とと姉ちゃん 12週68話のネタバレと感想

とと姉ちゃん 68話 ネタバレ

NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」12週68話のあらすじネタバレと感想です。

まずは12週67話の振り返りを少し。

甲東出版に採用が決まり、常子はみんなの前で喜びを爆発させ、そして家族もそんな常子の姿を見てようやく安心できました。

しかし、青柳商店では滝子が病床に臥し、経営が悪化したことから清はさらに人手を減らし、営業規模を大幅に縮小するなど苦しい状況になっていました。

そんな中で常子は、女性の自分にも雑誌の企画を考えさせてもらえると知り、出版社の仕事に益々意欲を出します。

ですが、世の中は戦争の影響で暗い雰囲気が覆い、鬱屈した感情が支配的になってきています。

そんな時、結婚して名古屋に居る親友の綾から、常子の元に懐かしい便りが届くのでした。

⇒12週67話のあらすじを詳しく読む方はこちら

⇒12週のネタバレをまとめて読む人はこちら

とと姉ちゃん 12週68話のあらすじネタバレ

重苦しさを増す世の中

―――長期化する戦争に、深川全体が重苦しい空気に包まれていました

滝子の看病にあたる君子は、不安そうな表情で滝子を見つめています。

朝、普段通り会社に出勤する常子ですが、近所では廃業した店ばかりが目立ち、深川にかつてのような活気は見られません。

その日の晩、青柳家の食卓も世の中の重苦しい空気を反映してか、会話に乏しく寂しい有様です。

「ごちそうさん・・・」滝子も病状がすぐれないのか、食が進みません。

箸つけちまって悪いけど・・余ったおかずを皆に進める滝子を、君子たちが心配そうに見つめます。

「私・・大学を卒業したら、工場で働くことにします」箸を置き、おもむろに話始める鞠子。

夢だった小説家への道を諦めるのか・・常子は、突然の事に驚きを隠せません。

このご時世にそんな事言ってられない・・あくまで現実的な鞠子ですが、工場で働きながらでも文章は書けるからと、皆に心配かけまいとします。

「色々考えて決めたことだから・・・」娘の言葉に、君子は静かに頷きますが、美子はやるせなさそうに俯いてしまいました。

すると、鞠子の話を黙って聞いていた清が、静かに箸を置いて滝子に告げました。

「お母さん・・私は、誘われている会社に入ろうと思います」店の現状を考えるとそれが一番懸命・・滝子の反応を探るように語りかける清。

お前が決めたのなら・・滝子はそう言って、素直に頷きます。

”日本木材統制株式会社”、戦争のために国が木材を管理するために作ろうとしている会社。

もうじき出来るその会社で働けば、毎月決まった給料が手に入り、生活も安定する・・「店の方は隈井さんに任して・・・」自分は外で金を稼ぐことに専念する、と言う清。

「はあ・・早く勝たないかなあ・・・」美子が大きなため息をつきました。

日本が勝てば戦争も終わり、鞠子も工場で働かなくて済む、清も会社に入らなくて良くなる・・・

「食べ物だって自由に手に入るようになるだろうし・・・」今日も、配給の品切れで子供たちが泣いている光景を目にした美子は、息苦しい雰囲気にうんざりしていました。

暗い話ばかりで益々皆の気持ちが沈んだところに、「あの・・・」隈井が声を上げました。

「お前まで暗い話かい?」若干心配そうに滝子が訪ねます。

「いえ・・むしろあっしは逆でしてね・・皆さんに明るい話をご提供しようかと・・・」

唐突に話を切り出した隈井を、君子も常子も不思議そうに見つめています。

翌日、近所中の子供たちが青柳商店に集まってきました。

”青柳教育玩具”、そう書かれた幟が立っています。

子供たちが群がっているのは、木の切れ端で作られた飛行機や車、汽車などのおもちゃ。

子供たちにおもちゃを配る隈井と美子は、いつになく張り切っているように見えます。

「本当に・・良く出来てますね」おもちゃの飛行機を弄りながら、ポツリと呟く常子。

「手先が器用なのは知ってたけど・・まさか切れ端でこんなものを作っていたとはねえ・・・」

隈井が以前から少しずつ作っていたことを知り、滝子も感心することしきり。

この界隈の重苦しい雰囲気を吹き飛ばしたい・・そんな隈井の望み通り、子供たちは大喜びです。

「こんなに明るい気持ちになったのは久しぶりです」隈井の隣に腰掛け、常子が話しかけました。

改めて感謝する常子に、「・・・あっしは泣き虫ですけどね、人の事は笑わすのが好きなんですよ」照れくさそうに話す隈井。

美子は近所の子供たちに交じって、というより先頭に立って、楽しそうに遊んでいます。

「・・・そうか」おもちゃの飛行機を片手に走り回る美子を見ているうちに、常子にはある考えが浮かんできました。

戦争の影響が、常子のすぐそばにまで迫ってくる展開に、重苦しい空気が漂います。

鞠子は小説家の夢を事実上諦めかけ、青柳商店の経営も厳しく、滝子の病気も戦時体制の苦労が遠因かもしれません。

そんな暗い雰囲気に一番心を痛めているのは、年齢以上に幼さの残る美子なのではないでしょうか?

隈井が提案した”明るい話”ですが、美子を元気づけるためのものだったのかもしれません。

思い返せば、滝子と君子の関係がまだ微妙だった頃、こっそり青柳商店に遊びに来ていた美子の相手をしていたのは隈井でした。

隈井にとって美子は、三姉妹の中でも一番思い入れが強い存在なのではないでしょうか?

近所の子供たちに交じって、誰より楽しそうにはしゃぎ回っていた美子。

隈井が本当に笑わせたかったのは、美子だったのだと思います。

ともあれ、そんな隈井の行動が、常子にとっても大きなヒントを与えることに。

気持ちを切り換えてみて、目の前に自分が大切にしてきた、何気ない日常の風景があることに気が付いたのかもしれません。

常子の企画

次の日、常子は甲東出版の編集会議で、思い切って自分の企画を提案しました。

「読者を笑わせる?」驚いたように聞き返す五反田。

読者の役に立つ雑誌とは何か・・常子は考えた末に、重苦しくなりがちな銃後の暮らしを、少しでも明るくすることが一番役に立つ、という結論に至ったのでした。

「こんなご時世だからこそ、読者の皆さんに少しでも笑ってもらえるような読み物を載せたいんです!」

熱弁をふるった常子でしたが、編集長の谷を始め五反田も、相田良輔、富樫隆彦の二人の編集者も・・何故か微妙な反応。

「ダメ・・でしたか?」その場の空気を察し、常子は恐る恐る谷の方に視線を向けました。

「小橋君・・それは・・君が来る前に・・私が提案した企画と同じだ」ばつの悪そうな顔で、説明する谷。

谷もユーモアのある話を載せて、読者に笑ってもらおうと考えていました。

しかし、時世を考えて”笑い”はまずい・・そう考えた三人に反対され、企画はボツになってしまったようです。

が、「まあ・・小橋君の提案として、もう一度決を採ろう」自分の企画への未練もあるのか、谷が言い出しました。

笑いのある読み物が良いと思うもの・・挙手を!言うと同時に真っ先に手を挙げる谷。

続いて常子も勢いよく手を挙げますが・・他の三人は難しい顔で考え込んだままです。

その様子に、諦めて手をおろす二人でしたが・・ずっと考え込んでいた五反田が、すっくと立ち上がり手を挙げました。

「僕も賛成」唐突な行動に出た五反田を、キョトンとして見上げる常子。

美しい女性の悲しむ顔は見たくないので・・五反田はキザな言い回しで、賛成に転じた理由を説明しますが、笑える雑誌が読みたい、という思いはずっとあったのでした。

「そんなこと言ったら・・俺も」相田が賛成に回ると、「じゃあ・・俺も」富樫も続きます。

意外な展開に興奮する常子、「じゃあ・・満場一致と言うことで」谷の宣言を聞き、一同から笑いが溢れました。

何でおれの時に挙げなかったんだよ・・若干むくれている谷を見て、さらに可笑しそうに笑う常子でした。

―――こうして常子の企画は、採用と相成りました

昭和十六年十月・・原稿を待ちわびる常子は、気になって玄関の外でそわそわしています。

「相田さん!どうでした?」ようやく帰ってきた相田に、急いで駆け寄る常子。

「やっと田中先生から原稿貰えたよ!」嬉しそうな相田は、原稿を持つ手にも思わず力が入ります。

原稿を受け取った谷も満足げに頷き、「・・・今回のユーモア特集は成功したも同然だ!」確信を持って断言しました。

「こういう面白い読み物を書かせたら、田中先生の右に出る者はいないですからね」

五反田も富樫も、読者からの反響に期待を寄せます。

―――常子たちは、戦時と言う暗い時代の中でも、何とか前向きに歩いていました

そして大学を卒業した鞠子は、工場で事務の仕事に就き、清も木材統制株式会社で働き始めていました。

自信を持って提案した企画は、実は既に編集長の谷によって提案されたことがあったのでした。

常子の提案を聞いた他の四人が微妙な表情を見せていましたが、物は考えようで甲東出版の社風、或いは谷の考え方が常子に合っている、とも言えます。

五反田たちも本心ではやってみたいと思っていたようで、常子にとっては頼もしい限りですね。

思えば以前の会社では、周り人間全てが敵・・というような状況からのスタートですから、雲泥の差です。

これまでのタイピストとしてのキャリアを捨てて、一から出直しとなった常子ですが、働き甲斐のある会社に巡り合えたのですから、今はやる気に満ち溢れているのではないでしょうか?

ともかく、時世に鑑みて一旦は見送られたユーモア特集は、常子の入社によって日の目を見ることに。

しかし、今回のこの場面では検閲の”け”の字も出てきませんでしたが、ユーモア特集はいかにも当局から睨まれそうなテーマ。

今後の展開次第では、相当まずい状況も考えられますが・・・

花山伊佐次との出会い

「お母様・・お食事どちらで召し上がりますか?」部屋の外から声を掛ける君子。

しかし、返事がありません。

不審に思った君子が中を覗いてみると、そこに滝子の姿はありませんでした。

困惑する君子が滝子を見つけた時、昔馴染みの客と話し込んでいるところでした。

「ようやく出来た初孫なんだよ・・」嬉しそうに話す客に、お孫さんの為にも良い家を・・活き活きと応対する滝子。

厳しいご時世だけに、良質な木材が手に入るか心配する客に、返事を躊躇する滝子ですが・・・

「君子さん!」滝子の様子を窺う君子に、隈井が話しかけてきました。

昔馴染みのお客さんなもんでね・・張り切って自分で応対する滝子を、温かい目で見守ります。

「分かりました!お任せください」うちは青柳商店ですよ・・そう言って仕事を引き受けた滝子。

こんな情けない木じゃなくて、ちゃんと良い物を用意してみせます・・恭しく頭を下げる滝子を見て、君子も安心するのでした。

「あんな元気そうなお祖母様のお顔を見るは久しぶり」君子は帰ってきた娘たちに、昼間の出来事を話して聞かせます。

鞠子は体調を気遣いますが、むしろその方が張り合いがあって良いのかも・・常子は、滝子が仕事を再開したことを喜んでいる様子。

「・・・これからきっと、どんどん具合が良くなるに決まってるわよ」美子も同じ考えです。

翌日、常子はユーモア特集の挿絵について、五反田から指示を受けました。

「内務省!?」思ってもみなかった言葉が飛び出し、驚く常子。

内務省の宣伝担当部署に出入りしている、花山という男に田中先生の作品のカット(挿絵)を貰ってきてくれ・・・

どうやら五反田の学生時代の先輩らしいのですが、常子はいまいち釈然としないものを感じているようです。

ただ、ちょっと気難しい男でね・・内務省へ向かう道すがら、常子は五反田の言った言葉を思い出していました。

「気をつけてくれ」ボソッと呟く五反田。

どうやって?常子が訪ねますが・・「うん・・まあ・・その日によってお気に召さない箇所が変わるから・・・」

僕にも分らん・・五反田は笑顔で誤魔化しました。

そして、内務省にやって来た常子は、扉の前で立ち止まって呼吸を整えると、花山のいる部屋へと足を踏み入れます。

「あの・・すいません。花山さんはいらっしゃいますか?」静まり返った部屋の中で、扉の近くに居た男に尋ねました。

花山さんならあちらに・・と、すぐに教えてくれましたが・・・

「・・・今は話しかけん方がいいぞ」声を潜めて、いかにも言い難そうな態度。

常子が教えられた方に目を向けると、真剣な表情で机の上に並べた標語を睨みつける男が。

その中の一枚を手に取ると、「使って育てる代用品!」声に出して読み上げますが・・納得がいかなかったのか元に戻します。

尚も難しい顔で吟味を続ける男。

「臨戦態勢確立!」別な標語を読み上げますが・・やはりしっくりこないようです。

―――これが、後に常子と一緒に雑誌を作り、戦後の復興に挑んでゆくことになる、常子の人生最大のパートナー・花山伊佐次との出会いでした

常子は恐る恐る花山に近づいていきます。

「進め一億火の玉だ!」今度の標語には何かを感じたのか、背後の掲示板にピンで留めました。

「あの・・花山さ・・・」常子が話しかけようとしますが、「帰れ邪魔するな」背中を向けたまま言い捨てる花山。

「いや・・あの・・私・・・」事情を説明しようとしますが、「帰れ邪魔するな」取り付く島もありません。

「・・・ですから」尚も諦めない常子ですが・・・

「帰れ邪魔するな」突然くるっと振り返ると、「三度も言わせるな!!!」花山の怒声が部屋中に響き渡りました。

昔馴染みの客に頼られ、病気に負けていられない・・とばかりに、張り切って仕事に取り組む滝子。

確かに、ずっと部屋で寝ているよりも、身体を動かしている方が張り合いがあると思いますが、鞠子の心配が何だか気に掛かります。

楽観的過ぎる美子の考えよりも、こういう場合悪い予感の方が当たるんじゃないか・・という気がしないでもありません。

もっとも、常子としてはそんな想像はしたくないでしょうが・・・

それはさて置き、常子が提案したユーモア特集は着々と準備が進んでいきます。

そして常子に与えられた仕事は、内務省に出向いて作品の挿絵を貰ってくること。

”良い挿絵はその作品の世界観を表し、読者をひきつけることが出来る”と、編集長の谷が重視する挿絵。

その挿絵を担当する花山は、後に常子の人生最大のパートナーとなる訳ですが、五反田からはかなり警戒されている様子。

そして、内務省に花山を訪ねた常子は、強烈な洗礼を浴びることになった訳ですが、常子がこのまま引き下がるはずがありません。

一体どうやって花山と渡り合うのか・・今後の二人の関係を左右する、重要な対決になるのかもしれませんね。

とと姉ちゃん12週68話の感想まとめ

重苦しい時代の空気への反発もあってか、常子はユーモア特集を企画、そしてようやく採用されることになったのでした。

そしてこの企画が、後に女性のための実用雑誌を共に作り上げていくことになる、花山伊佐次との出会いももたらします。

この花山伊佐次のモデルとなった花森安治は、おかっぱ頭にスカートをはくという型破りな行動力?の持ち主だったようで、他にも数々の奇行や逸話が。

はたして花山伊佐次を演じる唐沢寿明さんは、どんな強烈な演技でドラマを盛り上げてくれるのか、今から楽しみですね。

第68話のラストシーンで既にその片鱗を覗かせていましたが、さしもの常子もかなり苦戦することになるのではないでしょうか?

以上、とと姉ちゃん12週68話のあらすじネタバレと感想でした!

⇒12週69話のあらすじネタバレはこちら

⇒12週のネタバレをまとめて読む人はこちら

⇒とと姉ちゃん各話のあらすじネタバレ&感想の一覧

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ