とと姉ちゃん 13週78話のネタバレと感想

とと姉ちゃん 78話 ネタバレ

NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」13週78話のあらすじネタバレと感想です。

まずは13週77話の振り返りを少し。

空襲で焼け出された避難者の中に、かつての恩人・お竜の姿を見つけた常子は、家に連れ帰り傷の手当てをしてあげました。

「とてもバケツなんかじゃ消せない火の海だった・・・」空襲の恐怖を語り、もし自分が死んだら妹たちは・・不安に苛まれるお竜を見て、改めて戦争の悲惨さ・理不尽さを思う常子。

しかし、そんな二人をよそに美子や鞠子、お竜の妹たちは”戦争が終わったら何をしたいか・・・”と、無邪気に夢を語り合います。

その姿を見て、”みんなが戻ってきたら好きな雑誌を作ろう”という五反田との約束を思い出し、常子は改めて女性のための雑誌作りへの思いを強めました。

そしてお竜も・・常子の思いを聞き、”戦争が終わったら、いろんなことを知りたい”、そんな思いが芽生えるのでした。

⇒13週77話のあらすじを詳しく読む方はこちら

⇒13週のネタバレをまとめて読む人はこちら

とと姉ちゃん 13週78話のあらすじネタバレ

敗色濃厚になる中・・・

―――激しい空襲が続き、全国民の衣食住その全てが戦争の犠牲となった毎日・・・

沖縄の地上戦でも多数の死者を出し、日本の敗色はもはや決定的。

そんなある日、まるで魂が抜けたように呆然自失の三宅が、町を彷徨い歩いていました。

「おはようございます」家の前で掃除をしていた常子が声を掛けますが・・虚ろな表情のまま、通り過ぎて行ってしまいます。

―――隣組の組長・三宅の元に息子の戦死を伝える知らせが届いたのは、桜が満開に咲き誇る頃でした。

昭和二十年初夏・・鞠子は栄養失調のせいで体調が思わしくなく、首回りの湿疹に悩まされていました。

痒みを抑えようと、常子にパウダーをはたいてもらいます。

「よっちゃん・・そんな顔しないでよ・・・」いかにも痒そうな光景を見て顔をしかめる美子に、口を尖らせる鞠子。

鞠子の具合を気に掛ける常子ですが・・体の怠さは収まらず、「・・・またこんなに抜けた」髪を少し触っただけでごっそりと。

「栄養が足りてないだけよ」精のつく物を食べれば、すぐに良くなる・・慰める常子ですが・・・

美子も心配しますが、この時代に栄養のある食べ物などそうそう簡単には手に入りません。

「かかなら知ってるかも」常子に言われ、君子の元へと小走りに駆けて行く美子。

「かか・・何か食べ物・・・」美子は玄関をガラッと開けて、表に居る君子に話しかけました。

ですが、君子は近所の主婦・工藤せつと話し込んでいることろでした。

「美子!」君子に注意され、ばつの悪そうな顔で美子が謝ります。

配給だけではとても足りない状況に、「仕方ないわよねえ」と笑って見せる工藤。

育ち盛りだもの・・と完全に誤解している工藤に対し、「私じゃなくて・・姉に何か栄養のある物は無いかと」美子がか細い声で答えます。

蜂の子が良いらしい・・と勧めてくれる工藤ですが、続けて気になることを。

「でも・・この間の警報で盗られちゃったみたいで・・・」しかし、一体何のことなのか、話しが呑み込めない君子。

「あら・・小橋さん!知らないの?・・流行ってんのよ!」一体何が・・美子が訪ねると・・・

「泥棒!?」一家で粗末な食事を取りながら、美子の話を聞き、常子が驚きの声を上げます。

空襲警報で防空壕に避難している隙に、家に上り込んで食べ物などを盗む犯罪が、最近横行しているらしいのです。

敵は米英だけじゃないってことか・・憤りを覚える鞠子。

用心のため、食べ物を何処かに隠さなければ・・と思う常子でしたが、「食べ物だけならいいけど・・・」美子がポツリと呟きました。

泥棒に入る様な相手と、もし鉢合わせするようなことになったら、何をされるか分からない・・美子が口にした懸念に、鞠子までも不安になるのでした。

「・・・そんな顔しないでよ・・もし誰か来ても、こっちは四人いるんだから・・大丈夫よ!」敢えて強気に振る舞う常子でしたが・・・

隣組の組長という権威を笠に着て、極めて高圧的に常子たちに当たり散らしていた三宅。

常子たちを怒鳴り散らす姿が、あれほど憎らしいと思っていたのに、息子を失って彷徨う姿には憐れみを禁じ得ません。

思うに、戦争の理不尽さや悲惨さ、ひたすら坂道を転げ落ちて行くかのような、この時代の象徴のような人物でした。

初めの方だけ威勢が良く、次第に苦境に陥るなかで余裕を失って行き、やがてぽっきりと心が折れてしまう。

硬直化した国家組織や、重苦しい時代の空気が服を着ているような三宅は、日本の敗色濃厚となる中で、最も大切なものを失ったのでした。

一方の常子たちは、どうやって日々の暮らしを凌いで行くかに必死です。

小橋家では、栄養状態の悪化から鞠子が体調を崩しているようです。

優等生の鞠子らしく、一家の大黒柱である常子と、育ち盛りの美子のために我慢が過ぎてしまったのでしょうか。

家族を支えるため、自分に何が出来るか考えた末にそんな選択をしたのだとしたら、何だか悲しい気がしますね。

鉄郎との再会

―――その日は、本を借りに来る客は一人もいませんでした

常子が早めに出版社を閉め、家路を急いでいた時の事。

突如、空襲警報が鳴り響き、常子は急ぎに急いで家までたどり着くと、勝手口の戸を勢いよく開きます。

「かか!」そこでは既に、君子が頭巾を被って、庭の防空壕に避難しようとしているところでした。

「常子!急いで!」君子に急かされ、そのまま防空壕に駆け込む常子。

―――再び市街地にB29による爆撃が始まったのです

警報がけたたましく鳴り響く中、狭い壕で身を寄せ合う四人ですが、鞠子の呼吸が荒く、常子は気掛かりでなりません。

その後・・日が落ちて辺りがすっかり暗くなってからも、中々警報が解除されませんでした。

防空壕の中では、小橋家の四人がまんじりともせず、不安を抱えたまま息を潜めています。

「もう平気かな・・ずい分立ったよね・・・」ポツリと呟く美子。

もう少しの辛抱よ・・君子が娘たちに言い聞かせます。

「でも・・このままだと・・脱水症状起こして・・・」美子が言いかけた時でした。

「しっ!」何かの物音を聞いた常子が美子を黙らせ、外の気配に神経を研ぎ澄ませます。

不審に思った美子が、「音って・・空襲の?」そう尋ねますが・・どうやら違うようです。

ほら・・常子に促され、三人が耳を澄ませるとザッ・・ザッ・・ザッ・・と、外から足音が。

「誰かいるの?」怯えたように尋ねる鞠子。

もしかして泥棒では・・最悪の想像が頭を過る美子でしたが、常子は認めたくありません。

「じゃあ誰よ?」泣きそうになる美子の言葉に促されるように、常子がそっと戸を開け、外の様子を窺います。

隙間から見えたのは、明らかに男性の足でした。

「誰か・・男の人・・・」常子の言葉に、防空壕の中に緊張感が走ります。

やっぱり泥棒・・怯える美子たちを宥め、常子が再び戸の隙間から外を覗くと・・・

ザッ・・ザッ・・ザッ・・男がゆっくりと、防空壕に向かって歩いて来ていました。

「こっち来る!」男に聞かれぬよう、声を落として緊急事態を告げる常子。

そして慌てて身を寄せ合う四人。

お互いの手をしっかりと握りしめる中、常子はお竜の言葉を思い出していました。

「男の二人組だったね・・力ずくでやられたよ・・女なんて弱いもんだ・・・」

正体不明の男がに怯える妹たちを、常子がしっかりと抱き寄せます。

恐怖のあまり、思わず目を瞑る常子。

やがて防空壕の戸が開かれる気配に、そっと目を開けてみると・・・

「叔父さん・・・」そこには、気楽そうな笑みを浮かべる鉄郎の姿が。

久しぶり・・呑気に声を掛ける鉄郎に、一気に力が抜ける四人。

「早く出て来いよ」鉄郎に促され、立ち上がろうとする常子ですが・・「・・・こ・・腰抜かしてしまって」一人では動けないのでした。

その後、家の中に入った常子たちは、鉄郎が注いだ水を飲んで、ようやく一息つくことが出来ました。

空襲の恐怖と、防空壕の中の蒸し暑さで四人とも疲弊しきっていたのです。

「ま・・みんな生きていて安心した」ホッとしたように頷く鉄郎。

「叔父さんも・・御無事で何よりです」安心したのは常子も同じでした。

鉄郎が常子たちの前に姿を見せるのは、練り歯磨の一件以来のこと。

「しっかし大きくなったなあ・・美子」しみじみと話しかけます。

対して、「叔父さんは老けましたね」チクリと痛いところを突く美子。

俺みたいな苦労人は人より早く老ける・・相変わらず口の減らない鉄郎ですが、「叔父さんの苦労は身から出た錆でしょ」鞠子からさらにキツイ一言が。

そんなやり取りを見て、和やかな笑いに包まれる小橋家。

「あ!そうそう!」思い出したように、鉄郎がリュックをを差し出します。

「このお野菜!どうしたんです?」中を見た君子が驚きの声を上げました。

事業がことごとく失敗し、知り合いの農家で手伝いをしていた鉄郎は、その分の食べ物を貰っていたのでした。

さらに、「卵がこんなに・・・」リュックの中を覗いた美子が気付き、目を見張っています。

これで鞠子も栄養をたくさん取れる・・「ありがとう叔父さん!」先程と打って変わって、鞠子も素直に感謝します。

「いいってことよ・・数少ない身内なんだから・・・」若干照れくさそうな鉄郎。

心配だから、しばらくここに居てやろうかな・・風来坊の鉄郎が、意外な事を言い出しました。

もう歳だから今更兵隊に引っ張られる心配もないし、男手があった方が何かと便利だろう・・・

こんなご時世だけに、君子はもちろん歓迎しますが、「いいんですか?」常子はちょっと信じられない、といった様子。

「頼まれたら、断れねえ性質だからよお・・・」鉄郎は気取った返事を返します。

しかし、「そんな事言って・・他に行く当てがないんじゃないですか?」鞠子に突っ込まれ、「まあ・・それもあるな」あっさり認めるのでした。

―――この混乱した世の中で、男の人が家庭にいると安心出来ることを、常子は実感したのです

小橋家が食糧難に苦しみ鞠子が体調を崩す中、これまで幾度となくトラブルを引き起こしてきた風来坊の鉄郎が、満を持しての再登場となりました。

たくさんの野菜に加え卵まで持参して、常子たちにとっては、さながら救世主のように思えたのではないでしょうか。

国による統制が強まる時代の中で、どこをどう彷徨っていたのか気になりますが、一筋縄ではいかない苦労があったはず。

それでも昔と変わらず飄々として口の減らないあたりが、いかにも鉄郎らしく思えて、戦争が人々の心から余裕を奪う中にあって、安心感を覚えます。

それでも寄る年波には勝てず、幾分弱気になった面もあるのでしょうか?

もう歳だから今更兵隊に引っ張られる心配もない・・と冗談めかして言っていましたが、そろそろ何処かへ腰を落ち着けたいと、案外本気で思っているのかもしれません。

ともかく、小橋家に当面厄介になることになったようですが、最初に防空壕の中に居る常子たちを見つけた際に、ちょっと悪戯が過ぎた気もします。

本気で恐怖におののき、互いの手を握りしめ震えていた常子たちの事を思うと、どこかでお仕置きが必要な気もしますが・・・

玉音放送

―――毎日不安を感じていた常子たちは、鉄郎が来てから・・少し・・気持ちが楽に過ごせるようになりました

何処で覚えたのか、ちょっとした料理の腕前を披露したり、防空壕の中でも皆を落ち着かせたり、巻き割りの手本を見せたり・・・

意外なほど存在感を示し、常子たちを安心させる鉄郎。

―――二カ月が過ぎた頃・・八月六日、広島に・・九日には長崎に原子爆弾が落とされ、次は東京ではないかと恐怖に震えていました

しかし、その一方で・・これで戦争が終わるかもしれない・・という噂も。

昭和二十三年八月十五日、家の雨どいの修理をする鉄郎を常子が手伝っていると、「小橋さん」背後から誰かが声を掛けてきました。

常子が振り返ってみると、まるで憑き物が落ちたような三宅が立っていました。

「正午にラジオを聞くように・・重大発表があるそうだ」短く用件だけ伝え、去って行く三宅。

狐につままれたような表情で、それを見送る常子でしたが・・・

―――世界ノ大勢ト帝國ノ現状トニ鑑ミ非情ノ措置ヲ以テ時局ヲ収拾セムト欲シ・・・

「よく分からないんだけど・・・」難解な漢語調のラジオ放送に、美子が音を上げます。

「負けたんだ・・・」鉄郎がポツリと呟くと、隣の常子が驚いて顔を向けました。

常子がじっと見つめていると、「日本は負けた」再び呟く鉄郎。

だから戦争は終わりだ・・唐突に突き付けられた敗戦という現実に、言葉を失う小橋家の四人。

町内では、組長の三宅のもとに集まった人々が、玉音放送を聞きながら肩を震わせていました。

「日本はどうなるの?」不安そうな面持ちで美子が訪ねます。

「アメリカの軍隊に占領されちゃうのよ・・・」沈んだ表情で答える鞠子。

そんな二人の会話を聞いてた鉄郎でしたが、「ま、なるようになるだろう・・・」そう言って、再び雨どいの修理に取り掛かるのでした。

気楽な人・・やや呆れ気味の鞠子に対し、不安で堪らない美子は、常子の気持ちを確かめようとしますが・・・

―――常子の胸の中で、二つの気持ちがせめぎ合っていました

常子は突然立ち上がり、やかんから湯のみに水を注いで、ごくごくと飲み干します。

戦争に負けた悲しみと、戦争が終わった喜びとが交錯するものの、やがて結論に達します。

結果として不謹慎だとは思いつつも・・「よーし・・出来る!出来るわよ!!」叫びながら、妹たちに抱き着く常子。

―――これからはやりたい雑誌をようやく作る事が出来るかもしれない・・その喜びが体中を駆け巡ったのです

その頃、花山伊佐次は内務省で同僚らと共に、思いつめた表情で玉音放送にじっと耳を傾けていました。

ようやく戦争が終わり、これまでの苦労を顧みて複雑な思いを抱きながらも、いかにも常子らしく、すぐに前を向いて進み始めるのでした。

対して、これから常子と共に雑誌作りに取り組むことになる、花山の深刻そうな様子が気に掛かります。

花山のモデルとなった花森安治は、戦意高揚の国策広告に携わり、”欲しがりません 勝つまでは”などの標語の採用に関わっていました。

花森安治はそのことについて、ずっと責任を感じていたようです。

そんな背景があるだけに、花山もこれから常子とタッグを組むまでに、何かと紆余曲折があるのではないでしょうか?

一方の常子は・・今はただ、やりたいことが出来る!という希望的観測と、やる気に満ち溢れていますが、雑誌作りの前にまずは、戦後の混乱の中で日々の暮らしを安定させねばなりません。

なるようになるだろう・・気楽に構える鉄郎は、常子の力となってくれるのか?それとも足を引っ張ることになってしまうのか・・・

色々な不安要素もある中で、いよいよ常子の戦後が始まります。

とと姉ちゃん13週78話の感想まとめ

ようやく戦争が終わり、喜びを爆発させる常子・・敗戦を知った直後に不謹慎と言えば不謹慎ですが、猪突猛進の常子らしい気もしますね。

長く暗い戦争の時代が終わり、これからやっと自分が作りたい雑誌を作れる!そんな思いが溢れる常子ですが、まだまだ苦難の時は続きます。

それはさて置き、久しぶりに常子たちと再会した鉄郎ですが、食糧難の時代に野菜や卵まで手土産に持ってくるとは、中々のお手柄。

事業の才能には恵まれていないものの、強かに生き延びていた様子が感じられ、何だか妙な安心感を覚えました。

貴重な男手が加わり、幾分不安も和らいだ常子ですが・・そこは風来坊の鉄郎だけに大人しくしているはずはない、と思うのですが・・・

以上、とと姉ちゃん13週78話のあらすじネタバレと感想でした!

⇒14週79話のあらすじネタバレはこちら

⇒13週のネタバレをまとめて読む人はこちら

⇒とと姉ちゃん各話のあらすじネタバレ&感想の一覧

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ