とと姉ちゃん 10週57話のネタバレと感想
NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」10週57話のあらすじネタバレと感想です。
まずは10週56話の振り返りを少し。
年の瀬も迫ったある日、小雨交じりの冷たい風が吹く中、月に一度のお出掛けのため待ち合わせ場所のお寺で妹たちを待つ常子。
ところが、美子はついに約束の場所に現れず、美子が嘘をついて青柳商店で小僧たちのお仕着せを縫っていたことが判明しました。
滝子に頼まれた仕事のために、月に一度の家族でのお出掛けの約束を破った美子が、どうしても許せない常子。
美子が”御駄賃”欲しさのため、家族を振り回したことに怒りを露わにしますが、美子は自分の事をいつまでも子供扱いする常子に強く反発。
「家訓なんてやめればいいのに!!」これまで大切に守ってきた”ととの家訓”を美子に全否定された常子は、大きなショックを受け、姉妹の間には深刻な溝が生じてしまいます。
とと姉ちゃん 10週57話のあらすじネタバレ
不公平な処分に
不倫疑惑で突然退社することになった道子。
早乙女がその後ろ姿を見送っていると、課長の山岸がタイプ室にやって来ました。
職場の規律を乱した道子は、本来ならば懲戒解雇でも文句は言えない。
「そこはね・・僕の優しさで、辞表を書いてもらったんだよ」と、温情処分を強調する山岸。
得意気な山岸に対し、相手の男性社員に何の処分の下らないことに、早乙女が不満をあらわにします。
道子が辞めればそれで丸く収まる・・戦争で人手不足のなか、「こっちから男の社員を辞めさせる会社が何処にある・・・」
山岸の言い草に、「酷い・・・」ざわつき始める女性社員たち。
「何だ!!不満があるのか!!!」突然、山岸が大声を張り上げ、女性社員たちを恫喝します。
不満があるなら言っても構わないんだよ・・一転して、小馬鹿にした薄笑いを浮かべ、女性たちを挑発する山岸。
「諸橋さんだけ責任を取り、辞表を出すというのは解せません!」毅然と抗議する早乙女ですが・・・
「職業婦人だとか言われておだてられ・・図に乗ってんじゃないか」山岸はまともに取り合おうとしません。
責任は双方にある・・あくまで筋を通そうとする早乙女に対し、「書類を清書するだけのタイピストなんて掃いて捨てるほどいるんだよ」と、完全に見下しています。
「女の本分は・・お国のために子を産み!増やすことだ!!」それを忘れるんじゃないよ・・一方的に吐き捨て、去って行きました。
常子の会社で事件が起きていたその頃、美子は滝子に連れられ、ある洋裁店を訪れていました。
「凄い・・・」主人の手捌きに見惚れる美子。
「御嬢さん・・縫物好きなのかい?」手を止めることなく、主人がそう尋ねます。
仕上がりを考えながら作っていくのが楽しくて・・美子が嬉しそうに話すと、感心したように頷く主人。
「久しぶりだね・・美子のそんな顔見るの」連れてきて正解・・滝子もホッとしたようです。
滝子や、無理を聞いて仕事場に入れてくれた主人に、改めて感謝する美子。
「たまに・・遊びによこしても構わないかい?」滝子に頼まれ、快諾した主人は「・・・一人で手が回らない時は、手伝ってもらうかな?」冗談めかして言うのでした。
「本当ですか!?」美子は喜び・・・
まるで、これまでの鬱憤を晴らすような山岸の態度。
勝ち気な早乙女や、自分の考えで”勝手に”動き回る常子に、相当ストレスがたまっていたのかもしれません。
それにしても、権威を笠に着て傲岸不遜な態度で怒鳴り散らす姿からは、むしろ器の小ささが際立っています。
しかし、常子はこの一件で改めて自分たちの立場の弱さを思い知らされ、強いショックを受けたのではないでしょうか。
所詮、女は「失敗の責任をなすりつけられ、何の評価も得られない」という、早乙女の言葉が改めて思い起こされます。
結局のところ、あまりに分厚い男尊女卑の壁の前には、常子の2年半に及ぶ努力もささやかな抵抗に過ぎなかったのでしょうか?
そしてその頃美子は、滝子の馴染みの洋裁店に連れてこられていました。
事情を察した滝子が、美子を元気づけようというのでしょうか。
得意の縫物を活かして人の役に立つことが出来れば、美子は立ち直るきっかけも掴めるし、常子も認めてくれる・・そんな思いがあるのではないでしょうか?
洋裁店の主人から手伝いを頼まれた、美子の笑顔が本当に嬉しそうなのが印象的でした。
家族の幸せとは?
「洋裁店!?」鞠子が驚きの声を上げました。
正式に働く訳ではなく、簡単な手伝いををするだけ・・”御駄賃”がもらえると言っても少しだけ。
美子は、鞠子と富江の二人に事情を説明します。
「良かったわね、大好きな縫物でお金が頂けて・・・」ずっと元気のなかった美子が、ようやく立ち直るきっかけを掴めたようで、富江も安心したようです。
ですが、帰ってきたらとと姉に報告しないと・・という鞠子の言葉に表情が曇る美子。
「言わなきゃダメ?」いまだに常子に対しわだかまりを感じ、話しづらい様子。
思わず顔を見合わせる鞠子と富江。
「同じ部屋で暮らしてるのに、いつまでも喧嘩してる訳にいかないでしょ・・・」本を糺せば嘘をついた美子の責任・・と諭す鞠子。
美子が言い返せずに下を向いた時、玄関から常子の声が響いてきました。
「ちゃんと話すのよ・・・」鞠子に促され、美子は渋々ながら帰宅した常子に話すことに。
ですが、「一人急遽止めちゃってね、仕事が増えちゃったの」資料整理が・・そう言ってさっさと部屋に入っていきました。
話を聞いてもらえず、さらに不満を募らせる美子を見て、鞠子と富江も何も言えませんでした。
結局、常子は徹夜で資料整理に追われ、いつの間にか眠ってしまっていました。
「常子・・起きたの?早く朝ご飯食べて来ちゃいなさい!」ようやく目を覚ました常子を見て、君子が促します。
みんな既に朝ご飯を済ませたことを聞き、どうして起こしてくれなかったの・・と残念がる常子。
疲れた体を引きずって、常子が食事に向かおうとした時、「とと姉ちゃんだって同じじゃない」美子が呟きました。
「偉そうに・・・」自分だって”家訓”を守れていない・・不満をあらわにする美子に、その場の空気が凍りつきます。
「し・・仕方ないでしょう」仕事が終わらなかったんだから・・少なからず動揺する常子。
仕事なら破ってもいいの・・「都合いいのね仕事って」と、棘のある言い方で尚も常子を非難し続けます。
あたしが誰のために働いていると・・そう言いかけた常子に、美子が突然感情を爆発させました。
「そういうのが息苦しいの!」”家族のため”・・いつもそう繰り返す常子に、もっと自由にやりたいの!と、猛反発する美子でしたが・・・
突然、君子が美子の頬に平手打ちを加えました。
「いい加減になさい!」常子の気持ちを考えず、勝手な事ばかり言う美子に、珍しく感情的になる君子。
あまりの剣幕に、常子と鞠子が呆然と見つめています。
「・・・あたしだけじゃないよ・・鞠姉だって言ってるもん」それだけ言い残し、美子は泣きながら部屋を飛び出しました。
残された三人の間に、気まずい沈黙が漂います。
「・・・そうなの?」ようやく口を開いた常子が、力なく尋ねると「もう・・そういうのは言わないアレでしょ・・・」そう呟き、下を向く鞠子。
「鞠ちゃんもそう思ってたの?」重ねて尋ねる常子に、そう思う時があるのも確かだけど・・鞠子が恐る恐る答えます。
虚ろな表情でじっと聞く常子。
「ああいう言い方してたけど・・よっちゃん、とと姉の事いつも思ってるのよ」何とか分かってもらおうと、鞠子が続けます。
いつも自分たちのためにお給金も時間も使う常子を見て、無理をしているのではないか・・と美子は心配していると言うのです。
「私たちのことじゃなく、とと姉が本当にしたいようにしてほしいって」鞠子の言葉に、考え込む常子。
仕事も手につかず、悩み続けています。
―――家族の幸せとは・・常子はどうしたらいいか分からなくなっていました
山岸に浴びせられた暴言によって、深く傷ついた常子にさらなる追い打ち・・・
再び美子と激しく衝突し、さらには君子が美子に手を上げ、益々溝が深まる結果に。
それにしても、家訓を破った言い訳に仕事を持ちだす辺りは、常子が悪い意味で男社会に染まっているようにも見えます。
そして、そんな常子に反発する美子の姿は、姉妹というよりもまるで親子の様で、対立の複雑さを思わせます。
益々こじれてしまった二人の関係を、一体どうすれば解きほぐすことが出来るのか・・・
やはりカギを握るのは滝子なのかもしれませんね。
君子とも衝突し、家族の中で孤立を深める美子に手を差し伸べることの出来る存在は、他に見当たりません。
しかし、常子はそれで納得するでしょうか?
かえって自分の無力さを思い知らされ、自信を失うようなことにならなければいいのですが・・・
武蔵の告白
その日の帰り、下宿の前を通りかかると、大事そうに桶を抱えた武蔵がいました。
「おお、こんにちは!」常子に気付き、武蔵が声を掛けてきました。
「こんにちは!」常子は笑顔で応えると、つかつかと武蔵のそばまで歩み寄ります。
「この時期の水は冷たすぎるので、植物にはあまり良くないんです」だから少しでも温めて・・と、水を張った桶を抱えている理由を説明しますが・・・
「ハ・・ハクション!」大きなくしゃみと共に桶の水がこぼれ、びしょびしょになる武蔵。
常子は、慌ててバッグからハンケチを取り出し、拭いてあげるのでした。
その後二人は武蔵の部屋に移動し、向かい合って腰を下ろします。
「・・・常子さん」しばしの沈黙の後、武蔵が口を開きました。
「はい・・・」やや緊張の面持ちの常子。
「実は・・・サクラはバラ科の植物なんです」サクラはサクラ科ではなくバラ科モモ亜科スモモ属の・・と、脈絡もなく植物の話を続ける武蔵。
面食らった常子が声を掛けますが・・・
再び沈黙した武蔵でしたが、意を決したように話し始めました。
「実は・・・今度大阪に行くことになりました」武蔵の研究を評価した大坂帝国大学の教授から、招かれているというのです。
むろん武蔵にとっては喜ばしい話・・「おめでとうございます!」常子の表情も明るくなります。
先方からは、すぐにでも来てほしいと言われているということですが・・・
「・・・大阪の面白い話たくさん聞かせてくださいね!」深刻そうな様子の武蔵をよそに、一人ではしゃぐ常子。
「で・・いつ戻ってらっしゃるんですか?」常子に尋ねられ、下を向く武蔵。
再びの沈黙・・「・・・戻りません」武蔵が重い口を開き、常子に告げました。
大坂の研究室に努めることになった武蔵、「・・・だから、もう東京には」あまりに急な話に、常子は言葉が見つかりません。
「・・・す、すみません・・突然の事で驚いてしまって・・・」常子は・・涙ぐんでいます。
武蔵は、常子に言わなければ・・と、ずっと悩んでいました。
来月の半ばには、大阪に引っ越さなければなりません。
「来月・・・」常子がそう呟くと、二人の間には重苦しい雰囲気が。
「そうですか・・あんまり時間はありませんね」宗吉たちにも知らせて、送別会を開いてもらわないと・・常子は努めて明るく振る舞おうとします。
みんな寂しがるだろうなあ・・涙声になりながら、空元気を出す常子の前に、そっとお茶を差し出す武蔵。
「常子さんは?」皆の気持ちではなく、自身の気持ちを質され、常子は返事を躊躇します。
「僕は寂しくない!・・・そう・・思うように・・自分に言い聞かせたのですが・・・」
耐えられそうにありません・・常子の目を、真っ直ぐ見つめる武蔵。
おもむろに正座をして、姿勢を正した武蔵は・・「常子さん・・僕と・・結婚してくださいませんか?」
「結・・婚」突然の告白を受け、驚く常子は・・・
武蔵からの突然の告白に動揺し、涙ぐむ常子でしたが、その涙の意味するところは・・・
難癖をつけてきた男に必死で立ち向かう、武蔵の頼もしい姿を見て意識し始めた常子ですが、実のところどれ程の気持ちだったのでしょうか?
時代背景もあり、恋愛経験が豊富とはお世辞にも言えない常子にとって、武蔵との関係はままごとのようなものだったのかもしれません。
ですが、気楽に男女が付き合えるような時代ではないからこそ、逆に未熟ながらも真剣な関係であったのかも・・・
いずれにせよ、武蔵が大阪に行くという話を聞き、常子がショックを受けたのは事実。
さらに、その武蔵から結婚を申し込まれ、常子の頭の中には色々な思いが交錯し、混乱を極めているようです。
職場での暴言に打ちひしがれ、美子との溝がさらに深まり、唯一安らぎを感じる存在だった武蔵がいなくなる・・・
またしても、常子は思わぬ暴走を見せてしまうかもしれません。
とと姉ちゃん10週57話の感想まとめ
武蔵は大阪の大学教授から招かれ、研究のため東京を離れることをずっと言い出せずにいたのでした。
そして、思わぬ告白に動揺する常子に、結婚を申し込む武蔵ですが・・果たして常子の判断は?
常子に悪いと思いつつ反発する美子、美子からの暴露に慌てる鞠子、道子の突然の退社で余裕を失う常子・・中々歯車が噛み合わない三姉妹。
再び美子との溝が深まり、さらには鞠子の胸にも不満がくすぶっていたことを知った常子は、大事な決断を下せる精神状態ではないはず。
家族の幸せについて悩む常子と、研究者への道を歩もうとする武蔵・・二人の運命はどうなってしまうのでしょうか?
以上、とと姉ちゃん10週57話のあらすじネタバレと感想でした!