鞠子。
「作家もダメ、編集者もダメ、それならば結婚なんて・・何一つやり遂げず、その都度目標を変えて生きていくのは情けないです」
何処までも自分を卑下する鞠子に対し、「そんなに・・ご自分を責めないで下さい」水田が慰めの言葉を掛けました。
そんな水田の優しさが申し訳ないと思うのか、自分の身勝手さを謝る鞠子。
そして水田は、「分かりました・・鞠子さんの準備が整うまで・・僕は、いくらでも待ちます」そう決心するのでした。
翌日、「どういう事だ!!」突然花山の怒声が響き渡りました。
頼んでいた作家が、「他の原稿の締め切りが急に早まったので」”あなたの暮し”の仕事を断りたい・・と、一方的に連絡してきたのです。
「もういい!私が代わる!」そう言って受話器を取るものの、電話は既に切れていました。
「あああ!!!」激昂して受話器を放り投げる花山ですが、そんなことをしている時間はありません。
すぐに代わりの作家を探さなくてはならないものの、「・・・でも、著名な作家さんにはほとんど声を掛けて、お忙しいからと・・・」断られていたのです。
「みんな頭を働かせろ!うちに執筆していない、話題になる作家は、いないか!」花山も相当焦っています。
皆が頭を捻る中・・突然、鞠子が立ち上がりました。
「平塚らいてう先生にお願いするのはいかがでしょうか?」鞠子がそう言うと、全員の視線が集まります。
誰もが知っている有名作家であり、何より平塚らいてうの言葉を待っている女性は大勢いる・・・
―――この提案が、鞠子の人生を決めることになるのです
突然、平塚らいてうに原稿を依頼することを思いついた鞠子ですが、その本心はどこにあるのでしょうか?
人生の重要な岐路に立つ鞠子は、らいてうに会うことで道が開ける・・という思いがどこかにあるのかもしれません。
公私混同で思わず提案してしまったのかもしれませんが、これしかない!という確信を持っているように見えます。
鞠子の準備が整うまで、いくらでも待つ・・と宣言した水田ですが、鞠子にしてみれば、そんなにいつまでも待たせるというのも、心苦しい話です。
ただ、花山の原稿を読んで、自らの文才の無さを思い知らされた鞠子が、花山を納得させられる原稿を書く前に次に進むのは、”その都度目標を変える”事にならないのでしょうか?
もっとも、咄嗟に提案した鞠子にそこまで考える余裕はないのかもしれませんが・・・
いずれにせよ、何か一つ自分の力でやり遂げたい・・そんな焦りが募る鞠子は、このまま猪突猛進してしまうのかもしれません。
そうなると誰が鞠子を止めるのか、ちょっと心配になります。
ひょっとしたら水田がその役目を自ら買って出て、鞠子との絆をより深める・・という展開も?
とと姉ちゃん19週109話の感想まとめ
水田からプロポーズを受けて二週間経っても答えを出せない鞠子を見て、美子も常子も段々と心配になってきます。
しかしながら、大学まで行かせて貰ったにも関わらず、常子の”お荷物”になっている・・と感じる鞠子の気持ちの整理がつくまで、どうにもなりません。
そして鞠子はチヨに相談し、”何か一つでもやり遂げたと思えたら、その時に答えが出るのかも”との助言を受け、『青鞜』の言葉を胸に原稿に取り組むのですが・・・
花山からは書き上げた原稿を散々にこき下ろされ、完全に自信喪失した鞠子は本当に立ち直ることが出来るのか・・見ていて不安になりますね。
最後に平塚らいてうに原稿を依頼することを提案し
た鞠子ですが、らいてうとの出会いが鞠子にどんな転機をもたらすのでしょうか?
以上、とと姉ちゃん19週109話のあらすじネタバレと感想でした!