とと姉ちゃん 12週72話のネタバレと感想

とと姉ちゃん 72話 ネタバレ

NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」12週72話のあらすじネタバレと感想です。

まずは12週71話の振り返りを少し。

昭和十六年十二月八日、ついに太平洋戦争が始まり、政府からの締め付けや検閲はより厳しさを増していました。

戦意高揚の退屈な読み物ばかり載せることや、紙の質が落ちてきていることに不満の募る五反田達。

一方の青柳商店では最後に残っていた職人も去り、陸軍の下請けとして営業を続けるか、それとも店を畳むかの決断を迫られます。

「悩むことなんかありませんよ!」隈井の言葉にも背中を押され、体調に不安を抱える中で、営業を続けることにした滝子でしたが・・・

「・・・立地も好条件なので、この青柳を個人営業の停止に伴い、事務所として借り上げたい」隈井が、陸軍からの非常な通達を告げるのでした。

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とと姉ちゃん 12週72話のあらすじネタバレ

看板を下ろす・・滝子の決断

「お母様!どうされたんですか?」君子が部屋を覗いた時、滝子は起き上がって帳簿を捲っているところでした。

何だか昔の帳簿が気になってね・・久しぶりに調子が良い滝子は、青柳商店の歴史を振り返るように、しみじみと答えます。

その頃、会社から帰ってきた常子は、青柳商店の看板を寂しそうに見上げ、無言のまま店の中へ入っていきました。

「お招きにあずかりまして・・・」清が挨拶し、隈井と共に頭を下げます。

滝子はそんな二人を、三人分のお膳が用意された部屋に招き入れました。

席に着くなり、早速一杯やりやすか・・と言い出す隈井ですが、「その前に・・話を聞いておくれ」滝子が二人に語りかけます。

「この青柳商店は、ここで・・看板を下ろそうと思う」穏やかな表情でそう告げられ、清も隈井も息を呑みました。

店を畳んで軍に貸し出すという滝子に対し、「どうしてです?二百年続いた看板を守るといつも・・・」と、動揺を隠せない清。

ですが、滝子は既に決心していました。

このまま店を続けても、納得のいかない仕事をするのは耐えられない、そうなるくらいなら潰した方がいい。

「私は・・あと一年も持たないだろう・・・」最後くらいカッコつけさせておくれよ・・と、寂しそうに笑う滝子。

「それに、隈井だってもう・・解放してあげないとね」”解放”という言葉に、隈井は思わず目を潤ませます。

滝子は涙を堪え、「感謝してるよ・・隈井には」と、長年苦労を掛けたことを労わるのでした。

隈井としては、此処を引き払った後に滝子がどうするつもりか、そのことが気掛かりです。

「木曽の得意先から・・良い療養地があるって聞いてね」向こうに引っ込もうと思っている・・と言う滝子。

そして隈井に対して、自分に気兼ねなく自由にするよう配慮を見せますが、涙の止まらない隈井は返事をすることが出来ません。

さらに、「これからは、店やあたしに気兼ねせず好きに・・・」と、まだ若い清の事も気遣いますが・・・

「私も木曽に行きます」清にしてみれば、青柳が無くなるのに深川に残っても仕方ないこと。

木曽で仕事を見つけて、ずっとお母さんのそばに居ます・・涙ながらに訴えます。

「情けない話ですがね・・私は・・お母さんに褒められることだけを考えて生きてきたんだ」

今更生き方変えられませんよ・・無理に笑顔を作り、自分の思いを打ち明けた清。

「だったらせめてあっしにも、木曽までお送りさせて下さい!」隈井も、青柳の番頭として、最後の勤めを果たすつもりのようです。

滝子は、そんな二人に対し、「最後に・・一芝居、付き合ってくれないか・・・」涙を堪えながら、そう頼みました。

ついに重大な決断を下した滝子に、清も隈井も動揺していましたが、こうなることは全くの想定外だったのでしょうか?

少なくとも、番頭として長年支え続けた隈井には、滝子が納得のいかない仕事を続けることに耐えられないことは、想像できたと思うのですが。

滝子はやはり、工場宿舎の件で清と隈井との間に溝が出来て以降、看板を下ろすタイミングを見計らっていたのではないでしょうか?

自分の代で全てを終わらせるという重大な決断は、滝子の病状にも大きな影響があったのかもしれません。

あと一年も持たない・・そう自覚したからこそ、隈井と清を重荷から解放しようと考えたのだと思います。

そして二人との溝を、そういう形で埋めようとしたのかもしれません。

美子との約束

翌日、滝子は改めて、常子たちを含めた全員を集めました。

「集まってもらって・・悪かったね。実は、この店を閉めることになってね」滝子は平静さを装いながら、常子たちに告げました。

滝子が陸軍からの借り上げの話を受けると決めたことに、君子は驚きを隠せません。

国が大変な時に、小さな木材問屋の行く末など誰にも保証できない・・「だったら軍に貸して、いくらかのお金を貰った方が、懸命だと思ってね」澄ました顔で話す滝子。

「お祖母様が決めたことであれば・・私たちは何も」常子は何かを悟ったように、滝子の決断を受け入れます。

それを聞き、滝子は安心したように話を続けます。

「目黒に良い借家があってね」常子と鞠子の職場にも近い物件を、隈井が手配してくれていました。

自分たちへの配慮に感謝しつつ、君子はこれから滝子たちがどうするのか、不安に感じているようです。

「私は、木曽の療養地でのんびり過ごそうと思っているよ」清も来てくれるって言うし・・と清に視線を向けます。

清も、お母さんの事は任せてください・・と、嬉しそうに答えるのでした。

頷く君子でしたが、「嫌です!離れ離れなんて嫌です!私も一緒に木曽に行きます!」突然、美子が声を上げました。

窘めようとする常子ですが、みんなで木曽に行けばいいじゃない・・と駄々をこね、それを聞いた一同は黙り込んでしまいます。

そんな中、「勘違いしないでおくれ・・あたしはこの青柳を辞める訳じゃない」滝子が美子に話しかけました。

ほんの一時軍に貸すだけ、戦争が終わって落ち着いたら、また戻ってきて青柳商店を再開する。

「そうしたら・・また、一緒に暮らせるんだ」穏やかに続ける滝子ですが、隈井は辛そうに俯き、君子も悲しげな目で見守っています。

「本当ですか?絶対にまた戻って来てくれますか?」滝子の事を真っ直ぐ見つめる美子は、大人たちの反応が目に入りません。

滝子ははっきりと頷き、「祭りに行くって約束しただろう?」そう言って美子を安心させます。

常子が不安そうに見守る中、美子もようやく聞き分けるのでした。

滝子から頼られ、清は初めて自分が認められたと感じたのかもしれません。

思えば清の”自慢癖”も、滝子に褒められたいとの一心から、自然と身についてしまったもの。

「お母さんの事は任せてください」と嬉しそうな笑顔で頷く清からは、それまで感じてきたプレッシャーから解放され、本当の親子になれたという、安心感が感じられました。

そして常子は、滝子の決断を大きな驚きもなく受け入れていましたが、やはり滝子から仕事に対する考え方を学んでいたことで、その心中を推し量っていたのだと思います。

もしかしたら、長く滝子を支え続けた隈井よりも、より滝子の事を分かっていたのかもしれません。

そんな常子とは対照的に、まだまだ精神的に幼い美子は、滝子と別れることが耐えられません。

その反応を見越していたのか、滝子は清と隈井の協力で一芝居打つことに。

戦争が終わったら、また戻ってきて青柳商店を再開する・・大人たちにはバレバレな芝居ですが、美子はその言葉を素直に信じます。

ですが、ひょっとしたらこれでもう最後になるかもしれない・・ということを美子も薄々は感じているのかもしれません。

滝子の言葉に頷く美子の表情は、どことなく寂しげに映りました。

青柳商店最後の日

―――ひと月後・・青柳商店は最後の日を迎えました

全ての荷物を運び出し、空っぽになった青柳商店の中で、滝子は沈んだ表情のまま一人きりでいました。

そんな滝子に、「お母様・・そろそろ・・・」君子が声を掛けます。

君子に支えられ、ゆっくり立ち上がると滝子はそのまま出て行こうとします。

むしろ君子の方が、「いいんですか?少し・・見て行かなくても」と名残惜しそうな口ぶりですが・・・

「生まれた時から毎日見てきたんだ・・もう見飽きたよ」強がりなのか、平然とした様子の滝子。

しかし、ふと立ち止まると、「結局・・守り切ってやれなかったね・・・」申し訳なさそうに、君子に顔を向けました。

偉そうに、君子を守るって言っておきながら・・悔しさを滲ませる滝子ですが、君子はむしろ母への感謝の思いを口にします。

「いいえ・・お母様には、ずっと守って頂いていました」涙を堪えながら、様々な思いが溢れる君子。

「私は・・この家に生まれて・・幸せだと思っています」そう言って滝子にすがりつき、むせび泣くのでした。

そして、いよいよ青柳商店を去る滝子たちを、君子と三姉妹が見送ります。

「お祖母ちゃま、これを見てください」美子が手に持った浴衣に目を落とし、滝子に語りかけます。

「・・・まだ仕上げてません・・今度お会いするときまでに仕上げます」だから必ず帰ってきてください・・と、再会を誓うのでした。

滝子は美子の気遣いに感謝しつつ、最後に常子に対して自分の思いを伝えます。

「木材ってのは・・今植えたものじゃない」四十年・・五十年前に植えたものが育って商品になる、気の長い話です。

だから、植えた時には自分の利益にならない・・「それでも・・四十年後に生きる人の事を思って、植えるんだ」

「次に生きる人の事を考えて・・暮らしておくれ」滝子の言葉に、頷く三姉妹。

滝子が満足そうに頷き、清がおどけた表情で「さよなら・・・」と別れを告げ、「御免下さいまし・・」隈井が四人に頭を下げました。

滝子は用意された人力車に乗り込み、常子たちの前から去って行きました。

―――これが滝子の姿を見た最後になりました・・三カ月後、深川の木材問屋はすべて廃業しました

そして、目黒の新しい住まいに引っ越してきた君子と三姉妹。

「ほお・・ほお・・ほお・・これが新しい住まいですかい」常子が先頭に立ち、家の中を見て回ります。

浜松の家に少し似てるわ・・懐かしそうに呟く君子。

また四人に戻り、常子たちは新しい暮らしを始めることになりました。

―――小橋一家が四度目の引っ越しを終えた頃、海軍はミッドウェー海戦に敗北・・日本は苦戦を強いられ始め、さらなる苦難の時代へ突入してゆくのです

ある種の願掛けのようなものなのか、滝子の浴衣を仕上げないまま、必ず帰ってきてください・・と願った美子。

やはり心のどこかで、これが滝子との最後の別れになる・・と感じているのかもしれません。

一緒に祭りに行くという約束を果たすまで、滝子が自分の事を忘れないよう、敢えて浴衣を仕上げないまま別れることにしたのではないでしょうか?

そんな美子に慈しむような目を向けた滝子ですが、一方の常子にも最後に大事な事を伝えます。

二百年続く木材問屋の看板を守り続けた滝子が、自分の人生で学んだもっとも大切な事・・それが常子に伝えた最後の言葉だったのかもしれません?

「次に生きる人の事を考えて・・・」その言葉が常子の人生観、仕事観にどんな影響を与えるのか、まだ分かりません。

しかし、物語が次に大きな節目を迎えた時、きっと常子の胸に滝子の言葉が蘇ってくるのだと思います。

いずれにしても、これが滝子との最後の別れ・・常子にとって最も偉大な”恩師”との別れだったのではないでしょうか?

とと姉ちゃん12週72話の感想まとめ

納得のいかない仕事を続けるわけにはいかない・・ついに、青柳商店の看板を下ろす決断を下した滝子に、清も隈井も最後までついていくことを決めます。

自らの死期を悟った滝子の最後の気掛かりは、一緒に夏祭りに行こうと約束した、美子の事だったのではないでしょうか。

「最後に一芝居付き合ってくれないか・・・」滝子はそう言って隈井たちを巻き込み、戦争が終わったらまた一緒に暮らせるようになる・・と、美子を安心させるのでした。

そして、「次に生きる人の事を考えて暮らしておくれ・・・」別れ際に常子に対して残した最後の言葉・・それは、滝子からの最後の贈り物と言えるのではないでしょうか?

戦争の影響が益々厳しくなる中、常子にとって大きな意味を持ってくる事になるのは間違いありません。

以上、とと姉ちゃん12週72話のあらすじネタバレと感想でした!

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