とと姉ちゃん 14週84話のネタバレと感想

とと姉ちゃん 84話 ネタバレ

NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」14週84話のあらすじネタバレと感想です。

まずは14週83話の振り返りを少し。

闇市で紙を仕入れ、雑誌・”スタアの装ひ”の完成に向かってまい進する常子たちは、上がってきたゲラ刷りを確認中。

一方で五反田は久しぶりに花山と会い、常子が家族を養うために、自分で出版社を起こしたことを話していました。

昭和二十一年七月、ついに雑誌を完成させた常子は甲東出版に持ち込み、谷や五反田に意見を求めますが・・文芸誌一筋の彼らには「よく分からない」のでした。

一応、五反田から「可愛げのある雑誌」との評価を得た常子が、闇市で初版・三百部を売り出すと瞬く間に完売。

強気の鞠子に押され、増刷した一千部を再び闇市に持ち込んだ常子たちでしたが、そこで見たものは・・・

⇒14週83話のあらすじを詳しく読む方はこちら

とと姉ちゃん 14週84話のあらすじネタバレ

大量の類似品

「とと姉ちゃん・・ちょっとこれ見てよ!」常子が店先に”スタアの装ひ”を並べていると、隣の店の前で美子が何かを見つけた様子。

一体何事か・・と常子たちがそばに行ってみると、そこにはタイトルも表紙のデザインも明らかに”スタアの装ひ”を真似た、多くの雑誌が並んでいました。

「何よこれ・・・」鞠子が絶句していると、そのうちの一冊を君子が手に取り、「”スタアの洋服”、ずい分似た本ね・・・」と呑気な事を。

きっと真似したんです・・鞠子の説明に君子が驚いていると、「そうだろうね・・売れたって噂になった本は、すぐ似たような本が出るから」店の主人が事もなげに言ってのけました。

”スタアファッション”、”スタアの着物”、”スタアの彩り”、”ファッションは装ひ”・・「敵も考えるわね」唸る鞠子。

「これなんて酷いですよ」そう言って美子が差し出したのは、”装ひのスタア”・・逆さにしただけのタイトルに、もはや意味の分からない三姉妹。

「真似されるなんて・・光栄じゃない?こっちが元祖なんだもの・・自信持って、売りましょ!」励ます君子でしたが・・・

四人は声を張り上げ通行人に売り込みますが、皆素通りしていきます。

「いかがですか?”スタアの装ひ”・・これさえあれば・・・」君子が必死に通行人に声を掛けますが、既に似た雑誌を買ったと相手にされません。

”元祖”であることをアピールするものの、反応は冷ややか・・それどころか”七円”という値段を聞いて、「高いわね~!」と憤慨される始末。

四人は呆然と見送るしかありませんでした。

―――ひと月たっても、増刷した”スタアの装ひ”は僅かしか売れていませんでした

「全部で七百十六冊・・ほとんど残っちゃったね・・・」ため息をつく鞠子。

初版の三百冊は完売したものの、真似されるようになってからは、ぱったりと売れなくなってしまったのです。

「・・・それだけじゃありません・・私の、管理の甘さのせいです」常子は悔やんでいました。

安くするために仙花紙を選んだものの、品質が悪いためすぐにボロボロに。

「悪評も取っちゃったし・・二冊目を売るのは一冊目の時よりも大変だと思う」なかなか妙案は浮かびません。

商売はそんなに甘くなかった・・「立ち止まるなら・・今しかないんじゃない?」鞠子は、かなり弱気になっていました。

次に失敗すれば、いよいよ資金が無くなってしまいます。

厳しい現実を前に、四人が黙り込んでしまったところへ、鉄郎が戻ってきました。

ところが・・「じゃあな」すぐに荷物をまとめて出て行こうとします。

訳が分からず動揺する常子たち。

「すぐ舞鶴へ行かなきゃなんねえんだ・・・」何と、新しいビジネスのために東京を離れるというのです。

ジーンズで一山当てる、と言っていたのはどうなったのか・・四人とも困惑しています。

「そのつもりだったんだけどよ・・・」失敗しちまった・・とぼやく鉄郎。

仕入れのために大金を払った後で、進駐軍の元締めがMPに捕まってしまったのでした。

大儲け出来そうだったのにな・・深いため息をついた鉄郎は、「そいつも売れる時に・・値引きしてでも売りつくした方がいいぞ」振り返って雑誌を見つめます。

複雑な表情で”スタアの装ひ”に視線を向ける常子。

「今、舞鶴は・・引き揚げ船の港として賑わってるらしい・・そこで、今度こそ・・一旗揚げてやる」鉄郎はへこたれません。

しかし常子は、鉄郎に借りていた資金の事が気に掛かります。

「いいよ・・今返して貰ったら、次の本が作れなくなるだろ」諦めないでもう一度出せ・・三姉妹に向け、再び挑戦するよう促す鉄郎。

「当分東京には戻らねえ」鉄郎は、舞鶴の本屋にも置かせてもらえるような雑誌を作ってくれ・・と言い残し、去って行きました。

知的所有権に厳しい現代では考えられない事態ですが、やはり常子たちの考えが甘かった・・ということになってしまうのでしょうか。

客の側も元祖だろうが類似品だろうが、そんなことには頓着せずとにかく安い方に流れる、今の時代にもそんな国は少なくありませんが。

しかし、事業が失敗したのは安価な類似品を大量に作られたせいばかりではなく、常子の品質管理にも問題があったのでした。

粗悪な仙花紙は僅かひと月余りでボロボロに・・もし滝子が聞いたら、激怒しそうな話ですね。

滝子や森田屋のまつから学んできた、商売にとって大事なこと・・目先の利益に捕らわれず信用第一にやっていく、ということが疎かになっていたようです。

やはり、初めて自分で本格的に事業を立ち上げたことで、色々と余裕がなかったのだと思います。

そして、追い打ちをかけるように鉄郎がジーンズのビジネスに失敗し、小橋家を去ることに。

やはり、まだ若い常子たち三姉妹にとって、何だかんだ言いながらも鉄郎の存在は大きな支えだったのでしょう。

不安気に見送る三姉妹と君子の姿が、この先の困難を暗示しているかのようで、若干不安も覚えますが・・・

鉄郎と再会するまでに、常子が出版事業を立て直すことが出来るのか、まだまだ困難な展開が待ち受けていそうですね。

鉄郎が去り・・・

「何だかんだ言って・・いないと寂しくなるね」ポツリと呟く鞠子。

この一年、叔父さんがいて心強かった・・美子はやや不安そう。

「そうね・・男の人がいるのといないのでは、違ったのでしょうね・・・」君子は改めて振り返ります。

常子は・・鉄郎が出て行った玄関をじっと見つめたまま、立ち尽くしていました。

「常子!」君子が声を掛けても微動だにしません。

「どうしたの?」鞠子が声を掛けると、少し間をおいて振り向き、今度は三人の方をじっと見つめています。

そして、不意に三人のそばにつかつかと歩み寄ると、「あと一冊・・頑張ってみない?」覚悟を決めたように、切り出しました。

「もう後はないけど・・やるだけやってみよう」妹たちに向かい、真剣な表情で訴えます。

鞠子と美子は・・互いに顔を見合わせ笑顔になると、「うん」常子に向かい二人揃って頷きました。

「うん」そんな二人を見て、コクコクと頷く常子。

再びやる気を取り戻した三姉妹を見て、「頑張りましょう!私も・・何でも手伝うからね!」君子も気持ちを新たにするのでした。

その頃花山は、闇市をあてどなく一人でふらついていました。

ふと立ち止まり、店先に視線を移すと、そこには何冊もの雑誌が売られています。

―――あの娘・・自分で出版社を作るそうです・・”スタアの装ひ”だったかな・・・

五反田の言葉を思い出した花山は、店の主人に”スタアの装ひ”を扱っていないか尋ねてみました。

「・・・ええ・・どこだったかな・・・」首を捻っていた主人は、思い出したように地面の上の本の山を探し始めます。

「何故そんなところに置いてある?」不審に思う花山。

値段は高い、紙の質は悪くすぐにボロボロになる・・噂が広まり全く売れなくなった”スタアの装ひ”。

主人はもう引き取ってもらうつもりでした。

「あんた・・買うのかい?」ようやく見つけ出した雑誌を花山の前に差し出し、主人が尋ねます。

花山は険しい表情のまま、代金の七円を支払いました。

一方常子は、古巣の甲東出版に相談に訪れていました。

「そうか・・そんなに売れ残ったのか・・・」散々な結果を聞き、さすがに驚く谷。

そして、「小橋君・・申し訳ない」何故か唐突に、常子に向かって頭を下げます。

「もう新しい奴を雇ってしまったんだよ・・・」谷は、事業に失敗した常子が甲東出版に戻りたがっている、と思ったようです。

「あ・・いや・・あの・・そういう相談ではなく・・・」常子が慌てて否定します。

常子は、あくまで二冊目を作るうえでの助言を求めて来たのでした。

「あ・・そういう事?」勘違いに照れ笑いを浮かべる谷でしたが、「そういう事か・・・」すぐにまた深刻そうな表情に戻りました。

そこへ五反田が現れ、「この前も言ったけど・・女性向けの雑誌は、僕らも詳しくないからね・・・」と、谷に代わって常子に答えます。

もう失敗できない常子は、何でもいいんです・・と食い下がるものの、女性目線の雑誌など皆目分からない谷。

「我々の目から見たら、悪くない誌面の気がしたんだけど・・・」相田が話に加わります。

「我々の目が、社長によって培われたものだし・・ねえ・・・」自虐的に笑う富樫。

俺が悪いのか?・・富樫の言い方に、むっとした谷が声を荒げます。

「餅は餅屋ってことですよ」富樫と相田は、慌てて谷を宥めるのでした。

どうせ助言をもらうなら別の人が・・相田の言葉に力なく頷く常子を、何か言いたげに見つめる五反田でしたが・・・

「あと一冊・・頑張ってみない?」常子も簡単には諦めない性格だけに、妹たちと共に最後の力を振り絞ろうと、決意を固めます。

やはり、鉄郎の「諦めないでもう一度出せ」という言葉が効いていたのでしょうか?

普段はあまり信用していない、どちらかというと若干小馬鹿にした態度を取ることの多い常子たち三姉妹ですが、やはり家族としての信頼が根底にあるのかもしれません。

常子の頑張りを信じ、舞鶴へと旅立っていった鉄郎に恥ずかしい報告は出来ない・・という気持ちもあると思います。

しかし、自分一人の知恵では再起は難しいと感じた常子は、谷や五反田たちに相談を持ちかけます。

初版を見せた時の反応から、常子も多くは期待していなかったと思いますが、他に頼る当てもない常子。

何とかベテランらしい助言を谷に期待するものの、甲東出版に小さな波風を立てただけに終わってしまったのでした。

そう都合よく分かり易い解決策がポンッと出てくるものではなく、常子は落胆しますが、谷にも多少は人脈があってもよさそうなもの。

勿論、文芸誌と女性向け雑誌で全然畑違いですから、多くは期待できませんが・・・

「あの人に相談してみろよ」五反田が告げた名は?

「ありがとうございました」一礼し、甲東出版を後にする常子。

トボトボと家路を歩いていると、「常子君!」五反田が追いかけてきました。

「あの人に・・相談してみろよ・・・花山伊佐次!」会ったことあるだろう・・五反田に言われ、常子は記憶を辿ります。

「あ・・あの、内務省に居た方ですよね」常子は、すぐに思い出しました。

―――帰れ邪魔するな・・帰れ邪魔するな・・三度も言わせるな!!!

「そう、その花山さん」強烈な印象を残す花山の事を思い出し、苦笑いを浮かべる常子を見て頷く五反田。

あの人どうも苦手で・・若干腰が引けている常子に、「いや・・まあ・・正直な人なんだよ」五反田が何とか取り持とうとします。

常子は、花山のことを挿絵を描く”だけ”の人物と思っていましたが、元々は帝大新聞の編集長だったのでした。

「うちの編集長がへそを曲げると厄介だからさっきは言わなかったんだけど・・・」と断ったうえで、五反田が話を続けます。

絵も文章も編集の力量も、業界では有名だったという花山は、その手腕を見込まれ内務省からお呼びが掛かったのでした。

しかし・・それでもなお、苦手意識を持つ常子は尻込み。

「確かに・・行動は自分本位だし、発言は歯に衣着せぬので、傷つけられることも多いよ」

苦手意識に関しては、むしろ五反田の方が上のようです。

「でもね・・あの人の女性への目線は、男性から女性を見た視点ではなく、どことなく・・女性側の視点で見ている気がするんだ」

常子の知らない花山の一面を、熱心に語る五反田。

花山の書いた文章や挿絵からそんな匂いがする・・未だ半信半疑の常子に、五反田がさらに花山の才能を持ち上げます。

「確かに・・あの方の挿絵は好きですけれど・・・」常子は、なかなか踏ん切りがつきません。

そんな常子に対し、「きっと・・君の作ろうとしている雑誌を、より良くしてくれるはずだ」と、五反田は花山の家の住所を書いた紙を手渡しました。

いま一つ気が乗らない常子ですが・・・

一方で花山は、闇市で手に入れた”スタアの装ひ”に目を通していました。

パラパラとページを捲る花山ですが、仙花紙で作られた雑誌は既に中身がボロボロ。

そんな事とは知らない常子は、家に戻るとかつて花山に描いて貰った挿絵を引っ張り出して、改めてじっくりと見つめています。

机の上には、五反田にもらった花山の住所が書かれた紙が。

挿絵から花山の住所に視線を移した常子は、何か決断したように不意に顔を上げ・・・

”女性の視点”で女性を見ることの出来るという花山を、強く常子に推薦する五反田。

確かに、常子が作ろうとしている”女の人の役に立つ雑誌”をより良くするためには、欠かすことの出来ない人材です。

果たして五反田は、どこから花山と常子を結び付けようと考え始めたのでしょうか?

学生時代から先輩・後輩としての付き合いのある五反田だけに、常子が甲東出版を辞めることを告げた時に、二人の存在が漠然と頭の中で結びついたのかもしれません。

とは言っても、常子は花山に相当な苦手意識を持っているようで、当初は微妙な反応に終始します。

一枚の挿絵を貰うだけで、相当面倒な駆け引きを繰り広げただけに、あまり関わりたくない・・と思うのも当然ですが。

しかし、花山に描いて貰った挿絵を、”可愛らしくて可笑しみもある、素敵な絵”と感じた常子。

やはり、その才能に惹かれ始めているようです。

とと姉ちゃん14週84話の感想まとめ

明らかに”スタアの装ひ”を真似て、なおかつ安い他の雑誌が乱立し、加えて粗悪な仙花紙を使ったせいで、すぐにボロボロになる・・と悪評が立って窮地に陥る常子。

大量の在庫を抱え途方に暮れる常子を残し、鉄郎はジーンズのビジネスがダメになったことで、今度は舞鶴に向かい再起を図ろうとします。

「諦めないでもう一度出せ」三姉妹にそう言い残し、小橋家を出た鉄郎・・常子はその言葉に奮起するのですが・・・

次週はいよいよ、常子が崖っぷちの出版事業の立て直しを賭け、花山を編集長に迎えるべく直談判することに。

苦手意識を持ちながらも、その挿絵に魅力を感じる常子ですが、自分本位で歯に衣着せぬ花山を説得するのは、一筋縄ではいきそうにありません。

猪突猛進がどこまで通用するのか・・常子が知る”花山の過去”とは一体?

以上、とと姉ちゃん14週84話のあらすじネタバレと感想でした!

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