とと姉ちゃん 12週71話のネタバレと感想

とと姉ちゃん 71話 ネタバレ

NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」12週71話のあらすじネタバレと感想です。

まずは12週70話の振り返りを少し。

ユーモア特集が検閲に引っ掛かり、強く楯突いた谷が警察に捕まるという事態に責任を感じる常子でしたが、五反田は先を見越して雑誌の回収を指示、谷不在の甲東出版では皆が手分けして書店や取次店を回ります。

その頃青柳商店では、清が請け負った工場宿舎建設の仕事で設計上の問題が発覚、憤慨した滝子が大事な木材は降ろせない・・と、白紙に戻そうとするのですが・・・

「いい加減にしてください!」清が突然声を荒げ、この非常時に滝子のやり方では通用しないと非難、さらには隈井までが清に賛同し、ショックを受ける滝子。

結局滝子が譲歩する形で、「・・・工場宿舎の件はお前に任せるよ」そう言って身を退くのでした。

一方の甲東出版では、ようやく谷が釈放され戻ってきましたが、当局からの指示でユーモア特集はすべて削除されることになってしまいました。

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とと姉ちゃん 12週71話のあらすじネタバレ

太平洋戦争

「お疲れですね」大きなあくびが出た清に、常子が声を掛けました。

このところ会社が忙しくて・・愚痴をこぼす清の体調を、気遣う常子。

その日の朝、滝子は皆と一緒に朝食を取ることにしました。

皆が食卓に着いた時、ラジオから臨時ニュースを知らせるチャイムの音が流れてきました。

―――臨時ニュースを申し上げます。大本営陸海軍部、十二月八日午前六時発表・・帝国陸海軍は本八日未明、西太平洋に於いてアメリカ、イギリス軍と戦闘状態に入れり

「・・・アメリカやイギリスとの戦争が始まるの?」不安そうに呟く常子。

終わるどころかどんどん大きくなっていく・・先の見えない状況に、君子も心配そうにラジオを見つめます。

「あたしたちは・・どうなっちまうんだろうね」病気のせいか、すっかり気の弱くなってしまった滝子。

―――昭和十六年十二月八日、日本軍の真珠湾攻撃により、ついに太平洋戦争が始まったのです

そして昭和十七年四月、東京・川崎・名古屋など日本本土に初の空襲があり、戦争は激化の一途を辿って行きました。

政府からの締め付けや検閲はより厳しくなり、甲東出版では国の顔色を窺って出版せざるを得ない状況が続きます。

「確認をお願いします」常子が校正を終えた原稿を、五反田に差し出しました。

ですが、五反田は受け取った原稿を一瞬見ただけで、すぐに机の上にポンッと置き、つまらなそうにため息をつきます。

「私の赤字・・どこかおかしかったですか?」自分のミスかと思った常子でしたが、五反田の不満は別のところにありました。

「・・・こんな戦意高揚の退屈な読み物ばかりじゃ、読者もつまらんだろうと思ってさ」

つい愚痴がこぼれる五反田に対し、「滅多な事言うんじゃない!」谷が注意を促します。

読んでみてください・・そう言って原稿を差し出す五反田ですが、「出版禁止になったら飯は食えん!」谷に突き返されてしまいます。

さらには相田が、最近の質の悪い紙についても愚痴をこぼし始めました。

「紙を回して貰えるだけもありがたい」どの業界も物資不足は深刻・・谷は、あくまでも与えられた条件の元で、仕事を続ける考えのようです。

一方の青柳商店では・・ついに、最後の職人も店を去ることになりました。

「長い間・・お世話になりました!」青柳の印半纏を返すと、隈井に向かって深く頭を下げます。

「すまねえなあ・・・」頭を下げる職人に、申し訳なさそうに呟く隈井。

達者でな・・隈井の言葉に送られ、最後の職人が去って行きました。

隈井は、すっかり人の気配が無くなってしまった深川の街を見て、活気に溢れていた時代を思い返すのでした。

「ただいま・・・」隈井が店の前でうな垂れていると、背後から物憂げな声が。

隈井が振り返ると、見るからに悄然とした清が帰ってきたところでした。

「今日は・・ずい分とお早いですね」隈井がそう尋ねると、「・・・組合から急な発表があってね」暗澹とした表情で、清が答えました。

政府からの締め付けが日増しに強まり、谷は萎縮してしまったのでしょうか?

それとも、五反田たちの不満が爆発しないよう、何とか抑えなければならないとの思いがあるのでしょうか?

いずれにせよ、政府に逆らえば出版禁止になってしまう厳しい状況で、甲東出版を守る責任があります。

早く戦争が終わることを願い、今は忍耐の時・・と考えているのかもしれません。

常子が入社した時と比べても、急速に厳しくなっていく状況に、何とか順応しようとしているようでした。

そして、最後の職人まで去ってしまった、青柳商店の閑散とした光景・・・

常子たちが最初に深川にやって来た時の、活気あふれる光景とは雲泥の差です。

人気の無くなった街に、一人佇む隈井の後姿からは、なんとも言えないもの悲しさが漂っていました。

重荷に耐えかねた清は・・・

「御気分は・・すぐれませんか?」帰宅した清は、臥せっている滝子の元へ顔を出します。

「あたしの事はいいから・・用件を言いな」身を起こし、清の話を聞く滝子。

長い沈黙に続き、「・・・私は情けない男です」清が重い口を開きました。

滝子から青柳商店の事を任されたにも関わらす、結局自分一人では決められなかった・・ポツリポツリと話す清。

「二百年の伝統を誇る・・青柳商店の看板を背負うのに・・私の器は耐えきれなかったんです」

疲れ果てた様子で話し続ける清に、滝子がゆっくりと顔を向けました。

これから青柳商店がどうするか、滝子に決めてほしい・・清は全てを委ねる覚悟を決めていました。

「一体・・何をだい?」改めて尋ねた滝子に、衝撃の答えが。

「二カ月後・・深川の木材商は・・個人営業を禁じられることになりました」

個人営業が禁じられるとはどういうことか?話が呑み込めない隈井。

陸軍の下請けとして、お国のための営業なら続けてもいい・・現在、そんな検討がなされているらしいのです。

しかし、それを拒むのであれば、店を畳むしかない・・・

「青柳を潰すか・・続けるか・・あたしに決めてほしいっていうことかい?」

滝子に尋ねられ、黙って頷く清。

「悩むことなんかありませんよ!何でもいいから続けていきましょうよ!」

何があっても青柳を潰すわけにはいかない・・隈井が興奮して声を荒げます。

そして滝子は・・「ああ・・そうしよう」隈井の意見に賛同し、店を続けることを決めるのでした。

「青柳商店が陸軍の下請けになるんですか?」君子から話を聞き、驚く常子。

滝子が自分で決めたこと・・君子が寂しそうな表情で頷きます。

「お祖母様は本当に・・この店を続ける気がおありなんでしょうか・・・」

釈然としないものを感じる常子は、君子に対し疑問をぶつけました。

陸軍の下請けになるということは、滝子や清は何もできなくなってしまうのではないか?

自分の流儀を守ることが出来なければ、結局滝子が傷つくだけではないのか?と、心配する常子。

「二百年守り続けたこの店を辞めるということは・・とってもつらい決断なの」

体調の思わしくない滝子を苦しめることは良くない・・今はそっとしておくよう、君子が求めますが・・・

一方で、美子は滝子のために浴衣を縫っていました。

「皆で一緒にお祭りに行く約束したでしょ」その時までに仕立てるつもり・・と、常子に説明します。

そんな美子の事を、複雑な表情で見つめる常子。

滝子の体調に不安を感じた君子は、医者の往診を頼むことにしました。

医者は滝子の診察を終えると、「問題ないでしょう」君子を安心させるように言いました。

「・・・良かった・・このところ食が細くなってたので、心配してたんです」

医者に訴える君子に対して、心配性なんだよ・・笑って話しかける滝子。

すみません・・と君子も笑って頭を下げるですが・・・

「さっきは・・ご本人の前なのでああ言いましたがね・・」見送りに外に出た君子に、医者が告げました。

あんまり思わしくないですね・・医者の言葉に、隈井はどれ程悪いのか気に掛かりますが・・・

「もう少し、様子を見てみますが・・・」言葉を濁し、医者は帰っていきました。

その頃滝子は、布団に横たわり・・思いつめた表情で、じっと天井を見つめていました。

「お祖母様は本当に・・この店を続ける気がおありなんでしょうか・・・」何故、常子はそう感じたのでしょうか?

やはり、清と隈井に押し切られる格好で、これまでのやり方を否定された滝子の心中を、常子が最もよく分かっているのかもしれません。

少なくとも、常子自身はそう思っているのではないでしょうか?

深川にやって来て間もなく、”普通の暮らしを守ることが自分たちの仕事”という滝子の考えを聞き、それが父・竹蔵の言葉と重なって聞こえた常子。

滝子が時代の潮流に押し流されるように、自分のやり方を曲げるのをこれ以上見たくないのかもしれません。

君子は、そんな常子が滝子に無理なことを言い出さないか、心配しているのでしょうか?

むろん、常子も滝子の体調を気遣っているのでしょうが、それ以上に滝子の信念を大切にしてあげたい・・と思っているのだと思います。

信念を貫けないのであれば、いっその事店を畳んで欲しい・・もしかしたらそんな考えもあるのかもしれません。

陸軍の通達

君子は雨の降る中、滝子の回復を祈るために、近所のお寺に来ていました。

手を合わせて一心に祈り、家に戻ろうと振り返ると・・そこには傘を差した滝子の姿が。

「お母様!」驚いた君子は、傘を差して慌てて駆け寄ります。

「あたしの事を・・祈ってたんだとしたら・・やめとくれよ」こんなにピンピンしているのに、祈るのは勿体ない・・おどけて見せる滝子。

そのまま帰ろうとする滝子に、「お母様は・・お祈りされないんですか?」君子が声を掛けますが・・・

「祈りに来たんじゃないんだ・・ただ懐かしくてねえ・・・」滝子はそう言って、周囲を見回しています。

最近やたらと昔の事を思い出して、馴染みの場所に来たくなる・・にこやかに話す滝子。

「ここには・・君子と何度も来たね」滝子が語りかけると、君子も穏やかな笑顔で返します。

君子が幼い頃、親子揃ってお寺でおみくじを引いた思いで・・大凶を引いてむくれる君子に、何が起きようが必ず守ると約束した滝子。

「憶えてます?おみくじ・・・」君子が語る思い出に、「そんなこともあったねえ・・・」と、笑って答えます。

耄碌した今ではそんなことも叶わなくなってしまった・・滝子が寂しそうに呟きました。

「いやだねえ・・年を取るってことは・・・」そう言って笑う滝子を、君子が穏やかに見つめるのでした。

二人が店に戻って来た時、隈井が一人でじっと待っていました。

「どうした?怖い顔して・・・」からかう様に尋ねる滝子。

「先程・・組合を通じて・・陸軍からの通達がありました」”通達”という言葉の冷たい響きに、君子が違和感を覚えました。

「裏に工場があり、広さも立地も好条件なので・・この青柳を・・個人営業の停止に伴い・・事務所として借り上げたいと」

暗く沈んだ表情のまま、隈井が陸軍の通達を告げました。

「冗談じゃないよ!」あまりに一方的な話に、店は閉めないよ!と憤る滝子。

陸軍の下請けとして、店を続けて行けるという話だったはず。

ですが、その話は正式に決まったものではなく、さらには・・深川の木材商は間もなく国が全て廃業にする、との噂まで。

「あくまで噂ですが・・・」そう言ったきり、隈井は下を向いてしまいました。

―――青柳をどうするのか・・滝子は決断を迫られていました

いよいよ追い詰められた滝子は、果たしてどんな決断を下すのか・・涙を呑んでこれまでのやり方を捨てる覚悟をした後に、最後通牒が突き付けられました。

これが時代の流れとはいえ、あまりに無情な国の決定の前に、これまで滝子が守ってきた”普通の暮らし”は、このまま踏みにじられてしまうのでしょうか?

戦争が激しさを増す中、翻弄される青柳商店の運命はもはや風前の灯火、果たしてこんな状況の中で常子に出来ることは何かあるのでしょうか?

強大な国家権力を前に、逆らい様も無いはずですが、滝子には最後の意地を見せてほしい・・そんな思いも抱いてしまいます。

そして、自分の人生の最後の時が迫ってきていることを感じているのか、滝子は昔の馴染みの場所を訪ね歩きます。

その滝子をそっと見守り支える君子の姿からは、かつての激しい対立が嘘のように思えますね。

滝子も、そして君子も既に覚悟を決めているのかもしれません。

気掛かりなのは、滝子が必ず良くなると信じて浴衣を仕立てる美子の事ですが、せめて浴衣が仕上がるまでに間に合えばいいのですが・・・

とと姉ちゃん12週71話の感想まとめ

ついに太平洋戦争が始まり、国による統制は益々厳しくり、甲東出版では質の悪い紙や、退屈な戦意高揚の読み物ばかり書かされることに、五反田たちの不満が募ります。

そして青柳商店でも、深川の木材商が個人営業を禁じられることとなり、陸軍の下請けとして生き残る道を模索するのですが・・・

戦時下での政府の理不尽な仕打ちの前に、常子たちが守ってきた何気ない日常や当たり前の暮らしが、次々と壊されていきます。

戦後常子が創刊する雑誌のモデルとなった”暮しの手帖”は、一人一人が自分の暮らしを大切にする事を通して二度と戦争をしない世の中にする、という理念のもとに作られた雑誌です。

常子にとっては試練の時が続きますが、つらい経験を経て自分が進む道を見つけていく、その途中にあるのかもしれません。

以上、とと姉ちゃん12週71話のあらすじネタバレと感想でした!

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