とと姉ちゃん 15週90話のネタバレと感想

とと姉ちゃん 90話 ネタバレ

NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」15週90話のあらすじネタバレと感想です。

まずは15週89話の振り返りを少し。

常子たち三姉妹を前に、”スタアの装ひ”に次から次へと大きなバツ印を付けて行く花山でしたが、さすがにその指摘は的確な物でした。

動きが無く正面から見た挿絵ばかり描く美子や、小説のように抒情的な文章を書きたがる鞠子も、不満を抱きながらもこれまでの事を反省します。

そして常子は、いよいよ次号に向けての作業を始めようとするのですが、「一番の問題点が解決してない」と言って花山は帰ってしまいました。

衣服に関する雑誌で「服よりもまず大事な物」が何なのか・・考えあぐねる常子でしたが、水田の言葉がヒントになってそれが”下着”だと気付くのでした。

洋服用の下着を持っていない人のため、その作り方を説明する記事を載せた”スタアの装ひ”第二号は、想像以上の反響を呼び・・・

⇒15週89話のあらすじを詳しく読む方はこちら

⇒15週のネタバレをまとめて読む人はこちら

とと姉ちゃん 15週90話のあらすじネタバレ

花山の忠告

「おかげさまで・・すべて売り切れました」花山への報酬が入った封筒を差し出し、常子がはずんだ声で報告します。

対して花山は、「増刷してもすぐに売れるだろう」と涼しい顔で答えました。

「色々と・・ありがとうございました」常子が改めて丁寧に頭を下げると、君子たちもそれに倣います。

ところが、「約束は守った・・後は、自分たちでやるんだな」花山はいたって淡泊な態度。

これからも花山に編集長を続けて欲しい常子ですが、「”一度だけ”という約束のはずだ」とつれない答えです。

「私も鞠子も美子も・・花山さんに一から雑誌作りを教えて頂きたいんです!」尚も食い下がる常子。

美子も鞠子も懸命に頼み込みますが・・・

「私はもうペンを握らない・・今回は君たちを見守るだけだった」花山の心は動きません。

常子は、次号も同じように見守って欲しい・・と願うものの、「本気で関わるとなるとそうはいかん!」若干苛立ちを見せる花山。

「だったら本気で関わって下さい!」思わず声を上げた美子に、花山が視線を向けました。

「花山さんが・・本気で関わりたいと思う本作りを、私たちにも携わらせて下さい!」真摯な表情で訴えます。

ですか・・「すまないが・・そのつもりはない」そう言うと、花山は報酬の入った封筒を手に立ち上がりました。

小橋家を出る花山を見送るために、常子は表に出てきました。

「常子君・・ひとつ忠告しておくが・・今のままでは、すぐに売れなくなるぞ」振り返った花山が声を掛けます。

理由を尋ねる常子に対し、「真似されて売れなくなるのは経験済みだろ」と、もっともな答え。

そうならないためには、一朝一夕には真似されない本を作るしかない・・対策はそれしかありません。

常子は期待を込めて、「そういう本を作るのであれば、編集長を引き受けて頂けるんですか?」そう尋ねますが・・・

「そんな事は言っとらん!」ソッポを向く花山。

こんな時代だからこそ、伝えなくてはいけないことがあるはず・・「だが実際には作れんよ」と否定的な考えを示します。

「そんな金の掛かる雑誌・・・」自嘲気味にフッと笑うと、花山は行ってしまいました。

その夜、花山は友人の長澤に連絡することに。

「やっと、一区切りついた・・そちらの仕事に参加させて頂くよ・・うん・・では・・月曜に・・よろしく」

花山は電話を切ると、三枝子に背広とネクタイを出しておくよう頼みました。

しかし、「あ・・みんな食糧に換えてしまったので無いんです」困惑気味に答える三枝子。

謝る三枝子でしたが、責められるものではありません。

曖昧な返事をして茶の間を出ようとする花山に、「本当に・・もう挿絵や文章は書かないおつもりですか?」三枝子が問い掛けました。

「もうペンを握らないという方が・・あんなに綺麗に筆記用具を・・・」そう言うと、きちんと整頓された花山の机に目を向けます。

「ただの習慣だ」淡々と答える花山を、三枝子が少し寂しそうに見つめていました。

一方の常子は、黙々と家事に勤しむ家族を見つめながら、花山の言葉を思い返していました。

―――こんな時代だからこそ、伝えなくてはいけないことがあるはずだ・・・

―――だが実際には作れんよ・・そんな金の掛かる雑誌・・・

じっと考え込んでいた常子ですが、フッと何かに気付いたようです。

動きが無く服の良さを伝えられない・・と自分の挿絵を酷評された美子ですが、「本気で関わって下さい!」と花山に必死に頼み込んでいたのは、少し意外でした。

常子が花山の才能を必要としているのは、出版事業を成功させなければならない・・という責任感あってこそのものと思いますが、美子の熱心さの理由は何でしょうか?

三姉妹の父・竹蔵が亡くなった時、最も幼くあまり記憶の無い美子は、どこかで父親的な存在を求めているのかもしれません。

竹蔵とはまるで正反対の激しい性格の花山ですが、毎日の暮らしの大切さを思うあたりが、美子の中で結びつくのではないでしょうか。

それはさて置き花山は、こんな時代だからこそ、伝えなくてはいけないことがある・・と思いながらも、実現するための壁の厚さ考え、どこか腐っているように見えます。

常子たちの誘いに素直に応じられないのも、小手先の技で一時的に売れる雑誌を作ったとしても、先が見えないことに気付いているからかもしれません。

そんな花山を心配する妻の三枝子ですが、その思いは夫に通じているのでしょうか?

常子の答え

翌日、常子はバラックの街並みの中を駆け抜けていました。

その一方で花山は、少し離れた場所を長澤たちと共に歩いています。

「花山!この辺り一帯だ・・事務所が入るビルの建設予定地は」長澤の話に、花山が驚きの声を上げました。

「ちょっと待ってくれ・・そうなると、ここに住んでる人たちはどうなる?」

長澤が指し示した場所の周辺には、戦災で住む家を失った多くの人々が、バラックを建てて住みついていました。

「余所に行ってもらうしかないな・・国が進めていることだ、仕方ない」平然と答える長澤。

「立ち退かせるのか?空襲で焼け出されて・・行き場がない人たちだぞ」長澤の冷たい言い方に、花山は幾分不快感を覚えたようです。

「仕方ないだろ・・こいつら勝手に住み着いてるんだ・・出て行けと言われて文句を言える立場じゃない」

長澤が仲間に呼ばれ行ってしまうと、取り残された花山は所在無げに辺りを見回します。

そこへ、「なあ、あんた・・煙草・・持ってないか?」一人の男が話しかけてきました。

「いえ・・私は吸わないので・・・」申し訳なさそうに答える花山に、男が改めて尋ねてきます。

「あんた・・陸軍さん?・・それとも海軍さん?」男の質問の意図を図りかねる花山。

戸惑う花山に、「どうなってんだ!今の戦局は!」真顔で迫ってきました。

戦争はもう終わったじゃありませんか・・冗談かと思って答える花山でしたが、「戦争が終わった・・勝ったのか?」尚もしつこく食い下がる男。

いい加減面倒くさそうに、「負けたんです・・何をいまさら」花山が吐き捨てた途端・・・

「嘘をつくな!日本は神国だぞ・・神風が吹くんだ!負けるなんてこと・・絶対にあるか!!分かってんのか!!」

花山に掴みかかり、男は一方的に捲し立てると、今度は突然笑い始めます。

「日本国・・万歳!!万歳!!万歳!!」明らかに様子のおかしい男を、周囲の人々は慣れた様子で宥め、連れて行ってしまいました。

「悪いな」そのうちの一人が花山に声を掛けてきました。

「あいつ・・まだ戦争が終わってない・・って思ってんだよ」そう言って事情を明かしてくれました。

戦地で息子を亡くし、空襲で妻と娘も亡くし、全てを失って耐えてきたにも関わらず、「ある日突然・・はい負けました・・じゃあ・・・やりきれねえよ」

たとえ戦争に勝ったとしても、妻や子供たちと引き換えに何が残るというのか・・そう言い残し、去って行きました。

一人残された花山は、しばし考え込み・・近くのガラクタの中にあった壊れた鍋を手に取りました。

花山が穴の開いた鍋を見つめていると、「花山さん」いつの間にかそばに常子の姿が。

三枝子に花山の居場所を聞き、やって来たようです。

「何のようだ?」立ち会った花山が尋ねます。

「答えが・・何となくわかったんです・・花山さんが仰っていた、”誰にも真似されない雑誌”」

花山を真っ直ぐ見つめ、常子が答えました。

「衣服だけでなく、衣食住にまつわるすべての中で、毎号・・私たちが大切だと思う物を調べて・・・」

実際にその生活の知恵を実験してみて、体験したことを読者に伝える。

「皆さんの生活が、今日よりも明日と、少しでも豊かになるような雑誌」それが、常子のたどり着いた答えでした。

黙って聞いていた花山でしたが、「ああ・・そんな雑誌を作ることが出来たらと・・このところ考えていたんだ」同じ考えを持っていたようです。

しかし、そんな雑誌を作ろうと思ったら、多くの資金が必要になります。

「何もかも、実際に作ったり試したり・・そんなことが出来る訳がない」実現するには多くのハードルが。

夢みたいな雑誌だ・・諦めを口にする花山に向かって、「出来ますよ!私となら!」そばに駆け寄り、声を上げる常子。

「根拠はありません・・でも・・私が、花山さんと一緒にやってみたいと思ったんです・・それだけです」

出来ます・・と言い切る常子に花山が疑問をぶつけますが、返ってきたのはそんな答えでした。

ちょっと拍子抜けした花山に対し、尚も常子が説得を続けます。

「それに、花山さん仰ってたじゃないですか・・何よりも優先して守るべきだと思い込んでいたものが、間違っていたと気付かされたと・・・」

花山は、じっと常子の話を聞いています。

今も戦争が続いているという妄想に取りつかれたまま、全てを失った男を見て、花山は何を思ったのでしょうか?

恐らく終戦直後には、過酷な現実を受け入れられないままの、同じような人々が数多くいたのだと思います。

戦地で息子を亡くし、空襲で妻と娘も亡くし・・そんな話を聞きながら、自分の妻と娘の事を考えていたのかもしれません。

目の前の男と自分との運命は紙一重、一歩間違えれば自分もこの男のようになっていたのかもしれない・・そう思ったとしても不思議ではありません。

そんな花山の前に現れた常子は、”誰にも真似されない雑誌”の答えにたどり着いていました。

図らずも自分と同じ結論に至った常子を見て、花山は少しだけ希望を見出したのではないでしょうか。

普通に考えれば、根拠のない自信を振りかざし、決断を迫る常子の言葉に乗る訳にはいきません。

花山には妻の三枝子や娘の茜を守っていく責任があるのですから、多少不愉快な気分になったとしても、このまま友人の長澤の事業を手伝うのが正解のように思えます。

ですが、常子は諦めることなく”何よりも優先して守るべきだと思い込んでいたものが、間違っていた”、との花山の発言を引き合いに、尚も食い下がります。

常子の話を黙って聞いている花山ですが、もしかしたらこの時点で既に答えを出していたのかもしれません。

毎日の暮らしこそ・・・

「だったら・・もう間違えないようにしませんか?」花山を真っ直ぐ見つめる常子。

花山は少し考えた後、「私は戦争中・・男には・・毎日の暮らしなどよりも、もっと大事な物があると思い込んできた」心境を吐露し始めました。

「・・・思い込まされてきた・・しかしそんなものはなかったんだな・・・」

毎日の暮らしを犠牲にしてまで、守って戦うものなど何もなかった・・毎日の暮らしこそ、守るべきものだった・・・

”毎日の暮らし”・・花山のその言葉に、共感を覚える常子。

「人間の暮らしは・・何ものにも優先して一番大事なものなんだ・・それは何ものも犯してはならない」

たとえ戦争であっても、人間の暮らしを犯してはならない・・花山は、そのことがようやく分かったのでした。

「もし・・豊かな暮らしを取り戻すきっかけとなる雑誌を作れるのなら・・・」

花山の言葉に勢い込んだ常子は、「私となら・・必ずできます!」すかさず駆け寄り、断言しました。

「始めましょう!新しい雑誌作りを!」目を輝かせ、懸命に訴える常子の姿を見た花山は、手に持ったままの壊れた鍋を見つめ、人々の暮らしに思いを致します。

「あの二人は何をしている」不意に、花山が口を開きました。

「え?・・あ・・鞠子と・・美子ですか?・・たぶん・・今、家で・・・」唐突な質問に常子が戸惑っていると・・・

「馬鹿者!一瞬たりとも遊ばせとくんじゃない!四六時中雑誌の事を考えさせておけ!」

いきなり怒鳴りつけると、全く明日からが思いやられる・・そう言って歩き出しました。

予想外の急展開に、常子はなかなか追いつけません。

「君は家族思いだから・・孝行娘の手伝いをしてやるだけだ!・・君らのためにペンを握ってやる・・・」

照れ隠しのように、取ってつけたような理由を挙げる花山。

「ありがとうございます!本当に嬉しいです!」常子は若干涙ぐんで見えます。

「終戦の日以来・・初めて他人の・・それも・・女性の言葉を信じて見たくなったんだ!」

最初、常子から目を逸らしていた花山でしたが、最後には何故か常子を真っ直ぐ睨み、怒鳴りつけていました。

感極まった常子は、「・・・でしたら、私も人生を掛けます」涙を堪え、宣言します。

「私も、自分の人生のすべてを掛けて・・新しい雑誌を作ります」常子の意気込みを受け、なぜか笑い出す花山。

「・・・分かった・・よろしくな、常子さん」いきなり”さん”付けで呼ばれ、照れ笑いを浮かべる常子ですが、「君は社長だ・・”君”という訳にはいかんよ」

しばし”常子さん”という言い方をかみ締め、「よろしくお願いします・・花山さん」と、決意を新たにする常子でした。

―――こうして・・常子と花山の、人々の暮らしを豊かにするための雑誌作りが始まったのです

「毎日の暮らしこそ、守るべきものだった」という花山の言葉は、”当たり前にある日常”を大切にする竹蔵の姿と重なります。

花山の心の中にある考えに触れ、自分の選択は間違っていない・・と、常子は確信したのではないでしょうか。

終戦の日を境に、それまで自分が正しいと思い込まされてきたものが間違いだった、と気付いた花山。

そんな花山だからこそ、常子だけでなく美子も強く惹かれるものを感じたのかもしれません。

さて、照れ隠しかどうか分かりませんが、「一瞬たりとも遊ばせとくんじゃない!」と、かなり厳しい言い方の花山ですが、その性格からして言った以上は実行に移すはず。

しかし、一方で三姉妹の末っ子・美子は、かつて君子から鉄郎と同じにおいがするとまで評された、要領のよさがあります。

以外にしたたかに、花山の事を振り回す・・なんてこともあるかもしれません。

これから花山と三姉妹の、どちらがペースを握って雑誌作りを進めていくのか、色々と駆け引きもあるのでしょうか?

厳しい場面も出てくるかもしれませんが、そう言った部分も含めて楽しみになりますね。

とと姉ちゃん15週90話の感想まとめ

花山は、戦争に全てを狂わされた男を見て、”毎日の暮らしこそ、守るべきものだった”と改めて思ったのかもしれません。

さらに何処までも諦めず食らいついてきた常子が、花山の決断を後押しする格好でいよいよ二人の雑誌作りが始まります。

「四六時中雑誌の事を考えさせておけ!」と、これからのスパルタ教育を思わせるセリフも飛び出し、素人三姉妹が耐えられるのか、若干の不安も。

常子はこれから社長として、今までとは違う苦労も経験することになりそうですが、甲東出版の谷あたりが良い相談相手になってくれそうです。

それにしても、お世辞にも素直とは言えない花山の性格は、確実に今後の波乱要因になりそうですが、三姉妹は上手くやって行けるのでしょうか?

以上、とと姉ちゃん15週90話のあらすじネタバレと感想でした!

⇒16週91話のあらすじネタバレはこちら

⇒15週のネタバレをまとめて読む人はこちら

⇒とと姉ちゃん各話のあらすじネタバレ&感想の一覧

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ