とと姉ちゃん 10週60話のネタバレと感想

とと姉ちゃん 60話 ネタバレ

NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」10週60話のあらすじネタバレと感想です。

まずは10週59話の振り返りを少し。

武蔵からのプロポーズに喜びつつも、家族との板挟みに悩んだ常子は、滝子の元へ相談に訪れました。

そんな常子に対し、滝子は美子がこれまで稼いできた御駄賃を見せ、それが学費の返済に充てられていたことを教えてくれました。

てっきり、無駄遣いに使っているものと思い込んでいた常子は、酷いことを言って傷つけてしまったことを美子に謝罪、ようやく二人は仲直りを果たすことが出来ました。

そして、常子は改めて武蔵の元を訪れ、ポロポーズの返事をすることに。

「星野さん・・あたし・・今は結婚できません」家族を支えたい・・その思いが勝った常子に、理解を示しながらも、武蔵は・・・

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とと姉ちゃん 10週60話のあらすじネタバレ

武蔵の矛盾した思い

「今は結婚できません・・・」武蔵のプロポーズを断った常子。

「心のどこかで・・そう言われるのは・・分かっていた気がします・・・」うな垂れる常子に対し、武蔵は思いがけない事を口走りました。

その言葉の真意を測りかね、戸惑う常子。

武蔵は常子を送って、お寺の境内を並んで歩いています。

「本当のところ・・大阪に行くのが少し怖いんです」大阪の人は言葉が荒いので・・と、意表を突いたことを言い出す武蔵。

いつも怒られているような気がして、一人だと心細い・・何だか情けない言い分に、常子は思わず笑ってしまいました。

「まさか、それが理由で結婚したかったんですか?」ちょっと意地悪な質問をします。

慌てて否定し、「僕は真剣に常子さんの事を・・・」と、武蔵がおろおろする姿を見て、安心する常子。

武蔵も常子の笑顔をやっと見ることが出来た・・と、ひと安心です。

しばし会話が途切れ、やがて常子の方から口を開きました。

「あの・・先程・・心のどこかで断られる気がしてたって・・・」何故、武蔵がそんな風に思っていたのか、常子はずっと気になっていたのでした。

「恐らく・・僕が思いを寄せた常子さんは・・そうされると思ったからです」

矛盾するようにも聞こえる武蔵の答えに、常子の足が止まります。

自分の事は後回しにして、家族のために全力で走り回る常子だからこそ、恋をした武蔵。

「矛盾した話ですが・・つまり・・僕を選ぶ常子さんは・・僕の好きな常子さんではない」

武蔵の恋した常子ならば、結婚よりも家族を選ぶ、「そんな気がしていました・・・」と、伏し目がちに笑顔で答えます。

どう返事をすればいいか・・迷う常子に、武蔵が別れを切り出しました。

「遠く離れても・・常子さんと皆さんの幸せを、お祈りしてます」武蔵が話し終わると、少しの時間、沈黙が流れます。

「ありがとうございます」常子には、それだけ言うのが精一杯でした。

武蔵は常子をじっと見つめ、「さようなら・・お元気で」笑顔で声を掛けます。

さようなら・・常子が穏やかな表情で答えたのを見届けると、武蔵は一礼して去って行きました。

自分の隣を武蔵が通り過ぎるのを横目で見送り、歩き始める常子。

遠ざかっていく武蔵の気配を、背中に感じながら黙って歩く常子でしたが、ふと立ち止まり後ろを振り返ります。

そこにはもう、武蔵の姿はありませんでした。

常子は寂しそうな表情を浮かべ・・再び前を向くと家路につきました。

武蔵が常子に対して抱いた思いは、まさに矛盾したものでしたが、それ故に武蔵の真摯さがよく伝わってきたと思います。

常子も、武蔵が本当に真剣に悩んだ様子をみてとり、プロポーズを断ったことを後悔したのかもしれません。

しかし、もし受け入れていたら、武蔵は自分に失望したかもしれない・・そんな矛盾した思いを、常子も感じたのではないでしょうか?

お互いが矛盾した思いに苦しめられ、正解のない問いに真剣に向き合わねばならなかった・・二人は苦い思い出として、記憶することになるのでしょうか?

この経験が、常子と武蔵にとって成長の糧になってくれれば・・と思いますが、やはり、やりきれなさを感じずにはいられませんね。

二人とも最後まで取り乱すことなく、抑制的な表情と声で向き合っていましたが、むしろ内に秘めた思いの強さを感じさせました。

常子との思い出

重い足取りのまま、森田屋まで戻ってきた常子。

玄関のまで立ち止まると、少し戸惑い・・無言で中へ入っていきました。

台所では、君子と妹たちが食事の支度に取り掛かっていました。

「常子・・お帰り」廊下から三人をじっと見つめる常子の姿に気付き、君子が声を掛けます。

廊下でぼんやりとしたまま立つ常子を、まだ具合が悪いのかと心配する鞠子。

「平気、平気・・ごめんね、心配かけて」と、わざと明るく振る舞い、常子は三人のそばに歩み寄ります。

「・・・心配するのは当たり前、謝らなくていい」美子の言葉に、常子は笑って頷きました。

普通に話をしている常子と美子の様子を見て、二人の仲直りを知らなかった鞠子が、意外そうな表情を浮かべます。

「このマフラーもね、よっちゃんが編んでくれたのよ」ちょっと得意顔で、鞠子に自慢する常子。

私には?・・むくれた鞠子が美子に絡んでいますが、常子は構わずさっさと二階へ。

その様子を見つめる君子は、常子の様子に何か感じ取っているようです。

二週間後・・駅で友人たちの見送りを受ける武蔵。

「・・・皆さんもお元気で!」武蔵が頭を下げると、友人たちが口々に励ましてくれます。

汽車に乗り込んだ武蔵は、笑顔で友人たちに繰り返し頭を下げていますが、一方で、誰かを探す様にあちこち視線を動かしています。

席に座り、ぼんやりと窓の外に視線を移した武蔵は、常子との思い出を振り返っていました。

お寺の境内で出会った日のこと、手の怪我にハンケチを巻いてくれたこと、一緒に月を見上げたこと。

”いい夫婦になれるかもしれないですね・・・”プロポーズを断る直前の、常子の言葉。

色々な思い出が頭を過り、寂しそうな表情を見せる武蔵。

ふと、前の席を見ると、三人の親子連れが・・母親が子供の面倒をみている姿に、武蔵の表情が少しだけ緩みます。

再び窓の外に視線を移した武蔵は、河原に人影を見つけました。

立ち上がり、窓を開けて身を乗り出し、目を凝らした武蔵は、そこに一人で佇んでいるのが常子だと気付きました。

常子はじっと汽車の方を見つめています。

「常子さーーん!」学生帽を振り、大声で叫ぶ武蔵。

「常子さーーん!!」繰り返し何度も叫び続けます。

常子は穏やかにほほ笑み、汽車に向かってゆっくりお辞儀をします。

武蔵は汽車の窓から身を乗り出し、常子の姿を目に焼き付けるように、じっと見つめ続けていました。

やがて・・汽車が通り過ぎると、常子はゆっくりと頭を上げ、汽車の走り去った方に視線を移すのでした。

自分が恋した常子ならば、結婚よりも家族を選ぶはず・・そう思っていた武蔵でしたが、それでもやはり、簡単には割り切れない思いを抱えていました。

常子に語ったことは、あくまでも”理屈”であり、そして武蔵なりの強がりでもあったのではないでしょうか?

いつも理路整然として弁の立つ武蔵は、自分の考えを的確にまとめて見せたのかもしれませんが、やはりそれとは別に、断ち切れないものもあったのだと思います。

”いい夫婦になれるかもしれないですね・・・”常子のその言葉に、一瞬とはいえ思いが通じたと感じ、ずっと引っ掛かったままなのではないでしょうか?

そして、そんな武蔵を一人で見送った常子ですが、終始一言も発しないまま、穏やかな表情を崩すことはありませんでした。

汽車を見送る常子は、果たして何を思っていたのでしょうか?

常子の名前を大声で叫ぶ武蔵に、一言も答えなかったのは何故なのでしょうか?

無言を貫いたことが、はっきりとした決別の意思表示だったのかもしれません。

君子に抱かれ・・・

常子が森田屋に戻ると、台所では全員で仕込みの最中でした。

今、横浜あたりですかねえ・・もうとっくに過ぎてるでしょ・・浜松辺り?・・皆、呑気そうに汽車の旅に想像を膨らませています。

賑やかな台所を素通りし、常子はそのまま二階へ上がっていきました。

君子だけが、娘の様子がいつもと違うことに気付きました。

部屋に入った常子は仏壇の前に座ると、家族で撮った写真をじっと見つめています。

「常子・・・」娘の様子を心配した君子が、部屋に入ってきました。

「星野さんと・・何があったの?」出来るだけ穏やかに尋ねますが・・常子は何も答えません。

常子の隣に腰を下ろし、返事を待つ君子。

「結婚を・・申し込まれました・・・」長い沈黙の後、常子がようやく重い口を開きました。

娘の突然の告白に、君子も動揺を隠せません。

「でも・・お断りしました」常子は淡々と話し続けます。

「どうして・・そんな大事なこと・・今まで・・・」君子は驚きのあまり、やや非難めいた口調に。

「前にも言ったわよね・・あなたは、あなたのしたいように・・・」尚も君子が言葉を重ねていると、常子がゆっくりと振り向きました。

悲しげな眼差しで君子をじっと見つめ、やがて視線を落とすと、静かに話し始めました。

「私は・・・まだここに居たいんです」そう言うと、君子に向き直ります。

鞠子がこれからどんな小説を書くのか、美子がどんな大人になっていくのか、もう少し見守っていたい・・・

「とととの約束は関係ありません」小さく頭を振って否定します。

「はっきりわかったんです。私は今・・美子とも・・鞠子とも・・かかとも・・離れたくありません」

それが常子の幸せなのか?・・君子は今だ信じられない様子。

「はい」穏やかな笑顔で頷く常子でしたが・・・

「でも・・やっぱり星野さんとのお別れは・・辛いものですね」必死で涙を堪える常子。

無理に笑顔を作ろうとする娘を、君子がしっかりと抱きしめました。

「こうしていれば・・誰にも聞こえないね・・・」君子の言葉を聞き、常子は堪えていた涙が一気に溢れ出しました。

君子に抱かれたまま、声を上げ泣き続ける常子。

誰にも言えない苦しい胸の内を君子に明かし、常子はついに緊張の糸が切れてしまいました。

家族と別れたくない・・妹たちの成長を見守りたい・・という思いと、武蔵に魅かれる気持との板挟みで苦しみ続けた常子。

これで本当に良かったのか・・という思いはどうしても残ってしまいます。

いつまでも一人で抱え続けるには、辛すぎるこの思いを、一体どうすればよかったのでしょうか?

妹たちに心配を掛ける訳にはいかず、森田屋の人々にも話しにくい・・・

滝子は、一歩引いたところから、常子たち一家を見守る存在・・となると、常子の気持ちを受け止めてくれるのは、やはり君子しかいないのでした。

常子を重荷から解き放ってやりたい・・と願う君子ですが、果たして常子の告白をどう受け取ったのでしょうか?

やはり心のどこかで、家族に縛り付けている・・という後ろめたさもあるのかもしれません。

とと姉ちゃん10週60話の感想まとめ

「心のどこかで分かっていた気はします・・・」プロポーズを断られた武蔵の真意、それは常子に対する矛盾した思いでした。

自分の事を後回しにして駆け回る常子だからこそ、好きになった・・プロポーズを受けるようならそれは自分が好きになった常子ではない・・・

武蔵は、常子がプロポーズを断ってくれたことを、心のどこかでホッとした気持ちで受け止めていたのでした。

そして、分かれて別々の方向に歩き出した二人でしたが、振り返ったのは常子の方・・自分の決断を後悔していたのでしょうか?

河原に佇み、武蔵の乗った汽車を見送った常子の表情が何とも言えず、切なさを感じさせましたね。

以上、とと姉ちゃん10週60話のあらすじネタバレと感想でした!

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