とと姉ちゃん 12週69話のネタバレと感想

とと姉ちゃん 69話 ネタバレ

NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」12週69話のあらすじネタバレと感想です。

まずは12週68話の振り返りを少し。

長期化する戦争の影響で深川全体が暗く沈む中、隈井は木の切れ端でおもちゃを手作りし、近所の子供たちを集めて配ることに。

「あっしは泣き虫ですけどね、人の事は笑わすのが好きなんですよ」照れ臭そうな隈井から話を聞き、美子が子供たちと一緒にはしゃぎ回る姿を見て、常子はあることを思いつきました。

重苦しくなりがちな銃後の暮らしを、少しでも明るくするためのユーモア特集。

雑誌の企画として提案した常子の熱意が実り、動き出したユーモア特集ですが、作品の挿絵をある人物に描いて貰わなくてはなりません。

内務省まで出向き、その男・花山伊佐次を訪ねるよう、五反田から支持を受けた常子でしたが・・・

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とと姉ちゃん 12週69話のあらすじネタバレ

どんな手を使ってでも・・・

新しい標語を選ぶのに忙しい花山は、常子が話しかけても無視を決め込んでいます。

「帰れ邪魔するな・・・三度も言わせるな!!!」突如激昂する花山。

「い・・いくらなんでも、その仰り様は失礼ではありませんか・・私はれっきとした・・・」

怯みつつも慌てて抗弁する常子でしたが、「出来てない!帰れ邪魔するな」花山は聞く耳を持ちません。

どうやら、常子が甲東出版の社員であることは承知の様子。

そろそろカットの締め切りだ、時期を考えれば分かる・・「カットは出来てない!」これで言うのは二回目だ・・・

「よって帰れ邪魔するな!」これを言うのは五回目・・「六回目を言わせたら・・憲兵を呼ぶぞ!!!」ついに花山は立ち上がり、常子を怒鳴りつけるのでした。

あまりの剣幕に帰ろうとする常子ですが・・「本当に帰る奴があるか」背後から聞こえてきた花山の声に、思わず苛立ちます。

帰れと仰ったのは・・抗議しようとしますが、「そこが君の腕の見せ所だ」帰れと言われても、説得するのが有能な編集者・・と自説を論じる花山。

「如何なる手を使ってでも、原稿や挿絵をかいて貰うよう仕向けねばならん」花山は、編集という仕事について、熱っぽく語っています。

「では、帰らなければ描いて頂けるんですか?」イラつきながら尋ねる常子でしたが、「いや、描かないよ・・・」サラッと断られてしまいました。

常子に編集者としての才能を見たなら描く気はあった・・と言いつつ、「・・・まだまだ未熟なようだ」描く気がしなくなったとせせら笑う始末。

「面倒くさい方・・・」ボソッと呟いた常子の一言に、花山がカチンときたようです。

言い訳を繰り返す花山に、最初から描く気が無かったのでは・・と疑う常子。

「失敬な事を言うな!このスケッチブックはそのための物だ!こうして用意だって・・・」

描く気はあったと言い張る花山に、でしたら・・と迫る常子ですが、”気分”というものが大切なんだ・・さらに面倒なことを言い始める花山。

「描きたくなった時に描く、閃いた時に描く、だから良いものが生まれる・・・」

常子は花山が描く気になるまでここで待つ、と宣言しますが・・「今日は気分を害した」カットは描かない!花山はすっかりへそを曲げてしまいました。

「さ、分かっただろう。帰りたまえ・・これは”本当の意味”でだ」花山はそう言うと、常子に向かってニッと笑って見せます。

一つ大きく息を吸い、「失礼します」と頭を下げて一旦引き下がろうとする常子ですが・・・

「では・・私と、賭けをしませんか?」ふと立ち止まり、くるっと振り返った常子が提案しました。

「もしこの勝負に私が勝ったなら・・カットを書いていただけませんか?」

花山は唐突な申し出に戸惑いつつ、常子の事を甘く見ているのか、あっさりと勝負を引き受けます。

「それで?何を賭けると言うんだ?」勝負の内容を尋ねる花山に、常子は思ってもみなかったことを言い出しました。

「一時間以内に花山さんがそのスケッチブックにカットを描くか、描かないかです!」

面食らっている花山をよそに、常子はさっさと”描かない”方に賭けてしまいました。

「花山さんはどちらにお賭けになっても構いませんよ」勝ち誇る常子を、品定めするようにじっと見つめる花山。

このまま花山が描かなければ常子の勝ちとなり、花山は描くしかありません。

描いたら描いたで挿絵は出来上がる・・どっちにしても描かなければならないことに。

「こりゃ一本取られましたね、花山さん!」声を掛けてきた同僚をちょっと睨むと、花山は椅子に座って考え込んでしまいました。

「先程仰いましたよね・・”編集者はどんな手を使っても、描いて貰うように仕向けなければならない”」

じっと常子を見上げていた花山でしたが、不意に机の上を片付けると、絵筆を手に取り挿絵を描きはじめました。

常子が真剣な表情で見つめるなか、黙々と描き続ける花山。

やがて・・完成した挿絵を、「持って行け・・・」常子に向かってぶっきら棒に差し出しました。

挿絵に描かれていたのは一軒の小さな家。

「素敵な家ですね・・・」常子がしみじみと呟きます。

小説は平凡な一軒家に住む心優しい男の話・・「そんな家に住んでると思ってね」照れ臭そうにニッと笑う花山。

「小説の世界がそのまま絵になったようです。可愛らしくて・・でも、可笑しみも・・・」

「感想など良いから・・さっさと持ってけー!!」常子に褒められたのがこそばゆいのか、花山は殊更大きな声を上げました。

受け取った挿絵のお礼を言って、足取りも軽く帰ろうとする常子でしたが・・・

「あ・・え?」何かに躓いた・・と思った常子が足元を見ると、靴のヒールがもげてしまっています。

一体どうするつもりかと花山が眺めていると、常子はなんと靴を脱いで裸足で駆けて行きました。

常子を見送った花山は、思わずプッと吹き出しそうになるのを、すんでのところで押し殺すのでした。

かなり自己中心的で理屈っぽく、面倒くさい性格・・そんな花山伊佐次との初対面となった常子ですが、まずは屁理屈で一本。

何だか一休さんみたいな展開になってしまいましたが、良く咄嗟に思いついたものですね。

しかし、こういう知恵を働かせるのは、あまり常子らしくないという気がしないでもありません。

”編集者はどんな手を使っても、描いて貰うように仕向けなければならない”と、花山の言葉を引き合いに得意顔の常子でしたが・・・

いっその事、描いて貰うまでテコでも動かない!と座り込んだ方が、常子らしかった気もします。

そして、まんまと一本取られた花山ですが、無言のまま常子をじっと見つめ、何を考えていたのでしょうか?

小賢しい奴だと思ったのか、それともなかなか考えたな・・と思ったのか、いずれにせよ負けを認めカットを描くことに。

それまで、感情を剥き出しに怒鳴り散らしていたのが嘘のように、憑き物が落ちたようにスッキリとした表情でカットを描く花山の姿からは、潔さを感じます。

かなり面倒くさい性格には違いありませんが、気持ちが通じれば一緒に仕事をやっていける・・そんなシーンだったように思えます。

そして、完成したカットを常子に差し出し、照れ臭そうにニッと笑う花山は、なんだかとても子供っぽい印象も与えますね。

ある種の才能に恵まれた人間というのは、心のどこかに子供っぽさも併せ持っている・・そういうものなのかもしれません。

滝子との約束

花山に描いてもらった挿絵を大事そうに抱え、ヒールの取れた靴を持って、裸足で街を駆け抜ける常子。

すれ違う人々も、何事かと思わず振り返ります。

「さすが小橋君!」会社に戻った常子から、挿絵を受け取った谷が感嘆の声を漏らしました。

花山伊佐次からカットを貰ってくるとは・・大袈裟な言い方にキョトンとする常子。

「皆あの人のところに貰いに行くの嫌がるんだよ・・特に・・五反田さん・・・」

男のくせにお喋りな相田を、五反田が咎めますが・・・

「・・・もしかして、ご自分で行くのが嫌だから私に?」常子が、ちょっと意地悪そうな顔で追及します。

五反田は、学生時代の先輩である花山から、何かと怒られることが多く苦手な様子。

そんな五反田を筆頭に皆が苦手としている花山ですが、その才能は折り紙つき。

「・・・内務省でも色んな標語に関わっているしな!」谷が太鼓判を押します。

街で見かける戦意高揚のポスターも、花山がかなり割り付けに関わっている・・と言う相田。

「言葉と絵の才能を見込まれて、病気で満州の舞台を除隊してから、内務省に雇われたんだ・・・」

五反田の話を聞き、常子は改めてすごい人物だと見直します。

「・・・確かに挿絵も素敵ですし・・でも、ご本人は苦手です」常子の正直な感想に、皆失笑を漏らすのでした。

常子が会社から戻って来た時、青柳商店では滝子が昔馴染みの客に、用意した木材を見てもらっているところでした。

「・・・女将さん、本当に平気かい?あんだけの予算しか無いのに」申し訳ないと思いつつ、目の前の良質な木材を満足そうに撫でまわす馴染み客。

「家は・・人が暮らす、大事な場所ですよ」手を抜く訳にいかない・・当たり前のように語る滝子。

それに青柳は儲けよりも信用第一、大事なお客様に恥ずかしい木を売る訳には参りません・・滝子の言葉に客も安心します。

「このご時世にこんだけの物集められるなんて・・驚きましたよ」客からの感謝に、滝子も満面の笑顔で応えるのでした。

その日の夜、滝子は食卓を囲む常子たちにも、すっかり元気が戻った様子を見せ安心させました。

仕事をしている方が調子が良い気がする・・滝子は食も進みます。

「良かったあ・・お祖母ちゃまがお元気で」毎日辛そうに臥せっていた滝子を、ずっと心配していた美子。

もう平気さ・・おどけて見せる滝子に、美子は来年のお祭りに一緒に行ってくれるよう、せがむのでした。

今年は行けなかった夏祭りに、来年こそは・・という美子に、「じゃあ・・来年はみんなで行こうじゃないか」そう言って滝子が約束します。

「私、その時までにお祖母ちゃまの浴衣を仕立てます」美子は、裁縫の腕前の上達ぶりを、披露したくて仕方ないようです。

滝子も、そして美子も、来年の夏が待ち遠しくて仕方ないのでした。

「私もよっちゃんに浴衣作ってほしいなあ・・・」常子に続いて鞠子も、美子に催促してみますが・・・

え~どうしようかな・・渋って見せる美子に、「じゃあ、私の分もお願いね!」君子まで催促する始末。

無茶な注文に美子が困り果てるのを見て、みんなで笑い転げるのでした。

その時・・・

五反田からカットを貰ってくるよう指示された常子は、おそらく軽いお使い程度の認識で、内務省まで出かけて行ったのではないでしょうか。

しかし、花山が思いも寄らない手ごわい相手だったことに、谷や五反田たちの反応を見て改めて気付かされた訳です。

谷からもすっかり信頼を得られたようで、五反田たちとも完全に打ち解け、これで常子が存分に力を発揮できる状況が整った・・と言えます。

そして、そんな常子が家に戻って見たのは、昔馴染みの客のために張り切って働く滝子の姿でした。

それまで病床に臥せっていた、弱々しい印象から一変した滝子の姿に、常子も大いに安堵したのではないでしょうか?

しかし気になるのは、来年の夏祭りに一緒に行こう・・という美子との約束。

仕事をしている方が調子が良い気がする・・そんな滝子にすっかり安心し、浴衣を仕立てる約束までしましたが、このまま無事に話が進むのでしょうか?

実はここが伏線になっていて、後に物語が暗転するという、ありがちな展開にはなって欲しくありませんが・・・

「大変です!大変です!」冗談かと思いきや・・・

「大変です!大変です!・・大変です!!」突然、お茶の間に駆け込んできた清。

滝子も隈井も、清のただ事ではない様子に、緊張が走ります。

「清・・・」切羽詰まった様子の清に、滝子が声を掛けますが・・・

上手くいった!!と、清が突然笑い出しました。

今はやりの銭形平次のワンシーン、私もやってみようと思って・・皆を驚かすための芝居と聞き、呆れる常子たち。

「ごちそうさん・・・」一人で笑い転げる清をおいて、滝子はさっさと食事を終えようとします。

ところが・・「ちょ・・ちょっと待ってください!」実は本当に重大な知らせがあったのです。

静まり返り、清を見つめる一同。

「統制会社にいるおかげで、久しぶりに大きな仕事にありつけそうなんですよ」呆気にとられ、清を見上げる常子。

巣鴨に縫製工場が建てられることになり、その工員宿舎を建設するための木材を青柳商店に、との話が出ているというのです。

それが事実ならば相当な利益になる・・滝子も隈井も、一様に色めき立ちます。

しかも、縫製工場は幾つか出来る予定とのこと、上手くすればさらに仕事が舞い込むかも・・・

興奮気味に語る清に、鞠子や美子も沸き立ちます。

一方で、滝子に相談もなく重要な話を進めてしまったことに、清としては申し訳ないとの思いも。

「・・・ですが、今のうちにとってこれ以上いい話はありません」清は、滝子が断るかもしれない・・と危惧している様子。

そんな清の心配を一笑に付す滝子。

「お前の言う通りだよ!うちにとってこんないい話はないよ!」賛同を求めるように、皆を見回します。

これで昔の青柳に戻る・・清もようやく安堵しました。

「小僧がいて、女中がいて、毎日人が出たり入ったり・・・」活気のあったあの頃を思い返し、笑みがこぼれます。

「あっしも・・模型なんぞ作ってる場合じゃござんせんな」隈井も、久々にやる気が奮い立ったようです。

長い間青柳商店を包み込んでいた重苦しい空気が、すっかり吹き飛ばされてしまったかのように、皆明るい顔をしています。

「ああ・・そっか・・気が重いな・・・」突然、皆に聞こえるように呟く清。

また昔みたいに、毎晩御贔屓筋に飲みに連れまわされるかと思うと・・久々に聞く清の自慢話。

若干呆れつつ、昔は鬱陶しいと思っていた自慢話を、常子も滝子も懐かしく聞くのでした。

そしてついに、ユーモア特集を載せた雑誌の発売日。

「いよいよですねえ・・この雑誌が書店に並ぶのは」机の上に積まれた雑誌の山から、一冊を手に取り感慨深げに見つめる常子。

パラパラとページを捲った常子は、花山の描いたカットを見つけました。

「どうだい?気分は?」愛おしそうにカットを見つめ続ける常子に、五反田が声を掛けます。

常子の提案が目玉企画になり、いよいよ今日雑誌が発売される・・「平常な精神じゃ居られないんじゃないかな」

五反田に言われるまでもなく、自分が平常ではないことは常子も自覚しています。

「心配ない・・必ず読者に楽しんで貰えるさ・・・」五反田のおかげで、少しだけ気持ちが落ち着いた常子。

そんなに不安だったら、僕がその手を握って・・と、どさくさ紛れに手を伸ばしますが・・・

「結構です!」徐々に五反田の性格を把握してきた常子は、するりとその手をかわしました。

「・・・だけど、社長遅いですね」ふと不安が過る相田。

取次店でも回っているのか・・五反田はさほど心配していませんが、次の瞬間、「大変です!大変です!・・大変です!!」

血相を変えて富樫が駆け込んできました。

常子にとっては昨晩見た光景・・「あ~、流行りの銭形平次ですね!騙されませんよ・・・」冗談としか思っていません。

「何言ってんだ・・・」息も絶え絶えの富樫は、とんでもない知らせを持ってきていたのです。

「社長が・・警察に捕まりました!」思いも寄らない話を聞き、常子は・・・

青柳商店では、清が持ってきた久々の大仕事に皆が沸き立ち、そして甲東出版では、常子の提案したユーモア特集を載せた雑誌が発売日を迎え、まさにこれからという時。

社長の谷が警察に捕まるという、最悪の事態が発生してしまいました。

やはりユーモア特集が、当局に睨まれてしまったのでしょうか?

好事魔多し、の例え通りピンチを迎えた常子ですが、雑誌の出版はどうなってしまうのでしょうか?

谷から採用を伝えられたときに、「一生懸命切り取ります!」と即答した常子ですが、まさか自分の考えたユーモア特集を丸ごと切る取るハメになるのでは・・・

そして、清が統制会社にいたおかげで、大きな仕事に恵まれた青柳商店ですが、そんなにとんとん拍子に上手く事が運ぶのか、疑問も残ります。

昔馴染みの客のために、良質な木材を用意した滝子ですが、裏ではかなり無理をしているのではないでしょうか?

さらに大きな仕事を引き受ける余力が、青柳商店に残っているとは思えません。

無理が祟って、大事な信用に傷をつけることにならなければいいのですが・・・

とと姉ちゃん12週69話の感想まとめ

立て板に水のごとく一方的に捲し立て、常子を追い返そうとする花山でしたが、一計を案じた常子によって挿絵を描かされることに。

才能に溢れ弁が立ち、そして面倒くさい花山とのやり取りを、どこか楽しんでいる風にも見えた常子。

挿絵を持って帰っていく常子を面白そうに見つめていた早乙女ですが、自分の描いた挿絵を素直に褒める常子に、興味を持ったのかもしれません。

一見順調そうに見えた常子の仕事ですが、社長の谷が警察に捕まるという思わぬ急展開に、波乱の予感が。

そして青柳商店でも、清が持ってきた久々の大仕事に、滝子も隈井も張り切っていますが、昔馴染みの客から請け負った仕事と上手く両立できるのでしょうか?

美子が滝子と交わした約束も、何やら不吉な伏線のように思えて仕方ないのですが・・・

以上、とと姉ちゃん12週69話のあらすじネタバレと感想でした!

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