とと姉ちゃん 20週116話のネタバレと感想
NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」20週116話のあらすじネタバレと感想です。
まずは20週115話の振り返りを少し。
鞠子と水田の間に生まれた娘・たまきは、やんちゃな盛りで「虹を近くで観たい」と屋根に上ろうとしたり、まるで小さい頃の常子のよう。
その頃、敗戦直後のどん底の時代が嘘のように、日本は未曽有の好景気・大量消費時代へと差し掛かっていましたが、利益のみ優先させた粗悪品で消費者に被害が及ぶことも。
一方、創立九年を経たあなたの暮し出版は社員も二十人近くに増え、雑誌の発行部数は十五万部超と、好調を維持していました。
そんな中で花山は、新しい時代に”あなたの暮し”が読者に提供すべき知識を模索し、常子に台所の特集記事を提案します。
常子は社員の扇田とカメラマンの本木を従え、各家庭の台所の取材に回りますが、そこで大樹と青葉の兄妹に出会い・・・
とと姉ちゃん 20週116話のあらすじネタバレ
「試験をしましょう!」
「可愛いね・・その赤い傘」常子は、取材先で出会った少女に声を掛けます。
「良いでしょう・・青葉のお気に入りなの!」人懐っこい笑顔で答える青葉とその兄・大樹の兄妹に出会った常子。
「ね・・お家の人は居る?」常子が二人に尋ねた丁度その時、玄関のドアが開いて中から女性が顔を覗かせました。
兄妹の母親かと思った常子でしたが、どうやらお手伝いの女性のようです。
身分を明かして台所の取材を申し込むものの、「今は旦那さんが留守なもので・・・」と断られてしまいました。
と、その時・・「あ!」青葉が大きな声を上げ、驚いて常子が視線を向けると、さっきまで遊んでいた傘の赤い塗料が青葉の洋服に染みてしまっています。
お気に入りの洋服が汚れ、落ち込む青葉を見て、「全く酷いもん売りつけて!」お手伝いの女性も憤りを隠せません。
「中で拭きましょう」そう言って、女性は青葉たちを連れて家の中へと戻って行きました。
「今日は・・戻ろうか?」本木に声を掛けられ、常子も会社に戻ること。
常子たちが会社に戻ってくると、ちょうど美子が新しいミシンをこれから動かそうとするところでした。
「では・・行きます!」張り切って新しいミシンで縫物を始めた美子でしたが・・・
「痛っ!!」顔を寄せて覗き込んでいた寿美子が、突然目のあたりを抑えてうずくまってしまいました。
「寿美子さん大丈夫?」心配して駆け寄った常子が確認すると、寿美子の目の下に大きなひっかき傷が。
傷を見た一同に動揺が広がる中、「針がちょっと掠っただけです」寿美子は皆に心配を掛けまいとしますが、危うく失明するところだっただけに、花山は怒り心頭。
「君が責任者なのか?・・はっきりと言いなさい!・・用件ならさっき電話に出たものに伝えただろう!!」
欠陥商品だろ!!と販売会社に苦情の電話を掛ける花山ですが、たらい回しにされ話になりません。
とんだ粗悪品だったなあ・・最近の製品はそんなものばっかりね・・しばらくミシン触るのもやだ・・編集部の中にも不満の声が溢れます。
そんな中、一人じっと考え込む常子は、つい先日の花山の言葉を思い返していました。
―――住まいも衣服も食べ物も、あらゆる物が行き渡るようになった新しい時代に、”あなたの暮し”が読者に提供すべき知識は何なのか・・・
ついさっき、寿美子に怪我を負わせたミシンを見ているうちに、今度は粗悪品の赤い傘で遊んでいた青葉のことが頭を過ります。
すると常子は、「試験をしましょう!」唐突に声を上げ、急いで黒板に駆け寄ると、”商品試験”と大きく書き出します。
「”あなたの暮し”で、商品の試験をするの!」熱っぽく、皆に訴える常子。
物が出回って来た時代である半面、寿美子に怪我を負わせたミシンのような粗悪品もたくさんある。
そんな粗悪品を買わされる消費者の為にも、色々な商品を実験し、それぞれの長所・短所を伝えてはどうか・・・
「でも、そういう実験なら・・もう、メーカーの方でやっているのでは?」緑が疑問をぶつけます。
しかし、「メーカーの検査を鵜呑みにしてもいいんでしょうか?」メーカーの検査が正しければ、件のミシンのようなことは起こらないはず。
常子の考えに、徐々に皆も理解を示し始めます。
「私たちが、この手で実際に品質を確かめて・・その結果を伝えることが大切だと思うんです」
広告を載せていない”あなたの暮し”だからこそ、どこに気兼ねすることもなく、公正な目で見て真実だけを伝えることが出来る・・・
常子の熱弁に、小さなため息を漏らす花山。
一方の水田は、「そうか・・そうですよね!・・色々ありましたけど、”あの一件”以降・・広告を載せずにやって来ましたもんね!」と、納得した様子。
「これは・・私たちだからこそ、出来ることだと思うの!」常子は、さらに花山に決断を迫ります。
「この商品試験は、これからの”あなたの暮し”が・・読者に提供すべき大切な情報だと思うんです!」
腕組みをしたまま黙って聞いていた花山でしたが、「洪水のようだと思わないか?」おもむろに口を開きました。
一瞬、意味が分からず沈黙する一同に、「好景気で物が溢れだした世の中がだよ!」改めて説明を付け足します。
大量生産された商品を、「まるで洪水のように私たちに襲い掛かってくる」と表現する花山。
しかし、寿美子に怪我を負わせたミシンのように、全ての商品が幸せを運んでくれる訳ではありません。
「だからこそ!このアイディアは素晴らしい!!」花山が黒板をバンッバンッと叩くと、一同にどよめきが広がります。
「やるからには常子さんの言う通りただの商品紹介ではなく・・世間に対し、危ない物はこれだ!と教える物にしよう!!」
全て実名で紹介し、問題のある商品は”どこか危険なのか”を読者に届ける。
花山の意気込みを見て、常子を始め編集部の一同も気合が入ります。
「早速企画会議を始める・・何から取り上げるべきだ?」花山が声を掛けると、皆が慌てて集まり会議が始まりました。
まだ全員が席に着く前から、「日用品!」と誰からともなく声が上がります。
「私たちも手探りで始める企画ですので、まずは手に取りやすい・・身近なものが良いのではないかと」
美子が意見を述べると、「だったら・・石鹸はどうですか?」本木がそう提案しました。
「この間、嫁が買った石鹸が粗悪品で・・肌荒れを起こしたんです」と訴える本木に、常子も頷きます。
「良いかもしれません・・老若男女問わず日常で接する物ですし、毎日の暮しに欠かせない物です」
こうして、第一回の商品試験は、石鹸を扱うことに決まりました。
しかし、試験をすると言っても自分たちの力だけでは限界があります。
「石鹸の成分なんかは・・メーカに問い合わせて聞けばいいんじゃないですか?」一部にそんな声も。
が、「ダメだ!それでは広告を入れるのと同じことになってしまう!」即座に否定する花山。
成分の分析は民間の検査機関に依頼することとし、編集部では使い勝手や使い心地などの試験と検証を行うことに。
「それを視覚的にも読者に深く、訴えかけるものにしなければならん」花山の方針を受け、様々なアイディアが出されます。
汚れの落ち具合を試験前と後で比較すること、商品は国内メーカーに限ることなど・・・
「よし!早速明日から取り掛かろう!」花山が呼びかけると、全員から気合の籠った返事が返ってきました。
寿美子が危うく失明するかもしれかった、そんな危険な欠陥商品を前に怒り心頭の花山と、その花山を見ていて自分たちの果たすべき役割を考える常子。
終戦直後の国民は、食べる物も着る物も手に入らない状況が続き困窮を極め、そんな中で常子たちは”直線裁ち”のような、貧しい庶民に役立つ知恵を提供していました。
それが大量消費の時代へと変化し、自分たちの立ち位置を探し求めていた中で、今回の事件が起き訳です。
さらに、取材先で知り合った青葉の悲しげな表情も、常子の考えを後押しします。
庶民の暮らしに寄り添う”あなたの暮し”が、巷にあふれる粗悪で危険な商品を見つけ出し、読者に知らせる。
人々の生活が、”今日よりも明日と、少しでも豊かになる”ために、自分たちがその役目を果たすべきだとの結論に達したのでした。
そこで改めて、”あなたの暮し”が広告を掲載していないことの強みに気付く常子ですが、「どこに気兼ねすることもなく・・・」と話すのを聞き、花山は何を思ったでしょう。
腕組みしながら、小さなため息をついていた花山ですが、やはり”経営者”の常子とは少し考え方に開きがあったのかもしれません。
しかしながら、”商品試験”で粗悪品を追及する決意を固めた常子を見て、ようやく本当の意味で気持ちが通じ合えた・・と思ったのではないでしょうか?
「このアイディアは素晴らしい!!」と、気合の入った声で絶賛した花山からは、そんな気持ちが感じられました。
かつて、「我々は雑誌を通して暮しを変えようとしているんだ、立派な”戦い”じゃないか」と、常子に語った花山。
”あなたの暮し”の新しい”戦い”に向けて、一同を鼓舞する姿を見ていると、本気でこの仕事にかけているのだな・・という気がします。
そして、完全に手探り状態で試験の準備を始めることになった”あなたの暮し”編集部ですが、果たして花山の納得するような結果が得られるのでしょうか?
専門的な分析は民間の検査機関に依頼することになりましたが、花山は信頼のおける検査機関に伝手でもあるのでしょうか?
取り敢えず、編集部で実施する使い勝手や使い心地などの試験と検証をどうするか、真っ先に考えるのは分かりますが・・・
検査機関について、ずい分サラッと流されているように思えますが、企業との利害関係の無い検査機関でなければ公正な試験は望めません。
その辺りをどうクリアするのか、思わぬところで落とし穴が無ければよいのですが・・・
後は常子だけ?
「へえー・・商品試験?」鞠子が、娘のたまきの髪を拭きながら水田に尋ねました。
「これはたぶん凄い企画になると思うなあ・・・」昼間の興奮冷めやらぬ水田は、鞠子にも社内の熱気を見せてやりたかった・・と嬉しそうに語ります。
「たまきも見たかったー」娘がそう声を上げると、水田は喜んで膝に抱き寄せると、「じゃあ、一緒に働くか?」そう言って笑います。
その様子を鞠子が微笑ましそうに見つめていました。
その頃、常子と美子はキッチン森田屋を訪ねていました。
「最新号です」常子が”あなたの暮し”を渡すと、宗吉がページを捲ります。
「あら美味しそう!」宗吉が監修した”カニクリームコロッケ”の記事を見て、嬉しそうに声を上げる照代。
毎号監修してもらっていることに改めてお礼を述べる常子ですが、「それより・・わざわざ来るの大変だろう・・・」宗吉は若干申し訳なさそうです。
しかし、「いいんです・・お世話になった方に、自分の手で配りに行くのは・・私の中の決め事ですから」と言う常子。
ところが一方の美子は・・店の奥に引っ込む照代の姿を目線で追い、何やら落ち着かない様子。
「美子・・何やってんだ?」宗吉に声を掛けられると、「ああ・・いえ・・何も」惚けて見せるものの・・・
宗吉はニヤッと笑い、「タイショウならな、もう帰ったぞ・・・」サラッとそう告げます。
すると・・「ええ!?」あからさまに動揺した美子が、慌てて店の奥を確かめようとすると、中から出てきたコックと鉢合わせに。
「南さん・・・」キョトンとする美子に、「どうかした?」優しく声を掛けるコック。
「っはっはっはっ・・引っ掛かってやんの!」宗吉がからかうと、照代も常子も可笑しそうに笑い転げます。
―――美子は、キッチン森田屋に努める南大昭(みなみひろあき)と交際を始めたばかりでした
「大将・・仕込終わりました」戸惑いつつ報告する南。
「おおそうか・・ご苦労、大昭(タイショウ)!」大昭(ひろあき)を音読みして、大昭(タイショウ)と呼ぶ宗吉。
紛らわしいから、と止めて欲しい南ですが、「俺はなあ・・お前の腕を見込んで、ゆくゆくはこの店の大将にしようと思ってんだ」宗吉にはそんな考えも。
「今から慣れとけ!大昭(タイショウ)!」何度も言われ、さすがに南も諦めます。
その様子を見ていた常子は、「よっちゃん、今日もう終わって良いわよ」二人に気を利かせることに。
最初遠慮していた美子でしたが、「新しい企画も動き出すし・・たまには羽伸ばしてらっしゃい」と言われ、嬉しそうに頷きました。
そして二人が、照代に促され食事に出掛ける事を決めると、常子は一足先に店を出ます。
「はあ・・あとは常子だけだな・・・」宗吉が呟くと、「どこかに良い人いるといいけど」と応じる照代。
「んー・・良い人がいたとしても、とと姉ちゃんにその気が無さそうですから・・・」美子も気に掛けていましたが・・・
「・・・どうしたもんじゃろのう」宗吉と照代が声を合わせると、「どうしたもんじゃろのう・・・」美子も苦笑いを浮かべつつ同調します。
「それじゃあ・・南さんと上手くいってるのね」一足先に帰った常子から、報告を聞いた君子は安心したように頷きました。
それはそれは仲睦まじく・・と応じる常子に、「・・・コックさんとお付き合いするとは、食いしん坊の美子らしいわね」可笑しそうに答える君子。
まだ南にあったことの無い君子に尋ねられ、「男らしくて芯のある方」常子はそんな感想を漏らします。
「私も森田屋さんでしかお会いしたことないですけど、よっちゃんを・・引っ張って行って下さってる気がします」
常子の話を聞き、嬉しそうに笑っている君子ですが、一方で常子がノートに色々と書き込んでいることが気になる様子。
君子が覗き込んでいることに気付いた常子は、「商品を試験する企画を始めるんです・・まずは、石鹸で!」生き生きと仕事について語っています。
「お仕事楽しい?」常子の様子を見ていた君子が、不意にそう尋ねました。
「私の頃はみんな・・常子のように、やりたいことを仕事にするなんて考えは無かったから・・どんな気持ちなのかなあと思って」
少しだけ考え込んだ常子でしたが、「・・・苦労はありますけど・・今はただ、純粋に楽しいです」笑顔でそう答えるのでした。
君子も、常子の笑顔を見て嬉しそうに笑っていました。
翌日、全員を集めて花山が商品試験について説明を始めます。
「石鹸の商品試験は・・汚れの落ち具合、溶け具合、肌荒れ、香り、包装、泡立ち・・以上六つの項目で比較し、評価する」
そして、それぞれに作業工程を割り振っていきます。
「まずは扇田君、石鹸液の中で布を洗う係・・美子さんはその布を絞って水気を切り、その後は・・しわが無いようにしっかり広げて干してくれ」
―――こうして花山の指示の元、商品試験がついに始まったのです
散々鞠子と水田の世話を焼いていた美子ですが、いざ自分の事となると、宗吉にいいようにからかわれアタフタするばかり。
そして、美子のお相手の南大昭も、宗吉から”タイショウ”と呼ばれて面食らうなど、いじられキャラを思わせます。
しかし、その宗吉からゆくゆくは店の大将に・・とかなり見込まれており、腕は確かなようです。
常子は南と店でしか会ったことがないため、どんな人物かイマイチ分かっていないものの、「男らしくて芯のある方」とこちらもかなりの好印象。
次は美子の結婚か・・と気になりますが、美子のモデルとなった大橋芳子は生涯独身だったらしく、今後の展開が気に掛かります。
結局二人は別れてしまうのか、それとも無事ゴールインするのか、或いはそこまで描かれる前にドラマが終わってしまうのか。
どうなってしまうのか考える上で、南のプライベートがまだ見えないことが、若干気がかりでもあります。
実は常子や宗吉たちが気付いていない、厄介な問題を抱えている・・なんてこともあるかもしれません。
一方、常子は・・宗吉たちからは心配されていますが、既に君子と話して「幸せの形は一つではない」と吹っ切れているはず。
しかし、かつて辛い別れを経験した武蔵と再会した時、その思いに変化がないとは言い切れません。
その瞬間が刻一刻と近づくなか、「今はただ、純粋に楽しいです」と仕事に打ち込む常子。
家族と離れたくない・・と武蔵との別れを決意し、家族を養っていくために懸命に働いてきた常子ですが、会社の経営も安定し、”鞠子を嫁に出す”という目標も達成。
一定の区切りがついたと言える今、武蔵と再会したら・・若干の不安もはらみつつ、色々と想像が膨らんでしまいます。
とと姉ちゃん20週116話の感想まとめ
美子が新しく買ってきたミシンが、なんと欠陥商品・・怒った花山が販売会社に電話で苦情を入れますが、たらい回しにされ話になりません。
そんな理不尽な光景を目の当たりにした常子は、人々に豊かな暮らしをもたらすため、自分たちの手で”商品試験”を実施することを思い立ちます。
”あなたの暮し”のモデルとなった”暮しの手帖”でも、実際に商品名をあげてテストを行い、読者からの支持を得ています。
常子たちが目指す、”豊かな暮らし”を実現するための、仕上げの段階が徐々に近づいているのかもしれません。
そして三姉妹のプライベートの面では、美子がキッチン森田屋のコック・南大昭と付き合い始めるなど、進展も見られますが・・一方の常子は?
以上、とと姉ちゃん20週116話のあらすじネタバレと感想でした!