とと姉ちゃん 14週80話のネタバレと感想

とと姉ちゃん 80話 ネタバレ

NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」14週80話のあらすじネタバレと感想です。

まずは14週79話の振り返りを少し。

長かった戦争がようやく終わったものの、食糧や物資の不足が深刻な中、常子たちは一日一日を必死で生き延びていました。

常子が貸本業で稼ぐ、僅かな収入が小橋家の家計を支えていましたが、「食えなきゃ死ぬんだぞ!」鉄郎はそう言って、常子に別な仕事を探すよう言いますが・・・

女が働く場所はほとんど無い・・という厳しい現実を知る鞠子は、鉄郎の言葉に強く反発。

一方の鉄郎は、闇市でカストリ雑誌が飛ぶように売れていく光景を目の当たりにし、常子に何でもいいから雑誌を作るようけしかけるのでした。

そんな中、五反田を始め甲東出版の社員たちがようやく復員し、雑誌の出版を再開できることになったものの、常子には自分のやりたい雑誌を作りたい・・との思いが芽生えていたのです。

⇒14週79話のあらすじを詳しく読む方はこちら

とと姉ちゃん 14週80話のあらすじネタバレ

綾の話を聞き・・・

「何か?」来客に気付いた常子が玄関を開けると、そこには子供の手を引いた一人の女性が。

「お久しぶりです・・卒業式の日以来だから、もう九年ね」そう言ってフフッと笑ったのは、紛れもなく親友の綾でした。

「綾さん?綾さんなのね!」懐かしさのあまり、常子は思わず抱き着いていました。

お茶の間に通された綾は、息子の太一を膝に乗せ、久しぶりに会う小橋家の人々ににこやかに挨拶します。

こんにちは・・美子が話しかけると太一がニコッと微笑み、一同の笑顔を誘います。

「常子の友達かい?」初めて会う鉄郎が常子に尋ねました。

「村野綾と申します」改めて自己紹介した綾は、「叔父様のお噂はかねがね聞いておりました・・・」とちょっと悪戯っぽい笑みを見せます。

どうせろくな話じゃないだろう・・常子が何を話したか想像し、舌打ちする鉄郎。

「はい。仰る通りです」正直に、はっきりと言い切った綾に、皆吹き出してしまうのでした。

若干むくれる鉄郎でしたが、太一が綾の膝の上でぐずり始めると、抱え上げて一緒に遊んであげるのでした。

「すぐにお会いしに来たかったんだけで・・そうもいかなくて」

名古屋にいらしたのよね・・旦那様が軍医だって・・大陸にいらしたんですよね・・口々に尋ねる君子たち。

「ええ・・だけど戦争中、病で亡くなりまして・・・」一度に名古屋に戻った綾の夫でしたが、また直ぐに満洲へ。

最後はそのまま満州で迎え、綾は死目にも会うことが出来ませんでした。

何とか息子と二人で実家に帰った綾でしたが、空襲で焼けてしまっており、「何にも残っていなかったわ・・・」虚しそうに呟く綾。

「母は無事だったんだけど・・父は・・最後まで家を守ろうとしたらしく、焼けた家とそのまま・・・」

想像以上に辛い経験をしていた綾に、「ご愁傷様でございます」君子たちはそう言う他ありません。

今は母親と息子の三人で、蒲田の近くに間借りして暮らしているという綾。

仕事は中々見つからず、焼け残った帯留めや指輪を売って、何とか凌いでいるとのこと。

「太一の為にも、頑張らないといけないんだけど・・・」そう言って、鉄郎に遊んでもらっている息子に顔を向けます。

何か力になれることは・・と申し出る常子に対し、少し躊躇った後、「お言葉に甘えさせていただくなら・・・」綾が話を切り出しました。

「布とか浴衣の余りはないかしら?」綾と母の浴衣は、既に太一のおむつになっていました。

困り果てた様子の綾に、「お安い御用よ、浴衣くらい」笑顔で答える常子。

そして、小橋家の人々が温かい笑顔で頷くのを見て、綾はホッと安心したように、常子たちに感謝の気持ちを伝えます。

「・・・すいとんくらいしかないけど・・召し上がってらして」君子が夕食に誘うと、綾は嬉しそうに応じるのでした。

昔のままの綾と、戦争のせいで変わってしまった綾・・その両方の面が垣間見えた場面でした。

どうせろくな話じゃないだろう・・軽く舌打ちする鉄郎に、「はい。仰る通りです」としれっと答えるあたりは、女学生のころのまま。

それとも、苦労の跡を常子に見せないため、敢えてそう振る舞っているのでしょうか?

この後明らかになる綾の現状を考えると、精一杯昔通りの自分を演じていた、ということなのかもしれません。

夫を戦争で亡くし、実家と共に父まで失い、幼い息子を抱えて母親と身を寄せ合って暮らしている綾。

お金持ちのお嬢様のままだったら、人から施しを受けることなど考えもしなかったはず。

常子たちに見せる笑顔の裏に、相当な苦労があることが窺われます。

努めて暗くならないよう振る舞う綾を、温かく見守る常子たちですが、綾にとってはそれだけで十分ありがたい事なのかもしれません。

綾の零落ぶりに悲しくなる鞠子

「本当にいいのに」遠慮する綾を、常子が近くまで見送ります。

「やはり訪ねてよかったわ」久しぶりに笑った綾は、持ちべきものは学友・・と心強く感じたのでした。

常子も、久々に綾に再会できたことが心底嬉しいようです。

「それに可愛い太一君にも会えて・・・」と、綾に背負われた太一の頭を撫でて笑顔になります。

ですが、「あの頃には・・想像も出来なかったものね・・こんな風になるなんて」暗い表情を見せる綾。

その様子に小さな不安を覚える常子でしたが、綾はすぐに笑顔を作って、何事も無かったかのように振る舞います。

「これ・・本当にありがとうございます」綾はバッグから貰った浴衣を取り出し、常子に頭を下げました。

困ったときはお互い様・・と気に留めない常子に、安心した様子を見せる綾でしたが・・・

「あ・・そうだ。今度お母様に御挨拶に伺わせてくれない?」常子がそう申し出ると、少し慌てたように「いえ・・結構よ」と断ってきました。

「あなたも・・お仕事で忙しいでしょ?私も・・子育てで大変だから」何処かよそよそしい綾。

強引に押しかける訳にもいかず、常子は取り敢えず住所だけ尋ね、「お手紙のやり取りくらいしましょうよ」と、何とか繋がりを保とうとします。

少し考えた綾でしたが、やがて「うん」と小さく頷きました。

綾を見送り家に戻ってきた常子に、「綾さん、元気そうで良かったわね」君子が声を掛けます。

しかし、「私は辛くなっちゃった・・・」食器を片付けながら、鞠子がポツリと呟きました。

「綾さんみたいに、お金持ちで綺麗で頭が良かった人でも、苦労してると思うと何だか・・・」

鞠子は改めて、女は損だと思ったのでした。

戦時中には、産めよ増やせよで結婚を推奨され子供を作ったにも関わらず、夫は戦死し子どもと残される・・そんな女性が大勢いました。

「大学出してもらっても、こうやって仕事にも就けない女もいるし・・・」自嘲気味に語る鞠子。

しかし、こんな時代になるなど誰も想像できなかったこと・・君子が娘を慰めます。

鞠子も言い過ぎたことを反省し、その様子を見守っていた常子も安心したようです。

常子が鞠子を手伝って食器を片付けていると、繕い物をしていた君子が、針に糸を通せず苦労していました。

「かか・・私が」気付いた美子が針と糸を受け取ります。

老眼が酷くなってきたことを嘆く君子を見て、常子の胸には罪悪感が込み上げてきました。

「ずっと、かかを働かせてしまって・・本当はもう、楽させなきゃいけないのに・・いくつになっても苦労かけて」

頭を下げ詫びる常子に、「苦労だなんて思ってないわよ」そう答える君子でしたが、美子や鞠子は複雑な表情を見せます。

そんな時、寝ていると思っていた鉄郎がむっくりと起き上がり、「おい常子!明日・・ちょっと付き合え」唐突に言い付けるのでした。

翌日、鉄郎は常子を闇市に連れ出し、当てもなくぶらぶらと歩き回っています。

「叔父さん・・用って何ですか?」また何か、余計な物を仕入れようとしているのでは・・訝る常子。

「そんなんじゃねえよ・・こいつらの顔見せようと思ってよ」鉄郎はそう言って、行き交う人々を見回します。

鉄郎は、活気に溢れる闇市の人々を見ていると、「胸が高鳴る」のでした。

みんな生きてるって感じがするじゃねえか・・常子も、鉄郎の話を聞き頷きます。

「それにもう一つ、胸が高鳴るものがある・・女だよ」みんな男に言われるままじゃない・・言い返したり、文句言ったり。

そんな様子を見ていると、笑えて力が湧いてくるのでした。

戦時中に男たちは戦地に赴き、残された女だけで守り抜いたということが、自信や強さにつながっている・・・

「時代も変わったんだ・・常子。こんなごちゃごちゃな世の中だから・・女でもやりたいことが出来るようになった」

女にもチャンスが巡って来た今の時代なら、常子にも大金を掴めるかもしれない。

「そしたら・・家族に楽させてやれる」フッと笑って、鉄郎は行ってしまいました。

残された常子は、じっと考え込んでいます。

日頃は何処かずる賢さを漂わせる鉄郎ですが、悩める常子に叔父として前向きに生きることの大切さを説く・・という、意外な一面を見せてくれました。

旨い儲け話を求めて、世の中を渡り歩いて来た風来坊の鉄郎らしく、闇市に行き交う人々の中に、常子の抱える悩みを解決するカギがあると考えているのかもしれません。

”ごちゃごちゃな世の中”だからこそ、女の常子でもやりたいことが出来る・・いくつもの失敗を繰り返す中で、鉄郎が実感したことなのだと思います。

もっとも、鉄郎の事ですから、あくまでも常子を利用して自分が儲けることを目論んでいるのでしょうが・・・

一方で鞠子は、すっかり落ちぶれてしまった綾の姿を見て、かなりショックを受けたようです。

いくら努力しても報われず、世の中の流れに振り回される自分の姿と、重なって見えたのかもしれません。

すっかり自信を失ってしまっている鞠子が、これから立ち直るきっかけは何なのでしょうか?

やがて綾と共に、常子の雑誌作りを手伝うことになる鞠子ですが、綾との再会がカギを握っているのかもしれません。

現在、悲惨な境遇にある綾の事を知り、そんな女性のために常子と共に立ち上がりたい・・そんな風に考えるのではないでしょうか。

大きく揺れる気持ち

「では、今から伺わせて頂きます・・・」谷は電話を切ると、作家の元に出掛ける支度を始めました。

「今日は戻れそうもないから・・あと宜しく頼む」五反田にそう告げ、会社を出ます。

相田も印刷所へと出掛け、会社には常子と五反田の二人が残されました。

久々の出版に向け、順調に準備が進んでいく中、「新世界・・売れるといいですね」常子も期待を寄せます。

「売れれば君の企画も通りやすくなるしね」何の気なしに五反田が答えますが、常子は何だか微妙な反応。

五反田は常子の様子が気に掛かりますが、その時電話が鳴って話が中断されてしまいました。

常子は仕事の帰り道、闇市へと足を向けていました。

―――常子の気持ちは大きく揺れ始めていました。

このまま甲東出版で働くべきか・・それとも・・そんな事を考えながら、ふらふらと闇市を彷徨う常子。

闇市は活気に溢れ、女たちが生き生きと働いています。

女たちが口紅の値段を巡って、活発にやり取りする様子を見ていると、「・・・常子・・常子!」背後から呼びかける声が。

常子が振り返ると、人ごみをかき分け鉄郎が近付いてくるところでした。

仕事終わりに何を?・・そう尋ねる鉄郎に、「もし・・出版社を辞めたら、何をしようか参考に・・・」ぼんやりと答える常子。

ついにお前も・・と喜ぶ鉄郎でしたが、常子はまだ迷いを振り切れてはいません。

あくまで、”もしそうなったら”の話ですが、鉄郎からみれば常子がそう考えただけでも大きな一歩。

「連れ出した甲斐があったな」常子は、嬉しそうに話す鉄郎が小脇に抱えているものに、ふと目を留めました。

「木綿だよ・・そこで安く手に入った」”木綿”と聞いた常子は、綾にあげたい・・と分けて貰おうとします。

いくらなんでも人が良すぎる、友だちだからと言って何でもくれてやる義理はない・・若干呆れ気味の鉄郎。

しかし、常子には学生時代に不正を働いたと濡れ衣を着せされた時、助けてもらった”義理”がありました。

それ以来ずっと、綾に恩返しが出来ていなかったことを気にしていた常子。

「半分だけだぞ・・・」ちょっと渋い顔を見せた鉄郎でしたが、意外に気前よく分けてくれるのでした。

常子は早速、教えて貰った住所を頼りに綾を訪ねることに。

途中で道を尋ねながらどり着いたその家には、”坂梨”という表札の下に、”村野”と書かれた紙が貼り付けてありました。

「何回言ったら分かるんだい!」家の中から赤ん坊の泣き声と共に、突如女性の怒鳴り声が聞こえ、ビクッとなる常子。

恐る恐る家に近付いて行くと、曇ったガラスの向こうに、家主と思われる女性に手をついて詫びる綾の姿がありました。

どうやら子供がおもらしをしたらしく、女性は怒り心頭の様子。

「さっさと洗濯しな!」そう言って平身低頭する綾の頭を目がけ、汚れたおむつを投げつけました。

「今度やったら、出て行ってもらうからね!」女性が浴びせる暴言にじっと耐える綾の隣で、綾の母が必至に謝っています。

綾が外に出ておむつを洗濯しようと、立ち上がり振り返った時・・家の外にじっと立ち尽くす、常子の姿を目にしました。

ハッと息を呑む綾に、ガラス戸の向こう側の常子が黙って頭を下げました。

二人の間に気まずい沈黙が漂い・・・

果たしてこのまま、自分のやりたい雑誌作りに向けて一歩踏み出すのか、それとも甲東出版に留まるべきか、決断の時が迫る常子。

鉄郎には鉄郎なりの考え・哲学があるのかもしれませんが、やはりどことなく怪しい気配も漂い、常子が決心できない背景にはその辺りも影響しているかもしれません。

常子を闇市に連れ出し、鉄郎なりに決断へと導いたつもりなのかもしれませんが、日頃の行いがネックになっているのではないでしょうか?

だとしたら皮肉な話ですが、好むと好まざるとに関わらず、恐らく鉄郎はこの先も常子にくっ付いて、一儲けしようと画策していく気がします。

そして、常子が知ってしまった綾の秘密・・あまりに惨め過ぎる親友の現状を目の当たりにし、言葉を失ってしまいます。

一方の綾も、その心中は恐らく混乱の極みにあるのではないでしょうか?

ガラス戸を挟んで向かい合う二人の間に漂う沈黙が、何とも言えずいたたまれない雰囲気を感じさせます。

常子は何とか綾の苦境を救いたいと考えるはずですが、果たして綾はそれを素直に受け入れることが出来るのでしょうか?

とと姉ちゃん14週80話の感想まとめ

恐らく綾は、こんな落ちぶれた姿は見せたくなかったはずですが、恩返しをしようと木綿を持って訪ねてきた常子に、全て見られてしまうのでした。

美人で頭が良く、かつて不正の疑いを掛けられていた自分を救ってくれた、綾のあまりに悲惨な現状を目の当たりにし、常子は相当なショックを受けたはず。

良かれと思っての行動が、二人の間に溝をつくる様な事にならなければいいのですが・・・

そして常子は、これまで君子に散々苦労を掛けてきたことを改めて考え、もっと稼ぐためにも新しい一歩を踏み出すべきか、大いに悩んでいます。

鉄郎も、いま一つ頼りになるのかならないのかはっきりしない中、何が常子の決心を後押しすることになるのでしょうか?

以上、とと姉ちゃん14週80話のあらすじネタバレと感想でした!

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