とと姉ちゃん 13週73話のネタバレと感想

とと姉ちゃん 73話 ネタバレ

NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」13週73話のあらすじネタバレと感想です。

まずは12週72話の振り返りを少し。

このまま店を続けても、納得のいかない仕事をするのは耐えられない・・そう考え、ついに青柳商店の看板を下ろす決断をした滝子。

一人で木曽へ引っ込むという滝子に対し、滝子に褒められることだけを考えて生きてきた清は、「今更生き方変えられませんよ・・・」と、一緒に木曽へ行くことに。

そして、自分も最後の勤めとして木曽まで送る、と申し出た隈井にも頼み、滝子は美子に心配を掛けないよう、戦争が終わったらまた戻ってくる・・そう言って一芝居打つのでした。

そしてひと月後・・ついに迎えた青柳商店最後の日、「次に生きる人の事を考えて・・暮らしておくれ」常子たち三姉妹にそう言い残し、滝子は去って行きました。

その三カ月後、木曽の木材商はすべて廃業となり、戦争が苦戦を強いられ始めた頃、小橋一家は四度目の引っ越しを終え、新しい暮らしを始めるのでした。

⇒12週72話のあらすじを詳しく読む方はこちら

⇒13週のネタバレをまとめて読む人はこちら

とと姉ちゃん 13週73話のあらすじネタバレ

美子のままごと道具

―――昭和十九年、常子たちが深川を離れ二年余りの歳月が流れていました

開戦から三年ほどを経た太平洋戦争は、アメリカ軍が既にフィリピンまで迫り、日本は窮地に立たされていました。

国内の物資不足も深刻化し、常子たちは物々交換で農作物を貰おうと、千葉へ出かけて行きました。

ところが・・「着物なんかいらねえよ」頭を下げて回る常子と鞠子に対し、農家の反応はいたって冷淡。

鞠子は、常子から貰った大切な万年筆まで交換に出そうとしますが、「そんなの要らないわよ」取り付く島もありません。

「ここなら・・交換してもらえるんじゃない?」何件目かの農家、干してあるたくさんの大根を見て、鞠子が期待を寄せます。

常子がふと庭に目をやると、一人で遊んでいる少女の姿が。

「こんにちは・・おうちの人いる?」常子が声を掛けると、「お爺ちゃーん!」少女が大きな声で家の中に呼びかけました。

常子が地面に座り込んでいる少女の手元を見ると、いくつもの貝殻を重ね合わせカチャカチャと弄っています。

面白そうね・・話しかける常子に対し、「全然面白くない・・他に遊ぶものないだけ」口を尖らせる少女。

常子が少女を見つめていると、「どちらさん?」家の中から少女の祖父が現れました。

何とか食べ物を分けてもらおうとするのですが・・「ああ・・いい!着物や小物なら売るほどある」と、やはりここでも厳しい反応です。

せめて見て貰うだけでも・・と鞠子が粘りますが、「・・・大事な作物と交換するんだ・・値打があるもん持ってきてくれ」険しい表情の老人。

「そうだなあ・・孫が喜ぶようなおもちゃないか・・・」それなら交換してやってもいい、老人の言葉を聞き常子は困惑しますが・・・

家にあるあれなら、交換してもらえるんじゃない・・鞠子は、美子のままごと道具はどうかと常子に持ちかけます。

しかし、滝子から貰った大切なままごと道具、「よっちゃんが何て言うか・・・」表情を曇らせる常子。

目黒の小橋家では、君子と美子が庭の片隅に作った小さな畑の手入れをしていました。

「これ食べられるかな・・・」美子は雑草を摘み取り、クンクンと匂いを嗅いでいます。

君子は笑っていますが、美子は食べられる雑草もある・・と、昔武蔵から聞いたことを思いだし、パクッと口に入れてしまいました。

「ちょちょちょ!」慌てる君子。

しかし、「・・・にが~~~」しかめっ面をした娘を見て、食いしん坊ねえ・・と声を上げて可笑しそうに笑い合うのですが・・・

「おい!」突然、家の勝手口をガラッと開け、不謹慎だぞ!と怒鳴りながら男が入ってきました。

「戦地では、帝国陸海軍が命を懸けて戦っているというのに、笑い声をあげるとは何事だ!」

隣組の組長・三宅光政が、大変の剣幕で二人に迫ります。

慌てて頭を下げる君子に対し、「慎みたまえ!」一喝して去って行きました。

「あの人嫌い・・目が蛇みたい」嫌悪感を露わにする美子。

どうしてあんな人が隣組の組長なのか・・不満を漏らす美子に対し、「他はお年寄りばかりだもの・・男の方は・・あの人ぐらいしか残ってないから」君子も、何の気なしに十分失礼な事を。

二人が顔を見合わせ、思わずフッと笑った瞬間、再び勝手口の戸がガラガラッと開かれました。

思わずビクッとなる君子たちでしたが・・「ただ今帰りました」入ってきたのが常子たちと分かり、ホッと肩を撫で下ろします。

「どうだった?何か手に入った?」祈るような気持ちで尋ねる君子でしたが・・・

「・・・それが、どこも着物や小物は要らないと言われてしまって・・・」俯き加減に答える常子。

仕方ないわ・・と二人の労をねぎらう君子でしたが、「よっちゃん・・あのね・・・」鞠子が話を切り出しました。

「嫌よ!これだけは絶対に嫌!」ままごと道具を大事そうに抱え、美子が強く拒絶します。

その気持ちは察しつつ、他に交換できる物も無い現状に、何とか理解を求めようとする鞠子。

滝子との大切な思い出が詰まったままごと道具・・それを手放そうとする二人の姉に、「冷たすぎるよ!」と美子はさらに反発。

「よっちゃんの気持ちは分かるけど・・でも、もう他に方法が無いの」常子も、何とか分かってもらおうと説得を試みます。

しかし、美子の気持ちは変わらず、「美子が嫌がるのなら・・止めましょ」庭のお野菜もあるし・・と、君子が取り成します。

でも・・何か言いかける鞠子に顔を向け、「私が食べる分減らします」だからこれだけは・・美子は真剣な表情で、常子に懇願するのでした。

三姉妹の中で一番の甘えん坊で、一番滝子に懐いていた美子・・常子と鞠子もそのことは十分に分かっているはずですが・・・

ありきたりの物では食糧との交換に応じて貰えず、繰り返し農家から冷淡な言葉を浴び続け、二人も精神的に追い詰められているのかもしれません。

そして、背に腹は代えられない状況となって思い至ったのは、美子が大切にしている滝子から貰ったままごと道具でした。

鞠子からの提案を聞いた常子は、本心ではどう思ったのでしょうか?

歳の離れた美子は、妹というよりも娘に近い存在だけに、色々と複雑な感情が交錯したことは想像に難くありません。

ひょっとしたら、農家の庭先で遊んでいる小さな女の子が、美子とかぶって見えていたのではないでしょうか?

何も遊ぶものがなく、仕方なしに貝殻をおもちゃ代わりにする女の子に、あのままごと道具を見せたら喜んでくれるだろう・・そんな考えが、チラッと頭を過ったかもしれません。

半面、大切なままごと道具を手放すことになれば、美子が悲しむのは目に見えています。

そして、現実に食料が手に入らず苦しい状況が続くなかで、常子は冷静に考えることが出来なくなっているかもしれません。

ままごと道具を手放すことを強く拒否する美子に対し、何とか君子が常子たちとの間に立ってその場を収めましたが、姉妹の間に出来た溝がどうなるか、心配になりますね。

赤紙

―――戦況が悪化するなか、常子が勤める甲東出版は、細々と営業を続けていました。

「その後ろ姿・・堪らないね」原稿の校正作業に集中する常子に、戻ってきた五反田が声を掛けました。

次の号の見本出来ましたか?・・常子に尋ねられ、五反田はカバンの中から取り出した見本を差し出します。

「ああ・・ずい分薄くなりましたね・・・」ペラペラの見本を見て、ため息交じりの常子。

紙が回ってこない以上仕方ない事・・「それに・・僕たち二人で作るには、このぐらいが限界だ」五反田が自嘲気味に答えました。

―――既に五反田以外、全員招集されていたのです

「まさか社長まで・・・」谷が招集された時の事を思い返し、常子がポツリと呟きました。

おめでとうございます・・型通りの挨拶で頭を下げる、五反田と常子。

「そんな暗い顔するな」谷は二人に向かって、必ず生きて戻る!と静かな口調ながらきっぱりと断言します。

「甲東出版をよろしく頼む」後の事を二人に託し、谷は招集されて行ったのでした。

兵隊が足りなくなり、年寄りまで招集され始め、ついには谷まで・・「僕もいつお呼びが掛かるか、分からないんだけどね」茶化す様に呟く五反田。

「そんな事仰らないで下さい!」一人では雑誌を作っていけない・・と、不安に駆られた常子が思わず声を上げます。

ちょっと慌てたように、すまんすまん・・と笑って見せた五反田でしたが・・・

常子は、毎日の暮らしを何とか守り続けるのが精一杯でした。

そして、それは他の皆も同じで、鞠子は工場で事務の仕事を始めて既に三年あまりが経ち、女学校を卒業した美子も縫製工場に働きに出て、日々軍服作りに勤しんでいました。

元々裁縫が好きな美子ですが、鉢巻きを締めミシンを動かす美子の表情は、暗く沈んでいます。

お昼の休憩時間になり、職場の仲間と集まって弁当箱を開く美子。

「あら、美子さんの素敵なお弁当ね」君子が工夫して、人参を飾り切りにした”ねじり梅”を見て、皆が羨ましがります。

そんな中、同僚の一人は兄に赤紙が来たことで、食欲もなく落ち込んでいました。

「そう・・うちの兄も二か月前に招集されたわ・・・」別の一人が呟きます。

他にも父親が招集された同僚もいて、重苦しい空気が漂います。

「美子さんのところは?」そう尋ねられた美子は、うちは女ばかりの家族だから・・と遠慮がちに答えました。

良かったわね、その心配が無くて・・皆が羨ましがるのを聞き、美子は・・・

美子のお弁当箱の中に入っていたのは、サツマイモと飾り切りにした人参・・君子のささやかな心掛け、なのでしょうか。

さすが常子の母親だけに、食糧不足が深刻になった状況でもそういったことを忘れない、竹蔵と共に守ってきたものを大切にしたい、という思いを感じます。

もっとも、何気ない日常の風景は既に過去のものとなり、戦局の悪化と共に世の中全体が余裕を失ってきています。

美子は君子に感謝しつつ、自分の置かれた状況が周りと違うことを自覚し、何を思ったでしょうか?

次々と男たちが戦場に招集されていく中で、女ばかりの小橋家は家族が引き離される心配はありません。

自分の家族環境が人から羨ましがられるという、皮肉な状況に複雑な思いを抱いたはずです。

そして、五反田と共に細々と甲東出版を守る常子は、すっかり失われてしまった当たり前の暮らしを、どう考えているのでしょうか?

せっかく見つけた仕事もいつ失われるか分からない、そんな不安定な状況となってしまい、精神的にもギリギリの状態のはず。

もし五反田まで招集されるような事態になったら、限界を迎えてしまうかもしれません。

もしそうなってしまったら、常子は何を支えに困難に立ち向かっていけるのでしょうか?

みんな我慢している・・美子の決心

美子が工場からとぼとぼと帰ってくると、君子が近所の主婦たちと井戸端会議の最中でした。

「やだ・・じゃあお宅も組長さんから注意受けたの?」どうやら、不謹慎だと注意された先日の事を、君子が話していたようです。

ところが、そこで思わぬ事実が。

「三宅さんねえ・・息子さんが出征されてから、人が変わったわよねえ」

小橋一家が引っ越してくる何年も前、組長の三宅の息子が出征していたというのです。

「今頃は・・北支か南方かしら・・・」物陰から、主婦たちの会話にじっと耳を澄ませる美子。

三宅は息子が戦っている分、自分たちも国のために何か・・という義務感に駆られているのではないか・・・

話を聞きながら、美子はじっと考え込んでしまいました。

その夜、「火の用心!米英撃滅!」夜回りの声が聞こえる中、美子は既に床に就いていました。

「先に寝ちゃうなんて・・・」具合でも悪いのか・・と心配する常子ですが、工場が忙しく疲れているのだろうと、鞠子はあまり気にしない様子。

寝返りを打って常子たちに背を向けた美子でしたが、眠っている訳ではありません。

「あ・・とと姉。今月の新世界、読み終わったわ」鞠子が話し掛けますが、戦争のことばかりでどうせ面白くなかったろうと、ややウンザリしたように答えます。

最近は検閲が厳しく、戦意高揚の内容じゃないと出版出来ない・・ぼやく常子。

「不満が溜まるわねえ・・作りたい雑誌も作れないなんて・・・」同情を寄せる鞠子でしたが、実は常子も五反田に同じことを言っていました。

「仕方ないさ・・大きなところ以外はほぼ立ち行かなくなって、皆閉じたんだ」こんな小さな出版社が残っていけるのは、お国の意向に沿ったものを出しているから・・・

現実を追認するかのような五反田の言葉に、常子はやるせない表情を浮かべるしかありません。

不満を募らせる娘たちに対し、君子がやんわりと諭します。

「辛抱しましょう・・今は、お仕事があるってだけでも、在り難い事なんだもの」

常子たちは素直に頷きましたが、布団の中でじっと聞いている美子は、何かをずっと考え続けているようです。

その時・・”ドンッドンッドンッドンッドンッ”と、激しく窓を叩く音が。

常子が窓を開くと、「おい!何をしている?ここから灯りが漏れているぞ!」組長の三宅が声を潜めながら、睨みつけていました。

そんな不用心なことで、敵機に狙われたらどうするつもりか・・「気持ちが弛んでいるぞ!」次第に声が大きくなる三宅。

「しっかり閉めておけ!」と叱責する三宅に謝りながら、常子は窓を閉めさらにカーテンを引いて灯りを遮ります。

振り返った常子は、どっと疲れが押し寄せたかのように鞠子の隣にへたり込みました。

「こんな時間まで見回りしてるなんて・・・」ウンザリしたように呟く鞠子は、思わず常子と顔を見合わせます。

すると、今まで寝たふりをしていた美子が、むっくりと布団から起き上がりました。

「あー、ごめんねよっちゃん・・起こしちゃったね」今の騒ぎのせいで・・と思った常子でしたが、美子はずっと考え続けていました。

美子は決意したように布団を出ると、神妙な面持ちで君子の隣に座りました。

常子たちがじっと見つめる中、「あのね・・やっぱりあのおままごと道具・・食べ物と換えてください」きっぱりと告げました。

皆が我慢したり苦しんだりしているのに、小橋家は家族を兵隊に取られる心配もなく、全員元気に暮らしていられる。

「それだけで十分よね・・・」淡々と語る美子を前に、何も言えず俯く三人。

―――大切にしてきたものまで、もはや手放すしかないのかと、常子は悲しく思いました

あれほど頑なだった美子の決心を後押ししたのは、何だったのでしょうか?

恐らくは、三宅の抱える事情を知らないまま、一方的に悪く思っていたことに対する罪悪感が一番大きいのではないでしょうか。

周りの人間が、自分には想像もできないような大変な苦労をしていることを知り、美子の心境に大きな変化が訪れたのだと思います。

しかし、それを美子の成長と言っていいのか、戸惑うところでもあります。

「それだけで十分よね・・・」その言葉の意味するところは、当たり前の日常を諦めるということ。

戦争のせいで普通の暮らしが次々に切り捨てられていく、自分が今まで大切に守って来たものは一体なんだったのか・・・

美子の言葉に俯く常子からは、そんな思いが滲み出していました。

とと姉ちゃん13週73話の感想まとめ

戦局が悪化の一途を辿るなか食糧不足も深刻化、常子たちは食糧と交換して貰おうと、着物を持って農家を訪ねますが、帰ってくるのは冷たい反応ばかり。

戦争が人々の心から余裕を奪っているのか、殺伐とした空気が漂う展開に、見ていて気分が沈みがちになりますね。

しかし、農家の人々も生きるのに必死、誰にでも優しく出来る訳もなく、一概に非難することも出来ません。

そんな中、孫が喜ぶおもちゃを持ってきたら食料と交換しよう、という農家が現れるのですが・・美子が苦しい決断を迫られることになってしまいます。

周囲の人々が戦争の影響に苦しむ姿を見て、美子や常子たちの心境にどんな変化が訪れるのか、少し心配になりますね。

以上、とと姉ちゃん13週73話のあらすじネタバレと感想でした!

⇒13週74話のあらすじネタバレはこちら

⇒13週のネタバレをまとめて読む人はこちら

⇒とと姉ちゃん各話のあらすじネタバレ&感想の一覧

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ