とと姉ちゃん 10週58話のネタバレと感想
NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」10週58話のあらすじネタバレと感想です。
まずは10週57話の振り返りを少し。
滝子の計らいで、洋裁店で手伝いをさせてもらうことになった美子は、常子に報告しようとしたのですが、仕事に忙しい常子は話を聞く余裕がありません。
結局、家に持ち帰った資料の整理を徹夜で終えますが、”朝食は家族皆でとること”という家訓を心ならずも破ってしまいます。
とと姉ちゃんだって同じじゃない・・仕事を言い訳に家訓を破った常子を、激しく非難する美子。
そして・・常子の気持ちを考えず勝手な事ばかり言う美子に、ついに君子が手を上げ、一層溝が深まることに。
家族の幸せとは何なのか・・苦悩を深める常子は、さらに武蔵から突然の告白を受け・・・
とと姉ちゃん 10週58話のあらすじネタバレ
プロポーズの答えは・・・
大坂帝国大学の教授から研究室に招かれた武蔵は、思い切って常子に結婚を申し込みました。
「結・・婚」突然のプロポーズにひどく驚いた様子の常子。
「ずっと迷っていました・・思いを伝えるべきかどうか」武蔵の言葉を聞きながら、常子はこぼれる涙を拭っています。
「研究者の道は・・僕の夢でもあり、両親の願いでもあります」この機会を逃したくないという思いと、常子と別れたくないとの思いとの板挟みになる武蔵。
武蔵の率直な言葉を聞き、常子は思わず嬉しくなってしまいました。
「常子さん!・・・僕と大阪に行ってください!ともに植物に囲まれて暮らしましょう」
幸せそうに微笑み、思わず涙があふれる常子は・・「ありがとうございます・・すごく嬉しいです・・・」そう言ってはにかみますが・・・
「しばらく・・お時間いただけませんか・・・」心もち冷静さを取り戻した常子が、武蔵の目を真っ直ぐ見つめます。
「・・・もちろんです」少しだけ、がっかりしたように頷く武蔵。
常子は武蔵の下宿を出ると、先程のプロポーズの事を考えながら、一人家路を歩きます。
その頃、森田屋の二階では・・・
「今朝は・・ごめんなさい」姿勢を正し、手をついて丁寧に詫びる君子。
美子の気持ちも考えず、思わず感情的になって手を上げたことを、君子は反省していました。
驚いた美子でしたが、すぐに自分も君子と同じように頭を下げます。
「私もかかにご心配かけました・・ごめんなさい」お互いに面と向かって謝ると、思わずクスッと笑いが漏れました。
「もう・・よっちゃん、私まで巻き込まないでよね・・・」やや呆れ気味に妹を諭した鞠子は、常子にも謝るよう促しますが・・・
「それは嫌」あくまでも、常子に対しては頑なな姿勢を崩さない美子。
青柳商店で小僧たちのお仕着せを縫う手伝いをしたことが、おやつや無駄遣いのための御駄賃欲しさだと決めつけられたことを、いまだに根に持っているのでした。
「・・・そんなことで怒ってるの?」鞠子も君子も、呆れた様子ですが・・・
「私、とと姉ちゃんが謝らない限り、話もしないから!」どこまでも意固地になっています。
そこへ、疲れた様子の常子が帰ってきました。
君子と鞠子が声を掛けますが・・ぼんやりとして心ここに非ず、といった様子。
「ううん・・」何でもない・・といった表情で首を振ると、脇に置いたバックを手に取りました。
バックの中をごそごそと探り、小さな箱を取り出すと、「はい、鞠ちゃん」と鞠子の前に差し出しました。
鞠子が箱を開くと、中には新しい万年筆が。
「先っぽ割れちゃって使えなくなってたでしょ」鞠子に向かって優しく微笑みます。
あとねえ・・そう言って常子は、もう一つ箱を取り出し「・・・よっちゃん、これ」とちゃぶ台の上に置きました。
無言で編み物を続けていた美子でしたが、驚いて箱を開くとそこには新品の櫛が入っていました。
美子が思わず常子を見つめます。
「常子・・冬物のお洋服買うために貯めたお金・・使ったの?」君子に尋ねられ、特に欲しいものも無いなと思って・・と話をはぐらかす常子。
少しくたびれてしまったので・・と、常子は夕飯を遠慮して、部屋で休むことにしました。
一家の大黒柱である常子を激しく非難する美子に対し、あれほどの剣幕で怒りを露わにした君子でしたが、自分から先に美子に頭を下げるのでした。
対して美子も素直に謝ったのですが、これが君子流の教育ということでしょうか?
理由はどうあれ、先に手を上げた以上は先に謝る・・そうやって筋を通す姿を見せて、美子にも反省を促したのかもしれませんね。
そんな気持ちが通じたのか、君子に対していは素直に謝った美子ですが、常子に対しては依然としてわだかまりを抱いたままです。
君子と鞠子は呆れていましたが、やはり美子にとって”御駄賃”は、単におやつを買ったり無駄遣いをするために欲しい訳ではなかったのではないでしょうか?
あくまで、責任を果たした正当な対価・・そう位置づけていたからこそ、常子が許せないのだと思います。
さて、その常子は・・武蔵からプロポーズを受け、本当に幸せそうな表情を見せていましたが、返事を保留したまま帰ってきました。
単に自分一人の思いだけで、猪突猛進する訳にはいかない・・悩んだ果てに常子は・・・
板挟みに苦しむ常子
「頂きます!」宗吉が声を掛けると、森田屋のお茶の間では常子を除き、皆が一斉に夕飯に手を付けます。
常子が夕飯を食べないなんて珍しい・・具合でも悪いのかと、心配する一同。
「勿体ないから、俺が代わりに」そう言って、常子の夕飯に手を伸ばそうとする長谷川ですが・・・
よしな・・こら!・・長谷川・・照代がバシッと手を押さえ、森田屋の面々が一斉に白い目を向けます。
「・・・冗談ですよ・・・あっしがそんな事する人間だと・・思います?」慌てて取り繕う長谷川に対し、「思う」間髪入れず即答する富江。
賑やかな森田屋の面々をよそに、鞠子と美子はずっと押し黙ったままでした。
その頃、常子は竹蔵の写真をじっと見つめ、考え込んでいました。
「常子に・・ととの代わりになってほしいんだ」かつて竹蔵に託された言葉が、常子の脳裏をよぎります。
そして、昼間の武蔵からのプロポーズ・・大阪に行くことを選べば、とととの約束を違えることになる。
悩みを深める常子は・・・
「おーい!常子ー!」翌朝、朝食の時間になっても、常子が二階から下りてきません。
昨日も晩御飯食べてないし・・心配する一同に謝り、君子が様子を見るため二階に上がっていきました。
「常子、いい加減起きなさい!」君子に声を掛けられ、気怠そうに布団から身体を起こす常子。
心配した君子が額に手を当ててみると、常子は酷い熱を出しています。
平気です・・そう言って無理に起きようとする常子ですが、「そんな体で出かけたところで、かえってご迷惑になります」と、君子が押し止めます。
しっかり休養を取ることも、家長にとってはお仕事よ・・さすがに常子も、君子の説得を受け入れました。
会社のタイプ室では、道子の突然の退職に加え、常子が体調不良で休みを取り、皆が仕事に追われています。
「・・・やはりお休みですか?」タイプ室に戻った早乙女に、かをるが尋ねました。
あの元気の塊のような方が・・一体何があったのか、と心配するかをると早乙女。
その頃、美子は滝子に紹介された洋裁店に来ていました。
籠の中に積まれた、色とりどりの毛糸の束の中から二綛を手に取ると、視線を宙に泳がせ何か考え事をしているようです。
「なんだい?編み物でも始めるのかい?」主人に声を掛けられ、ええ・・まあ・・と曖昧な返事を返す美子。
「時間あんなら・・ちょっと仕事手伝ってもらおうかな」暇を持て余しているように見える美子を、主人が気遣ってくれます。
美子は嬉しそうに頷くと、毛糸を籠に戻し主人の元に駆け寄ります。
会社を休んだ常子は、君子の看病を受け部屋で横になっていました。
「星野さん・・・」熱に浮かされ、うわ言を口にする常子を心配そうに君子が見つめています。
夢の中では・・・武蔵が赤ん坊を抱え、庭で花を眺めています。
笑顔で駆けより、武蔵と二人で赤ん坊をあやす常子。
そこへ、「邪魔するよ!」野太い声を響かせ、借金取りたちが現れました。
「星野さん・・いい加減金返してもらえませんかねえ・・・」着流しの男が凄んできます。
そもそもあんたの妹の学費のために・・借金取りたちの非難の矛先は、今度は常子に向かってきました。
「あんたは結婚なんかしちゃいけなかった・・・」夢の中で、繰り返される常子への非難。
うなされる娘を見つめる君子は・・・
常子がプロポーズへの返事をためらった理由、それは”とと姉ちゃん”としての責任感との板挟みになったからに他なりません。
武蔵について大阪に行けば、今の仕事を失うことになり、小橋家は収入の柱を失ってしまいます。
大坂で仕事を探して、深川に仕送りする・・というものあまり現実的な考えではありません。
タイピストの仕事よりも条件のいい仕事は、そう簡単には見つからないはず・・これまで通り妹たちの学費を稼ぐためには、武蔵のプロポーズは断らざるを得ない。
武蔵を取るか、それとも父との約束を取るか・・悩んだ末に体調を崩してしまう常子。
何も事情を知らない美子ですが、喧嘩したまま口を利こうともしない自分に、新しい櫛を買ってきてくれた常子の微妙な心情の変化を、何か感じ取っているのかもしれません。
これが二人の溝を埋める、いいきっかけになればいいのですが・・・
悪夢にうなされる常子は、果たしてどんな答えを出すのでしょうか?
お見舞いに来た早乙女
翌朝、森田屋のお茶の間で皆が朝食を取り始めたところへ、ようやく常子が起きてきました。
もういいの?・・皆の心配をよそに、平気そうに振る舞う常子ですが・・「あと1日休みなさい」君子が諭します。
無理しない方がいいけどねえ・・寝てろ寝てろ・・食べられる?・・森田屋の面々が声を掛けてきます。
皆が常子を気遣う中、「ごちそうさまでした。行って来ます・・・」と、さっさと席を立つ美子。
ちょっと拍子抜けしたように、常子が見送ります。
美子が学校へ行った後・・「ごめんください」森田屋に早乙女が訪ねてきました。
やがて女学校の授業が終わり、女生徒たちが帰っていく中、美子は教室に残り何かの編み物に集中しています。
「すみません。わざわざ」お見舞いに来てくれた早乙女に、恐縮する常子。
「此処でお暮しになっているのね」部屋の様子を見まわしていた早乙女は、常子が目標を書いた短冊を見つけました。
「”家族を守る”、”鞠子 美子を嫁に出す”・・順番としては、あたなが先ではなくて?」疑問を抱く早乙女。
父親になったつもりで立てた目標なので・・常子が照れくさそうに答えます。
自分の事より妹たちのことを優先する常子を見て、早乙女は自分とは違う芯の強さを感じ取ったようです。
躾けの厳しい両親に育てられた早乙女は、物心ついた時から身の回りのことは何でも一人でやってきました。
そんな早乙女は、女学校を出た後も親には頼りたくないと、我武者羅に自分の力だけで生きてた・・そう自負しているのでした。
「だから早乙女さんは、お強いんですね」感心したように呟く常子。
照れくさそうに笑い、「女が自分の力だけで生きて行けるほど、甘い世の中ではありませんもの・・・」早乙女が自嘲気味に話す姿に、常子もつい考えてしまいます。
「妹さんたちを嫁に出す・・立派だわ」早乙女が感慨深げに呟くと、常子は切なそうに短冊を見つめるのでした。
ようやく常子と早乙女が分かり合えた・・そんな風に感じさせる、印象深いシーンでしたね。
これまで中々プライベートの姿が見えず、ガードの固かった早乙女ですが、2年半あまりにわたって時に衝突しながら、常子と同じ職場で苦楽を共にし、やっと心を許してくれたようです。
厳格な家庭で育てられたという一人娘の早乙女から見て、何もかも自分とは違う常子の”強さの秘密”を知り、目の前が突然開けた思いがしたのかもしれません。
常子と共に山岸から屈辱的な暴言を浴びせられ、女が自分の力だけで生きていくことの限界を思い知らされた早乙女にとって、常子の見せる強さはずっと謎だったのではないでしょうか?
ひょっとしたら、常子の元を訪ねる機会をずっと待っていたのかもしれません。
お見舞いを受け入れた常子にとっても、早乙女の持つ背景を理解するうえで、意味があったのだと思います。
とと姉ちゃん10週58話の感想まとめ
武蔵からプロポーズを受けた常子でしたが、すぐに返事が出来なかったのは家族を心配しての事でした。
小橋家の大黒柱の自分が大阪に行ってしまっては、鞠子と美子の学費を払えなくなってしまう・・・
”武蔵のプロポーズ”と”竹蔵の遺言”の板挟みになり、体調まで崩してしまった常子は、どうなってしまうのでしょうか?
そして、意固地になっている美子は、姉の思いに気付くことが出来るのでしょうか?
武蔵の大坂行まで残された時間はあとわずか・・果たして常子の決断は・・そして美子との溝は埋まるのか・・・
以上、とと姉ちゃん10週58話のあらすじネタバレと感想でした!