とと姉ちゃん 13週77話のネタバレと感想

とと姉ちゃん 77話 ネタバレ

NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」13週77話のあらすじネタバレと感想です。

まずは13週76話の振り返りを少し。

突如小橋家に乗り込んできた三宅は、家中にある必需品以外の金属の供出を強要、さらには小橋家の家訓を目にし”非国民”呼ばわり。

家訓の額を乱暴に投げ捨てる三宅に対し、「・・・いい加減にしてください」ついに鞠子が怒りの声を上げ理路整然と反論すると、三宅もようやく引き上げるのでした。

その後、三姉妹の誕生祝のために用意した小豆でおはぎを作る君子でしたが、突然の空襲警報に避難を余儀なくされ、小豆は真っ黒に焦げて台無しになってしまいます。

悲しさと怒りで涙を堪えきれなくなった美子に、「嬉しくて泣けるときまで・・涙は我慢しましょう」そう言って諭す君子。

常子はその言葉に頷きますが、空襲で深川が焼野原になったと聞き、ほんの僅かな差で自分たちは生きているだけだという現実を思い知らされるのでした。

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とと姉ちゃん 13週77話のあらすじネタバレ

お竜との再会

配給所からの帰り道、空襲で焼け出された大勢の避難者に遭遇した常子は、その中にかつて自分を助けてくれたお竜の姿を見つけました。

「お竜さん・・?」信じられない・・といった表情の常子は、思わずお竜に駆け寄っていきました。

「お竜さん!・・あ・・あの、私です。昔、銀座で・・・」突然話しかけられ、怪訝そうな表情を見せるお竜。

しかし、「ビアホールで」という常子の一言を聞き、「ああ・・マフラーの!」ようやく思い出したようです。

常子は、お竜と弟の庸蔵、妹の和子の三人を家に連れ帰ってきました。

「それじゃ・・川崎の親類のところに?」お竜の傷の手当てをしながら、常子が尋ねます。

他に頼る当てもなく、妹たちと向かってたというお竜。

「この怪我も空襲の時に?」痛がるお竜の手首に包帯を巻きながら、再度尋ねるのですが・・・

「まあ・・そんなのところさ・・・」何やら仔細あり気な様子。

常子がお竜の手当てを続けるなか、美子と鞠子はお竜の妹たちの面倒を見てあげます。

「その節は、娘がお世話になったようで・・・」鍋の様子を見ながら、君子が頭を下げました。

お世話なんかしてないよ・・ちょっと照れ臭そうに答えるお竜。

「・・・よっちゃんがくれたマフラー無くした時もね、届けて下さったの」常子が改めて事情を説明します。

お世話になりました・・美子からもお礼を言われ、「もうよしとくれ」お竜はこんな雰囲気が苦手なようです。

「良かったら、召し上がって」君子が差し出したのは、僅かばかりの青菜が入った吸い物でした。

大したもの出せないけど・・謙遜する君子でしたが、空襲で焼け出されてから何も口にしていなかったお竜たちにとっては、何よりの御馳走でした。

目を輝かせたお竜は、妹たちがお椀に口を付ける様子を、安心したように見守ります。

「警戒警報が解除されて安心しきったところで・・急に始まったんだ、空襲が」

必至に妹たちに頭巾を被せ、防空壕に放り込んだお竜ですが、その直後、家に焼夷弾が落ちてきたというのです。

「とてもバケツなんかじゃ消せない火の海だった・・・」

このまま庭の防空壕に居たのでは焼け死ぬ・・そう判断したお竜は、妹たちを連れて逃げ出したのでした。

どこもかしこも酷い有様さ・・ポツリポツリと過酷な体験を話し続けます。

「火と煙と死体と悲鳴・・どこに行ってもそれが付きまとう」終いには何とも思わなくなっちまった・・自嘲気味に語るお竜。

常子には、黙って聞いている事しか出来ませんでした。

久しぶりに再会したお竜は、ビアホールで常子を助けた頃と比べ、見る影もなくやつれ果てていました。

空襲の恐怖に晒されながらも、幼い妹たちを守らなければならない責任感・重圧に押しつぶされ、すっかり心が折れてしまったかのようです。

昨夜の空襲で、第二の故郷ともいえる深川が焼野原になったことを知り、改めて生と死が隣り合わせの状況を思い知らされた常子。

さらに、空襲で焼け出された人々が列をなして歩く姿を目の当たりにし、そんな中で再会したお竜を一も二もなく助けるのでした。

かつての恩義に加え、やはり明日は我が身・・との思いが強く湧き上がって来たのではないでしょうか。

そして、お竜から過酷な空襲の体験を聞かされた常子は、まるで自分が体験したかのように、無力感に苛まれているように見えました。

或いは、お竜の過酷な体験に比べれば、自分の払った犠牲は小豆を焦がしただけ・・というある種の罪悪感もあったかもしれません。

いずれにせよ、常子の中に暗い影を落とすのでした。

女なんて弱いもんだ・・暗く沈むお竜と常子

その夜、お竜たちは小橋家に一晩泊めてもらうことになりました。

「じゃあ・・庸蔵君はお姉ちゃんと一緒に寝よっか!」自分よりも小さい子の世話を焼くのが楽しいのか、美子がお姉さんぶっています。

しかし、我慢できず庸蔵と一緒になってはしゃぎ回る美子・・結局は鞠子が皆をまとめて布団を敷くことに。

「あと何年続くんだろ・・・」楽しそうな妹たちを見つめながら、お竜が呟きました。

戦争さ・・隣で食器を片づけていた常子に、不安な気持ちを打ち明けます。

「あの子たちだって・・いつか兵隊にされて・・どっか、遠くに行かされる日が来るんじゃないかって・・・」

そう思うと・・言葉を詰まらせたお竜は、涙を見られまいとするかのように、飛び出して行きました。

常子が後を追って外に出てみると、お竜は近くの石段に腰掛け、うな垂れていました。

「お竜さん・・・」常子は隣に腰掛け、じっと横顔を見つめます。

「おっかないんだ・・去年の空襲で・・父親が死んだんだ・・・」声を震わせながら、お竜が打ち明けました。

「あたいまで死んじまったら、弟や妹は・・そう考えるとおっかないんだ」精神的に、ギリギリまで追い詰められているお竜。

常子は、そんなお竜にそっと身を寄せます。

常子も、焼け出された人たちを見て、同じことを考えていました。

「私たちもいつどうなるか分からないって・・明日、焼夷弾が降って来るかもしれないって・・・」

もしそうなったら、何としてでも自分が家族を守らなければ・・・

「あたいだって・・守れるもんなら守ってやりたいよ・・・」憔悴しきった声で、お竜が答えます。

ここに来るまでに、庸蔵と和子に何か食べさせようと、やっとの思いで、食べ物を恵んで貰ったお竜でしたが、途中で奪われてしまったのでした。

「男の二人組だったね・・力ずくでやられたよ・・・」悔しさを滲ませるお竜。

腕の怪我も、その時に負ったものでした。

「酷い・・・」あまりに無法な話に、常子はやりきれない思いを感じました。

「今まで男に負けないつもりでいたけど・・本気でこられたたら・・とてもじゃないが太刀打ちできない」

「女なんて弱いもんだ」自分一人で妹たちを守ってやれるか・・お竜は、すっかり自信を失っているのでした。

二人が家に戻った時、部屋の中ではみんなが楽しそうに笑い合っていました。

「・・・お布団も敷かずに、何話してたの?」常子に尋ねられ、大きな声では言えないけど・・と、前置きして答える美子。

「戦争が終わったら何をしたいか・・って話」楽しそうな話題に、常子はお竜の妹たちに尋ねてみました。

お姉ちゃんに連れて行ってもらった上野の動物園に行きたい・・二人とも揃って同じ答え。

「・・・いくらでも連れてってやるよ」笑顔で答えるお竜に、大喜びの庸蔵と和子。

鞠子の願いは好きなだけ小説を書くこと、美子は可愛い洋服をいっぱい作って着たい・・と楽しそうに話します。

「お姉ちゃんは?」和子がお竜に尋ねますが・・「あたいは・・特に無いよ」戦争が終わってくれれば十分、お竜は苦笑いしながら答えました。

”戦争が終わってくれれば・・・”その言葉を噛み締めるように、皆黙って頷きます。

「最後はとと姉」話を振る鞠子。

少し考え、「私は・・やっぱり雑誌作りかな・・・」それが常子のやりたいことでした。

みんなが戻ってきたら好きな雑誌を作ろう・・五反田との約束を思い返します。

「女の私でも自由にやりたいこと考えて、それを実現する雑誌をやりたい」”やりたい”ばかりだけど・・と思わず苦笑い。

常子が雑誌作りの仕事をしていると知り、驚くお竜。

「この雑誌です」どうぞ・・美子が雑誌を渡すと、お竜はパラパラと捲って見ていましたが、すぐに小さなため息と共に閉じてしまいました。

興味がなかったのか・・ちょっとがっかりした常子でしたが・・・

お竜は口ごもり、何か言いかけるものの、庸蔵と和子がぐずり始めてその場はお開きに。

―――その夜、常子はなかなか寝付くことが出来ませんでした

もし自分が生き残り、戦争が終わる日を迎えることが出来たなら・・自分のやりたいことが出来る雑誌を作りたいと、本気で思い始めていたのです。

戦争が終わったら何をしたいか・・もしも三宅の耳にでも入ったら、どんなことになるか分からない、ある意味で恐ろしい話題。

それが初めて会った者同士、屈託なく楽しそうにおしゃべりに興じる様子が、平和の尊さを思わせます。

きっと無邪気なお竜の妹たちが、美子か鞠子に尋ねたのではないでしょうか。

いくら幼さの残る美子でも、さすがに最近では三宅の執拗な圧力のせいもあって、そういった話題は口にしにくいように思えます。

夜遅くまで見回りを続ける三宅の事を考えれば、なおさらです。

そう考えると、お竜たちを泊めたおかげで、美子たちもずい分と救われた思いがしたのではないでしょうか?

言いたいことを言えない世の中で、この夜みんなで”戦争が終わったら”という話しで盛り上がったことは、少なからず美子たちの心にも影響を与えたと思うのですが・・・

そんな中で気になるのは、あまりに無力な自分に悔しさを滲ませ、妹たちを守り切れるかどうか、自信を失っているお竜の存在。

”戦争が終わってくれれば・・・”というセリフからは、いかにも全ての希望を失っている心の内が垣間見えます。

しかしそのお竜が、常子の雑誌作りへの思いに触れたことで、何か変化しつつあるようなのですが・・・

もしも戦争が終わったら・・・

―――翌朝・・目を覚ますと、お竜と妹たちの姿はありませんでした

慌てて外に出て、常子が三人を探していると、「おはよう」背後からお竜が声を掛けてきました。

振り返ると、そこには妹たちと共に家の前を掃除するお竜の姿が。

泊めてくれたお礼に・・笑って答えるお竜でしたが、常子はてっきり黙って行ってしまった・・と思っていたのでした。

「そんな失礼なことするもんかい・・あたいを誰だと思ってんだよ」苦笑いするお竜。

その後、起きてきた美子と鞠子は、庸蔵と和子の遊び相手になってあげています。

お竜は・・妹たちの楽しそうな声を聞きながら、浮かない表情で雑誌のページを捲っていました。

そこへ、「お竜さん!」常子が話しかけてきました。

西の方は電車が走っているそうなので、川崎まで行くには渋谷まで行くといい・・調べてきた電車の運行状況を伝えます。

「そろそろ出ようかと思ったんだけど・・こいつが目に留まってさ・・・」手に持った、薄っぺらな雑誌を示すお竜。

これはなんて題名だい・・隣に腰掛けた常子に尋ねます。

お竜は、漢字が読めませんでした。

子供のころから母親がおらず、学校にも行かず、家の手伝いや妹たちの面倒を見てきたため、「カナは何とか読めても漢字はさっぱり・・・」

事情を察した常子は、「これは・・”新世界”という雑誌です」短い沈黙を挟んで、お竜に題名を伝えます。

”新世界”か・・噛み締めるように呟くと、お竜は昨夜の”戦争が終わったらやりたい事”の続きを話し始めました。

「あの後考えたんだけど・・あたいは戦争が終わったら、いろんなことを知りたいね」どこか吹っ切れたような表情のお竜。

読み書きだけでなく、普通の人が当たり前のようにしていることを知りたい・・・

「あんたが羨ましいよ・・あんたは、あたいが知らないことをたくさん知ってんだから」常子を真っ直ぐ見つめ、語りかけます。

しかし、今まで家族のためにお金を稼ぐことに必死だった常子は、お竜が思うほど多くを知っている訳ではありません。

「私も、知らないことがいっぱいあって、知りたいことや見たいことがまだまだたくさんあるんです」

そうか、あんたも一緒か・・真っ直ぐ見つめ返す常子に、お竜が笑いかけました。

そしてお竜は、妹たちを連れて去って行きました。

去り際に振り返ると、名残惜しそうに見送る常子たちに向かって、深く頭を下げます。

―――この時、お竜と語り合ったことこそが、戦後の常子を大きく動かすことになるのです

まだまだたくさんの事を知りたい・・そんな思いをぶつけ合った常子とお竜。

どうやらこの事が、常子の戦後における雑誌作りの方向性を決める、重要なカギになるようです。

この時代には満足に教育を受けられず、自分の人生を自由に選べない女性の方が多かった訳で、常子はそんな状況を変えたい・・と、明確に考えたのではないでしょうか?

そして改めて、自分たちがきちんと教育を受けさせて貰えて、恵まれていたことに思い至ったはずです。

こっそりと援助しようとしていた滝子、必死で働いて学費を稼ごうとした君子、勉強を教えてくれた親友の綾、その他多くの人々の支えがあっての自分。

もし平和な時代がやってきたら、今度は自分が女性のための雑誌を作って恩返ししよう・・そう思ったのかもしれません。

これでようやく、五反田からの”宿題”に答えを見いだせた常子。

心配なのは、甲東出版の人々が無事に戦地から戻って来れるかどうか、なのですが・・・

とと姉ちゃん13週77話の感想まとめ

お竜との再会が常子にもたらした変化・・どうやら常子は、雑誌作りに本気で取り組む事を考え始めたようです。

空襲の恐怖に怯え、もし自分が死んだら弟や妹を誰が守るのか・・不安に押しつぶされそうなお竜を見て、他人事に思えない常子。

ですが、妹たちが”戦争が終わったら何をしたいか・・って”と、無邪気に語り合う様子を見て、改めて自分の夢を思うのでした。

重苦しい雰囲気が漂う展開が続く中、戦後に向けて少しだけ明るい兆しが見えてきたのではないでしょうか?

まだまだ、色々な困難が立ちはだかりますが、常子が一つ一つの問題をどう乗り越え、雑誌作りに向かっていくのか今から楽しみになりますね。

以上、とと姉ちゃん13週77話のあらすじネタバレと感想でした!

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